総統が鎮守府に着任しました!   作:ジョニー一等陸佐

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16話 大型建造~ヒトラーの賭け~

 「出撃終わったぜーあーだりぃ」

 ゲルマニア鎮守府の工廠で遠征から帰ってきた摩耶が汗を拭きながら歩いていた。

 所々に擦り傷や、服の破れが見える。

 「遠征ご苦労」

 摩耶のそばに親衛隊少将モーンケがタオルとバケツを持ってきながら歩いてきた。

 「サンキュー、ええと・・・」

「モーンケでいい。ゲッベルスに今日の戦闘について報告しなければならないからついてきなさい」

 モーンケと摩耶はゲッベルスの待つ無線所に向かっていった。

 

 「ああ、そうだ・・・打ち止めちゃんのフィギュアと同人誌をいくつか頼む・・・分かってるよ、イカ娘のフィギュアと同人誌と交換なんだろう?」

 無線所ではゲッベルスが電話で誰かと話をしていた。歩いてくるモーンケと摩耶に気付く。

 「ああ、じゃあ例の公園で会おう・・・また」

 ガチャンと黒電話を置くとゲッベルスは笑顔でモーンケたちに向き合った。ご機嫌なようだ

 「やあ、出撃ご苦労。今日はいいことがあってね、結構前に阿良々木君という高校生と知り合ったのだがね、実に趣味が合い意気投合したのだ。来週の日曜日に秋葉で幼女巡りの旅をしようと約束してね、しかもフィギュアと同人誌まで譲ってくれるときた。今日はいい日だよ、実に楽しみだ」

 モーンケはそんなゲッベルスの話に対して興味を示さず真面目に報告した。

 「摩耶以下、天龍、叢雲、秋雲、暁、響で構成された第三艦隊が小笠原沖での哨戒から帰還しました。摩耶が負傷しましたが他には全員無事です」

 「そうか、ご苦労。ところで聞きたいことがあるのだが」

 とゲッベルスが神妙な顔つきになってモーンケに問うた。

 「最近、総統閣下が大型建造をやると意気込んでいるが、どう思うかね?」

 そう、このゲルマニア鎮守府の提督でありドイツ第三帝国の(元)総統でもあるヒトラーは大量の資源をつぎ込んで大型建造をやろうとしていた。

 大型建造はうまくいけばレア艦が当たり、鎮守府の戦力増強に非常に大きな貢献をする。しかしそれは一種のギャンブルであり、非常に大量の資源を必要とするため下手をすれば鎮守府は貧乏になり長期間夜店でタンメンかタピオカパンのみの生活を強いられかねない。

 そしてクラウゼヴィッツ作戦ののちのゲルマニア鎮守府にはとてもそんなことをやってられる暇ないのだが、ヒトラーはそのハイリスクを承知の上でハイリターンのほうに明けようとしているのだ。

 「総統が決めたことだ。どの艦が来ようが私は祝福するよ」

 モーンケは言った。

 「あたしも同意見。もう決まったことだしさ」

 ゲッベルスはうなずいた。

 「確かに君らの言うことはもっともだ・・・」

 そしてゲッベルスの目が光った。

 「だが私は総統の決定であろうがこればかりは反対だ!すべての資源を駆逐艦量産につぎ込むべきだ!駆逐艦は艦娘の頂点にして天使でマジスケベェ」

 そこにいた全員がずっこけた。

 「変態とののしられるだろうが、私は心に決めたのだ!いつか第三帝国を復活させた暁にはその時には第三帝国を大幼女の帝国として発展させると!」

 摩耶が青ざめた顔で何歩か後ずさりした。

 「へ、変態だ・・・総統は巨乳に惑わされこいつはロリコン・・・この鎮守府大丈夫かよ・・・」

 モーンケは力なく首を振った。

 「もう彼らはどうにもならないのだ・・・耐えてくれ・・・」

 鎮守府にはロリコン宣伝相の高笑いが響いた。

 

 翌日。

 ヒトラーたちは工廠の建造装置の前にいた。

 ついに大型建造を行うのだ。

 「総統閣下、覚悟は決まっていますね?」

 クレープスがヒトラーに聞いた。

 「もちろんだ。何のために私がタピオカパンを我慢したと思っている」

 フェーゲラインはそんなヒトラーを笑いながら言った。

 「どうせみんな陸奥になる~~どうせみんな陸奥になる~~」

 「青葉もなんとなくそんな気が・・・」

 「KO☆RO☆SU」

 次の瞬間妖精親衛隊のMP40がフェーゲ達を狙い火を噴いた。

 「はい死んだ!!」

 「なんで青葉もおおおおおおお!?」

 ダダダダダと銃声が響いた後、フェーゲラインと青葉は崩れるように倒れ、ピロリーンという音がどこからか響いた。

 「じゃあ、入れるぞ・・・」

 ブルクドルフがゆっくりとボーキサイトや鋼材や燃料や弾薬を入れる。

 艦娘の中には手を合わせる者もいた。

 「では・・・建造開始!」

 すべての準備が終わり、ヒトラーは建造スイッチを押した。

 

 数時間後

 ヒトラーたちは食堂で食事をとっていた。

 建造には長い時間を要したため、その間アニメを見たりゲームしたりで暇をつぶして遊んでいた。

 「やっぱりな、私はミューズの中では東條希がいいと思うんだがな・・・あの包容力に意志の強さ・・・あと抜群のスタイル。エヴァにそっくりだ」

 ヒトラーの話を一部の者はうなずきながら、一部の者はうんざりしながら聞いていた。

 そのとき、クレープスが何かの紙を持ってきてヒトラーのもとにやってきた。

 「MGSシリーズではやはり3が最高傑作だと思う。あのストーリーを裏切り者だらけの親衛隊の連中に見せてやりたいよ・・・なんだ?」

 紙を受け取りヒトラーはそれをしばらく見ていたが次の瞬間叫んだ。

 「大型建造の結果・・・大和型戦艦の武蔵があたりました・・・武蔵・・・まじかよ武蔵が!?おっぱいぷるーんぷるん!!ばんざーい!!ざまミロコラーめ!!!」

 

 ヒトラーは賭けに勝ち、こうしてゲルマニア鎮守府には新たな戦力が備わった。

 

 そのあと数日の間、ゲルマニア鎮守の食事は一人一日夜店のタンメン一杯とタピオカパンひとかけらの状態が続いたそうな。

 

 

 


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