捻くれた少年と恥ずかしがり屋の少女   作:ローリング・ビートル

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「え~!比企谷君が!?びっくりだよぉ~!おめでと~♪」 城廻めぐり

  それでは今回もよろしくお願いします。


群青

 

「まさか、八幡と会えるなんて思わなかったよ-!」

 普段よりはしゃいでいる戸塚は、その白い肌が太陽の光を反射して、さながら天使から女神へとランクアップしたようだ。ただ、大きめのパーカーを着ていて、露出しているのが、顔と手足だけというのが惜しい。非常に惜しい。いや、パーカーを着ていなかったら、俺のような俗物は見ただけで消滅してしまうのかもしれない。

「戸塚は一人で来たのか?」

「うん。親からチケットを貰ったんだけど、皆用事があって……」

 ここにヒマなぼっちがいますよー!!

「八幡はプールはリア充の巣窟だから嫌いって言ってたし……」

 その時の俺くたばれ!爆発しろ!!

「でも驚いたよ!八幡がμ,sのメンバーと、その…………付き合ってるなんて…………」

「ひ、ひゃい!?」

「え?ち、違うの?」

「な、何でそうなるんだよ……」

「だ、だって、抱き合ってたし……」

 できるだけ思い出さないようにしようとしていたが、戸塚の言葉で、先程の熱が蘇る。不可抗力とはいえ、上半身裸の女子と抱き合っていたのだ。つまり、俺の胸元にあった感触は…………はい、しっかり残ってます。

『私も、八幡さん以外に見られたくないです…………』

 甘くとろけるような囁きも確かな響きを持っていた。

「は、八幡?どうしたの?顔が赤いよ?」

「♪○△□♯*※」

「何言ってるかわからないよ~!」

 そうこうしている内に、3人が戻ってきた。

 

「おい、見ろよ。美少女が増えてやがる」

「だから何であんなぼっちが…………」

「神様、何が何でも奴に天罰を!」

 また物騒な声が聞こえる。おい2番目の奴。次は屋上な。

「初めまして、戸塚彩加です。わあ、やっぱり実物はさらに可愛いね~!」

「は、初めまして……小泉花陽です」

「初めまして!星空凛です!わ~すごく可愛いにゃ~!」

 おっと、危うく美少女達の出会いの瞬間を見逃すところだった。何かここだけ涼しいよ。え?戸塚は男?もう戸塚は戸塚でよくね?まあ、戸塚が褒められるのは誇らしい。

「当たり前だ。千葉の天使の一人だからな」

「何でお兄ちゃんが威張ってんの……」

「は、はずかしいよ……八幡」

「むぅ……」

 あれ?別の涼しさ……いや、寒気が……。

「花陽ちゃん、安心して!戸塚さんは男の子だから」

「「え?」」

 衝撃的な事実に2人はフリーズした。まあ、俺も実はまだ疑っている。

 もちろん2人が信じるまで、丁寧に説明しました。

 

 戸塚も加わり、昼食をとった後、全てのプールを遊び尽くしてから、5人で休憩エリアでくつろぐ事にした。提案したのは俺で、理由は無論、話を聞くためだ。初対面の戸塚もいるが、俺と違い、真面目に部活に取り組んでいる者同士、もしかしたら、俺や小町よりいいアドバイスができるかもしれない。

 休憩エリアはそこそこ人がいたが、寝ている人が結構いたので、気にならなかった。

 花陽の方を見ると、顔を赤くして目を逸らされた。正直に言えば、まだ俺もさっきの事が気になって仕方ないが、ここは持てる理性と自制心とぼっち力で抑え込み、話を切り出した。





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