A.ならば小説を書け!
Q.先生、グレイシアちゃんが可愛すぎます。
A.ならば小説を書け!
Q.先生! シャンデラちゃん可愛すぎて愛が止まらないよ!
A.いいから黙って小説を書け!!!
因みになんのネタか分かったら、同士。
まあ冷静に考えて、街中で子供(ショタ)襲う髭面親父(マイファザー)と言う絵面。
どう考えても通報ものです、本当にありがとうございました(白目)。
「親子のスキンシップも時と場所を選んでくださいね」
「申し訳ありませんでした」
「いやあ、申し訳ない」
親子そろってジュンサーさんに頭を下げる。
駐在所を出ると、二人揃ってため息一つ。
「父さん、落ち着いた?」
「うん…………すまんな、ちょっと慌て過ぎた」
慌てたっていうかほとんど変態なんだが。良かったな自身が男で、これが女の子だったら…………まあジムリーダー就任一週間も経たずの不祥事は免れなかっただろう。
ポケモンセンターに戻って来る。パパっちも今日はここに泊まるらしい。
受付のお姉さんの相変わらず怪しい視線を
「それで…………話って?」
まあ分かってはいるけど。そして案の定と言うべきか、予想通りと言うべきか。
「旅に出る、と言うことについてだ」
「あと一日は遅れると思ってたけど、良く気づいたね、父さん」
「コトキタウンでヒトガタが出ていると言う話を聞いてな、対処に来たんだが来てみれば解決している、そして捕まえたトレーナーの名前を聞けばハルトと言う名前が出てくるじゃないか」
多分あの協会の人だろうなあ、と興味深い話をしてくれた青年を思い出す。
「慌てて母さんに確認を取ったら、お前が旅に出たって言う話を聞いて探し回ってたんだ」
「もう街から出てる可能性は?」
「無いな」
きっぱり断言するマイファザー。
「無傷で倒せるほどヒトガタポケモンは簡単な存在じゃない。捕まえるにしろ倒すにしろな。だとすればポケモンセンターで一泊するだろうから、今日はまだこの街にいると踏んだ」
さすがパパっちである、ポケモントレーナーのことに関しては鋭い。
「それで、結局のとこ、父さんは反対なの?」
「当たり前だろ、どこに五歳児を旅に送り出す親がいる」
お前の奥さん見てみろよ。
「と、言うか…………ハルト。お前、トレーナーになりたいのなら、うちのジムにくれば良かっただろ」
あ、父さんも勘違いしてた。
「違う違う、トレーナーになるために旅してるんじゃないんだ」
「ん…………? どういうことだ?」
しかし、改めて考えてみると難しい話である。
自身とエアたちとの関係性を他人に説明しようとすると、前世の話が必ず絡む。
だがそんなものを信じろと言われても困るだろうし、そもそも自身は教える気が無い。
だから結局、曖昧な言葉で濁すしかないのだが。
「…………探してる子たちがいるんだ」
「探している子、たち?」
「その子たちみんな迷子なんだ…………だから探しに行くんだ」
上手く言葉にはできない。だから曖昧な言葉で濁すしかないのだが。
だからと言ってそれで納得させれるはずも無い。
「良く分らんが、もっと大きくなってからでも良いだろう」
そこで即座に否定でなく、代案な辺り本当に良い親であると思う。けれど譲れない。
「結局、これ以上言えないから何を言っても納得してもらえないと思うけど。それでもお願い、父さん」
「…………ダメだな」
むう、意外と頑固だ。と言うか分かってたが、頑固だ。
「…………仕方ないなあ、父さんてば。本当は、これだけは言いたく無かったんだけど」
だから、最終手段しかない。
「あのね、父さん」
目の前の父親に迫り、その耳元でそっと呟く。
「そんなこと言う父さんなんて…………大嫌い」
「ぐはああああああああああああああっ」
おやばかはちからつきた。
「勝った」
後に残ったのは虚しい勝利に浸るショタ一匹と、吐血して倒れた親馬鹿だけ。
なんだろう、この図。
そんな疑問に答える人間は当たり前だがいなかった。
* * *
灰色と化したパパっちを職員さんに頼んで部屋へ投げ入れてもらい、自室でゆっくり寝る。
明けて翌日、治療を終えた二人のボールを受け取り、やたらとこちらのお尻を舐めまわすように見てくるお姉さんの視線から逃げ出すように部屋へと戻ると、ボールから二人を出す。
「おはよエア」
「ん、おはよう」
すっかり元気になったエアの姿に安堵する。やはり自身のポケモンが傷ついているのは辛いものがある。
そうして、こちらを見たままフリーズしている少女のほうへと歩み寄り。
「おはよう、シア」
視線を合わせながらそう告げる。
「ます……たー……?」
「うん、久しぶり、かな?」
驚きに目を見開き、固まる少女の頬に手を当ててやると、シアがその手を両手で触れ、その存在を確かめるように何度も何度も握ったり、摩ったりする。
やがて現実を受け入れたのか、その手を放し…………。
「あ…………ああ…………ああああ…………マスター! マスター!」
「し…………あぶっ」
名前を呼ぼうとした自身を抱きしめる。と言うか体格考えろ! 潰れる、潰れるから。
圧死する、胸についた脂肪の塊に潰される!
