今回の話は原作6話のになっていますが
月華中心のお話で響と翼と未来が少しの割合のお話となっています
次回は6話の響と翼と未来とクリスの中心となりそうです…
子安先生とアテナさんの治療と痛み止めの薬のおかげで、あの時と比べれば握力は戻ったが…未だに日常生活に支障があって困っている。
学院の方には「寮でお湯を沸かした際にポットを倒してしまって、そのお湯で両手を火傷した」と先生に報告したけど…どうにかなった…(幻影魔法で軽いやけどに見えるようにした)
今でも、ドアを開ける時や道具を持つ時にかなりの痛みがあるのが苦痛でしかない…
この頃の主食は、ブロック栄養食やパンなどの調理工程が無いモノに限定している為、今まで自炊していた私にはその味に飽きていた。
今日は、休日だったので両手の治療とこの前借りた服(アテナさんはあげるって言ったけど)とタッパーを返しに行く事にしたけど…もう一つの問題があった。
それは、ジークの自己修復が遅れている事だった。
その時の事を思い出すと…ジークに申し訳なく思ってしまう。
ヒルデが再起動したのは、昨日の朝で起きた時に私の事を心配してくれていたのか…
〔マスター…私がふがいないために申し訳ございません…〕
ヒルデはこの謝罪の後黙ってしまったが、私にも謝らなければいけない事もある。
私はあの時の口喧嘩の事を謝罪し、自動修復モードの時に言ったあのお言葉を言った。
「いつもありがとう…ヒルデ……。これからもよろしくね」
ヒルデは私が予想したように、〔こちらこそ…よろしくお願いします。マスター〕とヒルデが答えた。
この会話の後に、ジークが自己修復が遅れている事を聞いてみると、デュランダルの停止の
今の私は、両手の怪我を誤魔化すぐらいの幻影魔法が使えない…両手の怪我もある。
だけど…私は出来る限りの事はしようと思っていたけど、この状態だと足手まといにしかならない。
最低でも、光球を使った攻撃魔法が、使えるようにならないと…魔法に関しては補助に特化させてしまったので、今から戦闘用に切り替え出来るのか不安でしかない…治療魔法も、この先必要になるだろうと覚えようとしている所だったが、暫くはおとなしく暮らそう…
取りあえず、子安先生の所で行こう…
私は貸してもらったエコバックを肘に掛け子安先生の所に向かった。
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響は、デュランダルの移送計画の数日後の日曜の午前中に、未来を誘ってグラウンドをランニングしていた。
デュランダルを手に取った時に、意識が黒く塗りつぶされ、その力をなんも躊躇いもなくあの鎧の少女に放とうとしていた自分がいた…
あんな事をしてしまったのは、まだ自分がアームドギアを形成出来ていない弱さのせいと思っていたからだ。
その暴走を止めてくれたグラムはどうしているだろうか?
彼女は、デュランダルの暴走を止めるために未知の力を使い暴走を止めてくれたが、両手を負傷したと緒川から聞いていたが、彼女が居なければその場にいた緒川と、力を振るおうとした鎧の少女を確実に殺していただろう。
本当にグラムは何者なのだろう…
気を失う前にグラムが「良かった…」と安堵の声の後に自分の名前を言われたような気がしたが…気のせいだったのだろうか?
