幻影のエトランゼ   作:宵月颯

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暴食の魔獣の目覚め。

世界の境界線は崩された。

全てを喰らい尽くす為に。

隣接し連なる世界は繋がった。


第百十八話 『連界《レンカイ》』

 

デビルアルゼナル事件後。

 

エクスクロスは回収したヨカッタネをホーリーウッドに使用し元の自然あふれる街へ戻した。

 

助っ人して参加したドモン達は他の女性達のDG細胞の除染や事後処理の為…

 

事件後にアル・ワースへ転移したデビルアルゼナル跡地で活動を続けるとの事。

 

除染が終えても心に傷を抱えた者達はセフィーロ王国とインサラウム皇国が治療の為に場所の提供を進言。

 

そして救助されたエメロード姫らはユーサー皇子と正式に国家間の同盟を決定した。

 

エクスクロスは三勢力の内、旧ミスルギ皇国軍ことレコンギスタ同盟となった者達の協力を得てドアクダー軍団と魔従教団、離反した反勢力に対抗する事に決定。

 

猶、崩壊したミスルギ皇国は再建の為…

 

破壊したダイマとルドを筆頭にある程度の修復活動に携わるとの事で居残る事となった。

 

光龍らは中継役として活動するが…一旦、新西暦の世界へ帰還。

 

事後報告と今後の行動に対して統合参謀本部との話し合いに戻って行った。

 

勿論、新西暦の世界に所属する除染を終えた女性達と共に…

 

ただ、エクスクロスとZEXISに協力したいと申し出た女性達は引き続き双方の部隊に振り分けられて所属する事となった。

 

エンデが異世界人召喚の際にマーキングした楔が無いのですぐにでも戻れるが、彼女達の希望に沿った。

 

そして多元地球に所属している女性達も除染を終えてイグジスタンスとZEXIS経由で帰還する形となった。

 

この事で一波乱が予測されているが、最もな理由が目視出来ているのだからぐうの音も出ないだろう。

 

何せ、多元地球とアル・ワースの多元境界線が崩壊し互いの星が目視出来る位置に現れたのだから…

 

これもエンブリヲの事件と平行して起こっていた騒動であり…

 

ハスミはこの仕掛け人の名前を会議で告げた。

 

 

******

 

 

エンブリヲの事件から半月後。

 

 

~リモネシア共和国・円卓の間~

 

 

「テオロ・オキハ…あのナルーダ・タトーゲと同じ高次元生命体です。」

 

 

ナルーダに続く新たな存在であるテオロ。

 

エンブリヲがエンデの支配下の中でも自由に活動する手助けをした仕立人だ。

 

 

「要は倒す奴が増えたって事だろ?」

 

 

ガイオウの言う様にシンプルに言えばそうだ。

 

テオロの行動がまだ不明な以上はその行動を追うしかないだろう。

 

 

「奴の今後の行動は不明ですが、此方が行動すれば自ずと出て来るでしょう。」

「クロノを含めて御使いと同様に厄介な相手だ…油断は出来ん。」

「…」

「ガイオウ、何か言いたいのか?」

 

 

ハスミとアウストラリスの発言の後、ガイオウは遠い眼で答えた。

 

 

「お前ら…距離近くねぇか?」

 

 

デビルアルゼナル事件後の円卓の間での会議でもそうだが…

 

カップル成立が済んでいるメンバーの距離が縮まった。

 

その一件でイチャイチャ率が凄まじいのである。

 

 

「「…」」

 

 

会議へ参加していない者を含めても距離が近いのは…

 

バルビエルとセツコ、アウストラリスとハスミのペアである。

 

ただ甘い所の騒ぎではないしこれでもかと言う位に次元級に甘い状態が続いていた。

 

 

「周囲に晒した以上は隠す必要もあるまい?」

「いや、そうだけどよ…」

「やらんぞ?」

「…」

 

 

ガイオウ曰く『何時か尻に敷かれるな。』と思いつつもアウストラリスの表情に何とも言えなかった。

 

 

「それで、あの次元境界線が壊れた後…どうなった訳?」

「此方の政府も大慌てだろうし…」

 

 

バルビエルとセツコの言葉も最もだが…

 

 

「多元地球とアル・ワースへの移動方法が双方無い以上は互いに様子見の判断をした様です。」

「向こう側でも内乱が起こっている以上は手出しは不要とな。」

「そもそも、イグジスタンスしか次元移動が出来ない以上は何も言えないでしょうし。」

「何も出来ぬ奴らに加担する必要もあるまい。」

 

 

ハスミとアウストラリスの説明に納得するヒビキ、ガドライト、尸空。

 

 

「まあ、そうですね。」

「こっちも色々とやらかしされたからな。」

「余計な世話だ…」

 

 

イグジスタンス経由で多元地球の国連にはオブラートに包んだ形で状況説明を行った。

 

議会に参列していたエンブリヲの悪行も含めてである。

 

拉致された女性達を此方で救ったのだから余計な事は言えないだろう。

 

調査師団を組みたいとか言い出しそうなので…

 

アル・ワースの内乱が激化しているので手出しはしない方が良いと説明した。

 

権力振りかざしての漁夫の利は出来ないよ?

 

やるならイグジスタンスがお相手しますが?

 

的な圧力はして置いてある。

 

 

「一先ず、此方の騒動を解決していかないと…」

 

 

エンブリヲの引き起こした女性拉致とデビルアルゼナル事件で多元地球のいざこざに手を出せずにいたが…

 

此方は此方で何とか持ちこたえた様だ。

 

ソレスタルビーイングの再生、黒の騎士団の復活等々…

 

行われるべきシナリオは順調に事が進んでいた。

 

だが、変異した事もある。

 

姉を失った沙慈・クロスロードがカタロンに加入しアロウズと敵対している事だ。

 

ルイス・ハレヴィはエリア11のアシュフォード学園に通学し彼の帰りを待っている。

 

ちなみにソレスタルビーイングからあの件で何度か打診があった。

 

イグジスタンスの活動と同時に出現したGNドライブを所持したガンダムの集団は何者か?と。

 

その他にもグレンラガンと同タイプのガンメンやゴッドマーズに似た機体の所持に関しても問われているが…

 

これに関しては知らぬ存ぜぬで通してある。

 

理由は言わずもがな彼らZEXISの成長の為だ。

 

種明かしはもう少し先にさせて欲しい。

 

 

「当面の問題はアロウズが仕掛けた軌道衛星にある戦略兵器でしょうね。」

 

 

軌道エレベーターが狙われピラー崩壊からのアフリカ本土への散乱騒動。

 

これをクリアしアロウズの暴虐を食い止めなければならない。

 

やるべき事は増えたのだ。

 

=続=

 





それは宇宙より齎された。

地表へ落下し災禍となる。


次回、幻影のエトランゼ・第百十九話『落禍《ラッカ》』


反逆の果てに正しき真実を世に晒せ。



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期限は次回話投稿までです。

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