捻くれた少年と恥ずかしがり屋の少女 作:ローリング・ビートル
ラブライブ!サンシャイン、ヨハネ堕天!
それでは今回もよろしくお願いします。
ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
昨日の事がまだはっきりと頭の中に浮かび上がる。
何やってんの?俺!!バカじゃねぇの!?
この、バカ!ボケナス!八幡!
だから八幡は悪口じゃねえ!!
朝から腐った眼でベッドでのたうち回る気持ち悪いぼっち、というか俺。あれから一睡も出来ずに夜が明けた。
「お兄ちゃん…………何やってんの?」
ドアの傍から小町が怯えた目をしながらこちらに声をかけてくる。いかん、花陽だけでなく妹にまでドン引かれてしまう。
「別に、朝の体操してただけだ」
「…………」
小町はジト目でこちらを見ている。まだ機嫌が少し悪いようだ。これ何か理不尽じゃね?可愛いけど。
「やっぱり昨日花陽ちゃんと何かあったの?」
「いや、何も」
小町にまで知られたら生きていけない!
話しているうちにメールの着信音が鳴る。
俺は小町をやり過ごし、スマホの画面を見る。
花陽からだ。
うじうじしても仕方ないので、さっさとメールを開く。
『昨日はありがとうございました。本当に嬉しかったです!』
「おぉう……」
くっ、何だこの可愛い生き物!もしかしたら、戸塚と張り合えるレベル。この子が書いた小説なら、材木座レベルでも読んじゃう!材木座って誰か知らないけど!
いや、浮かれるな八幡。非モテ三原則を忠実に守り続けた俺がこの程度で…………。
「お、お兄ちゃん……」
「どした?」
いつの間にか仕度を終えていた小町がさっきとは違い、冷たい目をして告げた。
「学校では絶対その不気味な笑顔は止めてね……」
「はい」
「それと……」
「?」
小町は悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「花陽ちゃんって眼鏡はずした方が可愛いね♪」
そういって自分のスマホの画面を見せてくる。
そこには、制服姿の花陽が写っていた。だが、今回は眼鏡をしていない。入学したての頃のオドオドした感じがなくなりつつある。
「なっ、おま…………」
「大丈夫!後で送ってあげるから♪」
このガキ…………。
「小町を学校まで送ってくれたらね♪」
「……へいへい」
ったく、仕方ねぇな。
この日、小町から送られてきた写真を見ていた俺は、何故か危険人物と認定された。由比ヶ浜の口撃がキモいから怖いに変わっていたのは割とショックだったし、雪ノ下が罵倒を通り越して優しかった時もダメージを受けた。おかしい。頬が緩むのを堪えてたのに。
小町ちゃんから送られてきた先輩の写真を眺める。
読書中のようで、いつもの捻くれた印象が緩和されていた。
先輩こんな表情も見せるんですね……。
この写真を見ながら、この前の帰り際の言葉を思い出すと、頬が緩みそうになる。学校では気をつけよう。
「かっよちーん!」
凛ちゃんが後ろから抱きついてくる。いきなりの事にスマホが手から離れた。
「おっと」
凛ちゃんがすぐに反応して、キャッチしてくれる。
「ん?」
「あ!」
そういえばまだ写真を……
「これ…………誰にゃ?」
「あ、うう」
きょとんとしている凛ちゃんに私は顔を真っ赤にして俯いてしまいました…………。
読んでくれた方々、ありがとうございます!