幻影のエトランゼ   作:宵月颯

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志同じくする者達を総称して名を示す。

名を表すものは『絆』。

そして時は過ぎ去り。

それまでに起こった禍は全て打ち破る。

そして運命の時。

『絆』は星の海へと誘われる。




第七.五話 『名称《メイショウ》』

 

前回の戦いからしばらく経ちました。

 

私はDG事件の後、他の感染者達と共に救出され無事にDG細胞から解放されました。

 

その後にお義父さん達からかなりキツイ説教をされました。

 

五人の後光に閻魔様とかの地獄の使者が数名見えましたし。

 

延々と五時間ほど各一名ずつよりお説教されておりました。

 

エルザム少佐とギリアム少佐のあの笑ってない笑顔が本当に怖い。

 

隊長とカイ少佐は問答無用でもっと怖い。

 

お義父さん、お願いですからそんな怨念籠った笑顔でクスハドリンクを勧めないでください。

 

ガタブル覚悟で本当に死ぬかと思った。

 

反省しました本当にごめんなさい。

 

私もあそこでガイゾナイトが寄生しているなんて思ってなくてですね。

 

しかも無限力の陰謀だったので。

 

アカシックレコードに聞いたので確定済みです。

 

どうやら蒼い睡蓮の仲間が雷王星を全壊させたのが悪かったらしい。

 

そりゃ雷王星はSTMCによって増殖しエクセリヲンの縮退炉暴走で破壊されるかシュウ・シラカワ博士の伝手で消滅する予定だったのだ。

 

情報を与えたのは私だが下手をすれば救出出来る命も救えなかったかもしれない。

 

今後の情報提供する時は細心の注意をする事にする。

 

それではDG事件後から現在の時間軸までに起こった事を説明します。

 

まずDGの一件。

 

無事に救出された人達はDG細胞除去も行われて元の所属や生活の場へ戻って行った。

 

どうやら私がガイゾナイトに寄生されたDGに洗脳されていた時、新生シャッフルとなる四人を止める為に旧シャッフルの四人が駆けつけてくれたらしい。

 

理由は蒼い睡蓮から未来ある若者を救う為に手を貸して欲しいとの依頼だったらしい。

 

原作通り後継者を見つける事も出来たので彼らに修行をしないかと誘ってそれぞれの修行地に移動した。

 

流石はガンダムファイター、体力だけは脳筋レベルですね。

 

二~三日したらすぐに動ける様になってたので。

 

フォリアさんも無事に元に戻ったそうなのでホッとしている。

 

肝心のキョウジさんと私は感染期間が長かったので安全が確認されるまで隔離されていた。

 

その検査の為に国際警察機構のエージェントに付き添われてライゾウ博士が来日した。

 

ドモンさんは兄を取り戻せた事とDG、シュバルツの件を説明した。

 

どうやら本物のシュバルツ・ブルーダーはガンダムファイト中に何者かに襲われて戦死していた。

 

それを偶然DGが発見しキョウジさんが不本意ながらアンドロイドとして復活させたそうだ。

 

あの状況では致し方無いとは言え人の命をその一生を変えてしまったのだ。

 

その自責の念は余りにも重いだろう。

 

当のシュバルツも『成るべくしてそうなった、ただそれだけだ』と論してキョウジを励ましていた。

 

そしてDGに搭載された『超AI』は私が引き取る事となった。

 

理由とすれば『超AI』自身が私から離れたくなかった事と私が切っ掛けで自我に目覚めた事である。

 

今後は私個人のサポートロボットとして傍に居る事となった。

 

そして制御コアは安全が確立されるまで梁山泊で封印される事になった。

 

後で『超AI』の名前を考えねばと思った次第だ。

 

それから必要な手続きを終わらせた後、私は隔離期間終了と同時に原隊復帰した。

 

キョウジさんは本人の希望もありドモンさんのサポートクルーとして共に行動する事になった。

 

シュバルツも共に戦線に加わる事を決めた様だ。

 

 

それから一週間後。

 

 

宝石型の使徒との激戦とネルフの参加。

 

二体のジャイアントロボの激突。

 

黒鉄の城の翼と赤き竜。

 

ギガノス帝国の正式な宣戦布告。

 

クロスボーン・バンガードの出現。

 

更なる異星人連合の侵攻。

 

サイバスターとEVA弐号機の合流。

 

など、目まぐるしく日々は過ぎて行った。

 

そして…

 

 

私とお義父さんで親子喧嘩勃発。

 

理由とすればお義父さんとシャイン王女が桃姫よろしくな状況で拉致されました。

 

私は赤い配管工か!っとツッコんだのは別の話。

 

急ぎ、その足取りを掴んだ私達はアイドネウス島ルートの海域でAnti・DCの部隊を発見し交戦する事となった。

 

あのYの字鉄板ジジイめ、よくもやってくれましたね。

 

ゲイムシステム搭載のヴァルシオン四機と戦う事となった。

 

どうやら今までの敗退が原因で鉄板ジジイの部隊はトカゲの尻尾切りにされたらしい。

 

苦し紛れに開発途中だったヴァルシオンを組み上げて総力戦に出た様だ。

 

 

一号機にシャイン王女。

 

二号機にAnti・DG兵。

 

三号機にテンペスト少佐。

 

四号機にテンザン。

 

 

原作と同じ組み合わせの様だった。

 

 

一号機にライとラトゥーニ達。

 

二号機は他のメンバー。

 

三号機は私とギリアム少佐達。

 

四号機はリュウセイとリョウト達が張り付いた。

 

 

