原作知らないけど私に係わらないで!!   作:白だるま

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本当に長い失踪申し訳ない…

この回は本当は一回で進めようと思いましたけど、文字数の関係で分割しました…

原作9話の前半とオリジナル展開が中心です。

次回は速めに更新しますので…

2020/4.5

誤字修正しました。




エピソード16「あの時はありがとうございます…」

緒川の真実を知りたいと願う言葉に愁は少し咳払いしてから話した。

 

「私も詳しい事は知らないのです…治療した時は厄介事に関わっていると感じましたが、月華さんは何も言わなかった。

 

只、それだけです」

 

それで話は終わりだという愁の意思は緒川は感じたが言葉を続けた。

 

「彼女の過去を調べさせてもらった結果、響さんと未来さんの幼馴染だった事は初めて知り驚きました。

その事よりも、ある時期の入院の履歴がその理由が不明な点がありました。その怪我の記録はある症状と似ていました…

 

『絶唱』…少し前に翼さんが使用した後の時の症状と似ている事と、その入院をした時期は、あのライブの後日だと記録されていました。

 

当初あの事件に関与したのは聖遺物実験のデータの入手あるいは強奪目的と政府は判断し、グラムはロシアのエージェントではないかと司令は推測されていました。

 

その理由は司令が響さんとの訓練を開始していた頃に、訓練の終了後にグラムと手合わせした時に彼女はロシア軍隊格闘術であるシステマを巧みに使い実力もあったそうですが…

 

真実は僕や司令が予想したよりも残酷でした。

 

貴方があの頃在籍していた同じ研究をしていた風鳴機関の研究員の二人をまだ覚えていますか?」

 

「…ええ。私のとってはかけがえのない友人でした。ですが、死んだはずです。あなた方が処理したのですから」

 

「…そうですね。司令にとっても友人でした。あのような結末は望んではいませんでした」

 

「私もその件に関しては呆れました…弦十郎さんには感謝してますよ。私をF.I.Sに出向させた後に理由を聞かずに退職を無条件で許可してくれたのですから…」

 

緒川もあの事件の事情を知り風鳴機関を退職した事は予想は出来ていた。

死体を残らず炭素の塵に変え何も存在しなかったようにしてしまう惨劇であるノイズ災害を憎み全ての人々を守ろうと研究した偉大な二人の科学者を意見が合わない理由で事故に見せかけ殺した事に愁が激怒していた事は弦十郎を知っていた。

もし、愁が風鳴機関に復讐するのであれば紛失扱いとなったバルムンクを所持しコンバーターペンダントを作りグラムに渡し両親の死の真相を教え襲撃するのではないかと思ったのたが…グラムの行動は予想外にも全くの敵意が無く好意的だった事だ。

 

その推測から緒川や弦十郎の出した解は…

 

「その恩返しの為に此処に戻ったと聞きましたが、本当は司令の為ではなく、別の理由があるのではないのですか?」

 

「…そんな理由はありませんが?」

 

「本来の適合者であった叶さんが適合しなくなったのは、当時妊娠し、その子供に対して適合したのではないかという調査報告がありましたが、彼女にはその後妊娠どころか出産の経緯もありませんでした…ですが」

 

「私にはそれが出来ると言いたいんですね?確かに可能でしょう。

医師の心得はありますが…私にはその方の経験は皆無です…少し無理があるのではないでしょうか?」

 

「これはあくまでも僕の推測ですよ。貴方は二人から相談を受けた後に二人を匿い出産後にその子供を児童養護施設に預け、大神夫妻の親友であった水鏡夫妻と連絡を取り養子として引き取らせた。

その後、運命の出会いと言いたくはありませんが響さんと知り合い親友となった事…それが原因で今こうしてグラムとして僕たちに協力してくれている…司令と同意見ですが事件に巻き込まれ戦っただけで、響さんの事を守るために戦う事になった。あの両手の火傷はデュランダルを暴走時に響さんを止めた時に出来た火傷です…そこまでしてくれた彼女を善意とはいえ、これ以上は巻き込めません」

 

緒川は私情も含め本音を言った…これは弦十郎も同じ意見だからだ。

少し時間が過ぎた後に愁は諦めたように言った。

 

