ポケットモンスタードールズ   作:水代

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募集見てて思うんだが。
お前らチャンピオンでも量産したいのか、って感じ。
天才のバーゲンセール過ぎて、天才が安っぽく見える。
まあ発想自体は面白いんだが、数値弄るどころじゃねえよ、って感じなのもけっこうある。
因みに要全修正とかいうやつもいるから、多少自重しような(

あと、未来編にあたって、表示形式の変更とか色々考えてる。
ステータス画面のごちゃっとした感じをなんとかしたい、とか本文中のカッコの使い方とか、もうちょい読者に見やすいように変えたい感。


死の大陸⑥

 

 ゲンシグラードン。

 

 タイプは『ほのお』『じめん』。

 

 ただし特性“おわりのだいち”の効果で『みず』技が全て無効化されるので、実質的な弱点は『じめん』のみ。

 

「どこから出てきた情報なんだろうね」

 

 とは思うものの、実際のところ()()()()()()()()()()()()

 今すでにグラードンは復活していて、このまま手をこまねいていてはホウエンは滅びる。

 それこそが最も重要なことであり、そして今この場においてそれを留めることができるのは自身だけだ、という事実こそが何よりも大切だった。

 

 ただ現実として、相性の悪さというのはどうしても露呈してしまう。

 

 自身の保有する『はがね』タイプに対して、『じめん』と『ほのお』の両タイプは弱点と成り得る。

 この『くろがねのしろ』の上ならば多少の耐性も付くが、それでもこのフィールドは異能の産物だ。故に伝説のポケモンを相手に強制力で勝てるはずも無く、抵抗はできてもそれは弱点タイプの技の威力を多少減じさせれる程度だろう。

 

 何より、絶対のエースが自身を守るために動けないのが痛い。

 

 だがコメットを動かそうにも、この()()()()()において念動の結界を解けば、一瞬で臓腑が焼き尽くされるだろうことも自明の理。

 しかも伝説種が場を支配しているこの状況で、このフィールドを上書きするには同じ伝説種の力が必要となる。

 そのための力はすでにこちらへ向かっているはずだ…………となれば、自身にできるのは。

 

「時間を稼ぐ、それしかないね」

 

 それと一つでも多く、情報を得ること。

 残念ながら相性の悪さで、自身が前に立って戦うには不利だ。

 故にここで時間と情報を得て、後は彼に託すのがベスト。

 

「…………多少悔しい気もするけどね」

 

 それでも、ホウエンが滅びるかどうかの瀬戸際に個人の感情を優先させることは無い。

 ツワブキ・ダイゴは大人だ。デボンコーポレーションの御曹司として、多くの人間の命を背負っている。

 多くの人間から寄せられる期待も、そこに圧し掛かる重圧も、なんてことないと、背負うと決めた『鋼の意思』でそう決めたのだ。

 

 生と死の極限地点。

 

 そこにあって、ダイゴの精神はまるで揺らぎはしない。

 為すべきことを、遂げるべき目的を、ただ冷静にそれだけを考え、思考し続ける。

 何よりも硬い意思、それこそが、才能よりも何よりも、コメットが最もダイゴを認めている部分なのだから。

 

 

 * * *

 

 

 シンオウ地方に伝わる伝説のポケモンヒードラン。

 ホウエン地方に眠る伝承のポケモンレジスチル。

 

 共に伝説に語られるだけの力を持ち、単体で並のトレーナーを歯牙にもかけないほど圧倒的な暴力を振るう。

 

 けれど、足りない。

 

 真の伝説を相手にするには、足りない。

 

 この世界において、誰も知らない事実ではあるが。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 全てのポケモン種族にはレベルの制限がある。その上限を100とし、それ以上に上がることは無い。

 例えばヒトガタなどは、数値上レベル120とされることがあるが、それはレベル100と定めたポケモンの個体値で算出された能力と比較した時、()()()()()()()()()()()()()()()()()というだけであって、実際にはレベルは100なのだ。

 それは誰でも無い、神たる存在が定めたこの世界の法則であり、不変であるはずの絶対の方式だ。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 世界の理を破壊し、世界の枠から逸脱する。

 ゲンシの時代にさえ、両手で数えるほどにしか存在しなかったそれらの怪物を、ゲンシの時代の人間たちは総称して()()()と呼んだ。

 自然を超越し、理を超越し、世界を超越し、やがて全てを滅ぼす魔物。

 

 レベル100オーバー。

 

 それは理を超えた禁忌の証。

 

 理から逸脱した存在故に、何の技術も無く、ただ持っただけの能力で世界を滅ぼすに足る。

 理から逸脱した故に、神の理を失い、だからこそ自らの理を手に入れた存在。

 

