皆さま、いかがお過ごしでしょうかカタカタ
突然ですが、先日の事です。
某イラスト投稿サイトを漁る。
↓
シンフォギアの検索でいい感じの絵師さんを見つける。
↓
覚えしかないシチュエーション。
覚えしかない台詞。
↓
「」
こ、これは勘違いしてもよろしいでしょうか。
都合のいいように解釈してもよろしいのでしょうかガタガタ
これで間違えてたら赤っ恥ものですね!!←
「ははっ、強がってやんの」
「まあ、あいつにしちゃ上出来な切り出しだ」
◆ ◆ ◆
「――――――!!」
ヘリの中。
真っ先に行動を起こしたのは響だった。
今日いくはずだった場所の惨状を目の当たりにして、友人達に、何より未来に何が起こっているのか察したのだ。
一瞬青ざめた顔は、見る間に血相を変えて。
踵を返すと、ハッチに向け突っ走ろうとする。
「おい待て!どこに行くんだよ!!」
「当たり前だろ!?未来のところだッ!」
肩を引っつかんだクリスに、半ば怒鳴る形で返事した。
「だからって突っ走りすぎだッ!」
「だけど!だけど!」
全身を振り回し、拘束から逃れようとする響。
勢いは凄まじく、元々白兵戦向きではないクリスは、いとも簡単に振り切られそうになる。
見かねた友里が加勢しようと手を伸ばすと。
切りの良いタイミングで、着信音。
震える手でスマホを取り出した響は、すぐに通話ボタンを押す。
「未来!?」
縋るような声に対し、呆れたため息が聞こえた。
『電話して正解だったみたいね』
「未来!大丈夫、すぐに行くから!」
『まずは落ち着きなさい。どうせ変に暴走して、クリスや友里さんに迷惑かけてたんでしょ?』
「そんな呑気なこと言って!!大丈夫なの?近くにノイズはいないの!?」
『無事じゃないなら悠長に電話してないわよ』
ぴしゃりと強く言われ、響は言葉を詰まらせる。
『わたしも弓美ちゃん達も大丈夫だし、ノイズだって今は暴れる様子も無いし』
「で、でも・・・・!」
『それに響が焦っていたら、こっちだって不安になっちゃう』
「あう・・・・」
拗ねた様子の声に、今度こそ沈黙した。
未来の言うことも一理ある。
頼りになる側が不安定だったら、助けて欲しい側は頼みの綱を失ってしまうのだから。
他ならぬ大好きな存在に諭されたことで、響も幾分か頭が冷えた。
静かに目を閉じて、ゆっくり呼吸。
いつの間にかにごっていた頭が冴え渡る。
と、
『オーディエンスを解放する!』
なだめられている間に、状況が進展したらしい。
モニターに目を遣れば、数歩引いたノイズと、足早に去っていく観客の群れが。
『・・・・そういうわけだから、こっちはもう大丈夫』
「・・・・うん」
『翼さんがまだ残るみたいだから、そっちの方を心配してあげて』
「分かった」
よくよく見れば、確かに。
翼はステージの上から降りる気配がない。
恐らく、目と鼻の先に居るマリアを警戒しているのだろう。
一方の彼女は、どこか険しい顔で避難する観客を見送っていた。
「・・・・だけど、未来も油断しないで」
『響がいるもの、ほどほどにしておくわ』
『響が来てくれるから、大丈夫』。
暗にそう告げられた。
信頼を伝えられ、顔をほころばせる響。
もう、すっかり落ち着いていた。
「ったく、ひやひやさせやがって」
「ごめん」
電話を切って一息ついた響に、クリスがニヒルに笑いかける。
「友里さんも、ごめんなさい」
「いいのよ、代わりにしっかりお願いね」
「はい」
友里に対し、力強く頷いた。
「――――――ビッキー、何て?」
所変わって、QUEENofMUSIC会場。
同じく通話を終わらせた未来がほっと一息ついたのを見計らい、安藤が話しかける。
「会場から出ても気をつけて、だって」
「そうですね、司さん達がいても、『万が一』は有得ますし」
響からの忠言を聞いた寺島は、深く頷いて同意した。
「で、未来は落ち着いた?」
「・・・・うん」
実のところ。
未来が響に電話を入れたのは、不安からの動揺が大きい。
出現したノイズへの恐怖が、他のオーディエンスの悲鳴で増長されてしまい。
気がつけばスマホを手にしていたのである。
そしていざ繋がってみれば、現場にいる未来以上に狼狽している響の声が。
複数人が同じ感情を持ったとき、人は自分以上に反応している者を見ると落ち着くといわれている。
ひたすら安否を気遣ってくる響を目の当たりにした未来も、例外ではなかった。
「何か、未来見てたらあたしらも落ち着いたわ。アニメもびっくりの夫婦っぷりよね」
「あはは、何かごめんなさい」
