ラブライブ!サンシャイン!! Another 輝きの縁   作:伊崎ハヤテ

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 この度、ゐろりさんとなこHIMさんとのコラボ企画に誘われました。誘って頂き、本当に嬉しい限りです。こんなスポ根嫌いのアニ(以下ネガティブ発言なので省略)


19話 男子高校生の奇妙な体験

「ったく、あいつはいつも突拍子もなくっ!」

 俺は学校の帰り道を全速力で自転車で走っていた。走る原因になったのは千歌からの一通のメールだった。

『櫂ちゃんに大事なお話があります。詳しくはいつもの分かれ道前まで!』

 そんなメールを見たら、居ても立っても居られない訳で。大事な話ってなんだろうな。まさか愛の告白か!? いやまさか。俺と千歌は幼馴染なだけであって。でも本当にそうなのか? 俺は――

 なんて考えているといつもの分岐点へと差し掛かった。そこには俺に手を振る人が。

「おーい、櫂ちゃーん!」

 千歌だ。彼女の顔を見た途端、少し心臓がドクンと大きな音を鳴らした。

「よ、よう。千歌。大事な話って何だよ?」

「それは後で! こっち来て!」

 俺の緊張など知らず、千歌は俺の手をとる。いつもなら何も感じないはずなのに、妙に意識が柔らかい女の子の手に行ってしまう。

「お、おい!」

「いいから早く~!」

 それから少し走ること数分。千歌たちの通う学校、浦の星女学院にたどり着いた。校門の前には腕組している黒髪の美少女が立っていた。

「お待ちしてましたわ、紫堂さん」

 ダイヤさんは息を切らした俺に腕章を渡した。

「これを着けていれば校内を歩いても問題ありませんわ」

「ありがとうございます。でもどうしてダイヤさんが?」

「言ってませんでしたっけ。わたくし、この学校の生徒会長をしていますの」

「へぇー、そうなんですか……って生徒会長!?」

 驚き、彼女を二度見してしまう。その様に彼女は不思議そうに俺を見つめた。

「何を驚いているんですか? わたくし位にもなれば生徒会長になるのは簡単なことですわ。それに――」

 俺が腕章をつけると彼女はにっこりと微笑んだ。

「わたくしが生徒会長だろうと、貴方との関係が変わるわけではないでしょう?」

 俺が生徒会長であることを知らなくても、彼女は普通に接してくれるみたいだ。それが何故か嬉しかった。

「そうですね」

「それに貴方は他校の生徒ですから知らないのは当たり前ですもの」

 それもそうだ。

「それで他校の生徒である俺が呼ばれた理由って……?」

 俺がダイヤさんに質問した所で千歌が思い出した様に俺の手を再びとった。

「ここでお話してる場合じゃないよー!! 急がなきゃ!」

 そしてそのまま俺の手を引っ張って校舎へと走る千歌。

「ちょっ、速いって!」

 

「千歌さん! 校内を走ってはいけないと何度も――」

 ダイヤさんの静止も聞かず、千歌は俺を引きずっていった。

 

 

「とうちゃーっく!!」

 ようやく千歌が止まった場所はとある教室。もう授業は終わっているらしく、廊下はしんと静まり返っている。

「それじゃあ入るよー!」

 千歌とその教室に入ると、そこは音楽室だった。大きなピアノに十数の机だけがあった。

「連れてきたよー!」

 千歌がその机に座っている面々に声をかけた。

「千歌ちゃん、本当に連れてきたんだ……」

 桜内さんが驚きの表情を見せる。

「千歌ちゃんはこういう時一番行動力あるからねぇ」

 曜は苦笑いしている。

「あ、やっぱりかいなんだ」

 松浦先輩は少し嬉しそうに微笑む。

「ワタシもカイが適任だと思う!」

 鞠莉さんがウェルカムな雰囲気を醸し出す。

「やはりここにたどり着くとは……、やはり縁(えにし)があるようね……」

 善子が何か意味深なセリフを呟き、俺を悪寒へと誘う。

「あっ、せ、先輩だ……」

「大丈夫だよルビィちゃん。紫堂先輩は怖くないずら」

 ルビィちゃんが花丸ちゃんの後ろに隠れ、花丸ちゃんが彼女を気遣う。

 成る程、Aqoursの皆様勢揃いって訳だ。

「それで千歌よ、こんなとこまで連れて来て、どうしたんだ」

「うん、あのね……」

 少しもじもじする千歌。意を決したのか、大きく息を吸ってそれを言葉にした。

「あの、私たちのマネージャーになって下さい!」

「は?」

 今、何と言った? 俺が、彼女たちAqoursの? マネージャー?

