原作知らないけど私に係わらないで!!   作:白だるま

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内容が本編の1話の後半の範囲となっていますが

不自然な所があったら指摘おねがいします

主人公の名前も付けました


7/30

誤字の訂正

最後の主人公の名前を言う時の「ちゃん」づけの削除

8/5

誤字報告を活用しました


第一期本編
エピソード1「再会」


私は一人には慣れている

 

前世では両親が喧嘩ばかりで、それが嫌で中学生で一人暮らしを始めたぐらいだ。

普通の親だったら反対すると思うが、うちの両親は「金は用意してやるから安心しろ」の一言だけだった。

 

確かに住んでいたアパートの家賃や生活費を払ってくれていたが、それ以来彼らとは顔を合わせた事はない。

むしろ私の親権をどうするかでもめたと成人していた兄に聞いた(その後その兄がどうにかしてくれたらしい)

まあ気楽で良かったし、それに私の事を心配した幼馴染が一緒だったから平気だったのかも知れないが

 

今の両親は優しかったし、大事にしてくれたことを感謝していたから、こんな終わり方はさすがにへこんだ。

 

1人ではないと思えたのはジークとヒルデのおかげだろう

 

私はこの町では友人は作らなかった

 

いや、作れなかった

 

これは私の性格もあると思っているが、実のところまた友達を失うのが怖いのだ。

 

前の人生の事を少し語ろう

 

私は友人たちと過ごす時間が一番楽しかった

幼馴染でありいつも優しくしてくれた××、メンバーの盛り上げ役でいつもくだらない事を企画していた××、そしてまとめ役で学校でも優等生であった一番の友達だった××……

 

このつながりは永遠だと思っていたが……無くなるのはあっけなかった

 

幼馴染が殺されたのだ……快楽殺人犯の手によって…

 

その後あることがきっかけで私と××は大喧嘩をした……それも関係が修復不可能になるぐらいに……。そのとき、私はあの言葉を言ってしまった。

それは……響ちゃんにも言ったあの言葉だ。

 

「あなたは私の友達じゃない」

 

今思えば、二人とも元の友人に似ていたのだ……。

 

彼(前世の男友達)は最後まで心配してくれたが、結局そのアドバイスも無駄にしてしまった。

 

「正直な話……俺もかなりへこんでるがお前たちとは仲良くしたいんだよ……。だからこんな事で二人と喧嘩別れしてそのままは……俺は……嫌なんだ」

 

彼があそこまで落ち込んだところを見たのは初めてだった……。その後、ある事で仲直りしようとしたのだが、その当日に私は交通事故で……。最期を看取ってくれたのは兄だったような気がするが、最後の言葉は言ってくれただろうか?

 

転生した後もあの二人と友達になれたのは運が良かったと思っている。

しかしその結果はあの時とはいろいろと違うが、また友達を失う結果となった。

 

私はそれほど多くの趣味は持っていない

 

前の両親は、私に勉強以外は何もさせてくれなかったのだ。

漫画もアニメも「必要ない」の一言で済まされた

 

その中唯一出来たのは、音楽の教科書に載っている歌を歌うことぐらいだ

 

歌うのは好きで一人になった時はよく歌っていた

私の友人たちもカラオケなどで歌った時は褒めてくれたりしてくれてリクエストにも応えたぐらいだ

今は聞いてくれるのはジークとヒルデのみだった

別にそれ以外の人の前で歌う事をしなかったのも原因だったが

 

そんな私は、誰とも話さず仲良くしない問題児扱いされていたが、何故か親身に接してくれた教師がいた

なぜそんなに親身になってくれるのか聞いたことがあったが

 

「別に特別扱いはしていない。ただ君は何か理由があって仲良くしないだけだと思って気になっただけさ」

 

と言われ、両親が亡くなった後も教師の同居人の少女と共にほぼ拉致られ食事を一緒にしたりした

その恩?の為に彼が勧めてくれた進学先に何とか合格した

 

その教師は急に学校を辞めてしまった。私に送られてきた手紙には個人的かつ重要な用事でやめなくてはいけないと書かれていたが、それ以外にもこう書かれていた

 

「お節介かもしれないが、君は信頼できる人を見つけられればどんな困難も立ち向かえるだろうね。もう会う事もないかもしれないが、会った時には手料理を御馳走しよう」

 

全く……マメな性格をしている

 

もういない彼と彼女に少しばかり感謝し、私はこの先の事を考えていた

 

___________________________________________

 

「あの装者の捜索の打ち切りが決定した?」

 

特異災害対策機動部二課の司令官を務める風鳴 弦十郎は、上層部の決定に驚きの声を上げた。彼は不服そうな顔をするが、報告をした実の兄であり内閣情報官の風鳴 八紘からその理由が告げられた。

 

「不服そうなのはわかるが日本政府が決めた事だ……。それ以上にこの装者は危険な存在となるかもしれん」

 

