総統が鎮守府に着任しました!   作:ジョニー一等陸佐

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11話 敵艦隊を撃滅せよ~ここは譲れません~

 加賀達が敵艦隊の下へ進撃している中、ゲルマニア鎮守府ではヒトラーは作戦指揮所で開口一番にこんなことを叫んだ。

 「加賀さんの中破姿が見たい!」

 「あんた初っ端から何言ってんだ!?」

 ヨードルが真っ先にツッコんだ。

 「いや、分からんのか?あの加賀さんの体形、服を着ていてもまるわかりなほどのダイナマイトボディだったぞ!つまり中破すれば加賀さんの目に刺さるような!おっぱいぷるーんぷるん!!が見られるんだ!もしかするとお尻もいい形をしているに違いない!そうだろうクレープス!」

 隣に立っているクレープスが強くうなずいた。

 「ええ!今まで私は巨乳の魅力がわかりませんでしたがこれからは大艦巨乳主義の時代ですよ!そうだろうゲッベルス!」

 「何を言うか!駆逐艦こそ天使!異論は認めぬ!!あの幼くも凛とした姿、ちらちら除く若々しい白い肌、貧乳、澄んだ瞳と幼さが残りしかし美しい顔に中破した時の恥じらいの顔!これこそこの世のすべての美でありマジスケベェ!!」

 (ロリコン)ゲッベルスが大艦巨乳主義者二人にそう強く反論する。

 このやり取りを見て、ブルクドルフはたまらずツッコんだ。

 「おい、ここには変態しかいねぇのかよ!!いったいいつからこうなったんだ!!軍人が変態とか!!ダサいし!!」

 クレープスが強く反論した。

 「この前艦娘達の中破姿ニヤニヤして見てたのはどこのどいつだ⁉ええ⁉」

 「ち、ちげーし!男なら誰だって興奮するだろ!!あんなの見せられたら!お前らのほうがもっと酷いじゃないか!」

 「皆さんいい加減にしてください!アンタら軍人として誇りはないのか!?」

 無線機の前に座っていた大淀が大声で叫んでようやくこの場が収まった。

 

 さて、なんだかんだで始まったクラウゼヴィッツ作戦だが主な作戦内容としてはこうだ。

 この作戦においてまず厄介となるのは潜水艦と巡洋艦、駆逐艦による奇襲及び野戦である。輸送船団などはこれによる被害が非常に大きく場合によっては戦艦や空母よりも脅威だったりする。

 これを制しつつ敵の前衛や主力を破壊するには対戦能力のある駆逐艦及び軽巡の存在が重要になってくる。

 そこで編成として敵主力を確実にたたくために空母と戦艦を中心に対潜、及び夜戦に備えて主として艦隊の前方をを巡洋艦と駆逐艦で徹底的に固める。これで目の前に現れる潜水艦の攻撃を避け夜戦に備えつつ少しずつ、海域から潜水艦等を一掃していき同時に空母や戦艦の攻撃で敵の防衛能力も削いでいく。

 そして最後に敵が疲弊し丸裸になったところで一斉攻撃を仕掛け一気に小笠原諸島を奪回、鎮守府近海を確保する、というものだ。

 そして現在その加賀を中心とした艦隊が戦闘を開始しようとしていた。

 

