それは多くの夢へと繋がる。
これは一つの願いが起こした。
大きな禍への伏線。
崩壊の夢はまだ終わらない。
封印戦争後、人々は戦乱によって破壊された地球並びにコロニー群、太陽系全域の復興に励んでいた。
しかし、ある日の事…
「何だ?あれは…」
突如、太陽系を中心に不可思議な空間に包まれた。
そして引き起こされた局地型時空振動。
地球に現れた謎の孤島や大陸。
人類は新たな光景を目撃する。
『見つけましたよ、スフィアを新たな真化へと導く兆を。』
******
=謎の遺跡島=
フォースに至る試練。
それは再会と言う名の現象を与えた。
「何故、私達が再び廻り遇ったのか…それも新たな試練の為なのかもしれません。」
「試練か…」
「しかしよ、俺達の繋がりがバレねえか?」
「どうだろうね…僕は兎も角、君らが素知らぬ顔をでもすれば話を合わせられるんじゃないのかな?」
「無駄だと思いますよ、彼らは僅かな断片でさえ見逃さず真実に辿り着きますから。」
「だろうね…今は君の組織の加護がある限り、彼らは手を出さないだろう?」
「無論出させませんよ、奴らの監視の眼が届かない以上は成すべき事は成しましょう。」
「問題はこの島がどうなっているかって事だな…」
局地型次元振動によって太平洋の中心部に現れた島。
南国を思わせる熱帯の植物に守られた聖域。
侵入者を阻む独自の生態系と聖域を守護する民族。
そして島の中心部に残る古い遺跡群。
黒き破壊王にして巨獣の咆哮が響く。
古のインファント島は伝承を記す。
=電脳世界の融合=
「僕達、もしかしてスパロボの世界に来ちゃってる!?」
「ええっ!!?」
彼らはログインする。
ネットゲーム、正式名称ガンプラバトル・ネクサスオンライン。
通称GBNに。
いつものログイン。
いつもの対戦バトル。
いつものミッション攻略。
変わらない日常の筈だった。
それは一つの兆によって変異した。
『君達の肉体はこちら側の世界では意識不明の形で医療施設に緊急搬送されている。』
「そんな…」
『私達は貴方達の状態を『未帰還者』と呼ぶ事になりました。』
「未帰還者ですか…言い得て妙ですね。」
『君達が現実世界に戻れるようにこちらでも手を尽くそう。』
「判りました。」
切り離された意識。
電脳世界での体は命ある体へと変貌。
一度の死で二度目はない。
彼らはそれを理解する。
=負念の再来=
一度は停滞した筈の禍。
だが、彼らもまた再起の時を伺っていた。
「ヒサシブリダナ、ロア。」
「漸く目的の地に辿り着けた~ぞ。」
「ワイらをコケにしよった例の奴にも礼をせんとな。」
復活した闇黒の頭脳の配下。
それは定められた戦い。
消失した可能性の戦いへの対価として。
=覚醒の兆し=
第四の覚醒。
それは呪詛か祝福か?
「聖戦に招かれし戦士達よ、何故滅びぬ?」
「人が負念の集積体を生み出すと言うのなら、それは大きな間違いよ。」
「何故だ。」
「人は可能性に満ちた生命体、その生命体が正となるか負となるかはその者次第。」
「…」
「テメエの勝手で悪者扱いされるのは御免だって事だ。」
「僕らは正も負も抱えて未来に進む、それを君に止める事は出来ない。」
負念に侵された神体。
その陰にはテンシの策略アリ。
私達は可能性の未来へ動き出す。
次回、幻影のエトランゼ・第五章『夢幻ノ詩篇』。
夢か幻か。
一時の出会い。
それは一つの伏線へと繋がる。
願うは存続の世界。