IS 〈インフィニット・ストラトス〉 -造られた双子- 作:ark.knight
白は千冬が部屋の中で酒を飲んでいた時に来た一夏の応答をしていた
「なんだ一夏?」
「いや今千冬姉を探してるんだけど一緒に探してくれないか?」
「また面倒なことを言ってくれるな」
白は肩を落とし一夏と会話を続ける
「一応この中にいるけど束と大事な話があるそうで邪魔してくれるなだ、そうっすよ」
「そうなのか」
「それよりも俺から少し話があるからちと付き合ってくれねぇか?」
「いいぜ」
「んじゃ外行こうか」
2人は寮の外に出ると風が吹いているのに加え冬になっているためとても寒かった
「さすがに寒いな」
「ん~俺にはちょうどいいくらいなんだがとりまあったかい飲み物ぐらいは奢ってやるからよ」
「お、サンキュー」
白は近くの自販機でお茶を奢ると白は煙草を1本加え火を付ける
「こんなとこで吸うなよ」
「悪いな」
白は喫煙所まで行くとそこで吸い始める
「それで話ってなんだよ?」
「あぁそれね、なぁ一夏は兄貴が生きてると本当に思ってんのか?」
「急になんだよ?俺はそう思ってるが白は違うのか?」
「俺も生きてるとは思うけどよ、なんか不安なんだよな」
「不安なことってあるのか?」
「不安ならたくさんあるさ、京都で本当に襲ってくるか?本当の敵は?数は?質は?俺ら10人で立ち向かえるのか?兄貴は本当に生きててちゃんと来るのか?不安になりすぎてストレスだって溜まる一方っすわ」
「白・・・お前は・・・」
白は煙草を吸いながら自分の今の現状を伝えると一夏は固まってしまった
「でもさ兄貴がいなくなるまではこういったことは全部兄貴が背負って自分の中にしまって誰にも話さないでどっかに行っちまった馬鹿兄貴を1発ぶん殴ってやんねぇと気が済まねぇんだよ!!」
「そうなのか・・・」
「正直俺には兄貴がやろうとしてることの意味が分からない、けどさ兄貴はなんでこんなことしなきゃいけなかったんだろうな?」
「それは・・・」
白の言葉に一夏は言葉が詰まり何も言えなかった
「それは簡単ですよ白様に一夏様」
一夏は後ろから声が聞こえ振り向くとそこにはクロエがいた
「クロエ、どうしてここに?」
「白様に用があったので部屋に向かったのですが束様にたぶん喫煙所にいると言われたので」
「さいで・・・んで何が簡単なんだよ?」
「それは黒様が好きになった人や場所、関係が壊れるのが嫌だから守ると言ってました」
「黒がそんなこと言ってたのか」
「兄貴らしいちゃ兄貴らしいけどな」
「ですので白様が気にしていることは大丈夫だと思われます」
「はぁ・・・なんで俺がここまでキャラ崩壊してまで頑張ってんだろ」
「お前何言ってんだよ!?」
「俺はさ頑張るの嫌いなんだよ。ただただ今は楽しいことをしていくだけのキャラなのになんでこんなに頑張ってるんだろ?」
「それは白様が黒様の事が心配だからではないでしょうか」
「・・・かもな」
白は煙草の火を消し灰皿に入れるとクロエに近づく
「サンキューなクロエ」
「私は何もしてませんよ」
「そうかい」
白は寮の方に向かって歩いて行ってしまう
「結局愚痴を話されただけなのか?」
「かもしれませんが白様自身がいつか言っていたように泣くこともできずただ周りを慰めることしかできなかったのですし白様が本当は1番白様が辛いのかもしれません」
「そうだよな、クロエやセシリア、ラウラよりも1番黒に近かった白が辛いよな」
「はい」
「だよな。ところでクロエ、白に用事があったんじゃないのか?」
「あ、そうでした。それでは一夏様また明日」
「おうまた明日な」
クロエも寮の方に歩いて行ってしまう。一夏はお茶を飲もうとするが既に冷めてしまっていた
「冷たくなっちゃたか。てか寒くなって来たし俺も戻るか」
白は自分の部屋に部屋に戻り部屋に入ると束がいなくその代わりに真耶が椅子に座ってぐったりとしていた
