彼らとの再会。
援軍が齎すのは再起の兆し。
愚かな者への反撃。
その時はまだ遠く…
スフィアリアクターが連れ去りを受けてから数日が経過した。
〜リモネシア共和国・政庁〜
円卓の間では、重苦しい状況が続いていた。
状況報告を終えたヒビキ達は謝罪の言葉を告げた。
「エルーナやセツコに続いてハスミまで…」
「俺達がいながら面目ない。」
「ドジ踏んじまった。」
「先行させた私にも責任はある。」
ランドやアイムは作戦参加者に否はない事を話した。
「人質がいたんなら仕方がねぇ。」
「ええ、貴方達の責任ではないですよ。」
早期による奪還作戦は失敗。
主犯であるエンブリヲによって犠牲者は増えつつあった。
で、残りのリアクター勢は拉致事件でメンタルをやられた数名のフォローに入っていた。
「セツコ、セツコ、セツコ…………」
「バルビエルもこんな状態だしな。」
「…スズネを奪われた時のヒビキと同じかよ。」
「うっ、すみません…………」
「クロウ、傷口に塩を塗るな。」
「おっと、ランドわりぃ。」
偶に逆のパターンもいる。
「アウストラリス、今後はどうする?」
「…」
当人は尸空の声掛けに沈黙したまま。
何も語らなかった。
「クロスゲートを封じられた以上はアル・ワースでも活動に支障が出るでしょう。」
「ハスミのゲートの力に頼り過ぎてた節があるからな…俺等も。」
「今後の活動は埒外の蛇者で対応するしかありませんね。」
「その本人は其処で漫画読んでだらけてる。」
「…」
「こういう時、一番冷静なのは彼だろう。」
アイムが不在中の流れを説明し、流れの中心人物のだらけ振りにクロウが愚痴をこぼしユーサーがフォローしていた。
そんな中で…
「おいおい!」
ガドライトは何かを感じ取り驚きの声を上げた。
その反応にクロウが声をかけた。
「ガドライト、どうしたんだ?」
「ここのクロスゲートが反応してやがる!」
「マジか!?」
「!?」
最下層にある遺跡群のクロスゲートが突如として起動。
リアクター勢はクロスゲートの安置された最下層へと移動。
そこから現れたのは…
「久しぶりだね…アウストラリス?」
開口一番。
この状況で最も遭って欲しくない事が起きた。
「光龍殿…御二方もご現存で何より。」
「事情は察していると思うけど、僕らが言いたい事は判るよね?」
来客達がアウストラリスに向ける表情に圧があるのが判る。
更にアウストラリスの表情が固まっている事が何よりの証拠だった。
「や…ヤベェのが来た…」
「うん…」
状況が判らない他のリアクター勢に対して答えるガドライトとアサキム。
その表情はこの世の終わりかと言う程に青褪めている。
「ガドライト、アサキム…あの人達は一体?」
ヒビキの一言で二人は重い口を開けた。
「正面から孫光龍、左がカーウァイ・ラウ、右がテンペスト・ホーカー。」
「あのハスミ・クジョウの父親と養父だよ。」
これに対してクロウら他のリアクター勢は察した上で意思が一致した。
「「「「「「「…(天敵(アウストラリスの)が登場した。」」」」」」」
特にランドは親方のメールLOVEで親馬鹿を嫌と言う程に経験している。
三人も何かしらの力を持った人物である事は間違いないと思った。
更にクロウも何とも言えない表情で話し…
「嫁姑問題は聞くけどよ、まさかの逆パターンを拝む日が訪れるとは…」
「こりゃ、かなりの修羅場になるな。」
と嫌そうな顔でボソリと告げた。
〜約一時間後〜
「なるほどね~ぇ。」
「…」
「…」
「申し訳ない。」
経過報告&状況説明後。
親馬鹿三人衆によって婿イビリが開始され早一時間が経過した。
アウストラリスの表情は堅いままだが、メンタルへの攻撃は受けていた。
聞いていた周囲も精神や胃をやられており動ける状態ではない。
ガイオウだけは二ヤニヤと面白そうな表情で眺めていた。
「君を信頼して僕らの娘を預けたんだけどねぇ?」
「俺の失態だ。」
「ま、反省しているようだし多めに見てあげるよ。」
「申し訳ない。」
長々と説教の後、ここから本題へと移った。
「判っていると思うけど、娘達の奪還には僕らも参加させて貰うよ。」
「あのエンブリヲと言う輩には教えねばならない。」
「愚か者と言う言葉がどの様なモノかをな?」
光龍らの言葉から判る様に。
愛娘を奪われた父親の怒りは凄まじい。
とばっちりを受ける外野も怯えを通り越して恐怖しかない。
だが、愚か者が地獄よりも苦痛な制裁を受ける日が訪れるのは…
そう遠くないがまだ先の話である。
=続=
イグジスタンスに以下の機体が搬入されました。
※真・応龍王
※エクスアルブレード・カスタム
※エクスヴァルバイン・アクスト
6月中には決着をつけたいです。