 グラードンがそこにいる、それだけで大地を枯らし、炎で燃やし尽くす死の大陸と化し。

 カイオーガがそこにいる、それだけで大雨が降り尽くし、雨水が全てを飲み尽くす滅びの魔海と化す。

 

 それこそが彼らの理。

 

 物を投げればやがて地に落ちるように。

 川は流れやがて海へと至るように。

 木が生え成長し森を作り出すように。

 

 グラードンにとって己のいる場所が焦熱の領域であることは当然の理なのだ。

 

 意図する必要すら無いほどに、無意識の領域で全てが為されるように、そうなって当たりまえなのだ。

 

 そうやって何の意図も無く、意識も無く、世界を滅ぼす。

 

 そんな存在を前にするならば、レジスチルも、ヒードランも不足が過ぎた。

 

 そもそも『めざめのほこら』でカイオーガが全力を出せなかったのも狭い洞窟内だったとかそんな理由ではない。

 そもそも狭いなら壊せばいいのだ、超越種ならばその程度容易い。

 けれどそれをしなかったのは…………否、出来なかったのは、『めざめのほこら』という場所自体に一種の封印があるからだ。

 そもそもゲンシの時代には世界には『自然エネルギー』というものが溢れていた。

 だが現代にそんなものは本当に一部の場所にしか存在しない。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 『めざめのほこら』はホウエンで最も自然エネルギーが濃く残る場所。それはつまり、エネルギーを逃さず、そして閉じ込める、そういう性質を持って作られた場所なのだ。

 故に内部では思うように自然エネルギーが振るえなくなる。結果的にだが、戦力半減と言ったところだろうか。

 

 だが『えんとつやま』にはそんな性質は存在しない。どころか、すでに山自体は崩れ去っている。

 

 そしてゲンシカイオーガとの戦いで『めざめのほこら』が崩れた。

 

 つまり、()()()()()()

 

 内部に長年に渡って溜まっていた『自然エネルギー』は今一体どうなっているのか。

 

 それがつまり、今現在、グラードンがゲンシグラードンと化している理由。

 

 つまり、正真正銘の伝説の猛威が今世界に振るわれようとしていた。

 

 

 * * *

 

 

「…………なんだ、これは」

 

 男、マツブサが震えるように呟く。

 『ひこう』ポケモンたちに乗って、上から見下ろす光景に、全身が震えた。

 

「何なのだこれは!」

 

 そんなリーダーの叫びに、けれど誰も答えられない。

 陸を増やし、人類の生存圏を広げる、それがマグマ団の目的だった。

 そのために大陸を創造したとされるグラードンを蘇らせ、海を干上がらせ陸を増やそうと目論んだ。

 

 その結果は…………眼下に広がる地獄めいた光景だった。

 

「バカな…………超古代ポケモングラードン、その力を持ってすれば、この世界の海を枯らし、陸を広げることが可能だったはずだ」

 

 そうそれは可能だろう、眼下の圧倒的な暴威を見ればそれは分かる。

 だがそれ以上に問題なのは。

 

「これでは()()()()()()ぞ」

 

 陸が広がっても、その陸上に人の生存圏が残されていない。

 全て滅びてしまう、一切合切、躊躇も無く、容赦も無く。

 これは…………これはマグマ団の望んだ世界ではない。

 

「…………間違いだったというのか」

 

 ことここに至って、認めないわけにはいかなかった。

 

「間違いだったと言うのか、我らの行いは」

 

 自分たちの理想が、自分たちの願いが、自分たちの望みが。

 その結果が今、地上で起こっている光景なのだとすれば。

 

「…………リーダー」

 

 と、その時。打ちひしがれるマツブサの袖を引く誰かの声。

 

「…………カガリ」

 

 視線を向ければ、自身を見つめる女の顔。

 ここまでずっと自身に尽くし続けてきてくれた、自身に付いてきてくれた同じ理想を描いた同志に、何と声をかければいいのか分からず言葉を窮し。

 

「…………リーダーマツブサ、ボクたちはアナタに従う」

 

 女が告げた。

 

「アナタの理想が間違いじゃないと、今でもボクは思っているから。だから」

 

 命令を、と女が頭を垂れた。

 

「アナタが信じる道が、ボクたちマグマ団の道。アナタが指し示す先が、ボクたちマグマ団の道標。だからリーダーマツブサ。命令をください。アナタの思うが通りに、アナタの感じるがままに、ボクたちはアナタの歩く道を共に行くから」

 