その後、デュランダルは起動はしているが、響が使用した出力より低くなっていると了子からは聞いていた…
自分が弱いばっかりに、デュランダルの暴走を引き起こした事と、グラムにも迷惑をかけてしまった…
未来と決めていたゴール地点を過ぎても響は走り続けた。
ゴールで立ち止まってはだめだ…もっと遠くを目指さなければいけない…
その事を思いながら走り続けたが…その背中を、未来が複雑そうに見つめていた事を、響は知らなかった。
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翼は松葉杖を突きながら歩いていたがICUを出たばかりで体力は戻っていないので誰が見ても無理をしているのは分かった。
今も、看護師に無茶はいけないと心配されていた。その時、偶然にも学院のグラウンドが見え、そこで響が走っている所を見た。
奏から戦う理由を聞いた時の話した事を思い出した。
「初めは…ノイズに対しての復讐かもしれない…。だけどな…戦っている世界の裏側にまた違ったものがあるのを見て…それを守りたかったのかもしれない…。それが私の戦っていた理由かな…」
翼は、もうすでに
報告書を見たが…あの時は絶唱を使い撃退されていたあの鎧の少女に勝利してしていた事だ。
グラムの介入もあったが偶然にも起動してしまったデュランダルの暴走も彼女のおかげで最小限に出来たが負傷したと聞いたが…彼女はなぜここまで自分たちの味方をするのかが分からなかった。
絶唱を使用したあの日に、自分の事を心配して病院まで尋ね謝罪をした後立ち去った事を緒川から聞いていたが…全快したら謝罪しに来るのではないかと緒川は言っていたが…グラムの戦う理由は何なのだろうか…復帰した時に会える事があれば聞いてみたかった。
その為に、正常に歩けるようにリハビリしていたが…その後、奏に「本当にある意味ポッキリいきそうだ…」と呆れながら皮肉を言った後、病室に無理矢理連れて行き、強制終了されたのは少し後の話だった。
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未来は響と、グラウンドをランニングしていた事を思い出していたが不安は溜まる一方だった。
あの時、走り終え息を整えていた時に響は、まだ走り続けていた…
話せない理由があるのも知っているが…自分を置いてどっかに行ってしまいそうな不安がいまだにあるのだ。
そのランニングの後でお風呂に入った時に疲れでクタクタにはなってはいたけがいつもの響に戻っていた。
一応は、今日付き合ったお礼として今では常連となっているお好み焼き屋の[ふらわー]でおごってもらう約束をしたのでその不安は少しなくなったが…この後、その不安がさらに大きくなる事を未来は知らなかった。
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昨日は子安先生の所まで行ったけど両手の治療は、受けられなかった。
どうやら用があったのかアテナさんと二人で出かけていたけど…その代わりに、中学時代に会っていたもう一人の同居していた人に会っていたけど元気そうで良かった。
私は借りていた服やタッパーやエコバックを渡してお礼を言って帰ろうとしたけど、彼女と話すのは久しぶりだったので長居してしまった。
その間に子安先生は帰ってこなかったけど、いい気分転換になった。
彼女も結構な苦労人らしく子安先生が助けてくれたおかげでこうしていられる事を話してくれたことがあったけど、その事はあまり話してはくれなかった。
優しくしっかり者の姉がいる事は教えてくれたけど、どんな人なんだろう…(今は連絡していないみたいだけど…何かあったのかな?)
また来ることを約束してその日は寮に帰ったが、寮に着いた時に食べ物を買うのを忘れていたため、その日はブロック栄養食でどうにかしたけど…いい加減に味に飽きていたので、今日は久々においしいものが食べたい…
学院の学食もいいのだけどまだ上手く箸などを扱えないので、時間がかかってしまうのでパンかブロック栄養食になってしまうのだ。
その事を第一に考え、子安先生の所に治療に行くのはついでと考えていた。
学院の玄関で靴に履き替えようとしていた時に、未来ちゃんに声を掛けられたけど…私の両手に巻かれた包帯を見た時に、心配されたけど只の火傷と言って(ホントは重傷だけど)誤魔化したけど何故か火傷の事をすごく疑っているけど…何かあったのかな?