「名探偵と言いたい所ですが、貴方達は甘すぎますね…今の櫻井女史の様に大変珍しい装者である響君や、奏君が許可したとはいえ薬漬けにして装者にしても何と思わず薬の改良もせずに実験動物の様に利用するのが普通でしょう…だからこそ、あなた方に私からは話す事はもうありませんよ。それでも真実を知りたいのなら、月華さんがグラムと確認する事が出来るアドバイスをしましょう」

 

緒川は予想外の言葉に沈黙してしまうが、そんな事を関係無しに愁は話を続けた。

 

「直接本人に確かめたらいいでしょう。そうですね…事前に会いに行く理由を言って話せば済む事です。『この前に保護した際の情報機密書類に記入漏れがあった』ただそれだけであなたの望むお話が出来るでしょう」

 

愁はもう話す事は無いと制止の声も聴かずに立ち去った…

 

「やれやれ…僕の事は信用してくれたという事でいいですよね?子安博士」

 

緒川は愁の不器用さに呆れながらも感謝した。

 

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「さて…月華さんもここまで介入しているとは思いませんでしたが、私にはどうでも良い事ですね」

 

愁はどうでも良いと言ってはいるが、いつも傍で見ていたアテナからすれば、個人的な付き合いが長くとも無条件で治療をしアドバイスをするなどの行為は大変珍しい事で、シュウの事をよく知る友人にその事を言った時は大げさなほどに驚いたぐらいだ。

 

「私らしくないですね…一個人に此処まで関わった事は多くありますが、此処まで気になる人は初めてですね」

 

そんな事を考えていると携帯が鳴った事に気が付き、番号非通知ではあったが、誰だかは予想は出来た。

 

「何の用ですか?私は忙しいのですが…そうですか…あの事件の犯人が分かりましたか…やはり私の予想通りでよかったですよ。少しパヴァリア光明結社の彼はやり過ぎましたからお礼をしないといけませんね」

 

愁は独自の方法であのEUの研究所の犯人を追っていたが、自分の予想通りだった事で笑みを浮かべる…

他の人から見れば只の機嫌がいい笑顔見えるが、電話をしている仲間からすればそれは悪魔の笑みだと知っている。

 

「それで、どうする?ですか…私の都合ですし、面倒ですが私が…え?貸1つでいいですか…それでは派手にやって結構ですよ。私だとやり過ぎてしまうかもしれませんが貴方なら面白い事になりそうなので」

 

電話を切る時に「わかったわ派手に暴れてあげるけど…全く…敵だと認識したら本当に容赦ないわね」と呆れたように言われたが此処に居る時に無駄な問題を無くしたい事と、確実に恩人を殺した者達に報復を達成させる事は自分にとっても最重要事項だったが、無意識に月華のトラブルがあれば助けようとしていた事は本人にも分かってはいなかった。

 

「君が全てを知っているからこそつまらないと思っているけど、それで何もしないと本当につまらなくなるよ?」

 

愁は何時の時か聞いたあの言葉を思い出し、今こうして此処に居る事を只生きているだけの人形だった自分を変えた恩人に感謝した。

 

「全く…面倒は多いですが退屈ではない事は確かですね。退屈な日々を変えた礼とはいえ、同士の頼まれた物を見つけ確実に確保するために此処に戻ってはきましたが、退屈しなそうなので暫くは此処にお世話になりましょうか」

 

今、この状況を楽しんでいる事を過去の自分や古い友人達が知ったらどんな皮肉を言うのかを想像し苦笑しながら自分の業務に戻る愁だった。

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私は早速アテナさんを訪ねてみる事にした。

通いなれていたので顔パスで部屋に入れてくれたけど、鼻歌交じりで機嫌よくお菓子やお茶を出して一方的に雑談をされアテナさんに対して敵ではないかと警戒していた事が馬鹿々々しく思ってきた…

長い雑談の後に私は本来の目的である両手の治療を前の入院時で診てもらった事、出来れば治療を、アテナさんか先生に、今後も診てもらいたいと伝えた時にアテナさんは…

 

「あれ?月華さんの両手はあの大きな病院で診てもらったのに、もう私やシュウじゃなくてもあっちの設備の方が良いしあの病院で診てもらった方がよくない?」

 

アテナさんは当然の事を疑問に感じて聞いてきたけど、あんなにボロボロだった両手があそこまで回復できるものなのかと質問した時にアテナさんは少し真剣なもの変わった後に…悪戯がばれた子供のように…

 

「残念だけどそれ言ったらシュウに怒られちゃううんだけど…けどね。気になるからしょうがないかな…実はねシュウが特殊お仕事してんだけど、ナノマシンを使った治療を実験したかったみたいで…それでモルモットにしちゃった!!テヘ☆」

 

…なんかものすっごくこの笑顔殴りたいのは気のせいかしら?