暫く戦っているとラーダさんからゲイムシステムの経緯が判明したと言う通信が入った。

 

何とか動きを封じてゲイムシステムの制御系部分を破壊。

 

二号機のパイロットは残念ながら救出出来なかったが他の三機は何とか確保する事が出来た。

 

アードラの戦艦はマサキのコスモノヴァで撃沈。

 

今回の拉致を手引きしたハンス少佐の乗艦した戦艦は隊長の斬艦刀で真っ二つにされた。

 

それぞれの何名か因縁を持つ相手は今回で倒す事に成功した。

 

無事助けられた三名は伊豆基地へ搬送される予定だったが、お義父さんはゲイムシステムの影響が比較的に軽度だったので精密検査のみとなった。

 

と、言うよりも私が念動フィールドでお義父さんの脳への負担を軽減した為だ。

 

それでも周囲に気付かれない様にしなければならないので静養が必要になってしまった。

 

シャイン王女はそのまま伊豆基地へ、テンザンは戦犯として裁かれる筈だったがゲイムシステムの影響でDCに加担していた頃の記憶を失くしてしまい、ただのゲーム好きに戻ってしまった。

 

リュウセイから聞いた事だが、どうやらバーニングPTの大会前の記憶まで後退しているらしい。

 

特に害はないので一時伊豆基地で拘束した後、そのまま病院に移されるそうだ。

 

以上がこの一カ月の間に起こった出来事である。

 

 

♱ ♱ ♱ ♱ ♱ ♱

 

 

次の指令が下るまで再び休暇となった。

 

レイカー司令は度重なる戦いで疲弊した私達に英気を養ってもらう為に立食を兼ねたパーティの開催を許可した。

 

勿論、今後の作戦や諸々の説明をしながらである。

 

その間に仲間になった人達との交流なども含めての事である。

 

そして。

 

 

「突然だが君達の部隊に正式な呼称を付けたいと思う。」

 

 

レイカー司令の言葉に全員が騒然。

 

因みに艦長達を交えて前々から考えていた事だったらしい。

 

様々な所属の部隊が集まった事でその部隊を一つの呼称で呼べる事と正式な独立機動部隊として行動する為にとの事だった。

 

命名はこの場の全員が考えて欲しいとの事で更なるガヤガヤで周囲は再び騒がしくなった。

 

 

因みに出された名称は以下のとおりである。

 

 

アムロ大尉からは『マーチウインド』。

 

ドモンからは『ラウンドナイツ』。

 

ウッソからは『ブルー・スウェア』。

 

カミーユからは『マグネイト・テン』。

 

他からは『ヴェルダー』、『ブライティクス』など聞き慣れた部隊。

 

キョウスケ少尉からは『鋼龍戦隊』。

 

リュウセイは『αナンバーズ』。

 

 

と言う流れである。

 

因みに変なネーミングを付けようとしていた連中にはにっこりと笑ってない笑みを上げてやった。

 

DG事件で私が凶悪な戦術を見せつけたのが原因らしい。

 

本当にゴメン、わざとじゃないのよ。

 

 

「他には?」

「ネクサスって名前は?」

「それさっきも聞いたよ?」

 

 

私はネクサスと言う名である言葉を思い出した。

 

ずっと心の中でいずれ付けたいと思っていた名前である。

 

 

「あの!」

 

 

私は名乗りをあげた。

 

 

「ノードゥスと言うのはどうでしょうか?」

「意味はラテン語で『絆』か。」

「はい、ここに集まったのは何かの縁かもしれません…そして『絆』で結ばれていると言う意味で考えたのですがどうでしょうか?」

「いいんじゃないかな?」

「ねえ、キョウスケ…『絆』なら私達にピッタリな名前じゃない?」

「そうだな。」

 

 

他からも共感の声を頂き、私達の部隊の名称は「ノードゥス」と命名された。

 

 

******

 

 

私達はアイドネウス島に再び訪れていた。

 

理由はマクロスの護衛である。

 

一カ月の間にギガノス帝国とジオンの共同戦線部隊が月のマスドライバー施設を占拠。

 

このアイドネウス島を狙っていると言う厄介な事になっていた。

 

ゴチャ混ぜシナリオにも程がある。

 

因みにこの隕石を阻止する方法は二通りある、一つはゲッタードラゴンとR-GUNパワードによる撃ち落とし、もう一つはこの前合流したEVA三機による押し返しである。

 

だが、地球衛星軌道上にフォールドアウトしてきたゼントラーディの艦隊のおかげで半分は何とかなったが自動追撃機能によるマクロスの砲撃で彼らと戦う羽目になってしまった。

 

それに伴いSDF部隊の登場。

 

二度に渡る戦いで勝利を収めたが敵の増援部隊によって撤退を余儀なくされた。

 

島から脱出した者、脱出できずにマクロスへ避難した者、それらの確認が済んだ。

 

そうフォールドアウトで衛星軌道上に転移しゼントラーディの艦隊に攻撃を仕掛ける決断をしたのだ。

 

所が私達は地球を遠く離れ、冥王星宙域へフォールドアウトしてしまったのである。

 

各戦艦は一先ずマクロスへ収容。

 

各部隊の大気圏用装備の回収作業、マクロスへ避難した避難民への対応。

 

そして自力で帰還せざる負えない状況。

 

乱世は始まったばかりだ。

 

 

=続=

 





星の海は暗くそして冷たい。

蒼き星への旅路は長くそして困難を極める。

そして新たな戦いが始まる。

次回、幻影のエトランゼ・第八話『騎士《テッカマン》』

一筋の光は何を見つめる。

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