妖精さん、我が道を爆走中   作:オートスコアラー

4 / 7
第4話

おかしい、最近妖精さんが増えた気がする。少し前までは(その時は)ビキニにパレオを着ていた例の妖精さんだけだったが、今日見た時は隣にもう1人厄介そうなのがいた。いや、厄介というのは可哀想だが、流石に頭に機械のようなパーツを付けた技術主任のような白衣を着た妖精さんは警戒に値するだろう。他にもブリキのバケツのようなものを被った半裸の妖精さんもいた。皆彼女の同類なのだろうか。

 

「( ゚д゚)」

 

「Σ(゚д゚lll)」

 

「( *`ω´)」

 

まあ3人で仲良く試製51cm連装砲を作ってる辺り仲はいいのだろう。同類だということははっきりとしたわけだが。だから笑顔でこちらを見るのはやめてくれ、その後ろに控えてる練習で作った大量の46cm三連装砲の報告書はどうするつもりなんだ。大和どころかうちの戦艦全員にガン積みしてもお釣りがくるぞ。

 

「提督……その、頂けるのは有難いのですが、いきなりなので少し慣れるまでに時間が掛かりそうです」

 

って榛名に言われたぞ。そりゃいきなり大和砲なんで配られたらそうなるわ。それでも余ったから仕方なく大本営の方に流したわ。理由聞かれたから少し開発しすぎただけですって言ったら怪しい目で見られたよ、自分じゃない、あの妖精さんたちだから。

 

「提督、もう直ぐ呉鎮守府の艦隊との演習の時刻です」

 

あぁ、そういえば向こうの呉鎮守府と演習の予定があったのだった。これは胃が痛くなる。なんせこちらは装備だけは本気も本気だからだ。練度もギリギリまで上げてある。対して向こうはまだ新人だったはずだ。電話越しでもおっかなびっくりといった感じだった。その新人にフル改修ガチ装備機動部隊をぶつけるなんてパワハラ以外の何物でもない。かといって島風単艦にしたところで今度は何も当てられずに終わるだろう。はっきり言って誰を出してもオーバーキル間違いなし。これはひどい。

 

「(・ω・’(・ω・’(・ω・’)」

 

いや、妖精さんが悪いわけじゃないよ。タイミングが悪かっただけだから。かといって笑顔でJu87C改を量産するんじゃない。それ作れなかった筈なんだが。

 

 

~~~~~~

 

 

どうも妖精さんです。先ほど他の鎮守府の艦隊と演習したらしいですが、結果はボロ勝ちしたらしいです。なんでも島風単艦で完全勝利、空母単艦で完全勝利、水雷戦隊で電撃戦をしかけたら僅か3分で終わったとか。

やっぱり私たちの作った装備は伊達じゃないようです。それと最近お友達ができました。機械頭に白衣の「しゅにん」さんとバケツ頭に半裸の「J」さんです。2人とも独特の感性と独特の喋り方をするので私と2人を合わせてイレギュラーと呼ばれてます。嬉しい限りです。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。