総統が鎮守府に着任しました!   作:ジョニー一等陸佐

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40話 大型建造~ドイツ艦が欲しいんだい~

 ゲルマニア鎮守府、総統執務室。

 ヒトラーが第二回の大型建造を行うことを決定し、執務室内ではそれに関する会議が行われていた。

 「総統の命令といえど、こればかりは断固反対である!」

 最初に声を張り上げたのはゲッベルスであった。

 「大型建造は一種のギャンブルであり大量の資源を一度に無駄にするだけである!それよりも我々は駆逐艦の量産に力を注ぐべきだ!改装後のろーちゃんを見たか?あの健康的でエロティックな褐色の肌、貧乳、天使のような可愛さと健気さ、まさにマジSU☆KE☆BEであり、全ての艦娘の頂点!!駆逐艦こそ艦娘の頂点でありまさに天使、ドイツの救世主である!!諸君、今すぐに駆逐艦の美しさに括目し、駆逐艦を崇拝せよ!!駆逐艦万歳!!ロリコン万歳!!ハイルヒトラー!!!」

 ゲッベルスのロリコン演説に対しあっという間に、続々と反論が起こった。

 「ロリコンもいい加減にしろ!!逮捕されたいのか!?」

 「怨怨!!戦艦を崇拝すべきである!!」

 「何を言うか、ゲッベルスの言うとおりだ!!」

 「だが伊勢と日向の黒インナーは物凄くエロかったぞ・・・」

 「空母のダイナマイトボディを見てもまだ駆逐艦が好きだといえるか?」

 「巡洋艦も忘れるな!!愛宕の無知むちむちボディは必見だぞ」

 「俺、こないだ隼鷹のエロ同人書いたんだ。だれか見るか?」

 「五航戦の子なんかと一緒にしないで」

 「きっもー」

 「ドイツの潜水艦は世界一ィィィイイイ!!!」

 「水上機母艦を知らんだと?よろしい、ならば戦争(クリーク)だ」

 部下達の猥談が広がる中、ヒトラーはドン!とテーブルを叩いて怒鳴った。

 「お前らいい加減自重しろよ!!ドイツ軍人としての誇りはどこに行ったんだ!?」

 ヒトラーのこの言葉をフェーゲライン、青葉、曙は鼻で笑った。

 「一番自重しない変態総統に言われてもww」

 「青葉、総統も人のこと言えないと思いますが・・・」

 「あんたが一番変態でしょ、このクソ総統!!」

 もちろん、総統であるヒトラーにこんなこと言って無事で済むわけがない。

 「KO☆RO☆SU」

 ヒトラーがそう言った瞬間、ミレニアム大隊所属の武装ss隊員がMP40をフェーゲライン達に照準、連射した。

 「はい死んだ!!」

 「なんで青葉もおおおおおおおお!?」

 「ちょ、何すんのよこのクソ総統、悪いのはアンタだって、ってぎゃああああ!?」

 訓練弾をまともに喰らったフェーゲライン、青葉、曙三人はそろって後ろに吹き飛ばされピロリーン♪という不思議な効果音とともに床に崩れ落ちた。

 その光景に満足そうにしたヒトラーは部下達に向き直り改めるように言った。

 「言っておくが、今回の大型建造はこのゲルマニア鎮守府に新たに狭量な戦力を迎え入れ、同時にゲルマン民族の艦娘を手に入れることにある。決して、おっぱいぷるんぷるんの艦娘が欲しいとかそういう変態的な目的は無い」

 誰がどう見ても明らかな嘘に心の中で突っ込みを入れながらもクレープスは頷いた。

 「確かに、我が鎮守府もこれまでの功績による報酬や遠征の甲斐あって前よりは懐は暖かいですからね。今のうちに戦力増強に努め、今後の本格的な攻勢に備えておくのは当然かと追われます」

 クレープスの言葉にブルクドルフは疑問を持った。

 「だが、大型建造は成功するとは限らん。下手したら資源をドブに捨てることになる。装備の開発に力を入れるほうが確実ではないか?」

 ブルクドルフのもっともな意見にヒトラーは反論した。

 「ブルクドルフ君、君の言うことはもっともだが既に我がゲルマニア鎮守府は装備も艦娘もある程度整っている。むしろ新型艦を迎え入れることに意味があるのだ。それに私の勘がいけると告げている」

 「・・・分かりました」

 総統であるヒトラーの命令は絶対だ。

 ブルクドルフらはこれ以上の反論は無駄だと判断し黙るしかなかった。

 こうして、鎮守府始まって以来二回目の大型建造が行われることになった。

 

 