どういう事だ?と彼は思った。あの事件の時、弦十郎は極秘での[ネフシュタンの鎧]の稼働実験に立ち会っていたのだが、ノイズによる襲撃で身動きが取れない状態だったのだ。

 

「一つに、あの装者の映像データがすべて改ざんされている……後でわかったのだが、何者かにクラッキングされた形跡があったことだ。特異災害対策機動部二課でもあった事ではないのか?それと、あの聖遺物の正体も分かった」

 

確かにあの後、事後処理の為の資料として保存されていた新たな装者のデータが、バックアップを含めすべて消去されていた事があった。ただ、用心の為データの一部を弦十郎は予備で保存していたのだが、どの聖遺物か判別できるぐらいの資料しか残されていなかったのだ。

だが、ここをクラッキングした後に、なおかつ痕跡を残さず立ち去ることは不可能に近い。

ある政府のクラッキングでも不可能だったのに想定外だったからだ

 

八紘はその資料を基に、装者が持っていたのがどのような聖遺物だったのかを特定したのだ

 

「あの聖遺物の名は、恐らく『魔剣バルムンク』。かつての英雄ジークフリードが使ったとされる魔剣だが……その装者を危険だと判断した理由は別にある」

 

「解析不能の未知の力がライブ前に感知されたが……まさか!!」

 

「そうだ……。彼女はシンフォギア以外にも、それぞれ『黒騎士』『戦乙女』を連想させる衣服を纏っていたらしいが、『黒騎士』『戦乙女』の衣服を纏っていた時に彼女が使っていた力が、改ざんされる前と思われるが、ライブ前に感知された解析不能の未知の力と一致した」

 

「それは[ネフシュタンの鎧]の強奪と関係が……」

 

「いや、それは違う。あの装者は巻き込まれただけだ。別の目的があったのだろう」

 

別の目的だとすると、あの起動実験の他の目的と言えば二人の装者の調査で間違いないだろう

だが、それならばなぜ自らの命を失う事も顧みずに絶唱を使用し去ったのかが疑問だ

 

「この件はこれ以上深追いすると、あの悪夢をまた繰り返すかもしれん……弦ならわかるはずだ」

 

弦十郎はあの事件を思い出していた

 

あのバルベルデの紛争に巻き込まれ、その後救出された少女の行方がわからなくなり、その後の捜索で深追いした捜査員は死亡か行方不明。捜査は打ち切りとなっていた……今でも彼はその捜索を忘れてはいなかった

 

「後の調査報告はそちらに送っておく」と言い通信を切ったあとも、弦十郎は少し考えてしまう

 

あのライブ会場の映像がまだ閲覧可能だった時見たのは、明らかに負傷者の少女と、奏の絶唱を阻止して代わりに絶唱を使用し、彼女自身も重傷を負うなか逃亡する、正体不明の装者

自分でも甘いと思ってしまうが、まさか目的はなくただ助けただけ?

しかしそのおかげで、今はこれまでの戦闘の影響とリンカーの後遺症で入院中だが、装者の1人であった奏が死なずに済んだのだ

 

「バルムンクの少女……一体何者なのだ?」

 

____________________________________________

 

季節は春になった

 

私はあの教師に勧められた私立リディアン音楽院に入学した

 

その時に、私は会いたくない二人に会ってしまった

 

私が廊下を歩いていた時に彼女たちが話しかけてきたので、振り向いてみるとそこにいたのは、あの時と変わっていない響ちゃんと未来ちゃんだった

 

あんな別れ方をしたのに響ちゃんが話しかけてくれたのはむしろ嬉しかったけど……もう私は友達ではない

 

「久しぶりね……立花さんと小日向さん」

 

私はあえて友達としてではなく…只の顔見知りのような言い方をすればもう私の事など構わなくなるだろうと思っていたが

 

「うん……久しぶりだね!元気だった?」

 

と無理やり作った笑顔ではなく、本当の笑顔で響ちゃんは再会を喜んでいたのだ

 

逆に私の方が困惑してしまう…なぜ嬉しそうにしてくれるのか?

未来ちゃんは少し怒ってるように見えるけど、私の態度に関してはそんなに気にしてないようだった

 

その後二人は「また後で話しよう」と言って自分の教室に行ってしまったが、私は話すつもりはもうなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と思ったら……なんで響ちゃん、私に積極的に話しかけてくるの?

 

くだらない意地を張っている私が馬鹿みたいに思えてきた

だけど数日たってもまだ私に話しかけてくれている。なんでこんな私と話してくれるの?