 女に追随するように、他の団員たちが頭を垂れた。

 その中には、野心を抱き、自身の座を狙っていると思っていたサブリーダーの姿もあり。

 

「例えどんな時であろうと、どんな場所であろうと、いつまでも、どこまでも、アナタと共に」

 

 女の言葉に、絶句する。

 金槌で頭を殴りつけられたような衝撃。

 ずっと、ずっと、取り憑かれたように前だけを見続けてきたマツブサだったから。

 理想が挫かれ、前を見れなくなってようやく気づいた。

 

 自分の後ろにはこれだけの仲間たちがいるのだと、そう気づかされた。

 

 今まで自身の後ろで、これだけの仲間たちが自身を支え続けてきてくれたのだと、そう気づかされた。

 

 眼頭が熱くなる。

 胸の奥から、熱いものがこみ上げてくる。

 

「…………止めるぞ」

 

 けれど、あふれ出しそうな灼熱を、マツブサは飲み込む。

 それは心を燃やす種火だ。

 マグマ団のリーダーマツブサは冷徹な男だと言われている。

 だがその本質はマグマのような激情家であり、熱血漢である。

 

「誤ちは正さなければならない、そしてその上で、もう一度我らマグマ団の理想を追い求める」

 

 故に。

 

「全団員に告げる。超古代ポケモングラードンを討伐せよ…………ただし、誰も死ぬでないぞ。キサマらにはまだ、この先も私と共に歩んでもらわねば困るからな」

 

 告げる命に。

 

「「「「「了解、リーダーマツブサ!!!」」」」」

 

 誰もが一糸乱れぬ統率された動きで、敬礼し。

 

 そうして事態は動き出す。

 

 

 * * *

 

 

 大陸の覇者の咆哮がかつて山だった場所に響き渡る。

 ビリビリと空気を震わせる声を聞きながら。

 

「…………着いた!!!」

 

 かつて『えんとつやま』と呼ばれていた、今やもう見る影も無いその場所に、降り立つ。

 状況を把握するために、視線を動かし。

「……………………戦艦が宙に浮いてるぞ」

 あからさまにおかしな存在を見つけるが、けれどグラードンと敵対しているらしいことは分かるので放置する。

 さらに視線を上げれば、上空からグラードンへと次々と攻撃が飛んできているのが分かる。

 はっきりとは視認できないが、赤い服の集団が見えるので、恐らくあれはマグマ団だと予想する。

 

「…………マグマ団がグラードンへ攻撃している、ということは」

 

 恐らく今なら味方と数えて問題ないと思う。実機でもグラードンを復活させたことを後悔している様子だったし、現実的に考えても、グラードンのもたらす世界とマグマ団の追及する理想は反している。

 すでに天候を抑えるためのトレーナーたちは『えんとつやま』周辺に散開している。

 最優先はフエンタウンとハジツゲタウン。『えんとつやま』に最も近いこの二つの街を優先的に守らなければならないため、グラードンの進路を考えなければならない。

 

「…………砂漠方面が一番被害が少ない、か?」

 

 人もほとんど住んでいない上に、避難勧告は出ているはずだ。

 さらに照り付ける容赦のない日差しも砂漠の環境を考えればそれほど問題にならないはず。

 

 だが、そのためにもまずは。

 

「頼んだぞ、カイオーガ」

 

 ボールを投げる。

 

 中から出てきたのは少女の姿をした正真正銘の怪物であり。

 

「んー…………何だかエネルギーが濃いね。ちょっと全力出してみようか。不快なクソトカゲもいるし」

 

 にぃ、と笑みを浮かべながら。

 

「さあて、それじゃあまずは」

 

 少女、カイオーガがその両手を真上に掲げ。

 

 “はじまりのうみ”

 

 雲一つ見当たらなかった空に途端に雨雲が集まり始め、炎の海と化した山へと豪雨が降り始める。

 雨が炎を掻き消し、どんどんと気温が下がり始める。

 

 “たいかいのおう”

 

「塗りつぶせ」

 

 スコールがごとき土砂降りがさらに激しく、強くなる。

 目を開けても何も見えないほどの凄まじい雨、段々と足元に水が溜まって行き。

 

 グルアァアアアアアアアアアアア!!!

 

 怒りを込めたかのような咆哮と共に、大地が揺れ出す。

 

「クソトカゲが暴れ出したね…………ならそろそろ一発行こっか」

 

 “あらなみ”

 

 “みちしお”

 

 “おおつなみ”

 

 両手を振り下ろす、と同時に少女の背から現れた巨大な津波が轟々と音を立てながら進んでいき、山だった場所へと降り注ぐ。

 

 グルウウウウ…………アアアアアアア!!!