どうやら、私が不機嫌になっている事が伝わったようで、アテナさんは冗談が過ぎた事を謝った後に、あの時の状況を思い出しながら言った。

 

「怖い顔しないで…でもね。それをしたから両手はその程度で良くなったのは運が良かったと思う…私の判断では最悪手首から切断も考えたから、モルモットは冗談だけど、ちゃんと認可も得た治療法だから安心してほしいかな。

後遺症もないし、私たちが勝手にやった事だからその治療費もいらないし、シュウが『こっちが勝手にやった事ですし、訪ねられたらこういえばいいだけです…人を助けるのに理由がいるのか?』って言ってるけどシュウって素直じゃないから、助けたかったんだと思う…私は最善を尽くしただけだから」

 

私もそれ以上は何も言えなかった。

念のためにヒルデに調べてもらったけど、すべて真実という事が分かった。

あの神様の事は一応は信用はしているが、先生のことに関しては謎が多い…

 

幸いにもアテナさんは先生の事について、私の疑問に問題なく答えてくれたけど、よく分からいと言って言葉を変えある研究のエキスパートと言ったけど聖遺物関連の研究員だという事はもう知っている。

でも、アテナさんと先生の関係に聞いた時は意外な言い方に戸惑ったのは確かね…

 

「私とシュウとの関係?う~ん…どう言っていいのかな?家族?パートナー?奴隷?そんな感じ」

 

…最後の奴隷が気になるけど、よく聞けば幼い頃からの付き合いで先生が仕事中の時は家事を全て請け負っていて、医師活動は好きでやってみたらしい…

その活動中で海外に行く事になり、私とは会えなかったらしく、その事を悔やんでいたみたいだ。

その後も先生と深く交流した人の事とか聞いても「知らない」の一言だった。

 

「シュウは興味を持った人か恩人…もしくは信じられると思った人以外は態度が冷たいからね~本当にブリザードだよ~こっちくんなオーラ全開で拒否するよ~だから月華さんの事お気に入りなんだよ~そこは自慢してもいいかな?」

 

ニコニコしながらだらけた会話をするアテナさんのせいで毒抜かれた気分よ…敵かもしれないと警戒した事を馬鹿々々しく思っていたけど、「からかうような言い方してごめんね」と言いアテナさんは苦笑しながらも諭すように言ってくれた。

 

「月華さん…シュウの事信じてあげて、私も長い付き合いだからわかるけど、こんなに心配している他人の人初めてなの。

私も月華さんの本当に知りたい事は言いたいんだけど、何時かシュウが自分から話すまで待ってほしい…意地悪してごめんね」

 

此処まで言われると警戒はするけど敵ではないと思いたい…

 

その後、何故かアテナさんに今の学院生活の事とか、未だに仲直り出来ていない響ちゃんと未来ちゃんの事を聞かれ長話となってしまった。

前世で一人っきりの事を考えれば、今のこの時間は大事なんだと思えるぐらいは分かるんだけど…アテナさんは明るすぎる性格でそのテンションについて行けないのは自分がいかに話慣れていないのが分かった。

意外に自分でも分からいくらいに長話をしていたら中学の時に知り合った人と会え、同じ様な雑談したけど、アテナさんと二人で話すよりは疲れが半減した事は感謝したい。

 

…でも疑問は解けたような気がする。

 

少なくとも先生達は、この事件には関わっていない事と少なくとも今は敵ではない事も…

じゃあ…コンバーターペンダントの作成者は違反神に従った転生者なのか?

