Fate/Scramble   作:DF946

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自分のクラスは何だろう

 緋咲が手を伸ばす。

 

 シンジはその手を取ると、立ち上がった。

 

「死ぬかと思った……。ごめん、ありがとう」

 

 シンジが服の砂を払う。

 

 緋咲がそれを見ながら、腰に手を当てながら不満を洩らした。

 

「本当はサーヴァントがマスターを助ける役目があるんだけど」

 

 そんな事を言われても、とシンジは頭を掻いた。

 

「いい? わかってると思ったけど、私が死んだらおしまいなんだからね。あなたはいくら傷ついても魔法で直せるし、あなたが死んでもマスターさえ残っていれば、まだ聖杯戦争を続けられるんだから」

 

「いやいや! 俺が死んだら俺が終わりだって!」

 

「あなたは死んでもいいじゃない。もう死んでるんだから」

 

 シンジは一旦考えて、聞き返した。

 

「………………えっ?」

 

 緋咲も何が「え?」なのかわからずに、聞き返していた。

 

「え?」

 

「いや、え? じゃなくて。もう死んでるって、どういう事なの??」

 

「だってあなたは英霊なんだから、過去か未来で死んだ人の魂なんでしょ?」

 

「えっ……ちょっとまって」

 

 シンジは視線を外すと、頭を抑えて考えた。

 

 理解が追いついていない。

 

「だから、あなたは幽霊なのよ。前世がどんな人だったのかわからないけど。まさか自分が死んだ事まで忘れちゃってたなんてね」

 

「まじで……?」

 

(そんな……。まさか。……俺が死んでいたなんて)

 

 シンジはあまりのショックに頭が混乱しているのを感じた。

 

「ミリアのサーヴァントがアーチャーだったし、あなたはアーチャーじゃなさそうね。バーサーカーにも見えないし。なんなんだろう」

 

 緋咲の言葉がシンジの頭を上滑りしてゆく。

 自分が本当に闘わされる為だけに召喚され、緋咲のお陰で現界しているだけなのだと実感する。

 

「ミリアも事故現場を探っていたって事は、犯人はアーチャーじゃないのかも。もう少し探ってみる必要がありそうね」

 

 

 

 シンジが頭にこめかみに両手をあてて、固まったまま動かなくなっている。

 

 

「……シンジ。どうかした? 次のところに移動するわよ」

 

「あ、うん。……はい」

 

 死んでいた事はショックなのに、生前の未練も何も思い出せない……。

 シンジは何か分からない複雑な気分になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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