授業の終わった俺は昼休み、セイバーと共に食堂へ向かっていた。
いつも使っていた食堂は破壊され臨時休業になってしまっているので、あまり入ったことのない建物の学食へ入ってみた。
「お腹すいたなー。……セイバーさん、何か奢ろうか?」
「えっ、いえ、大丈夫ですよ。サーヴァントは魔力供給だけで生きられますから」
「いいよ定食くらい。とりあえず座ろ」
「は、はい……」
セイバーさんが小さく頷くと、ついてくる。
窓際のテーブルが空いていたのでそこにカバンを置いた。
ここの食堂はガラス張りで、講義終わりに道を歩いている学生が窓の外に見える。
すると、誰かが走っているのが見えた。
「あれは……?」
セイバーさんがその窓の外を見つめながら言った。
走っている男性を見ている。俺も、その人には見覚えがあった。
「あれって、昨日の」
緋咲さんと一緒にいた人だ。
名前は確か……
「シンジさん!」
俺は窓の外に向けて手を振った。
それに気づいてこっちを見たシンジさんが、「おお!」と反応を返してれた。
また学校で何をしているんだろう。
シンジさんが駆け寄ってくる。そして、俺に用があったらしく食堂の入り口の方にまたかけて行ってしまった。
「サーヴァントが一人で、何をしているんでしょうね」
セイバーさんが聞いてくる。
「さあ」
俺も首を傾げた。
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間森とセイバーを見つけたシンジは、急いで二人がいるテーブルに駆け寄った。
「間森くん!」
彼の前まで走っていくと、息を整える。
「どうしたんですかシンジさん?!」
セイバーが間森を守るように少し前に出る。
「ちょっとね。あれ、昨日のバーサーカーの子は?」
「今はクロノスと一緒に行かせてます」
「へぇ、そうなんだ」
二人で話していると、セイバーが険のある目つきでシンジを睨みながら言った。
「何をしているんですかシンジさん。私のマスターがここにいたら、殺されていますよ」
セイバーの忠告に気づかされたようにシンジはハッとした。
「そうだった! 大変なんだ! 緋咲さんが!」
「えっ?」
シンジは間森を連れて走り出していた。
「ちょっと来て!」
どこかへ行こうとする二人に、訳も分からずセイバーはついて行った。
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