 

 “ふんか”

 

 燃え滾る灼熱を纏った溶岩が山のほうから…………そこにいるであろうグラードンから噴き出し、津波の一部を抉り取り、蒸発させる。

 だが津波の圧倒的質量にその全てを消すことは出来ず、グラードンが津波に飲み込まれる。

 

「ふふん、やりい!」

 

 得意げな顔で少女(カイオーガ)が笑みを浮かべる。

 先手は取った、内心でそのことに安堵する。

 どうやら異能にもレベルがあるらしいが、グラードンとカイオーガは同等の存在だ。

 意識を集中させれば無意識的に干渉するよりも強制力は強くなるらしく、不意を打てばグラードンの天候干渉能力を一瞬とは言え上回れるらしい。

 

「よし…………このまま一気に」

 

 行くぞ、とボールを手に取り。

 

「あっ…………危ないよ」

 

 ぽつり、とカイオーガが呟くと共に、とん、と肩を押され、数歩たたらを踏み後退する。

 何を、と口にしようとして。

 

 “かがやくひざし”

 

 “ソーラービーム”

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 ズドオオオオオンと激しい爆音を立てながら、光が大地を抉った。

 

「っ…………きっついなあ、今のは」

 

 カイオーガが顔を顰める。たった一撃でかなりのダメージを受けたのが分かる。

 とは言え、HPの総量を考えれば恐らく一割も削れていないのだろうが。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、その事実こそが驚愕に値する。

 

 そう、今現在カイオーガはゲンシカイキしている。

 アオギリの投げた『あいいろのたま』をそのまま持っているらしく、さらに『めざめのほこら』で溜まっていた『自然エネルギー』が世界に流出しているとかで、あの圧倒的な力を自由に振るうことを今のカイオーガは許されている。

 

 だがそれは、グラードンも同じ。

 

 『べにいろのたま』が奪われ、グラードンが目覚めている、ということは恐らく今現在珠はグラードンが持っているのだろうと予想する。

 そして自然エネルギーの流出によりそれを取り込んでいるのならば。

 

 相手もまた同じ、ゲンシグラードンへと至っているということ。

 

 その思考を裏付けるように、徐々に天候が変化する。

 

 空を二色でわけたかのように、青空と曇天の境目が出来、空がツートンカラーへと彩られる。

 干渉範囲が激突している、つまりカイオーガではここまでということか。

 

「キミ」

 

 空模様を見ていた自身に、カイオーガが声をかけてくる。

 振り返れば、僅かに額に汗を浮かばせながら、カイオーガが笑みを浮かべる。

 

「今ならあのクソトカゲも、空に全神経を尖らせてる。地上を伝ってアイツのところへ向かえば、絶対に一撃、無条件でかませられる」

 

 どうやら互いに全力で天候を奪い合っているらしいのは理解できた。

 そしてそのためにカイオーガが動けないのと同様、グラードンもまた今はまだ動けないのだと。

 

「アイツを揺らがせられるほどの一撃をそこで打てれば、そのまま一気に天候も押し切れる。だから、それはキミに任せたよ。アタシは動けないから、キミに」

「…………グラードンを、揺らがせるほどの一撃」

 

 目の前の少女と同じだけの耐久性を、しかも『ぼうぎょ』寄りのステータスで持っているはずのグラードンを一撃で揺らがせられるだけの一撃?

 逡巡する自身に、少女が笑みを浮かべる。

 

「だいじょーぶだよ…………だってキミは、アタシに勝ったんだから」

 

 そこに見えたのは僅かな信頼。

 小さな絆の繋がり。

 完全には認められたわけじゃない、それは少女が言った通り。

 今度は独力で倒して見せろ、とそう言ったのも少女の本心。

 けれど、決して一切認めていないわけじゃなかった。

 自身を倒した存在を、自身に勝利した存在を、少女は僅かに認めていた。

 繋がった絆がそんな少女の本心を教えてくれる。

 

「……………………ああ、任せろ」

 

 だから、頷く。

 

 何よりも、誰よりも。

 

 自身が絆を否定してはならない。

 

 結ばれた縁を、繋がれた絆を、何よりも尊んでいるからこそ。

 

 その期待に応えたい。

 

 その思いを裏切りたくない。

 

 だから、だから、だから。

 

「…………エア(エース)は居ない」

 

 彼女は今、キンセツシティのポケモンセンターに預けている。

 だから、一番頼りにしていた少女は今この場には居ない。

 けれど、少女が後を託した存在はいる。

 