男としてはかなり嬉しい死に方かもしれないが、自身はまだ死ぬ気は無い。
「マスター! マスター!」
「あ…………が…………」
「…………ハルト?」
自身を抱きしめているシアは気づかなかったが、それを見ていたエアは呼吸困難に陥った自身に気づき。
「ちょ、ちょっとシア!? 死ぬ、ハルトが死ぬから、放しなさい?!」
「マスター! 会いたかったです!」
「会いたかったのは分かったから、放しなさい! シアアアアアアアアアアアア!」
朝っぱらから天国と地獄を味わった五歳児…………自分です。
「落ち着いた?」
「…………はい、ごめんなさい、マスター。つい取り乱しました」
「…………まあ分からなくはないけど、もう少し落ち着きなさい」
「そう言うエアも、最初凄かったよね」
「余計なこと言わないの」
生と死の境からなんとか帰還し、ようやく落ち着いたシアと疲れた表情のエアの二人が部屋にあった椅子に座る。
自身がどこかって?
シアの膝の上だよ。
「うふふ、マスター♪」
シアちゃんすっごいご機嫌。エアはそれを呆れたように見ている。
「それで、話進めても良い?」
抱きしめられると後頭部に当たる柔らかい感触があるが五歳児なので気にしない。気にしないったら気にしない。
「はい♪」
「早くしなさいよ」
賛同も得られたので本題に入る。
「とりあえずシア、何をどこまで覚えてる?」
そんな自身の言葉に、シアが首を傾げる。
「どこまで…………と言われると、難しいのですが。何となく自分がマスターを探していたことは覚えています。何だか微睡んでいるような感覚だったので、はっきりとどうこう、と言うことはないのですが。完全に目が覚めたのは、湖でマスターが名前を呼んでくれた時、でしょうか?」
まあすぐに気を失いましたけど、と言うその言葉に、大よそ記憶についてエアと違いが無いことを確認する。
「五年前のことは、どこまで覚えてる? まだシアがボールの中に入ってたころ」
と聞いてみれば、何となくあったことは覚えているが、ぼんやりとしている。とのこと。
この辺りもエアと同じ、恐らくまだ自意識が無かった時代と言うことなのだろう。
「うふふ、マスタ~」
と言うかさっきからやたらとぎゅっと抱き着いてくるのだが、この子抱き癖でもあるのだろうか。
「なんと言うか、エアと言いシアと言いうちの子みんな個性的だねえ」
「アンタにだけは言われたくないわ」
「こんな無個性な五歳児に向かって何言うんだ」
「え?」
「え?」
何がショックかって、シアにまで素で「え?」って言われたことだよ。
「あ、ご、ごめんなさい、マスター。そうですよね、マスターは普通の人です」
「今更取り繕わなくてもいいよ…………いいよ、別に。どうせ異常ですよ」
実際のとこ、自身が異質だと言うのは分かっている。
こんな五歳児いるはずがない。周りの人間が気にしないやつが多いのでそれほど目立ってはいないが。
「バカね…………異常だろうと何だろうと、私たちのマスターはあんただけなんだから、背筋伸ばしてなさい」
「そうですね…………どんなマスターであろうと、マスターはマスターですよ」
それに、こんな仲間もいるのだ。
「ああ、うん…………ありがとう、二人とも」
自分は最高に恵まれていると思う。
本当に。
* * *
さて、しんみりモードも終わって、それじゃあ旅を再開するか、と思いポケモンセンターを出た矢先。
「ちょっと待ったああああああ!」
マイファザーの突然のエントリー。
「ぜい…………はあ…………ぜい…………はあ」
「父さん、いつまでも若いと思ってたらダメだよ、歳ってのはある日突然来るんだから」
「よ、余計なお世話だ! それより、ハルト! 勝負だ」
ずい、とモンスターボールを突き出してくる父さん。
「…………ふむ、そうだね」
その意図を何となく察する。
つまりこれは。
「勝てば旅を許す、負ければ帰る。トレーナーなら実力を示せ!」
「…………そうだね、それじゃあ、昨日はエアに頑張ってもらったし、シア」
「