「戻りましたよ~ってせんせーどうしたんすか?」
「あぁ白君ですか・・・片づけをしたらどうして余計に片付けるものが増えるんですかぁ」
「まぁ束はろくに片付けとかできねぇしなんとなく知ってた」
「そ、そうですか」
「俺が詫びっつうのもおかしいすけどなんか飲むっすか?」
「あ、ありがとうございます」
白は慣れた手つきで紅茶を入れると部屋の扉にノックする音が聞こえてくる
『白様いますでしょうか?』
「クロエか、ちと待っててくだせぇせんせー」
白は部屋の扉を開けるとそこには声が聞こえた通りクロエがいた
「話があんだったな。とりま部屋に入りな」
「ありがとうございます」
クロエが部屋に入ると真耶がいるのに少し驚くがすぐに何も無かったかのように平然としていた
「とりま椅子に座ってな、いま紅茶を淹れてっから」
「私がしますよ白様」
「てめぇは客だ、客にはそんなことさせっと思ってんっすかね?」
「そうですか・・・差し出がましいことを言ってしまい申し訳ございませんでした」
「いや別にいいけどここは俺と束の部屋なんだからこれくらいはするさ」
白はクロエを見ることなくそういうとクロエは真耶の前の席に座るのを確認すると3人分紅茶を用意しテーブルに置く
「どぞどぞ」
「ありがとうございます白君」
「いただきます白様」
2人は紅茶を飲み始めると白は自分のベッドに腰かけ紅茶を飲み始める
「んで話ってなんさ?」
「そうでしたね、今日は束様から専用機を頂いたのですが今度の下見って私も同行できるのでしょうか?」
「あぁそれに関してお前に任せるそうだぜ」
「あれ、どうして白様がそのようなことを知っているのですか?」
「ん?そのことなら織斑先生をおど・・・もとい交渉して合意を得たっすわ」
「平然となにしてるんですか白様!?」
「俺は悪くねぇ!!悪いのは全部織斑先生が悪いんだ!!」
「え、な、何があったんですか!?」
クロエは白の謎の力説に驚いてしまうがそれを何も感じないように真耶が話し始める
「昨日の話ですが私と織斑先生の2人はこの部屋で白君と篠ノ之博士と飲んでいたんですがその時織斑先生が口を滑らしたんですよ。その時に白君が織斑先生に交渉してましたね」
「そうなのですか」
「クロエ1人だけがこっちでお留守番なんてのもちとあれかなと思ったまでっすよ」
「そのお気持ちありがとうございます」
「ところで1つ気になったのですがクロエさん、さっき専用機を頂いたって言ってませんでしたか?」
「はい、そうですよ」
「それってどういうことですか!!」
真耶は先ほどの無気力な状態と打って変わって真剣になってクロエに話しかける
「ふふ~ん!!それはだねこの束さんの助手ことクーちゃんに専用機を作ったのだ!!」
「篠ノ之博士!?ってそんな恰好で破廉恥です!!」
束はシャワーを浴びてたようでバスタオルを巻いて出てくる
「さっさと服着ろや束、風邪ひくぞ」
「白君たらドライなんだから~でもそんな中でも心配してくれるんだね!!」
「おうまぁな、こんなんでも嫁やしな」
「サラッと惚気始めましたねクロエさん」
「おめでたいですね束様に白様」
「なんか悔しいです・・・」
真耶は白と束がイチャついてるのをみて悔しがる
「とりあえず俺もシャワー浴びてくるから後は適当にしててくだしあ」
「ふっふっふ~今日こそ覗かせて貰うんだかんね!!」
「ダメですよ!!織斑先生に言いつけますよ!!」
「それだけはやめて!!」
その後シャワールームに居ても聞こえるぐらいの音量で言い合いをしてる束と真耶だが急に静かになった。着替えた後に部屋に戻るとそこにはクロエがいなくその代わりに千冬が真耶と束を説教していたがそんなことお構いなしに白は自分のベッドに潜り眠りにつくのであった
今回もお読みいただきありがとうございます
次回から京都に向かうことになります