ヒトラーは執務室で大淀からの報告を受けていた。
「・・・また砂浜に人ら倒れていたのかね?」
「はい。二人男性が。潮と叢雲が見つけて今は保健室で眠っています」
ヒトラーはゲッベルスに続き今度は誰が来たのだろうと保健室に向かった。
秘書のマルティン・ボルマンだろうか?ゲーリング?
それとも自殺前に勝手に連合国側に降伏の申し入れをした裏切り者のヒムラーか?
保健室に入るとすでに二人とも起きているようで、こちらの姿を見て驚いた。
ヒトラーは二人のことをよく知っていた。
新たに流れ着いたのはドイツ陸軍大将のハンス・クレープスとヴィルヘルム・ブルクドルフだった。
クレープスとブルクドルフは両名とも困惑していた。自分たちはドイツ敗北を受け、自殺した。が、こうして死んでおらず生きている。そして先に自殺したはずのヒトラーが生きている。
そのうえ、ここは未来の日本らしく艦娘なる存在とともに深海棲艦なる敵と戦っているという。
そしてヒトラーは二人にともに戦うことを要求していた。
「別に私一人でもいい。が、やはり戦力は多いに越したことはない。それに行くところもなかろう?」
「総統閣下。しばらく二人きりにさせてほしいのですが・・・」
ヒトラーは頷いてそのまま保健室を出て行った。外ではゲッベルスが待っていた。
「また来ました」
「これからも来るだろう。エヴァや君の家族もそのうち来るといいが」
「・・・二人はどうすると」
「今、決めている」
クレープスとブルクドルフはそれぞれのベッドで横になりながら話をしていた。
「どうするべきなんだろうな。かつては忠誠を誓った人間だが今は総統じゃない。ましてドイツは敗北した」
クレープスは呟いた。
「だが我々は軍人だぞ。総統に忠誠を誓った。それはここでも変わらんのではないか?第一断ったとしてどうすればいい?ほかにあてはあるのか?」
「・・・」
自分たちは無一文だ。生活をどうするかという問題がある。
それに相手はかつて忠誠を誓った総統だ。自分たちは誇り高きドイツ軍人。それはここでも変わらない。
どうするべきか?
二人の間に沈黙が流れた。
ドアが開きゲッベルスが入ってきた。
数分後、ゲッベルスが保健室から出てきた。
「総統に従うとのことです」
ヒトラーは頷いた。
こうして鎮守府にクレープスとブルクドルフが着任した。
翌日の昼頃、ヒトラーは出撃した摩耶達の艦隊が新たに三人の艦娘をつれてきて帰還したという報告を受けた。
「一気に三人もドロップ!やったな!!」
顔に戦闘のためだろう、少し煤がついていたが摩耶は笑顔で言った。
ヒトラーの目の前にはその三人の少女が立っていた。
「艦隊のアイドル、那珂ちゃんだよー。よっろしくぅ~!」
「ちわ!涼風だよ。私が艦隊に加われば百人力さ!」
「電です。どうか、よろしくお願いいたします」
という具合で順番にあいさつをした。
「総統、これで新たに戦力が大きくなりましたね」
大淀はヒトラーに言った。
ヒトラーは頷き三人に握手をしながら「よく来てくれた。今日はゆっくり休みなさい」と言った。
だが、電と涼風はどういうわけか身の危険を感じた。ヒトラーの後ろ、頬が痩せこけた男(ゲッベルス)がしっかりと二人のことを凝視していた。どう見ても犯罪的な感じて見ている感じがした。
「ゲッベルス君」
ヒトラーは言った。
「はい」
「子供好きはいいが、犯罪には走るなよ」
ヒトラーはゲッベルスにそう言って警告した。
こうして新たに三人の艦娘が着任した。
ある日の深夜、ヒトラーはゲッベルスとクレープスとブルクドルフと会議をしていた。
「とまぁ、明日の作戦内容はこんなところです。簡単に行けると思います」
クレープスが地図を指さしながらヒトラーに言った。
「分かった。今日はこれぐらいにしよう。ところで諸君に聞きたいことがあるのだが・・・」