 

 

「何でこうなるかね……」

 俺は曜と二人で家の前のベンチに腰掛けた。曜は苦笑いしながら俺にペットボトルを差し出した。

「いきなりごめんね。びっくりしたでしょ」

「まぁな」

 大事な話があるって言うからかなりドキドキしたんだぞ。俺の胸のときめきを返せ。

「つーか俺は他校の男子生徒よ? マネージャーなら同じ学校の生徒にやってもらうのが筋なんじゃねーの?」

「まぁまぁ。それでも結局櫂はオッケーしたじゃん」

「あんな必死な顔されるとな……」

 何故だか断れないんだよな。アイツのねだってくるような顔されると。俺は何だかんだで甘いな。

「櫂は本当に千歌ちゃんには甘いよね~」

「うっせ」

 小さい頃からあいつはよく俺に駄々をこねてきた。それが何か可愛らしくて。よく甘やかしてきた。今回も甘やかしなのかな。

「じゃあ櫂はさ、私がマネージャーやってって言ったらすんなり引き受けてくれた?」

「え?」

 俺が曜の顔を見ると、首を横に振り笑顔を作った。

「ううん、なんでもない。でも全員知り合いなんだからそんなに気負う必要ないって」

「そうだな。どこかの誰かさんの言葉を借りるとすれば縁(えにし)があるのかもな」

「あはは。でも櫂にとっては役得じゃないの~?」

 うりうり、と俺の腕を肘で突いてくる。

「こんなに可愛い子8人と一緒に部活動出来るなんてさ~」

「そうだな。役得と考えればいいか!」

「――っ」

 曜が小さく呟いた気がしたが、よく聞き取れなかった。が、すぐに明るい表情を俺に向けた。

「とにかくっ、櫂。これからよろしくねっ!」

「ああ。こっちこそ」

 こうして俺の奇妙な部活動が始まった。

 

 

 ●●

 櫂が私たちAqoursのマネージャーになってくれた。千歌ちゃんの提案に最初は驚いたけど、嬉しかった。櫂と一緒の時間が増えるんだって。ちょっとウキウキしてた。でも、それは私だけじゃなかったみたい。千歌ちゃん鞠莉ちゃんはもちろん、果南ちゃんや男の人がちょっと苦手なルビィちゃんもなんだか嬉しそうだった。櫂のヤツ、モテモテだな~。そんな意味も込めてからかってやった。

「こんなに可愛い子8人と一緒に部活動出来るなんてさ~」

 そしたら櫂はちょっと鼻の下を伸ばして喜んでた。

――8人じゃなくて9人でしょ。気づいてよバカ櫂っ――

 小さく呟いちゃった。でも櫂には聞こえてなかったらしく、すぐさま明るい表情を彼に見せた。

「曜」

 家に帰る時、後ろから櫂の声が聞こえた。なんだろ、と後ろを振り返ると彼は私に微笑んだ。

「可愛い子8人って一人欠けてないか?」

 その言葉が嬉しくて、思わず笑顔になってしまう。

「もうっ、気づくのが遅いぞ、バカ櫂っ!!」

 ホント、バカなんだから♪

 

 




 櫂のマネージャーとしての加入回だと思ったら気がついたら曜回になってしまった。な、なにを言ってるのか解らねーと思うが、俺自身何を書いているのかわからなかった。

 サンシャインのファンブックを買いました。彼女たちの可愛さ、魅力に溢れている本です。これがあればアニメがなくとも俺はあと十年は戦えるぞ!

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