私は、直感的に響ちゃんに何かあったのか?と思い聞いてみたけど図星だったみたいで詳しい事を話してくれなかったけど…響ちゃんがこの前のデュランダルの移送計画も話してくれない訳も、今こうして私に未来ちゃんが悩んでいる事を話してくれない事…私の秘密の事を話せない事…何か複雑になってしまっている関係に、私はどうしたらいいか分からなかった…
こんな気まずい空気の中、私が空腹だったのか…音が鳴った…
未来ちゃんはその音が私から出たものだと察してくれたみたい…
確かにロクな食事をしていなかったけど、こんな時に鳴るとは…かなり恥ずかしいし立ち去ろうとした時だった。
「月華…おいしいお好み焼き食べに行かない?」
未来ちゃんが笑顔で誘ってくれたけど…私を引き留めようとして怪我をした手を取ってしまった…
激痛で悲鳴を上げそうだったのを必死で堪え私はこう答えた。
「行ってもいいけど…強く握らないで…お願い…」
少し涙目になっていながら、こんな時でも意地を張っている私を見て謝っていたけど気にしていない事は分かってくれたみたいで、未来ちゃんとそのお好み焼き屋に行くことになった…
目的のお好み焼き屋である[ふらわー]に着き、店員のおばさんと仲良く話している未来ちゃんが私の事も紹介してくれた時に「いつも人の三倍食べるあの子じゃないのね…新しいお友達?」とおばさんには聞かれたけど…友達とは言えなかった。
未来ちゃんも「大事な幼馴染なんです」と言ってくれたが…私は
おばさんが未来ちゃんと話していたけど私は自分の今の状況を考えていたけど…私がいるせいで、二人に大きな重荷になっている事は自分で理解していた。
そんな事を考えていると未来ちゃんが元気がない事に、気がついたおばさんがお好み焼きを作りながら「じゃああの子の分まで食べるとしようかね~」と元気づけるように話してくれるけど、未来ちゃんの悩みは響ちゃんに対する不安だ…未来ちゃんも「食べなくていいから、焼いてください」と言った後におばさんも苦笑しながら焼いてくれていた。
「お腹空いてるんです…今日はおばちゃんのお好み焼き食べたくて、朝から何も食べていないから…」
未来ちゃんはうつむきながらも、おばさんに言ったけど…未来ちゃんの不安がそこまで大きくなっていたなんて…肝心な時に私は…どう言えばわからなかったけど…おばさんは察してくれたのか
「お腹空いているまま考え事しているとね…嫌な答えばかり浮かんでくるものだよ」
と未来ちゃんを励ましてくれたけど…それは私も同じか…
どうやらおばさんは私の事を含めて言ってくれたみたいだ…
未来ちゃんもその言葉で自分の答えを出したみたいだ…私も
その後、お好み焼きをおいしくいただき夕飯用と
今回、此処を紹介してくれたお礼として奢ったけど…「今度は響も一緒だからね」と未来ちゃんに言われたけどそれは「仲直りしなさい!意地を張るのをやめて」と言いたいと思うんだけど…いつものように「考えとくわ」答えておくと「いつかでもいいから…」と笑顔で答えてくれた…
お土産用のお好み焼きが、焼きあがる時間もあったので未来ちゃんは先に帰った。
おばさんは、私たちの事情についてその場の空気で察してくれたみたいで何も聞いてはこなかったけど…私はある事を聞いてみる事にした。それは私のこの先の事を決める事で大事な相談だった。
「友達に絶対に言えない秘密があって…それがばれた時その事が原因で友達にも他の人にも迷惑がかかってしまう事が、分かっていても友達といたいと思う気持ちは…」
間違っていますか?と言い切る前におばさんはこう言ってくれた。
「あの時『大事な幼馴染』と言ってたけど…それが答えじゃないの?」
優しい笑顔でおばさんは答えてくれた…
その答えのおかげで私はこの先どうするかを決めた。私はおばさんにお礼を言ったけどおばさんは気にしてはいないようだったけど…感謝した
どうやら、子安先生達のお土産分が焼けたみたいなのでお金を払った後お土産が入ったビニール袋を手首に掛けておばさんに改めてお礼を言った後に子安先生の所に向かった…
この時私は、本当の意味での
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ふらわーのおばちゃんは今日、話していた両手に包帯を巻いた少女の事を思い出していた。
二人とも仲のいい友達のように見えたが、何か深い訳でもあったのだろう…
「友達に絶対に言えない秘密があって…それがばれた時その事が原因で友達にも他の人にも迷惑がかかってしまう事が、分かっていても友達といたいと思う気持ちは…」
その後の言葉は、何となく勘で分かったがどうやら…悩みは解決したみたいだったので良かったが少し困った事があった。
それはあの少女が左腕に着けていたブレスレットの宝石が落ちていた事だった。
返そうにも連絡先が分からないので未来が来店した時に返してもらえばいいと思っていたが、その宝石がその後自分の命を救うきっかけになる事を知らなかった。
次回 エピソード11「その嘘は…」