 ヒトラー達が工廠で資源を投入して数時間後。

 総統執務室でヒトラー達は大型建造の結果を待ち続けていた。

 「総統閣下、今回の建造はうまくいくでしょうか?」

 「前回は一発で武蔵を手に入れたんだ、今回もうまくいかないわけがない」

 「そうとは限らんでしょう。ハズレの事態も覚悟しておいたほうが・・・」

 ヒトラー達は期待と不安を口にしていた。

 賭けに勝ってレア艦を手にれるか。ハズレを引いて一度に多くの資源をドブに捨てることになるか。

 誰もが緊張していたその時、モーンケとクレープスが執務室のドアをを開けて入ってきた。

 その顔に浮かぶ表情は明るいものであった。

 「総統閣下、お耳に入れたい朗報があります」

 モーンケがヒトラーに言った。

 「・・・朗報?大型建造のことかね?」

 「はい。総統閣下、大型建造の結果ですが・・・」

 ヒトラーを含め、執務室の人間全員が息をのんだ。

 「総統閣下は大型建造を3つのドッグで同時に行いましたね?まず一つ目のドッグではまるゆを手に入れました」

 「・・・2つめは?」

 ヒトラーが聞き返した。

 「2つ目目ドッグでは・・・大和が出ました」

 「おいマジか?」

 「すばらしい・・・」

 超弩級戦艦を手に入れたという思わぬ幸運に執務室内でどよめきが起こる。

 「3つ目は?」

 「3つ目は・・・装甲空母です。大鳳が出現しました。・・・我々は非常に幸運でした。もう一生分の運使い果たしたんじゃないんですかね?」

 三つ連続でレア艦を手に入れた。

 その驚くべき幸運に執務室中が沸いた。

 「素晴らしい、素晴らしい!」

 「装甲空母に超弩級戦艦だぞ!?祝杯ものだ!!」

 「ジークハイル!!」

 幹部らの歓声の中、ヒトラーはなぜか無表情のままだった。

 あまり嬉しくなさそうであった。

 場違いな、予想外の様子にクレープスは戸惑った。

 「・・・あの、総統閣下?どうかなさいましたか?十分満足すべき結果だと思いますが・・・」

 「ドイツ艦は」

 ヒトラーがゆっくりと口を開いた。

 「・・・ドイツ艦は出なかったのか」

 ブルクドルフはふと、嫌な予感がしてクレープスをちらりと見た。

 クレープスもヒトラーの重々しいオーラを感じしどろもどろに答える。

 「え、総統閣下、それは・・・」

 オロオロしているクレープスをヨードルが手助けした。

 「・・・総統閣下、手に入れたのはまるゆ、大和、大鳳です。ドイツ艦は出ませんでした。・・・何が不満なんですか?」

 レア艦を一気に三つも手に入れたにもかかわらず不満そうなヒトラーにもっともな疑問を出すヨードル。

 しばらくの間、執務室を沈黙が支配した。

 その沈黙を破ったのもヒトラーだった。

 暫くの間黙りこくって机を見ていたヒトラーだったが、やがて震える手で眼鏡を取りゆっくりと幹部達に言った。

 「・・・ドイツ艦が出なかったことに対して不満がない人は残れ、アンポンタン」

 この言葉に執務室にいた者全員が次に何が起こるのかを悟った。

 あ、これいつものあれが始まる時間だ、と。

 ヒトラーの指示に従い次々と執務室から出ていく幹部や艦娘達。

 執務室に残ったのはやはりというかブルクドルフ、クレープス、カイテル、ヨードル、ボルマン、ゲッベルスの6人であった。

 しばらくの間執務室を再度の沈黙が支配していたが、次の瞬間ヒトラーの怒号によって沈黙は死んだ。

 「・・・お前ら悔しくないのか!?ドイツ艦が出なかったんだぞ!?」

 ヒトラーの怒号が、怒りと悔しさが鎮守府中に木霊した。

 「いいか!今回の大型建造はドイツ艦を手にれることを目標にしていたんだ!建造の前にも目的はそれといったよな!?少しでも確率上げるために3つもドッグを使ったんだぞ!資源も大量に使ったんだ、なのにお前らちょっとレアな艦を手に入れただけで、本来の目的忘れて、浮かれるなんて、悔しがらないんなんて、お前らなんか大っ嫌いだ!!」

 ヒトラーのやり場のない悔しさと怒りにブルクドルフがもっともな正論をぶつけて反論する。

 「総統閣下、これは単に運がなかっただけで新型艦を三つも手に入れただけでも十分幸運といえるのですが」

 だがヒトラーはそれをぶった切った。

 「うるせえ!!大っ嫌いだ!!ドイツ艦じゃないとダメなんだよバーカ!!」

 「総統、オメェいくらなんでも我が儘すぎだろ!!」

 ヒトラーの怒りは続く。

 「資源もドッグも技術もできることはすべて投入したのに!!ドイツ艦は出なかった!!」

 ヒトラーは持っていた鉛筆を机に投げつけ叫んだ。

 

