総統が鎮守府に着任しました!   作:ジョニー一等陸佐

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9話 総統は語る~美は正義~

 数日後、ヒトラーたちは執務室で作戦指揮などを行っていたがそこにはゲッベルスたちに加え新しい面子がいた。

 ドイツ陸軍上級大将のアルフレード・ヨードル(ハゲ)、ヴィルヘルム・カイテル(ジジイ)にヒトラーの秘書だったマルティン・ボルマン(デブ)。

 そう、また新たにかつての部下たちが流れ着いてきたのだ。

 ヒトラーは彼らが砂浜で倒れているところを介抱した後、説得してこのゲルマニア鎮守府で働かせている。

 ヨードルたちもヒトラーがかつての上司ということもあるし、何より行くところもないので了承したのだ。

 そして現在、彼らは敵情偵察に向かった艦娘達からの報告を聞いていた。

 「総統閣下、偵察隊からの報告です」

 大淀が数枚の写真と報告書を見せた。

 そこには摩耶と青葉に搭載された偵察機によって撮影された敵の姿と詳しい情報が書いてあった。

 クレープスが追って説明する。

 「総統閣下、現在確認されている敵の主力は戦艦ル級が4隻、軽空母ヌ級が2、空母ヲ級が3を確認。うち一隻はflagshipと思われます。この他軽巡、重巡、潜水艦も多数確認されています」

 「・・・よくここまで分かったな」

 「・・・総統閣下、お耳には入れにくいことですが、ここまで判明するのに我が鎮守府の艦娘達はかなりの被害をこうむりました。幸い撃沈した者はおりませんが、現在稼働可能なのは・・・そこにいる大淀さんのみ。しばらく作戦は不可能でしょう。」

 ヒトラーは頭を抱えた。

 現在、ゲルマニア鎮守府は艦娘の建造や装備開発をできうる限り行っているが、ここまでの敵の戦力だと、現在の鎮守府では対抗は難しい。

 今いる艦娘は重巡の青葉に摩耶、那智、軽巡の大淀に那珂、天龍に龍田、駆逐艦は潮に電、叢雲に涼風と子日に不知火。

 むしろこれだけでよくここまでの結果を出したものだと思う。

 ・・・もちろんあの謎の生物、り陸奥たかもいるのだが正直言ってなんかこわいので出していない。

 かつてヒトラーは最後には無謀な戦いをけしかけていたが、しかしながらそれでも今の戦力では足りないことは十分に承知している。

 「・・・やはり戦艦と空母が必要だな。今いる子たちは錬度も装備も十分だがそれでも今一つだ」

 今度はボルマンが口を開いた。

 「総統閣下、それに関していいニュースがあります。閣下に命じられて大本営に航空戦力の増強を要請したところ、最新鋭機及び正規空母一隻・・・もとい一人をこちらに派遣するといってきました。さらに現在に二隻艦娘を建造中ですが時間を見たところ空母と戦艦が出てきそうです」

 ヒトラーはクレープスとブルクドルフをちらりと見た。

 「・・・前みたいなことにはならんだろうな?」

 「・・・今度はちゃんとやりました。変なもん混ぜていません」

 「良し」

 ヒトラーは頷くと、「・・・現在敵の状況は?」

 ヨードルが答えた。

 「総統、現在も敵は強く抵抗しています。今のところこちらの戦力が整っておらず、一進一退の状況です」

 「・・・しばらくは戦力の補強、増強、錬度の向上及び情報収集に徹する。準備が整い次第反抗を開始するのだ。それまではしっかりと作戦を練っていく」

 ヒトラーの決定に部下たちが頷いた。

 こうして今日の会議は終わる

 

 はずだった。

 