訳が分からなかったけど、その後理由がわかった

 

それは未来ちゃんに呼び出された時だった。彼女もほぼ私に敵意しか抱いていないと思っていたけど、話してみると何故か彼女に謝られたのだ

 

「なんで謝るの?私は…」友達じゃない、と私が言おうとした時、未来ちゃんが

 

「じゃあなんで私を責めなかったの?私が二人をあそこに行かせたのに私には何も言わなかったのは何でなの?」

 

私はどういえばいいか迷ってしまう……なぜならあそこで未来ちゃんを責めたら、二人が同時にいじめにあう確率があったからなんて言えなかった

 

「私が響と同じような事にならないようにしてくれたんだよね?後でわかったんだよ……」

 

どうしてばれたか……

 

それは私が転校した後のことで、クラスメイトの1人が、未来ちゃんを見せしめにいじめる計画を私が聞いていたことを彼女に話したのだ

その後、彼女なりに調べて私の真意を知ったのだろう

 

私はやはり詰めが甘い…私は優しい友達に感謝したい

 

けど私にはまだ隠してることがある

最後の日にお礼参りをしていること

実はあのライブに行って響ちゃんたちを助けた事

 

 

だから私はあえて友達にはならない

 

だから二人には悪いけど私は一人になろう

 

「……あんなことをして、またやり直そうっていうのは私が納得出来ないの……。私はもう友達にはなれない……その資格が私はないの。ごめんね未来ちゃん…響ちゃんにもそう言っておいて」

 

私はそう言って立ち去った

 

未来ちゃんが何か言いたそうだったけどわかってくれたみたい

 

〔マスターも頑固だな…〕と人目のない所でジークはさっきの会話の感想を言ってきたけど余計なお世話だった。

 

〔だけどマスター、この学校……少しおかしいぜ?〕

 

突然ジークにそんなことを言われ少し動揺する

 

「どういう事なの?ただのハイテクな学校じゃないの?」

 

〔いや、問題はここじゃない。地下に何かしらの施設があるみたいだ。だが、探査魔法は使わない方が良いだろうな……。あの時に調べた時に観測されている……。もしかしたら正体がばれる可能性が高いぜ〕

 

〔私もジークの言う通りにした方が良いと思います……。あの事件の後、マスターは最重要機密での捜索対象となっていました。私たちもハッキングを試みましたが、ガードがかなり固くなっています。情報操作は難しくなっていますので慎重に行動してください〕

 

私は二人のアドバイスを聞きながらもどうしてこんなに原作に絡むのだろう?と考えていた。だが、その後その謎が解けたのだ

 

 

____________________________________________

 

 

少し経ってから、響ちゃんはまだ私に話しかけてくるけど、いつもと変わった様子は見られなかった

 

どうやら未来ちゃんはあの話をまだしていないらしい

今日も放課後にしつこく誘われるんだろうと思っていたけど、今日はそれが無かった

 

急いで帰って行ったけど、CDがどうとか言っていたっけ。たしか今日って……あ!なるほどね

今日は確か、風鳴 翼の新曲が出るんだっけ?

私も好きだったけど、今よりツヴァイウィングで活動していた頃の方が好きなのだ

 

今の彼女の歌は昔と変わっていないようだけど、私は少し寂しいように感じるのだ

今日のお昼に食堂で遠くから見ていたこともあったけど、何か昔の自分を見ているようだった

 

まあ自分と比べるのは少し失礼だと思いつつ私は帰る事にした。未来ちゃんがいたけど、この前の事もあるし何も言わずに行こうとすると呼び止められてしまった。何かまた話があるのかな?と思って「何か用?」と少し冷たい対応をとってしまったけど…それを気にしないように「少し話さない?」と言ってくれたのだ

 

断る理由がなく、仕方なく「私は少しだけならいい」と言って本当に久しぶりに話をした

最近の事や昔の事……それは少しの時間では済まずに長話になってしまった

お開きにして帰ろうとした時に、私はあることを彼女に聞いた

 

「あんなことをして、『友達じゃない』って言われて、なんで私に係わろうとするの」

 

それは私が本当に聞きたかった事だった

 

未来ちゃんは「響もそうだけど」と言ってから

 

「私はまだ友達だって思ってるよ 月華」

 

私は…本当に良い友達に会えたと思う

 

「ぶすっとした顔も可愛いからいいけどね…私たちは友達だと思ってるからいつかまた笑顔も見せてね、月華」

 

前世の友達と全く同じことを言ってくれる友達がいるとは思えなかったのだ

 

「努力はするわ…今日は楽しかった…また明日」

 

私は未来ちゃんに挨拶をした後、寮への帰り道を歩きながら響ちゃんにどう接したらいいか考えていた

 

今更どうすればいいか分からず、ジークとヒルデにからかわれて少し不機嫌になってしまう

 

その時に、響ちゃんがCDを買いに行った所にノイズが出た事を知り、ヒルデにバリアジャケットを展開してもらい、様子を見に行った

その時、初めて知ってしまったのだ

 

響ちゃんが装者になったことを

 

 

 




次回 エピソード2「私の選択はあっているのかな?」

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