総統が鎮守府に着任しました!   作:ジョニー一等陸佐

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73話 東亜総統特務隊誕生~佐藤の面接~

 フィリピン、泊地ヴォルフスシャンツェ。

 

 無数の戦車や戦闘機に艦娘達が滑走路で出撃準備や点検に掛かっている中、一機の輸送機がその滑走路に着陸した。

 

 輸送機のタラップが開き、一人の男がカツカツと滑走路に降り立った。

 

 太めの体格に、赤ん坊が見たら確実に泣き出すこと間違いなしの悪人面、左頬の縫い傷。

 

 陸上自衛隊の制服に身を包み、二等陸佐の階級章を付けた男。

 

 彼の名は佐藤大輔。

 

 上層部に恐れられた危険な自衛官である彼はヒトラーが創設を決定した特殊部隊の指揮官となるべくこの最前線の基地へと派遣されたのであった。

 

 佐藤が基地の施設を見渡していると、一人のドイツ軍将校が佐藤のもとに歩み寄ってきた。

 

 ドイツ軍将校が敬礼。佐藤も敬礼を返す。

 

 「Freut mich!君が佐藤大輔中佐かな?」

 

 「Freut mich auch!ええ、私が陸上自衛隊二等陸佐佐藤大輔です。あなたは?」

 

 「私は武装親衛隊中佐オットー・スコルツェニーという。お会いできて光栄だ佐藤中佐。」

 

 オットー・スコルツェニー。数々の特殊作戦を指揮してきた武装親衛隊中佐にして『ヨーロッパで最も危険な男』。

 

 ふたりの危険な男が滑走路で対峙する。

 

 「出来ればきちんともてなしたいところだが、総統閣下が大本営でお待ちになっている。ついてきてほしい」

 

 スコルツェニーは佐藤をキューベルワーゲンに乗せ地下総統大本営へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 総統大本営の作戦会議室に連れていかれた佐藤はボディチェック等を終えるとすぐにヒトラーに面会した。

 

 「ふむ、君が佐藤大輔中佐か。数々の危険な任務を完遂してきた全ての兵士の鑑であると聞いている」

 

 「光栄です、マインフューラー」

 

 「うむ、では早速だが本題に入ろう」

 

 ヒトラーは佐藤に資料を見せながら、フィリピンや南洋諸島の制圧奪還には敵の補給路——線路や海上補給線、中継基地等を叩き潰す必要があること、敵が原爆を保有している可能性があること、そしてそれらに対処するために特殊部隊が必要なこと、ヒトラーが特殊部隊を創設し佐藤がその体調に任命されたことを話した。

 

 「・・・というわけだ」

 

 「分かりましたマインフューラー・・・おい」

 

 ヒトラーの話を一通り聞いた佐藤は葉巻を手に取りヒトラーの副官を見た。

 

 葉巻を持った手を副官に差し出す。

 

 「はっなんでしょう」

 

 「気の利かん奴だ、俺がこうしたら火だろう、それでも総統の副官か」

 

 「ギュンシェ、早くしたまえ」 

 

 ヒトラーに命じられ素早く佐藤の葉巻に火をつける副官。

 

 佐藤が葉巻を思い切り吸い、吐き、紫煙が部屋中に広がる。

 

 煙草を嫌うヒトラーは思わずせき込んだ。

 

 「ゲホッ!・・・我々の反抗作戦の成否は君たちの活躍いかんにかかっている。すでに人員は用意した。・・・やってくれるかね?」

 

 ヒトラーの問いかけに、佐藤は自信をみなぎらせニヤリと笑い言った。

 

 「任せてください総統閣下。我々東亜総統特務隊の辞書に不可能の文字はありません」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数日後・・・

 

 泊地基地のとある一室に佐藤と選抜された隊員が集まっていた。

 

 選抜された隊員のほとんどがもとは軍刑務所にいた者か、あるいはヒトラーが以前に編成した懲罰部隊『黒騎士中隊』からの異動が決定した者たちであった。

 

 これから佐藤によって選抜された兵員の面接試験が始まるのだ。

 

 選抜兵を連行した憲兵が佐藤に敬礼し報告する。

 

 「横須賀軍刑務所及び懲罰部隊『黒騎士中隊』より50名、内地より転属者3名、護送いたしました!」

 

 「まてよ!こら」

 

 「ハッ」

 

 「鍵だよ鍵!手錠外さねぇと意味ねぇじゃねぇかねぇか、なめてんのかお前コラ」

 

 「手錠の鍵は中村軍曹もとい一等陸曹が持っております、それでは失礼します」

 

 「中村正徳軍曹であります!」

 