 「畜生めぇ!!!」

 

 ヒトラーの怒りはなおも続く。

 「いいか、ドイツ艦というのはゲルマン民族であることアーリア的な容姿に世界一のドイツの技術によるハイスッペク!!すべてが完璧な艦娘なんだぞ!!それを悔しがらないんなんて、お前らは思考力が足らんかった・・・今頃我々の不運をあの世で笑ってるぞ、そうスターリンが!!」

 ヒトラーはぜぇぜぇと肩を鳴らしながら椅子に座った。

 だが怒りはまだ収まらないようだ。

 「そうさ・・・私だって思い通りにならないことは分かってる・・・だが少しは悔しくないのか!?それに対して怒っているのだ!!私が欲しかったのは大鳳のような貧乳の少女じゃない!!そう私が欲しかったのはビスマルクやグラーフのような!!目に刺さるような、おっぱいぷるーんぷるんだ!!正直大和が出てきてくれたのには感謝してるんだ、巨乳をありがとう柴田さん!!」

 ブルクドルフはクレープスを見た。

 「柴田さんって誰よ?」「いや知らんて」

 ヒトラーの猥談は執務室の外にも響き渡り聞く人々を呆然とさせていた。

 大和は呆然と立ち尽くし、その隣で大鳳はえぐえぐと泣いていた。

 「私はいらない子だったんですね・・・」

 「大鳳ちゃん泣かないで・・・あとであの変態ちょび髭ぶっ飛ばしましょうね・・・」

 泣く大鳳を慰める秘書ユンゲ。

 部屋の中では怒る気力が切れたのかヒトラーがうなだれて椅子に座っていた。

 その目には涙が浮かんでいた。

 「・・・もう過ぎてしまったことだ・・・資源はもうない・・・ドイツ艦はもう手に入れられないのか・・・ビスマルク、グラーフ・・・会いたかったのに・・・」

 暫くの間執務室をいいようのない沈黙が支配していたが、何とかこの場を収めようとボルマンは仕事中に聞いた情報のことを話すことにした。

 「・・・そう言えば、とある別の鎮守府でビスマルクだったか、グラーフだったかドイツ艦を手に入れたという情報が入ったんですが・・・譲ってもらうよう交渉したらどうです?いっそのこと拉致するとか・・・ハハ・・・」

 交渉。拉致。

 それはヒトラーを慰めこの場を収めるための冗談だった。

 だがヒトラーはその言葉にピクリとした。

 「・・・今なんて言った?」

 「え?別の鎮守府でドイツ艦を手に入れたと」

 「その後」

 「交渉するとか拉致するとか」

 「・・・それだ」

 「へ?」

 ヒトラーは悪いことを思いついたかのような顔をして部下達に言った。

 「拉致るんだよ。ドイツ艦を。兵士なら、戦力なら十分にある。出来ないことはないはずだ」

 「あの、総統閣下、ご冗談を」

 「ブルクドルフ、クレープス、ボルマン」

 ヒトラーは戸惑う部下達を見た。

 「頭がおかしいと思うか?だが私はいたって正気だ。本気だ。私は決めたぞ、鎮守府を、世界を滅ぼしてでもドイツ艦を手に入れてやる。すぐに部隊を編成して作戦を立てるんだ」

 ヒトラーは幹部らを見た。

 「その鎮守府からドイツ艦を拉致してこい」

 こうしてヒトラーによってドイツ艦拉致作戦が決定されたのであった。

 

 

 

 





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ヒトラー「・・・さて、このssついに40話まできたわけだが、そこで私から読者にお願いがある」
モーンケ「皆様にアンケートに答えていただきます」
ゲッベルス「40話までに登場したキャラクターで人気投票を行います。投票できる      キャラは読者一人につき三人まで。キャラ一人につき一票です。投票先       作者の活動報告『総統閣下の質問箱』まで。期限は6月25日までです。お     好きなキャラ、及び駆逐艦と総統閣下にどうか清き一票を」
クレープス「アンケートの答えのついでにリクエストや総統閣下への質問も一緒に投       稿してくれると嬉しいな・・・」
フェーゲライン「まあ、どうせ私がまた一位になるのは見え見えですけどねww」
ヒトラー「KO☆RO☆SU」
フェーゲライン「はい死んだ!!」ズダダダダダダダピロリーン♪

 読者の皆様、ここまで読んでくれてありがとうございました。アンケートへのご協力よろしくお願いいたします。

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