総統が鎮守府に着任しました!   作:ジョニー一等陸佐

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24話 資源がない~無駄遣いはダメよ~

 ゲルマニア鎮守府、総統執務室。

 その室内は安堵の空気で覆われていた。

 一週間ほど続いた硫黄島攻略作戦がようやく終わりを迎えつつあったのだ。

 「硫黄島の攻略指令が出てから約2か月・・・ようやく終わったな」

 ヒトラーがそう言うと大淀が頷いた。

 「武蔵や一航戦の皆さんのおかげです。厄介な鬼級も倒せて、ひと段落ですね」

 「硫黄島への上陸はどうなっている?」

 硫黄島への上陸、および奪回後の駐留はほかの鎮守府が担当となっており、ゲルマニア鎮守府の任務はあくまで硫黄島に巣食う敵の殲滅であった。

 テレビ画面には艦娘達の姿や島に上陸する陸上部隊の姿が映っている。

 「現在のところ、無事に進んでいます。このままいけば作戦は今晩中か遅くとも明朝には終わるかと」

 ヒトラーは満足げに頷いた。

 「つまり我々の勝利は確実というわけだ。・・・よくやった、加賀、武蔵、第一艦隊の諸君」

 ヒトラーはそう言って報告のため室内にいた加賀たちを見た。

 「諸君らの英雄的行動でまた一歩、勝利に近づいた。君たちは英雄だ」

 「・・・良い作戦指揮でした。こんな艦隊なら、また 一緒に出撃したいものです」

 「思う存分戦えたよ。感謝しているぞ、提・・・総統」

 作戦の成功に部屋にいる面々の多くは笑顔だ。

 だが、世の中良いことづくめではない。

 何日か前に空腹で野獣と化した赤城に暴行を受け文字通り、包帯ぐるぐる巻きになっているクレープスが深刻そうな言った。

 「・・・総統閣下、上機嫌なところをお邪魔するようで申し訳ありませんが・・・喜んでばかりもいられません」

 「なんだと?」

 ヒトラーが怪訝な顔をするとヨードルが続いて報告した。

 「ハゲ、ちゃんと心当たりあるだろ」

 「いや、鏡見てから言えよ!!」

 「やーい、はげちょびーん!!」

 「だからなぜお前は私にハゲキャラを押し付けようとする!?どう見てもお前の役じゃないか!!」

 そのやり取りを見ていたフェーゲラインが笑いながら言った。

 「でも総統、この前育毛剤買ってたんだよな?だろ、青葉」

 「はい!この前秋葉のデパートで総統が東條希のフィギュアと一緒にちゃんとリア○プ×5プラスを買っていたのを目撃しました!写真も撮ってます!そう言えば総統、この前深夜のテレビで育毛剤のCMとリ○ブ21のCMを熱心にご覧に」

 「KO☆RO☆SU」

 ヒトラーがそういった瞬間、武装妖精親衛隊員達の持つMP40の照準がサッと青葉とフェーゲラインに向けられ銃声が執務室に響いた。

 「はい死んだ!!」

 「なんで青葉もおおおおおおおおお!?」

 悲鳴を上げながら二人が崩れ落ちると同時にピロリーン♪という音がどこからか聞こえた。

 「さて、髪の毛の話題はここまでにして本題に移ろう。結局お前らの言いたいことはなんなんだ?」

 答えたのはクレープスと同様に包帯にぐるぐる巻きになっているブルクドルフだった。

 「資源です、総統閣下。今回の作戦において総統は武蔵の大改造をやりましたね?しかも今回の戦いは大規模な上陸戦です。当然、大量の資源を消費しました」

 「つまり・・・資源がないということか?」

 「そういうことです。本部からの供給があるとはいえ、しばらくの間演習や出撃は控えねばならないでしょう。回復にもかなりの時間がかかるでしょう」

 「・・・資源の量についての考えが足らんかった・・・しばらくの間、わがゲルマニア鎮守府は冬眠ということか」

 大淀が頷く。

 「そういうことになりますね・・・ていうか、総統がまともな資源の使い方しなかったからだと思いますが・・・」

 「なんだと!?私のどこがいけなかったというんだ!?私の作戦はどこからどう見ても完ぺきだったろ!!」

 ヒトラーは大淀を見て、反論した。大改造をやらかしておいて、資源枯渇の責任を認めようとしない。というより、もともとヒトラーは他人の意見はあんまり聞かないやつだから当然だろう。

 ヨードルが大淀に加勢する。

 「そうだよ!!あんなに改造やめろ、資源の使い道を考えろ言ったのに!!」

 「だがその改造のおかげで我々は勝ったんじゃないか!」

 ブルクドルフも反論した。

 「ふざけんじゃねえ!確かにそうだけど、まともなプレイでも勝てるだろ!!あんなくだらないことに資源無駄遣いするとか、ダサいし!!」

 「その通りだ諸君!!」

 ゲッベルスが声を張り上げた。

 「そもそも今回の作戦は戦艦と空母中心ということ自体が間違っていたのだ!!なぜ駆逐艦を重視しない!!確かに火力や沿岸の制圧能力では戦艦や空母よりも劣っていることを認めよう。しかし駆逐艦こそ戦場の華!!小さいコストに小回りの良さ、高い汎用性、夜戦時の強大な威力、そして何よりもあの幼女特有の色気!!彼女たちこそ戦場におけるエロチシズムの権化であり戦場の女神であり天使である!!こんどから駆逐艦を崇拝するのだ!!」

