妖精さん、我が道を爆走中   作:オートスコアラー

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第5話

いれぎゅらー、と呼ばれる妖精さん3人組が誕生したらしい。うちの工廠の妖精さんの間でにわかに噂になってるようだが、実際のところはよくわかってない。まあ軽く聞いた程度だが、最近では艦娘用の装備だけではなく、鎮守府防衛用の兵装まで手掛けているらしい。まああの妖精さんだろう。もう慣れた。

 

「司令官、窓の外にドーナツが飛んでる」

 

「……響、ドーナツは空を飛ばないよ」

 

「……じゃああれは一体なんだい?」

 

執務をしている手を止め窓の方を振り向くと、確かに言われてみればフレンチクルーラーが飛んでいた。けど自分の知っている限り、フレンチクルーラーはあんな鉄みたいな色はしていないし、空中を回転しながら艦載機のようなものは出さないし、それら全部から細いレーザーのようなものが的を貫くだなんて聞いたことがない。というか、フレンチクルーラーの上ではしゃいでいる妖精さんたちは目を回さないのだろうか。

 

「……あれはドーナツじゃないよ」

 

「じゃあなんなのさ」

 

「UFOっていうんだ。未知の体験だよ」

 

「ハラショー、それはいい体験をしたよ」

 

そう、自分は今未知の体験をしただけだ。だからあんなものは自分の鎮守府にはないし、防衛用の兵装なんてことはない。ないと信じたい。

しかし後日

 

「しれぇ!お外にドーナツがたくさん飛んでます!」

 

と雪風に言われて行ってみれば、フレンチクルーラーが変態……もとい、編隊を組んで飛んでいた。確かにあれは防衛用の兵装ではなかったようだ。だからと言ってあんな空域制圧兵器は認めないが。この後ちゃんと妖精さんのところへ行き、彼女たちの泣く泣くの訴えで防衛用兵装にダウングレードさせることで落ち着いた。まあダウングレードさせたところで鎮守府の防衛力が跳ね上がったことに変わりはないけれど。

 

 

~~~~~~

 

 

やぁ、妖精さんです。しゅにんさんが面白いものを作ってくれました。なんでも回転しながら攻撃して、尚且つ子機で残りを倒すというコンセプトの空飛ぶフレンチクルーラーです。しゅにんさんは「ぐれいろーたす」と言ってましたが、みんながあんまり呼び慣れないのと、自分がフレンチクルーラーと言った時それっぽいと定着したので「空飛ぶフレンチクルーラー」と相成りました。

しゅにんさんは名前が変わって残念だったのかたくさん作っていましたが、提督に言われて防衛用になりました。フレンチクルーラーが空を大量に飛んでいたのは圧巻だったために残念です。

まあ一つだけ改造して妖精さん達が乗れる移動要塞っぽくなったやつがあるので、それで空を飛んでることにしましょう。根性で上に乗ってる肝っ玉の大きい妖精さんもいるようですが。


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