深く考えすぎても仕方ないので今は、自分の安全の事を考えた方が利口かもしれない。

 

今現在ジークの情報では、まだこの事件に関しての真相がまだわからない事が多いので未来ちゃんには悪いけど当分会わないようにしてジークを預かってもらおう…

 

私はアテナさん達に色々質問した事を謝罪した。アテナさんからは気にしなくていいと言ってくれて、むしろプライベートな事を聞き過ぎた事に不快に思っていないかと言われ私も気にしていないと言った時にアテナさんもホッとしていた。

今度は先生がいる時にも訪ねてみよう…

 

寮に帰った時に固定電話に留守電があった事に気が付きその内容を聞くと、この前の保護時に機密事項の書かれた書類に記入漏れがあったので都合がいい日に職員が持って来て書くだけいいという内容だったけど…

取りあえずまだ連絡できる時間だったので、私も早い内がいいと思ったので近い内の休日の午後に会う事となった。

 

ヒルデは危険だとすぐここから逃げる様に言ってくれたが、前々から覚悟はしていたので気にしてはいなかった。

それに私に会いに来るのはあの人だろう。

 

予定は決まったし、人が来るなんて事少ないからお茶菓子ぐらいは買ってきておくかな…

そんな事を考えて言っていたら、ヒルデからは緊張感が無さ過ぎると言われたが、もう私は開き直っている。

ジークの情報だと、どうやら響ちゃん達はその日はお出かけする事は知っていたので、ゆっくり話せそうだ…

 

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特殊災害部署の人と会う約束した日にその前に私がした事と言えば、寮の部屋を少し整理したぐらいで、後やった事と言えば客人用のコップ類と茶菓子を本当に買いに行った事かな。

ジークからも少し心配されたけどあの人が私と平和的に話したいだけで敵対はほぼないと確信しているので問題な事を言った後に…〔響達は寝坊して今さっき急いでデートに行ったが、マスターには逐一報告しないでもいいだろうと思ってはいる…一応はなんかあったら報告はするが、どうする?〕とジークに確認されたんだけど…

 

ジーク…余計な気遣いなんだけど?

でも、あの風鳴さんが二人とどんなデートするのかは気になるけど、それは後回しにしてもいいわね。

確かに気になる事は気になるけど…

でも、風鳴さんも何か考えがあっての今日のデートだし、楽しんでほしいかな。

 

一応、私は黒幕が考えそうな襲撃をジークに聞いたが、雪音さんが離脱したようなものだから大きな動きをするのは当分先だろうと予想しているが、それ以上に完全聖遺物が複数所持がある為油断しないようにと警告された。

下手をすればあの人と話した後の数時間後にはに襲撃があるかもしれない…

その為に私は必要最低限の物しか部屋に置かなかったからだ。

 

その油断を無くす為の相談としてその人を待っていた。

ジークからの通信の数時間後に、来客を知らせるアラームが鳴り私はその人をリビングに案内し書類の未記入だった個所を署名した後、この後の本題が長くなると思いお茶と茶菓子を持って目の前の男性に差し出した。

その男性は、私のしたことに少し警戒したみたいだけど、私は敵対する意思は無かった…

只、今後の相談をしたいだけだ。

 

「お構いなく…僕の用はもう終わりましたのでここでお暇させて…」

 

その男性…緒川さんは話を済ませたかのように立ち去るようだったけど、もうジークの報告で私がグラムだという事がばれている事は分かっていた。

 

「本当の用事はこれだけなんですか…緒川さん?」

 

私が緒川さんの名前を出した時に私の顔を見た時に私の覚悟を分かってくれたみたいだった。

緒川さんは私の出したお茶を飲んだ後に「美味しいですね…貴方の決意を無駄にする様なことをしてしまって申し訳ありません」と謝罪してくれたけど、私はそんな事はどうでもいい事だった。

私の出したお茶をに口を付けたという事は敵ではないと信じてくれた事の証明で嬉しく思った。

 

 

________________________________________

 

 

緒川は月華に対して警戒した事を後悔した。

万が一に風鳴機関を恨み復讐するのであれば自分は人質となりあらゆる情報を手に入れる事が出来る…

今までの行動から敵対は無いとしても両親の死の真相を知ったであるなら危険視してもおかしくない。

 

だが、月華に会いに行く前に弦十郎があのクリスとの会話後に話した内容で両親の死の真相を知っていた事と、その事に対して恨みはないという事とその事実でで両親を死なせてしまった事を後悔しているような事を言った事、そう言った事を確かめる為に愁が言った提案でこうして自分に会いに来たのだ。

 

