ポケットモンスタードールズ   作:水代

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なにやってんだって?
毎年恒例のお茶濁しだよ(


カロス編予告(っぽいもの)

 

 

 

 

 

「本当に良いのかい?」

 青いシャツの上から白衣を羽織った男性、プラターヌの言葉に金髪の少女が頷く。

「はい、この子に決めました」

「…………アォゥ」

 少女の腕の中で身を縮込めながら短くオレンジ色の毛色の狐のようなポケモン、フォッコが鳴く。

 その言葉に、プラターヌは一瞬目を閉じ。

「…………そうかい、新しい子が欲しくなったら、いつでも言ってくれ」

 再び目を開くと、少女にそう告げる。そしてプラターヌのそんな言葉に、少女が一瞬むっとなり。

「分かってくれ…………キミのためでもあり、そしてこの子のためでもある」

 プラターヌが少しだけ顔を伏せ、少女の腕の中のフォッコを見つめながら呟いた言葉に、少女が黙する。

 少女が視線を落とした先で、フォッコが卑屈そうに身を縮め、また一つ鳴く。

 少女が苦笑し、フォッコに頭を撫でる。

 

「難しい旅になるだろう、苦しい旅になるだろう、きっと傷つくこともあるだろうと思う。それでも、キミたちは行くのかい?」

 

 プラターヌのそんな問いに。

 

「はい」

「アォゥ」

 

 短く、端的に、けれど即答した。

 ふう、とため息を一つ、プラターヌが吐き出し。

 

「そうかい、ならばキミたちの旅の無事を祈ろう。そしていつでもまたここにおいで。私はいつでもキミたちの力になるから」

 

 言葉と共に、少女へとソレを差し出す。

 

「ポケモン図鑑…………このカロス地方のポケモンのほぼ全てのデータを網羅した完成版だ。受け取ってくれたまえ」

 

 差し出されたポケモン図鑑を少女が手に取り。

 

「それじゃあ、行ってきます、博士」

「ああ…………頑張って来たまえ、セレナ君」

 

 そうして少女、セレナはフォッコと共に旅立つ。

 

 その先に待ち受ける、苦難も、艱難も、困難も、まだ彼女たちは知らない。

 

 期待は…………無かった。

 

 それでも。

 

 希望は確かに、そこにあった。

 

「行くよ、フォッコ」

「アォゥ!」

 

 セレナの言葉に、フォッコが短く鳴き。

 

 そうして二人は旅立った。

 

 それがトレーナーセレナの始まり。

 

 だからこれはその余談に過ぎない。

 

「…………行きましたね」

「行ってしまったね」

 

 プラターヌの立つ玄関のやや後ろの通路から一人の少年が現れる。

 歳の頃は、先ほどの少女セレナと同じくらいだろうか。黒く短い髪と青縁の眼鏡が特徴の少年。

「キミはまだ行かないのかい?」

「ボクも、そろそろ」

 少年の言葉に、プラターヌはそうかい、とだけ呟き。

 

「ケロマツ」

 

 呟く少年の声に。

「ルォ」

 少年の足元で、水色の蛙のようなポケモン、ケロマツが鳴く。

「ボクたちも、そろそろ行こうか」

 少年がそっと手を差し出せば、ケロマツが一つ頷き、ぴょん、とその手に乗る。

「もし…………もしも彼女が道中迷うことがあるならば」

 そして自身たちも旅だとうとする少年たちに、プラターヌが思わずと言った風に口を開いた。

「その時は、導いてやってほしい…………他ならない、キミだからこそ」

 プラターヌの言葉に、少年が数秒黙し。

 

「…………はい、その時は、必ず」

 

 微笑し、足を進める。

 

「……………………ああ、ありがとう」

 

 そんな少年の背に、プラターヌがそう呟き。

 

「いってらっしゃい、シキ君」

 

 少年、シキへそう告げた。

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

――――この指一つ。

 

【罪の破片】シキ。

「キミにしてあげたかったこと、たくさんあったはずなのに、今はもう思い出せないや」

 

――――照らす灯。

 

【弱者の牙】シッコク団。

「ワレワレは、その強さに反逆する」

 

――――私は探し。

 

【強欲にして高慢なる黒の王】ブラック。

「オレガ、シッコクダンノオウ、ブラック、ダ」

 

――――やがて見つけ出す。

 

【始まりの一】プラターヌ。

「全てここから始まったんだよ。何もかも…………この場所からね」

 

――――眩い輝き。

 

【理想を目指す者】フラダリ。

「フレア団こそが、美しき世界を創るのだ」

 

――――私の希望。

 

【王者】カルネ。

「カロス十万の頂点。その全てを知りたいと言うならばかかってきなさい」

 

――――闇を打ち払う輝き。

 

【■■■■■】■■■■■。

「ならば、こわしてしまえばいい。ぐちゃぐちゃに、ぶちまけて、はじけさせて、まぜてしまえばいい。あとは■■■■■がなんとかする。わたしはただ、こわすだけ、ただ■■のいうとおりにこわすだけ、それだけ」

 

――――希望の灯。

 

【指先の灯】セレナ

「私のこの指先が希望を示す。だから信じて。私も貴女を信じるわ」

 

 




と言うわけで、カロス編はセレナちゃんとシキくん(♂)の主人公二人でやってく感じ。
群像劇風に3、4人主人公作ろうかと思ったけどいきなり多人数は難易度高いので、まずは2人から。
前も言ったかもしれないけど、カロス編は基本的にまともな戦闘は少な目。と言うかセレナちゃん視点だと戦闘ありって感じ。
色々オリ設定やオリキャラも多いので、割と構想長く練ってる感ある。
唸れ、俺の中二ちから。

なんで予告こんな中二っぽいのって言われたら、昔書いたメガテンの予告参考にしたからかなあ(





と言うわけでお知らせ。

年末年始は仕事とても忙しいので更新できません(じゃあこれなんだよ、お茶濁しだよ)。
多分二週間くらいは更新できない気がする(多分)ので、一応報告。

この二行のためだけに予告作った気がする…………活動報告でいいじゃんて?

うるせえ(

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