捻くれた少年と恥ずかしがり屋の少女 作:ローリング・ビートル
ラブライブ!サンシャイン第4話最高でした!
それでは、今回もよろしくお願いします。
おかしい……。
カレンダーを見る。
何かの間違いだ……。
またカレンダーを見る。
何故、明日から新学期なんだぁーーーー!
受け入れ難い現実がそこにはあった。
「にーかーげーつーたーりーなーいー」
…………まあ、どんなにぼやいても、現実は変わらない。ならば今日だけでも思う存分に惰眠を貪るしかない。
今日のスケジュールが決まったところで、さっそくベッドに飛び込み、目を閉じる。いい夢見れますように!
「お兄ちゃーん!!」
我が妹がノックもせずに入ってきた。
「お兄ちゃん、出かけるよ~♪」
返事はしない。ただの屍のように。
「…………」
「ゴミぃちゃん。東京に行くから、さっさと用意して」
「はい?」
あ、やべ。反応しちゃった。
「花陽ちゃんに会いに行くんだよ!」
「花陽ちゃん?誰だ?」
「お兄ちゃん、怒るよ?」
いかん、小町に嫌われる。俺は脳内のデータベースを急いで検索し、花陽という名前を見つけ出した。
「小泉がどうかしたのか?」
「花陽ちゃんが好きなスクールアイドルのイベントがあるらしくて、私も見てみたいって言ったら、チケット用意してくれたの!」
「そうか、楽しんでこい」
布団にくるまって、光を遮断する。
「てい!」
蹴られた。しかも割と強くて痛い。
「小町ちゃん、乱暴よ」
「お兄ちゃんの分もチケットあるの!てゆーかお兄ちゃん!花陽ちゃんにずっと連絡してないでしょ!」
用事もないのに女子に連絡なんて俺にはできない。同じ轍は踏まないんだよ。
俺の表情から何かを悟った小町が盛大な溜息をついた。
「まったく、これだからゴミぃちゃんは……。とにかく着替えて!」
小町セレクトの着替えを渡され、ドアがバタンと閉まる。こうして俺の休日の予定が強制的に決められてしまった。
「あ、小町ちゃーん!は…………お兄さーん!」
秋葉原駅を出てすぐのところに小泉がいた。こちらにすぐ気づいて声をかけてきたが、俺を呼ぶ時に間があったけど、本当は来てよかったのだろうか。イヤなんじゃなかろうか。
「うーん、まだ無理かー……」
小町が小声で何か呟き、小泉の元へ駆けていく。
「花陽ちゃ~ん、久しぶり~♪元気だった-?」
「うん、元気だよ!小町ちゃんも元気そうだね♪」
「そりゃもう、1番の取り柄ですから!兄はあんなですけど」
「うす、元気そうだな……」
よし、噛まなかった。
「は、はい!お兄さんも元気……ですか?」
俺の時は疑問符がつくのか。
「心配すんな。この眼はデフォルトだ」
「い、いえ!そういうわけではなく!」
「まあ、お兄ちゃんの眼なら仕方ないよ。それより花陽ちゃん、今日の服も可愛いね~!ね、お兄ちゃん」
仕方ないのか。そうなのか。
小泉の方からは見えないだろうが、小町はこちらを睨んで『誉めろ、さもなくば殺す』と言わんばかりの目を向けてくる。
「あ、ああ。確かに可愛いじょ」
噛んじゃった。小町は溜息をついている。いや、半分はお前のせいだ。一方、小泉は…………
「あ、ああ、あ、ありがとうございます!お、お、お兄さんもすす、素敵です!」
小泉は俺が噛んだ事に気づいていないようで、顔を紅くしてあたふたしている。。そして俺もいきなり誉められたので、かなりテンパりそうだ。
「はやく行くよーー!」
何故か少し頬を染めた小町に呼ばれ、俺達は足早にイベント会場へと向かった。
今更ながら、響け!ユーフォニアムが面白い!
読んでくれた方々、ありがとうございます!