捻くれた少年と恥ずかしがり屋の少女 作:ローリング・ビートル
それでは今回もよろしくお願いします。
μ'sのステージははっきり言って、俺の想像を遥かに超える盛り上がりだった。その磨かれたパフォーマンスは明らかに場の空気を変え、観衆の目を釘付けにしていた。
天使のコスプレをした花陽に見とれながら、祭りの雰囲気に酔いしれる。そんな最高の時間が過ぎていった。
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「お疲れ」
「八幡さん!」
控室前で花陽が駆け寄ってきて、がばっと勢いよく抱きついてきた。
「お、おい……」
「ふふっ、嬉しくてつい……」
「そうか……」
言いながら、そっと抱きしめ返す。花陽の小さな体が、すっぽり腕の中に収まるのを感じながら、甘い香りを吸い込んだ。
「他のメンバーは?」
「学校の友達と話してますよ」
「そっか……花陽はぼっ「違います」はい」
他愛ないやり取りをしながら、花陽から手招きされて、控室の中に入る。
ドアを閉めたら、街の賑わいがさらに遠くなった。
自然と引き寄せられていく。
「…………」
「…………ん」
唇を離し、見つめ合うと、その潤んだ目が本当に可愛くたまらなくなり、また温もりが重なる。
「…………っ…………!」
「…………んん…………っ」
もっと重ねたい。もっと花陽の事が知りたい。
それだけで体が動き出す。
「…………んっ」
舌が触れ合う瞬間、花陽は驚いたようだが、すぐに受け入れ、舌が絡まり出す。
ざらついた感触を味わいながら、深く深く、互いの温もりを確かめる。
「…………!」
唇が離れた瞬間、うっかり滑って後ろに倒れる。花陽はこちらの胸に強く飛び込んできた。
「だ、大丈夫ですか?」
「ああ、悪い」
使われていないマットやクッションのようなものが敷かれており、痛くはなかった。
とりあえず体を起こそうとする。
「ひゃうっ」
花陽が可愛らしい悲鳴を上げ、びくんと跳ねた。
よく見ると、花陽は膝の上に跨がり、膝には柔らかい感触が……
「わ、悪い……」
「もう、八幡さん……いやらしいです」
顔を真っ赤にして体を火照らせた花陽は、今度は自分から唇を重ね、舌を入れてくる。濃厚な甘い香りに部屋全体が包まれている気がした。
「…………っ…………!」
「…………んんっ…………んっ」
思考回路はとろけて、本能が剥き出しになり、ただひたすら求め合う。
花陽の手が俺の肩を探るように撫でているのを感じながら、俺の手は花陽のくびれの辺りをなぞるように滑り、今度は丈の短い衣装で露出している太股の辺りに手を伸ばした。
「…………っ!」
花陽がまたびくんと跳ねたので、手を引っ込める。だが花陽は、耳元で囁いてきた。
「八幡さん、いいですよ」
「…………?」
「私は……八幡さんになら……何だって……」
こちらが反応する前に、また激しく唇と舌が絡み合い、湿った音が耳朶を撫で、自然と手が動く。
また、花陽の太股に触れ、柔らかさを確かめ……
「花陽、ここですか?」
全てをリセットするように、ガチャッと誰か入ってくる。
姿を見せたのは園田さんで、彼女はこちらを見て、瞬時に顔を真っ赤にし、テンパりだした。
「は、は、は、花陽、ひ、ひ、比企谷君……何を……!」
「「…………」」
俺と花陽はその様子を、何をするでもなくポカンと眺めていた。というか動く事ができなかった。体が半分、夢の中にいるような気分だった。
「……きゅうぅ……」
そのまま園田さんは気絶してしまった。
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