 退室した憲兵の代わりに佐藤の前に出たのは中村正徳軍曹もとい一等陸曹であった。

 

 元々は警務隊——憲兵隊の人間であった中村であったが、これまで痴漢や横領、暴行、挙句の果てには北方棲姫から菱餅とクリスマスプレゼントの強奪といった様々な犯罪を犯し横須賀の軍刑務所に収監されていた。

 

 だが、ヒトラーが特殊部隊の創設を決定、人材を集める中で中村は元憲兵であることから、憲兵隊への復帰をエサにして、危険人物である佐藤の監視役・副官役として部隊に派遣されることになったのだ。 

 

 「お前か・・・カスだな。命令書を見せろ」

 

 中村が佐藤に命令書を見せる。

 

 「へー、お前俺の補佐か中村軍曹。東条の命令かよボケッ!」

 

 「い、いえ、志願しました」

 

 「本当なんだろうな」

 

 威圧する佐藤、蛇に睨まれた蛙状態になる中村。

 

 「本当であります中佐殿、自分は・・・」

 

 「東条のスパイじゃねぇのかよ、中村憲兵軍曹さんよカス!」

 

 中村が憲兵であるということに周囲の兵士たちが反応する。中にはバキボキと拳を鳴らすものもいた。

 

 一般の兵士にとって傲岸不遜な憲兵は目の敵なのである。

 

 「聞いたか、憲兵だってよ」

 

 「面白れぇな、楽しくなるぜ」

 

 佐藤の威圧は、圧迫面接はまだまだ続く。

 

 「出身地は玉造か」

 

 「ハァ、ニューイヴァラキ共和国ですが」

 

 「お前本当に日本人か」

 

 「そうです!」

 

 「絶対なんだな!よし手錠を外してやれ」

 

 「畜生いつか殺してやる」

 

 佐藤に散々いびられ涙を流しながら連行された兵士たちの手錠を外す中村。

 

 佐藤の面接が続く。

 

 次に佐藤の前に出たのは佐藤の知っている人物であった。

 

 「うん、お前は」

 

 「申告します、陸軍より派遣されました陸軍軍曹船坂弘」

 

 佐藤の前に出たのは大日本帝国陸軍が生み出したターミネーター、不死身の兵士船坂弘であった。

 

 佐藤と船坂はかつて南方に派遣されたとき共に戦った中であり互いのことはよく知っていた。

 

 「ああ、南方じゃいつも俺と一緒にいたな。面接の必要はないと思うが・・・一応聞いておくか。お前、何ができる?戦績は?」

 

 「ハッ、ご存知かと思いますが擲弾筒でアメ公を200名ほどぶち殺し、格闘戦で敵から奪った短機関銃を振り回して3名ほど殺し、それからアメ公に捕まった時に脱走して弾薬庫を爆破してやりました。また、銃剣で姫級の深海棲艦をぶち殺したこともあります」

 

 「よし、お前は使えるな。合格!次!」

 

 次に来たのは背中に日本刀を背負った男であった。

 

 「申告します、陸軍中野学校より派遣されました陸軍少尉早川昇」

 

 「謀略専門だな。破壊工作に通信技術・・・外国語は?」

 

 「英語、独逸語、中国語、露語、スワヒリ語、アジフライ語 etc.」

 

 「出身は伊賀上野とあるが」

 

 「ハッ祖父が伊賀忍衆お庭番でした」

 

 「忍者か、使えるな。カス共の訓練教官だ。次!名前は」

 

 次に前に出たのはドイツ軍将校——ヘルマン・フェーゲラインであった。

 

 「ヘルマン・フェーゲラインです」

 

 「親衛隊中将か。それがこんな部隊に・・・落ちぶれたもんだな、ええ?何をやらかした?」

 

 「艦娘との不純異性交遊です。でも未遂です、本当です!」

 

 「ハハハ、アイツは遊び人だ」

 

 フェーゲラインの弁明を中村が笑った。

 

 次の瞬間、佐藤が叫んだ。

 

 「たわけっ!」

 

 佐藤は軍刀を抜いて中村に向けて構えた。

 

 「俺は幸せそうに笑うやつは許せねぇんだ!たたっ殺すぞ!!」

 

 「ひぃ!」

 

 怯む中村。

 

 軍刀をおさめフェーゲラインに向き直る佐藤。

 

 「だが当の本人の青葉と曙は責任を取れとお前に言ってるそうだが?それにお前さんたいそうな遊び人だそうじゃないか。この前も鳥海に手を出そうとしたって聞いたぞ」

 

 「いやそれは・・・」

 

 「まぁいいや、あとそれからフェーゲ、お前に関してあることを総統から頼まれている」

 