そうしてボールから出した少女の姿に父さんが目を細める。
「なるほど、そのポケモンが暴れていたと言うヒトガタか…………なら、行け、ヤルキモノ」
そう告げて、ボールから出したのは三歳の誕生日の時にもいた猿のようなポケモン、ヤルキモノ。
「やる気持ちか、てことはあくびは封印だね…………まあ、いつものように行こうか、シア」
「はい…………マスター」
笑みを浮かべ、眼前の敵を見据えるシアに、ほう、と父さんが感心したように呟く。
「昨日捕まえたばかりのポケモンの割りに、随分と懐いているな…………
ホント、ポケモン関連はちょいちょい鋭いなあ、この人。
なんて思いながら。
「それじゃあ」
「バトル」
「開始」
「だな」
互いに呟くと同じ、トレーナーの言葉無しに、互いのポケモンが動きだす。
最初に動いたのはヤルキモノ、向こうのほうがすばやさは上のようだ。まあ種族値からして負けてるのだから、仕方ないかもしれないが。
恐らくレベルは向こうが上。手加減は当然あるだろうが、それでも負けるようなら父さんは本当に旅の中止を命令するだろう。
つまり、本当に旅をするならばこのくらい勝ってみせろ、と言うこと。
みだれひっかき!
三度、四度とヤルキモノがその鋭い爪を振り回して殴りかかる。
「シア」
「分かっています」
名前を呼べば当然、とばかりにシアが答え。
みがわり
自身のHPを削り、みがわりを生み出す。
「潰せ!」
ヤルキモノの攻撃がみがわりを直撃し…………けれど、みがわりが消えることは無い。
「何っ!?」
みがわりは文字通り、身代わりを生み出す技だ。自身のHPの四分の一を使って生み出された身代わりは、あらゆる状態異常を防いでくれる上に、相手からの攻撃を肩代わりする。
そして身代わりの耐久は、
つまり、受けポケとして調整を受けたシアの身代わりは、そう簡単には壊れない楯となる。
と言っても、そう何度も攻撃を受けることができるわけではない。
だから。
ねがいごと
ゲームだと次のターンの終了時にHPの半分を回復する技だ。
ターン制の無い現実だと、だいたい十秒くらいで効果が発動する。
「もう一度だ!」
ヤルキモノが再びみがわりを攻撃し…………今度こそみがわりが破壊される。
それと同時、シアが技を出す。
れいとうビーム
冷気の光線がヤルキモノを撃ち付けるがレベルが上の相手だ、一撃で倒せるわけではない。
「今だ!」
きしかいせい
HPが下がっているほどに威力が上がると言う厄介な技。
れいとうビームによってHPを削られている上に、この技はかくとうタイプ、こおりタイプの弱点だ。
いくら受けポケとは言え、一気にHPが削られる。
「もう少しで倒れるな」
しかも相手のほうが速いのだから、このままでは次の一撃でシアが倒れる。
このままならば、だが。
直後、ねがいごとの効果が発動する。減ったシアのHPを上限の半分回復し、体感だがこれでもう一撃耐えれるだろう。
「きしかいせい!」
「れいとうビーム」
再び振るわれる一撃に、シアのHPが減り。
カウンターが撃ちだされたれいとうビームがヤルキモノを貫く。
「ぐ…………がぅ…………」
ヤルキモノが倒れた。
「なに?」
どうして、と言った顔の親父様にネタ晴らしはしない。
「これで勝ち…………旅の許可、もらえるよね?」
色々言いたいことはあっても、それでも実力は示した。
親父様が頷く。
「仕方ない…………確かな実力は見せてもらった。認めざるを得んだろうな」
苦々しい顔ではあるが、確かにそう告げる父さんにありがとう、と言う。
「だが最後の一撃はなんだ…………もう一撃、耐えれると踏んでいたのだがな」
突然威力が上がった一撃、その謎に首を捻る父さんに笑って告げる。
「な~いしょ♪」
告げて、そのまま二人を連れて旅立った。
勝った、そのことを内心で喜びながら。
じゃくてん○けんって知ってる?
お仕事の関係で今晩投稿できないので、書き溜め。
まさか二話も書けるとは思わなかった。これも愛か。
と言うわけでシアちゃん可愛い。