「だから、お前を信じる。エアがバトンを託したお前を、信じる」

 

 エアを置いて行く、そのことを決めた時、誰よりも反対したのはエア本人だった。

 朦朧とする意識で、けれどついていくと、はっきりそう告げたエアに、どうすればいいのか分からなくて。

 

「…………任せな、ボス」

 

 だからこそ、自分が居る、とエアに向かってはっきり告げた彼女に、エアもまた渋々納得し、その手を取った。

 

 ――――仕方ないから、アンタに任せるわ。

 

「行くぞ、アース」

「ああ…………アタイに任せときな」

 

 左手に付けた指輪に触れ、絆へと意識を向ける。

 

 とくん、と心臓の鼓動が跳ね。

 

 アースとの繋がりを感じた。

 

 瞬間。

 

 

 メ ガ シ ン カ

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「お前といい、エアといい」

 

 アースの全身が光に包まれ、その姿を変じていく。

 

「どうしてうちのいじっぱり共は、土壇場になるといきなりやってくれるのかね」

 

 背が伸び、十三か四だった外見は十八ほどにまで育った。

 髪も伸び、短髪だったそれが腰まで届くほどに。

 全体的に凛々しく育った少女が、長刀へと変化したそれを抜き。

 

「簡単な話さ、ボス」

 

 ()()()()()()()()

 

 全身が光に包まれ、そこからさらに形を変えていく。

 

エア(エース)だってきっと、同じことを言うだろうさ」

 

 漏れ出た自然エネルギーを、大気に漂う力を、かき集め、自らの内へと取り込み。

 そうして変化していく、さらに強く、さらに雄々しく。

 

 メガシンカ、そしてゲンシカイキ、これまでエアにしかできなかったその合わせ技を称して。

 

 

 “ オ メ ガ シ ン カ ”

 

 

「負けられない、それだけの話さ」

 

 オメガガブリアス。

 

 大地の王が場に降臨した。

 

 




今回の話の要約。

①ダイゴさん頑張る
②伝説まじやべえ
③マグマ団参戦
④オメガアースちゃん!
⑤これが…………これが中ボスだああああああああああ!!!


ゲンシグラードン Lv250 特性:おわりのだいち

H35000 A1800 B1600 C1500 D900 S900

わざ:だいじしん、だんがいのつるぎ、ふんか、ちかくへんどう、だいもんじ、ソーラービーム、ストーンエッジ


特技:だいじしん 『じめん』
分類:じしん+じならし+マグニチュード
効果:威力150 命中-- 必ず相手に命中する。複数を対象としても威力が下がらない。2~3ターンの間、場の状態を『よしん』にする。

場の状態:よしん
『ひこう』タイプと特性“ふゆう”のポケモン以外は、『すばやさ』ランクが2ランク下降し、毎ターン最大HPの1/16の『じめん』タイプのダメージを受ける。


特性:ちかくへんどう 『じめん』
分類:じわれ+だいちのちから+うちおとす
効果:威力100 命中100 30%の確率で相手を『ひんし』状態にする。特性“ふゆう”や、『ひこう』タイプのポケモンにも『じめん』タイプの技が当たるようになる。また、技『そらをとぶ』『とびはねる』『でんじふゆう』『テレキネシス』『フリーフォール』の効果が解除される。


裏特性:でんせつのいふ
このポケモンは『ひんし』にならない限り、捕獲できない。自身の『HP』の種族値を大幅に上昇させる。自身が受けるダメージを全て半減する。

アビリティ:だいちのいかり
天候が『おわりのだいち』の時、場を『ひのうみ』に変更する。また、場が『ひのうみ』の時、自身の能力を1.2倍にする。

アビリティ:じょうきばくは
『おわりのだいち』の効果で『みず』技を無効化した時、相手の最大HPの1/8のダメージを与える。『ほのお』『みず』タイプの相性の良いほうでダメージ計算する。

アビリティ:だいちのけしん
フィールドを対象とした自身以外の効果を全て無効化する。強制交代技などを受けなくなり、毎ターンHPが最大HPの1/8回復する。自身への状態異常を無効にする。

アビリティ:かがやくひざし
毎ターン終了時に相手全体を対象として“ソーラービーム”で攻撃する。

禁止アビリティ:しのたいりく
『ほのお』『じめん』タイプ以外の全てのポケモンを戦闘開始から5ターン後に『ひんし』にする。毎ターン開始時、相手の最大HPの1/4の『ほのお』ダメージを与える。


グラードン戦自体はあと二話くらいで終わるんじゃないかなあって感じ。
⑨と⑩はラスボス戦のためのあれこれになるかと。

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