幻影のエトランゼ   作:宵月颯

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閉ざされた世界。

深淵の果てに築かれた継接の世界。

嘘と偽りにまみれた世界で正義の女神は何を思う?




六章予告

 

真実の告白。

 

世界を暴いた結果。

 

齎されたのは世界と言う構造の絡繰。

 

 

=女神の告白=

 

 

「全ては一つに繋がっていた、それが真実です。」

 

 

秘匿し続けた女神の告白。

 

 

「全ては集約され一つに束ね纏められた。」

 

 

その先の戦いで指し示される結末。

 

 

「このままではバアルの思う壺です、私達は…人類は選択を迫られています。」

 

 

淡々と語られる幾多の並行世界で引き起こされた戦乱。

 

それらの目的が酷似しとある存在らの力へと集約された。

 

 

滅ぼされた世界。

 

閉ざされた世界。

 

抗い続ける世界。

 

再誕を阻まれた世界。

 

 

それらの世界を監視するクロノの暗躍。

 

クロノを操る、御使い達。

 

だが、壮絶な存在もまた存在した。

 

 

その存在を知ったとしても語ってはならない存在。

 

語れば最後、待つのは滅び。

 

 

「私は宣言しました、知れば最後…元には戻れないと?」

 

 

元には戻れない。

 

それが差す真意とは?

 

 

 

=可能性が体現した奇跡=

 

 

「ヒビキ・カミシロ…あの約束を果たせる時が訪れた。」

「約束?」

「かつての天獄戦役の折、俺達は再び集い共に戦うと…」

 

 

語られた真実の後に傀儡の皇帝は答える。

 

戦いそして分かり合えずに魂となって見守り続けた結末を…

 

それらを覆し本当の意味で共に戦う事を選んだ。

 

 

「この世界へ辿り着いた以上、奴とも決着をつけねばならん。」

「…そうですね。」

 

 

変異した深淵の底の世界に齎される新たなる破壊と再生。

 

彼らの出現は大きな波乱を引き起こす。

 

 

=天秤に捧げられた硬貨=

 

 

「どういう事だよ!?」

 

 

己の意思に従い背負った責め苦。

 

その借金の果てに手に入れた力。

 

だが、彼らの登場は予想を超えた戦乱を招く。

 

 

「エルーナさん、笑い過ぎですよ。」

「だって、プ…くっ!!!」

「誰だって生活費が苦しければ、維持費を削りますよ。」

 

 

それが無料配布されているガムシロップを大量に入れた砂糖水であっても。

 

毎度の事で借金を返済し弁済が嵩む運命は最早憑きモノである。

 

 

「これも無限力とやらの遊びなのだろうか?」

「説得力があり過ぎて何とも言えないです。」

「…ある意味でヒデェな。」

「僕は見るに堪えないよ、無惨過ぎるし。」

「同感だ。」

 

 

天秤の物語に介入する者達の哀れな視線。

 

 

「お前らなぁ!!そんな顔すんなら恵んでくれよぉ!!」

 

 

貧乏金無し暇無しの体現は転生しても続くのである。

 

 

=嘘吐きは絶望の始まり=

 

 

「何故、こんな事が…!?」

 

 

偽りの力を暴く力。

 

それは真実を求めるモノ達の力となる。

 

 

「あの時、答えた筈ですよ?」

「!?」

「狩られるのはどちらでしょうね?」

 

 

冷徹な女神の微笑み。

 

 

「さあ、お仕置きと逝きましょうか?」

 

 

 

=愛情の果てに=

 

 

「私は…」

「自分を偽って人を愛せても自分を愛せない…辛いですね。」

「っ。」

「誰かを愛すると言う事は自分も愛する事を忘れてはならないのでは?」

「…」

「愛は誰かに与えて貰うだけではなく自分で見つけて育んで行くものです。」

 

 

求めた可能性の果てに築かれる絆。

 

それは真の敵への反逆の力となる。

 

 

次回、幻影のエトランゼ・第六章『巡界ノ詩篇』。






星々の輝きの元。

偽りと愛情。

そして天秤の采配。

早期たる覚醒は第四の目覚め。

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