 まず最初に異変に気が付いたのは潮だった。

 九三式水中聴音器を装備しイヤホンを耳に着け対潜哨戒を行っていた。

 と、その時、何か変な音がした。

 最初は聞き間違いかと思ったが、その音はまだ続いている。どうやら、仲間の艦娘達のスクリュー音とは違う。なにか、砂利をかき分けて進で言っているようなそんな音だった。

 そして思い出した。これは、そうだ潜水艦の深海棲艦の音だ。

 「て、敵艦を発見しちゃいました!1時から2時の方向・・・潜水艦です!!」

 潮の報告に艦隊全体が素早く動き出した。青葉たち重巡がもしもの際に備え、加賀達空母と戦艦の盾になるように動いた。

 隼鷹がすぐに飛行機の形に切り取った紙を取り出して発艦の準備をする。

 那珂と叢雲がすぐに潜水艦がいると思しき場所に向かった。

 その時潮はまた新たな音を聞いた。

 ゴボリ。

 風呂桶を逆さにして水中から取り出した時に似ている音がした。

 魚雷発射艦に注水した、つまり魚雷を発射する直前の音。

 そしてその音は先ほどとは別の5時の方向から聞こえた。

 「こ、今度は5時の方向から!魚雷発射管の音・・・あ、今発射されました!近いです!」

 「さっきのは囮というわけね・・・」

 加賀は冷静だった。

 「両舷全速、面舵いっぱい!」

 すぐに回避行動をとり始める。その時、隼鷹が九七式艦上攻撃機を発艦した。

 攻撃機には対潜用の爆弾が括り付けられている。恐らく戦果確認のためにまた浮上するだろう。涼風もすぐに魚雷を発射した方角に向かう。

 同時に魚雷がこちらに迫ってくる。40ノットとこちらよりもはるかに高いスピードだ。

 やれることはやった。後はこちらの運次第・・・

 そしてそして加賀と山城たちの後ろに白い航跡がものすごい速さで走って去っていった。

 しばらくすると、1時と5時の方向に水柱を確認。

 十数分後、海域には重油と破片が確認され、敵潜水艦を撃破したことを確認した。

 

 「なかなかの戦果ですな総統」

 戦闘指揮室でボルマンが言った。

 ヒトラーが頷く。

 「素晴らしいものだ。小型でありながら、本物と変わらぬ威力。これさえあればベルリンの共産軍どもを撃破できたかもしれん。私は惜しい気分だ」

 ゲッベルスも「ほら、やはり駆逐艦は至上ですよ」と言った。

 「お前はロリコンなだけだろう」

 とヨードルが言う。

 「さて」

 ヒトラーは目の前のモニターに向き直った。

 「後は戦艦と空母だな。どれほどのものか・・・」

 彼の品定めをする目でモニターの中の加賀と山城を見た。

 と、その時無線機を手にした大淀がヒトラー達に報告をした。

 「総統、山城の零式水上偵察機から無線が入りました!敵艦隊発見とのこと、編成は軽空母ヌ級1隻に戦艦ル級1隻重巡が4隻、距離は艦隊から100キロほどです」

 「よろしい」

 ヒトラーは頷いた。

 「戦闘機部隊を発艦させ敵艦隊を攻撃、その後戦艦でとどめをさせ!」

 ヒトラーはモニターに向き直った。

 加賀に問いかける。

 「お手並み拝見といこう。君には期待している。一航戦の誇りというものを見せてもらおうではないか」

 

 「・・・なめられたものね」

 無線を聞きながら、加賀は弓と矢を手に取った。

 「何があろうとも・・・」

 弓を手に取り矢をかけ狙いをしっかりと定める。

 「ここは譲れません」

 矢を放った。

 放たれた矢はしばらく海上をまっすぐに進んだ後、光を放ち三つの戦闘機に変形してわかれた。

 加賀は次々と矢を放ち艦載機を発進させる。その姿は実に凛としていて、恐れを何一つ感じさせず美しかった。

 加賀が発艦した戦闘機隊はしばらく敵艦隊に向かって飛んでいたが、そろそろ手前というところで敵航空機の編隊を確認した。

 恐らく電探か何かで察知したのだろう。

 だが、軽空母1隻が出せる艦載機の量はそれほど多くない。

 対して、加賀は90機もの艦載機を搭載できる。

 量だけで言えばこちらのほうが優勢だ。それに錬度もこちらが上。

 魚雷を積んだ艦攻と爆弾を積んだ艦爆の二つに編隊が分かれた。

 敵艦隊が見えてきた。

 複数の艦爆が空母ヌ級をとらえ、急降下を開始する。

 速度が落ちたその瞬間をとらえようと深海棲艦側の戦闘機が上空から迫ってきて、次の瞬間さらに上空から攻めてきたゼロ戦の編隊の一斉攻撃により深海棲艦の戦闘機が次々と爆散してゆく。