 ヒトラーが深海棲艦の写真を手に取り口を開いた。

 「・・・ところでこのヲ級とかル級とやらは他のとは違って美しいな。本当に敵かと思わされる」

 それ自体はまぁ、最初に目撃した人なら持つ感想で別に問題はない(と思う)。

 問題は次の発言だった。

 「鹵獲できないだろうか・・・」

 これが発端となった。

 「総統閣下、そりゃいくらなんでも無茶ですよ」

 クレープスがそういい返す。

 「分かっている。だが、このヲ級とやらはなかなかいいな。胸部装甲にボディラインに碧眼・・・あとは金髪であればアーリア的で魅力的なのだが」

 「総統、あんた本当にやる気あんのか?相手は敵なんだぞ・・・」

 ヨードルがあきれたように言う。

 「しかし実際美人だよな。ル級の黒髪もいいしヲ級のナイスバディも・・・」

 クレープスがそういい返すと、ゲッベルスがドン!と机をたたいた。

 「諸君、さっきから胸だの色っぽさなんだの言っているが忘れていないか?ちっちゃい子の魅力を!私は資料で駆逐古鬼や駆逐古姫など幼い子の深海棲艦を見たが素晴らしかった!!和服にちらりと除く肌、凛々しい、冷徹な瞳・・・すべてが魅力的でマジで可愛くてマジスケベェ!!」

 全員ずっこけた。

 「お前ロリコンもたいがいにしろよ!!ダサいし!!」

 ブルクドルフが突っ込む。

 ヒトラーもだ。

 「そうだぞ!!そんなのよりヲ級の魅力がわからんのか!!白い肌に碧眼、クールな美人、そして何よりも目に刺さるような!おっぱいぷるーんぷるん!!」

 また全員ずっこけた。

 「何敵に欲情してんだよ!!ハゲ!!」

 ヨードルが突っ込む。

 「鏡見てから言えよ!!それにこんな分かりやすハニートラップにかかるとか!!ダサいし!!」

 ブルクドルフも突っ込む。

 しかし彼らはまともではなかった。

 クレープスがが強く言い返した。

 「怨怨!!いや、でもヲ級のおっぱいとかめっちゃいいじゃん!!」

 「おい、お前がそんなキャラだった覚えないぞ!?」

 「あれは数日前のことだ・・・」

 

 ~クレープスの回想~

 ヒトラーがクレープスにある写真を見せた。

 「これを見てどう思う?」

 「すっごく・・・大きいです素晴らしい・・・」

 それは大破した艦娘や入居している艦娘、胸の大きい深海棲艦の写真だった。

 「「おっぱいぷるーんぷるん!!」」

 

 「おっぱいは素晴らしい・・・人と人をつなぐ平和への道しるべだ・・・」

 クレープスがうわの空で呟いた。

 「おいちょび髭、何てこと吹き込んでんだ!!クレープスが変態になっちまったじゃねぇか!」

 ヨードルが突っ込んだ。

 「うるせぇ!!おっぱい万歳!!大鑑巨乳主義万歳!!」

 「いいか!!幼女の美しさは!!一瞬の、刹那のはかなさにあり、貴重なものなのだ!!愚民ども、それをよく覚えとけ!!」

 「おっぱい・・・」

 「もうだめだこの鎮守府!!ダサいし!!」

 大淀は頭を抱えた。

 この後、彼女は医務室に直行した。

 

 ゲルマニア鎮守府が騒がしい中、一人の少女が鎮守府に向かって歩いていた。

 白い着物に青いスカート、黒い胸当て。黒い髪をポニーテールにして結んでいる。

 彼女が歩いていると、門に箱があるのを見つけた。

 その段ボール箱には拾ってくださいと書いてあり、見ると中には犬、それも黒いシェパード犬が入っていた。

 犬が警戒の目でこちらを見る。

 「・・・変ね。こんなところに」

 そういって彼女は犬を見つめた。

  

 この鎮守府はどこまで騒がしくなるのだろう?




 空母ヲ級、鹵獲したらどれくらいの戦力になるだろう?
 更新、頑張っていきます。
 いつもありがとう。

 追記
 8話のあとがきにある「帰ってきたヒトラー」のラブライブverと俺ガイルverのssですが都合上、どっちか片っぽしか出せません。
 しっかりと構想を練って出したいと思います。

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