「なんでしょう?」
「・・・君はどの艦娘が気に入ったかね?」
部下たちは顔を見合わせた。
「どういうことでしょう?」
ヒトラーは部下たちの顔を見ながら言った。
「なに、ここにはたくさんの美少女がいるが、君たちはどう思っているか少し気になったのだ。」
「・・・そうですね。皆きれいだが、摩耶ちゃんですかね。火力が大きいから・・・」
とブルクドルフが言いかけた途端、ゲッベルスが突然声を張り上げた。
「諸君、そういうことであれば宣伝相である私に言わせてもらおう!」
ゲッベルスは腕を振りながら「確かにどの艦娘もかわいい!だが一番の天使は駆逐艦である!幼いながらも凛々しい姿!!大人にはない可愛さ!なにかもが100点だ!」
突然の側近の暴走にヒトラーは不安になり「おい、駆逐艦たちに何か変なことしていないだろうな?」
ゲッベルスは笑顔で「ええ、健全なスキンシップをしています」
~ゲッベルスの回想~
ある日のこと
ゲッベルスは出撃から帰ってきた駆逐艦娘を総統の代わりに出迎えてた。
当然、その中には中破して服が破けている者もいる。ゲッベルスはそれを角に隠れながら
「う~む。たまらん」
パシャパシャとカメラで撮影した
また別の日のこと
艦娘が寝静まっている夜。
「やはり寝顔が一番だな~~」
ゲッベルスは寝ている駆逐艦娘の頭を撫でながら寝顔をカメラ(暗闇でも撮影できできるもの)で撮影した。
またまた別の日のこと
「これも仕事のうちだ・・・うん。艦娘の状態をチェックするための」
ブツブツ言いながら工廠の入渠室の壁にある小さい穴から中の駆逐艦娘の様子をのぞき見していた。
ヒトラーはバン!と机をたたいた。
「めちゃくちゃ不健全じゃねぇか!」
「宣伝相が何犯罪やってんだ!ダサいし!」
「怨怨!」
ゲッベルスに対してほかの部下からブーイングが巻き起こる。
「しかし総統閣下、これは宣伝相としての仕事です!艦娘の健康と貞操を守り、駆逐艦の可愛さを宣伝して天下に知らしめるという崇高な使命を全うするための・・・」
「そんな仕事宣伝相にはないわ!何盗撮しているんだ!おまえ家族いるだろ!!家族いるのにそんなことするなんて大っ嫌いだ!」
ヒトラーは激怒するがゲッベルスも反論する。
「駆逐艦は可愛くないというのですか!第一、総統も中破した摩耶の胸見て笑ってたじゃないですか!!」
「ちょま、あれとこれとは別だバーカ!!第一、入渠の覗きってあの穴まだ直してなかったんか!?私が命じたぞ!!」
「私が妖精たちをチョコレートで買収して止めました。写真もあります」
「おい、貴様!自分だけお楽しみ・・・じゃない、貴様ドイツ人としての誇りは失ったのか!?チョー許さん!!」
「総統、摩耶の入浴写真も・・・画質も結構いいですよ」
そういってゲッベルスはヒトラーに何枚か写真を見せて「あげますよ」
ヒトラーは態度を変え、「よし、許そう」
当然ブルクドルフは突っ込んだ。
「いや、総統、何許しているんですか!?」
「お前はおっぱいの素晴らしさをわからんのだ!おっぱいは世界を救うんだよ!!」
「アンタそれでも国家元首か!?」
クレープスとブルクドルフは思った。こいつについていこうと思ったのはとんでもない間違いだったんじゃないかと。
そう思いながらもこの二人も徐々に艦娘の魅力に取りつかれていくことになるのだった。
そこへ、大淀が突然部屋に入ってきた。
「総統!大本営から命令が!」
すぐに空気が張り詰めた。
「内容は?」
「海域の制圧命令です。」
ヒトラーが提督に着任してから一か月、初めての大規模作戦が始まろうとしていた。
とりあえずいつもの連中(カルピス、アンポンタン、ハゲ、空気ジジイ、空気デブ、ロリコン)はそろえようと思う。次回こそあの名シーンを・・・