捻くれた少年と恥ずかしがり屋の少女 作:ローリング・ビートル
明日はラブライブ!サンシャイン第7話!!
それでは今回もよろしくお願いします。
謎の呪文を唱え続ける花陽をつれて、綺羅ツバサと並んで歩く。美少女2人と歩くなんて正にリア充そのもののイベントだが、特に深い意味はないだろう。普段ぼっちとして誰にも迷惑をかけず、誰にも嫌な思いをさせないという社会貢献を果たしている俺に対しての神様からのプレゼントだろう。ぼっち万歳。ありがとうぼっちの神様。いるかわからんけど。
ぼっちの素晴らしさを再認識している内に、目的地へと到着する。
UTX学園。
女子校じゃねーか。
「着いたわ。まだ連休中だから生徒も先生もほとんどいないと思うけど、はぐれないでね?」
「うわぁ……」
花陽は校舎とは思えないくらいにお洒落なビルを見上げ、感嘆の声を漏らす。ちなみに俺は女子校に入る心の準備で手一杯だった。
「ここが私達の部室よ」
「「…………」」
カードキーを使ったり、快適なエレベーターだったり、ここに来るまで驚く事は色々とあったが、この部室に対する驚きは格別だ。
座り心地の良さそうなソファ。俺の家のものより大きなテレビ。奥に見えるレッスンルーム。窓からは人の流れが賑やかな秋葉原の街並み。奉仕部が対抗できるのは、部屋の広さと、雪ノ下の持ち込んだティーセットくらいだ。
花陽も自分のところの部室と比べて思うところがあるのか、隅々まで部屋の中を眺めている。
「どうぞ、座って。紅茶淹れるから」
俺と花陽は言われるがままにソファに座る。いかにも高そうなソファなので、かなり丁寧な動作になった。
「ど、どうしましょう……私達……何をされるんでしょう……」
「お、落ち着け……」
どちらもビクビクしている。だがそんな戸塚みたいな目で見られたら、柄にもなく虚勢を張るしかない。
「お待たせ。小泉さん、それと……」
「ひ、比企谷でしゅ……」
噛んだ。
仕方ないだろ!さっきはいきなりの登場にあっけにとられていたが、改めて見ると、圧倒的に美人なんだもん!
「ふふっ。あなた面白いわね」
「はは……」
俺と花陽に紅茶を差し出しながら、綺羅ツバサは再び俺の顔を覗き込む。だから近い近い近い近い!
「…………むぅ」
また花陽が頬を膨らませる。これはもしかしてつついてくれアピールなのかもしれない。しかも、さり気なく足を踏んでくる。だが体重をかけてないのか、ちっとも痛くない。平塚先生に見習わせてやりたい。
『抹殺のラストブリットォーー!!!』
ポスッ。
うん、ちょうどいいじゃないか。何ならブリットをプリットに変えるまである。
「小泉さんはボーカルスクールに通ってるの?」
「いえ、そういうのは全然……最近は真姫ちゃ……同じグループの西木野さんにボイストレーニングを……」
いつの間にか俺は蚊帳の外で、女子2人が熱い部活トークをしていた。
……これじゃ奉仕部と変わらねーじゃんか。
読んでくれた方々、ありがとうございます。