デュランダルによる攻撃を被害を少なくするために庇った時の怪我が酷かった事が分かる両手に巻かれた包帯を見た時に、もう十分だと判断し立ち去る事を決意したが、月華がお茶を入れ自分に出した事とある一言で彼女の決意を知った。

月華に対して対応に来た職員とは言ったが、偽名を名乗っていたのにも関わらず自分の名を呼ぶ事は自分の正体を明かすという事だった…

月華が入れたお茶を飲んだ後に謝罪をした後、月華ははっきりと言った。

 

「この姿では初めまして緒川さん。あの時はありがとうございます…私がグラムです」

 

その後、多少の雑談をし緒川が聴いたのは事件に関わった理由と異端技術についてだったが、理由は響の為だったと聞き弦十郎の勘が正しかった事と、両親の事の会話の時に出されたコンバーターペンダントと初めから見せる予定だったのか、ポケットに入れていたパスケースから一枚の写真を取り出し確認した事で大神夫妻の娘だと確認出来たがその裏に書かれたメッセージはあの命令が無ければ月華が幸せになれたのだろうと思うと悲しく辛い別れにしてしまった事を後悔させた。

しかしあの異端技術については答えは無かった。

月華が言うには今はまだ言うべきではないと言ったが、なぜ言えないのかを聞いた時に悲しそうな声で

 

「この力は私にとっては重大な秘密あり罪なんです…緒川さん達の事は信用はしています。ですが、それよりも前に話さなければいけない人がいるんです…その後にだったら全て話しますからそれまでは時間をくれませんか?」

 

その話さねばいけないのはおそらく響達の事だと察した事で、後日改めて詳しく聴くを約束し月華は安心したようだった。

その後、翼が近い内に復帰ライブをする事になっていて会場はあの悲劇の現場となった会場だった事を聞き、月華も最悪の思い出となったは確かだが奏と響の存命と会場の人命救助に役立った事など、今思えばあの時の自分の判断は間違っていなかったと笑顔で言った。

響と仲違いをしていた頃に初めて月華が翼と戦った事で奏に説教された事も話したが、月華は一方的に響と反発する翼に良い印象が無かった為に戦闘となったが、今ではやり過ぎたと反省していた。

 

「私はあの時風鳴さんの事情も知らずに酷い事言っちゃいましたね…私もあの時戦ったのは十分に自分勝手な理由だったのに、私はなぜ響ちゃんを認めないのかが分かりませんでした…

でも、理由がいつも隣にいて当たり前の人がいなくなって、その大事な人の力を事故だとはいえ奪い取った様なもので、その人の代わりに戦うなんて言ったら風鳴さんもその事に対して怒っても仕方ないと思います。

 

でも、響ちゃんはいつもの口癖の『へいき、へっちゃら』なんて言って装者にならなくてもノイズ災害に巻き込まれた人達を助けに行くんだろうと思います…平和な日常を過ごしているからこそ、その日常を守りたいという覚悟があった。

だから風鳴さんにも知って欲しかった。私は響ちゃんが守りたいものを…

 

でも、今思えば二人には私が介入したせいで迷惑かけてしまったので私も反省しないといけませんね」

 

緒川はそんな事は無いと言い、あの時に月華の言った事が今の翼の歌に大きな影響が与えたのかを言った後にポケットからあるものを出し机に置いた後に月華に言った。

 

「翼さんは、あの時水鏡さんと戦った時に言ったあの答えが今出せそうな気がすると言っていました…ですからこれを…」

 

緒川が出したのは翼の復帰ライブチケットだった。

 

予想外の緒川のしたことに戸惑っていたが「私が行ってもいいのかな」と翼に対しての罪悪感から苦笑する月華に緒川は言った。

 

「その自分勝手な行動で翼さんは自分なりの答えを見つけたのですから、その答えを聞きに行く事は貴方にとっては今、自分の中にある悩みを解決できるのではないかと思いますよ」

 

その言葉に月華は「ありがとうございます…必ず観に行きます」と頭を下げ言い、次の問題の事を話した。

 

「今日、緒川さんと話したことで大きな問題が発生しました…私の正体があの人に知られたら米国政府によって拉致される可能性が高まりました…お願いがあります」

 

「ええ…僕もそれに関してはいい案があります」

 

それは想定していた黒幕への対応の事と月華の今後に大きく関わることだった。

 

 

 




次回 エピソード17「…私を慰めてくれてるの?」

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