「いいよ、不安だったのはこっちも一緒だし」
友人達も、見慣れた『婦妻』のやり取りを見て落ち着きを取り戻したようだ。
各々立ち上がりながら、手荷物をまとめていた。
「んじゃ、とっとと出て行きましょ!」
「そうですね、どちらにせよここは危険です」
頷き合って、足早に去っていく。
◆ ◆ ◆
目的がつかめないと、翼は顔をしかめる。
もう見ることはないと思っていた『ガングニール』を纏い、装者としての姿を見せたマリア。
始めは『全国家の国土譲渡』なんて夢物語をのたまっていたが、ほどなくして全ての人質を解放した。
まだ翼は逃がしてもらえそうに無いが、守るべき一般人が脅威から遠ざかったことに安堵する。
気持ちを切り替え、改めてマリアとにらみ合った。
「何が、目的だ?」
小細工なしに、もう一度問いを投げる。
これまでの挑発的な態度から、二課と敵対しようとしているのは事実。
だが、戦う理由が見えてこないのだ。
いつか響が言っていた。
『理由も無いまま戦うなど、獣のようだ』と。
翼としても、大いに同意できる。
何より今の自分は、生中継で世界中の視線にさらされているので。
問いかけには、戦えないなりの抵抗の意味も込められていた。
「さぁて、戦ってみたら分かるんじゃない?」
「・・・・」
・・・・どうやらこの装者は、翼と戦うのがお望みらしい。
今といいつい先ほどといい、やたら挑発的だ。
もしかすると。
目的の一つに、防人としての翼を引きずり出すというものがあるのかもしれない。
「歌女に武勇を求めるのは、いかがなものか」
あくまで歌女としての範囲で身構え、屈しないという意思表示をする。
「・・・・そう、あくまで無力を装うと」
変わる、マリアの気配が。
溢れた闘気に、マントが揺れたように見える。
すぐにちょうど風が吹いただけだと分かったが、目の前の敵にはそれほどの気迫が溢れていた。
「ならば、力尽くで引きずり出すまでだ」
一歩、踏み込む。
襲い掛かる、圧力、闘気、敵意。
手にした剣型のマイクを構えた翼は、向かってくる敵を迎撃しようとして。
翻る黒いコートと、濡れ羽色の長い髪を幻視した。
「―――――ッ!?」
一瞬見えた幻覚に戸惑いながらも、マリアの剣型マイクを受け止める。
元々戦闘用ではない上に、シンフォギアで強化された肉体から放たれる一撃に、単なるマイクが耐えられるはずが無い。
案の定、翼のマイクは大きく変形した挙句に圧し折れた。
もちろんそれで攻撃をやめてくれるわけが無い。
武器を失い一気に不利になった翼は、マリアの猛攻を避け続ける。
(一度カメラから逃れて、ギアを・・・・!)
何よりノイズに囲まれているというこの状況。
今こそ大人しくしている連中だが、マリアの、あるいはどこかに潜伏しているであろう仲間の号令一つで飛び掛ってくるだろう。
そうなった場合、ギアを纏わぬ翼などただの的だ。
コンマ数秒のうちに志向を走らせ結論を出した翼は、横目で見つけた舞台袖に向け駆け出す。
「・・・・!」
逃がすものかと奥歯を噛んだマリアは、マイクを投擲。
仕留めるとまでは行かなくとも、歩みを止める痛みを与える一撃が。
翼の脚を捕らえんと迫る。
それに対し、翼はハードルの要領で飛び越え、難を逃れたように見えたが。
着地の衝撃でヒールが圧し折れ、体勢が大きく崩れてしまう。
「まだステージから降りることは・・・・!」
隙を突き、背後に急接近したマリア。
翼の腹に、脚を滑り込ませ。
「――――許されないッ!!」
一撃。
大きく蹴り飛ばされた翼は、勢い余ってステージから投げ出される。
地上に振り向けば、こちらを見上げるノイズの群れ。
(さよなら、歌女であった私・・・・!)
一度浮かべた自嘲の笑みは、次々暗転するモニターを目にしたことで不敵に変わる。
「Imyuteus Amenohabakiri tron ...」
長年付き添ってくれたマネージャーに、内心で感謝を告げながら。
歌った聖詠は、風を切った。
一閃。
吹き荒れる太刀風に、無数のノイズが切り捨てられる。
力強い歌声と共に降り立った翼は、刀を振り払いマリアを見上げる。
中継が立たれた今、もはや遠慮する必要は無い。
先ほど見えた幻も気になるし、何より会場を出てすぐの場所には、オーディエンスを含めた一般人がまだいる。
何にせよ、早期解決が望ましいのは変わらなかった。
◆ ◆ ◆
「おっ、やっこさんもやる気になったか」
「こっからだぜ、お姫さん」
さて、翼さんが見た幻とは・・・・(すっとぼけ