 「なんでしょう」

 

 嫌な予感しかしないフェーゲ。そしてそれは当たった。

 

 佐藤が部屋にMP40を装備した武装親衛隊員たちを入室させたのだ。

 

 佐藤の手には赤いボタンが握られている。

 

 「総統から俺への命令だ!『フェーゲライン及び青葉と曙は一日一回、処刑をするように、何なら気のすむまで何回でも処刑していいぞ』以上!!」

 

 佐藤が赤いボタンを押した。赤いボタンからヒトラーの声が響いた。

 

 『KO☆RO☆SU』

 

 次の瞬間、武装親衛隊員たちがMP40をフェーゲラインと青葉と曙に照準、連射した。

 

 無数の訓練弾が彼らを襲う。

 

 「はい死んだ!!」

 

 「なんで青葉もおおおおおおおお!?」

 

 「ちょ、デイリーは二人の任務でってぎゃあああああ!?」

 

 訓練弾をまともに食らった三人はそのまま倒れ伏した。

 

 どこからかピロリ―ン♪という音が響いた。

 

 「おお、こりゃ結構面白れぇじゃねぇか。後でもう一回やるか。とりあえずこいつらは合格だ!次・・・!」 

 

 こうして佐藤の面接は続いていった。

 

 無政府主義者の爆弾魔、人妻と心中未遂をした飛行兵、飯泥棒の兵士、エロ同人を書きまくり遂に総統×宣伝相のエロ同人を描こうとした艦娘秋雲・・・

 

 まともな奴は一人としていなかったが佐藤は「まぁいい、みんな病気だ」といって特に気にしなかった。

 

 その中にはモルヒネ中毒を克服しシンナー中毒になった国家元帥ゲーリングや裏切り者ヒムラー、眉毛ルドルフ・ヘスと時雨・夕立トリオなどがいた。彼らもまた懲罰部隊から特殊部隊行きが決定したのだ。ヒトラーはまだ裏切り者を許すつもりはないらしい。

 

 結局、面接には全員が合格。佐藤を含めて総員54名、この日ヒトラーの特殊部隊『東亜総統特務隊』がここに創設されたのだった。

 

 余談だがその日、泊地には銃声と佐藤の笑い声と、フェーゲラインの「はい死んだ!!」という声、青葉と曙悲鳴が何度も響き渡ったという・・・

 

 

 

 




ルーク「ルークとー」
ヤン「ヤンのー」
ルーク&ヤン「人情紙芝居後書きー」
ヤン「兄ちゃーん、俺たちが後書きに登場したの久しぶりだねー」
ルーク「ホント、久しぶりだよな。いくらなんでもリストラ期間が長すぎるわ。後で作者のち〇こもいだろ。ていうか俺達のこと覚えてる奴いるのかなー」
ヤン「というわけで自己紹介!私はヤン!ヤン・バレンタインです!ヒラコー先生の漫画『HELLSING』の登場人物、作中ではヘルシング機関を襲って虐殺とかしたりしました。あと最後は燃やされました」
ルーク「お元気ですか!?私はルークです!ルーク・バレンタイン、ヤンの兄です!!私は作中でアーカードを殺そうとしました。そして食われました。ワンちゃんに」
ヤン「それでも知らないっていうそこの読者クン、さてはアンチだなオメー、あとでお前んち行ってち〇こもぐからな」
ルーク「ところでヤンや、今回新キャラが登場したよ」
ヤン「日本陸軍が生んだターミネーター船坂弘、そして佐藤中村コンビだね。佐藤中村コンビの元ネタはなんなのさ?」
ルーク「戦争劇画の巨匠、小林源文先生の『東亜総統特務隊』に登場するコンビ。ていうゲンブンセンセーの作品にはほぼ必ずこのコンビが登場します」
ヤン「してその役回りは?」
ルーク「ただひたすら佐藤が中村を殴る」
ヤン「ひでぇ」
ルーク「と、いうわけで最後はあれで〆ましょー」
ヤン「おーあれかーじゃあやるかー」
ルーク「ヤーーーーーン
    あんちゃんだよーーーー
    お前のあんちゃんだよーーーー
    今帰ったよーーーー
    開けておくれーーーーッ」
ヤン「本当かーーッ
   本当に本物のアンちゃんかーー
   本当のあんちゃんならこれができるハズです。」
ヤン「マリーアントワネットのものまねー。」
ルーク「パンがないのなら
    糞便を食べればいいじゃない。」
ヤン「うわーーーー
  超ゴーマーン。
  やっぱりあんちゃんだ~~~~~~ッ」
ルーク「はっはっはっはー」

 おしまい ふざけてすんません

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