 九九式艦上爆撃機が250キロ爆弾を次々と切り離していく。

 それらはまっすぐと吸い込まれるようにヌ級に迫っていき、次の瞬間、ヌ級の体は紅蓮の炎に包まれ大爆発を起こした。煙が去った時にはすでにそこにヌ級の姿はなかった。

 

 対して、九七式艦攻を中心とした攻撃隊は戦艦ル級に狙いを定めていた。

 ル級の必死の対空砲火に戦闘や攻撃機が次々と撃墜され海面に落ちていくがしかしそれでもかなりの数がル級に迫ってくる。

 雷撃進路を確保した九七式艦上攻撃機は次々と九一式魚雷を切り離した。

 戦艦の装甲は非常に分厚く通常の攻撃ではなかなかそれを突破し、撃破することは難しい。しかし一つだけ弱点がある。

 喫水線下に対する攻撃には重装甲を施していないため弱いのだ。

 何本もの白い航跡がル級に迫ってきた。

 回避行動を行うが、1本、2本と命中していき4発目が命中した時、燃料か弾薬に引火したのだろう、大爆発を起こし、沈没していった。

 残ったのは重巡4隻のみ。

 こちらの、戦闘機隊の被害は軽微。勝利だ。

 

 その時、山城たちゲルマニア鎮守府の艦隊はその重巡4隻を射程圏内に収めていた。偵察機の観測付きの艦砲射撃を開始しようとしていた。

 「敵艦発見!てぇ!!」

 山城が叫び35.6センチ連装砲が火を噴いた。周りの駆逐艦娘達のが吹き飛ばされそうになる。

 重巡がまた一つ、また一つと水柱に包まれ消えていった。

 気づけば敵艦隊は一つ残らず消えていた。

 こちらの被害は軽微。

 クラウゼヴィッツ作戦において最初の大勝利だった。

 

 日が暮れて敵の夜間の強襲を警戒しつつゲルマニア鎮守府に帰還した加賀達はヒトラー達の歓迎を受けた。

 「よくやってくれた!素晴らしい大戦果だ!!」

 そういってヒトラーは加賀の手をぐっと握り笑顔で彼女をねぎらった。

 「当然の結果よ。良い作戦指揮でした」

 加賀は特に表情を変えずに言った。

 ヒトラーは頷きながら、「そうか・・・しかし疲れただろう、今夜はしっかりと休みなさい、お嬢さん」

 そういうとヒトラーは軽く加賀の手を取り甲に口づけした。

 「出会った最初からこれほどの働きをしてくれるとは・・・すまないね。我々もしっかりと見習わねば。お嬢さん、あなたはせっかくのきれいな顔をしているのだ。無理はせぬように。君は軍人だが、同時に女性でもあるのだから。」

 突然、握手に口づけ、さらにきれいと褒められて加賀は「え?」と少し困惑した後、顔をわずかに赤くした。

 しかしその時にはすでにヒトラーやほかの側近たちはほかの艦娘をねぎらっていたり、入渠や補給に向かわせたりしていた。

 立ち尽くす加賀の下に犬のブロンディが走ってきて彼女の周りを歩いた。

 「変な人・・・」

 そう呟きながら彼女はブロンディの頭を撫でた。

 「でも・・・少しは信用はできそうね」

 夜空には星が瞬きはじめ、流れ星がいくつか確認できた。

 

 そのころ、砂浜には二人の武装親衛隊の服を着た男が倒れていた。

 新たな仲間は今度は何をもたらすのだろう?

 

 




 好きな艦娘は武蔵、潮、大淀、青葉と色々おりますが一番は加賀さんです。
 加賀さんをようやくゲットした時はどれだけ狂喜乱舞したことか・・・
 あと誰かこの変態ちょび髭達をどうにかしてくれ。
 毎回このssを呼んでくれてありがとうございます。
 しっかりと面白いものを作れるよう頑張っていきたいと思います。
 「ラブライブ!~ER IST WIEDER DA~」のほうもよろしく。
 次回またあの名シーンをやりたいと思います。
 あと、親衛隊姿の妖精さんだれか描いてくれないかな・・・自分は絵は下手ですし、総統も美大落ちだから期待できないし・・・ん?こんな時間に誰だろう?
 
 

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