 あっという間に執務室に猥談が広がる。

 「だからロリコンもうやめろよ!!」

 「怨怨!!戦艦こそ至高!!山城のムチムチボディは最高だ!!」

 「何を言う、軽巡だって負けないぞ!!」

 「潜水艦ついて語ろうじゃないか」

 「潮ちゃん、浜風ちゃん、浦風ちゃんのロリ巨乳はもうたまらん」

 「不幸だわ・・・」

 「結局な、一番エロい艦娘が強いんだよ」

 「巨乳万歳」

 「摩耶たん、摩耶たん」

 「もしもしゲシュタポですか?」

 ヒトラーは頭を抱えた。

 「畜生めぇ!!!わが鎮守府はどうして変態しかいないのだ!!」

 その様子を見ながら大淀たちはため息をついた。

 「あなたに言われたくないですよ・・・」

 加賀や武蔵も言う。

 「・・・これでこんな性癖がなければ優秀なのだけれど」

 「まったく、提督にも困ったものだな」

 こうして、今日も鎮守府は騒がしいのであった。

 

 

 




 後書き
ヒトラー「全国の提督諸君、あけましておめでとう。みんな順調に提督業に励んでいるかね?」
ゲッベルス「あれっス。今回は去年の末頃開いた作者の新着活動『総統閣下の質問箱』に質問が来たのでそれにお答えしたいと思います」
クレープス「届いた質問はこちら」

質問者:DDH181
「閣下! 今回のイベントどうでしたか!」

ブルクドルフ「この質問が届いたのが2016年12月10日(土) 00:37・・・そして答えているのはそれから約一か月たった2017年の1月6日・・・」
ヨードル「年越してから答えるとかどういうつもりなんすか」
ヒトラー「それは悪いと思ってるよ、私だっていろいろ事情があったんだからさ・・・質問者にはすまないと思っている。それでは早速回答に移ろう。質問の時期からしてこれは2016年の秋イベのことかな?正直を言うと私はな・・・今回のその秋イベには参加していない」
モーンケ「え?参加していないのですか?提督なのに」
クレープス「そんなんありか」
ブルクドルフ「ダサいし」
ヒトラー「いやだって、全国の提督には申し訳ないけどさ、面倒くさいだもん!!資源はあっという間にすっからかんになる、すべての艦娘がドッグ入り、そしてとうとうクリアできずイベント終了・・・私にとってイベントは悔しい思い出しかない」
モーンケ「総統、あなた提督でしょう。あきらめたらそこで試合終了です」
ヨードル「そうだぞ、ハゲ!」
ヒトラー「だからお前が言うなし!!なぜおまえは私にハゲキャラを押し付けたがる!?あとな、イベントに参加しない理由がもう一つあるんだ。それはだな・・・」
ゲッベルス「なんです?」
ヒトラー「艦娘の轟沈が怖いのだ。白状するとな、私はかつて二回艦娘を轟沈させてしまったことがある」
ブルクドルフ「マジですか」
ゲッベルス「誰が轟沈したんです?駆逐艦だったら殺しますよ」
ヒトラー「那珂ちゃんと叢雲ちゃん」
ゲッベルス「てめぇ許さねぇ、よくもあの銀髪ぱっつん少女を!!」
ヒトラー「落ち着け!・・・あれは私が提督業を始めて間もないころだった・・・ようやく1-4がクリアできそうだというところで最後のボス戦になった。戦いは激戦になり、夜戦までもつれ込んだよ。夜戦突入か撤退かの選択でな、私は迷わず夜戦ボタンをクリックした。那珂ちゃんが大破しているにもかかわらずな。慢心していたんだ。今まで一緒に戦ってきてレベルもそれなりに上がってきたし今まで沈むこともなかったからまさか沈むことはあるまいとな。そして夜戦にもつれ込み1-4をクリアした。そしてその代償として・・・」
モーンケ「那珂ちゃん轟沈」
ヒトラー「そうだ。私は信じられなかった。いつもあの持ち前の明るさとダンス淘汰で私を励ましてくれた那珂ちゃんが・・・私の慢心のせいで・・・しばらく自責の念に駆られたよ。それからしばらく後で建造でまた那珂ちゃんを手に入れたがそれはあの時の那珂ちゃんじゃない。あの時の、最初に手に入れたあの那珂ちゃんはもう戻ってこないんだ・・・『アイドルは沈まないんじゃ・・・』という言葉が今でも・・・」
モーンケ「2回目は?」
ヒトラー「・・・二回目の叢雲の時も同様、私の慢心のせいで沈んだ。1-6を攻略しようとしたとき、私は叢雲が大破しているにもかかわらず進撃させた。そして轟沈した。この時も私が那珂ちゃんを沈めてしまった時と同じように油断していたんだ、まさか沈むことはあるまいと。しかもあろうことか彼女は、私の初期艦だった。私は自分の家族を殺してしまったようなものだ。いまでも思い出す」
全員「・・・」
ヒトラー「・・・長い後書きになったな。とにかく私が諸君に言いたいことは慢心ダメ、ゼッタイということと、大破進撃ダメ、ゼッタイということだ。それでは今回はここまで。諸君、何か質問やリクエストがあったら、作者の活動報告の『総統閣下の質問箱』に投稿してくれ。それではまた次回」

 
 大切な艦娘を沈めてしまったことは今でも公開と反省をしています。
 皆様方はどうか、慢心せずに大切にしてやってください。
 それでは次回も楽しみにしてください。
 いつも読んで下さりありがとうございます。



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