妖精さん、我が道を爆走中   作:オートスコアラー

2 / 7
第2話

朝起きたら鎮守府が多国籍化してた。

 

いや、自分でもよくわからないのだがいつの間にか見知らぬ艦娘がいた。しかも日本語以外の言語を使っていたため少なくとも日本の艦娘ではなさそうだ。もし日本の艦娘ならいつからここまで日本はグローバル化したのだろう。

 

「Und ich begann Admirals , sage ich, dass ich Prinz Eugen . Ich danke Ihnen von jetzt danken!」

 

「Kon'nichiwa , dico io Rittorio . I miei migliori saluti」

 

「……あー、は、ハロー?」

 

「「Hello!」」

 

いや、挨拶できても何言ってるのかわからないんだが。なんとなく自己紹介してるんだというのは雰囲気で伝わるのだが、如何せんこちらから意思表示出来ないため先に進まない。というか原因は恐らくだがあの妖精さんなんだろう。昨日は確か軽空母レシピを頼んだ筈なんだが。

 

「(´・ω・`)」

 

と、件の妖精さんが木箱を持ってやってきた。なんだこれと思い開けてみるとマイク付きのヘッドホンが入っていた。……どうしろと?妖精さんのジェスチャーを見る限り付けるんだろう。まあ通信室にいる訳では無いから何も聞こえ

 

「えーっと、聞こえてますかー?」

 

「あ、もしかしたらアドミラール、ドイツ語わからなかったのかも」

 

「え?あぁそれもありえるかもしれませんね。……じゃあどうしましょうか」

 

……疲れているのだろうか、目の前の彼女達の口調に合わせてヘッドホンから声が聞こえる。さしずめこれは多国籍用の翻訳機という事か。いや、むしろなんでこんな良いタイミングでこれが出てくるんだ。しかもニコニコといい笑顔で次の木箱を取り出している妖精さん。ここまで来ると何となく予想が……やはりスピーカー付きの小型マイクだった。

 

「あー、私の声が分かるかい?」

 

「あ!聞こえます!アドミラール、ドイツ語喋れるんですね。流石です!」

 

「聞こえてますよー、イタリア語もお上手ですね」

 

いや、なんか違うだろ。てかどうしてこう用意がいいんだ。もうここまで予め予想済みでこのふたりを建造したのか。妖精さんに目をやるもヘッドホンとマイクの完成度に満足したか、テクテクと廊下を曲がる姿を最後に消えてしまった。

 

「……とりあえず、ようこそ?」

 

 

~~~~~~

 

 

どうも、妖精さんです。この前考えていた海外艦さんが建造出来たので提督の反応を見たらびっくりしてました。やっぱり嬉しかったんですね。

こんなこともあろうかとちゃんと翻訳機のセットも用意していたので完璧です。後は海外艦さんたちに日本語を覚えてもらえば万事OKですので日本語勉強用の教材も用意しておけばいいですね。

そういえば、最近よく遠征中に敵と遭遇するって言ってましたし、なにか対策できるものでも作っておきましょうかね?まあちょちょいと電探作って弄れば問題なさそうです。戻ったらやってみましょう。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。