IS 〈インフィニット・ストラトス〉 -造られた双子-   作:ark.knight

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第97話

 

 

どうも・・・更識簪です

 

そろそろ・・・京都に下見に行くけどまだ不安が残る・・・まだ暗号も解読できたかわからないし・・・それにクロエは学園に1人で残るのはどうかと思うけど・・・

 

束は1人でIS学園の地下でISの製作をしていた

 

「待っててねクーちゃん、魔人に並びたてる鍵を作ってあげるからね」

 

そこにはただ満面の笑みを浮かべる束だった

 

「でも福音の時の束さんとは大違いだよ、そろそろ完成させて準備期間も用意するしね」

 

束は空間投影型のキーボードでの打ち込みを終わらせると目の前の黒いISを見つめる

 

「468個目のISコアを搭載したIS。その名も魔鍵」

 

 

 

放課後、訓練するために野外アリーナに集まっていた

 

「さて今日はいつもと趣旨を変えてバトルロワイヤルでもすっか」

 

「どうなったらそんな発想になるんだよ!?」

 

「いや~乱戦って1度やってみたかったんだよ。さてやるか!!」

 

「どういう頭をしているのだ貴様は・・・」

 

意気揚々とヴァイスを展開する白に全員が溜息をつきながらもISを展開しようとする矢先に何やら遠くから土煙を上げながら走ってくる束の姿がセンサーで見えた

 

「・・・総員射撃用意!!」

 

「やっちゃダメだよね!?」

 

「束様ですよね?」

 

「やっほ~!!はー君にいっ君、クーちゃーん!!」

 

こちらに大手を振りながらこちらに走ってくる束だが近づいてくる。完全にこちらに近づくと白に飛びついてくる

 

「おー・・・んじゃな~」

 

「そこは受け止めてよ!?」

 

白が避けてしまったため顔面から地面に滑り込む束

 

「は、白さんさすがにあんまりだと思いますわよ?」

 

「いやぁついやっちゃったんだぜ!!」

 

「いやいやあんたサムズアップしちゃいけないでしょ!?」

 

「もうはー君ったら照れ屋さんなんだから~」

 

「姉さんが変態なのはいつものことだがさすがにこれは引くぞ・・・」

 

「え、箒ちゃん酷くない?」

 

「ところでなんで来たんだよ?」

 

「それはね~クーちゃんの為なんだよ!!」

 

「私の為ですか?」

 

「うん、それじゃカモン!!」

 

空に指さすと1つの巨大なコンテナが砂煙を立てて落ちてくる

 

「うお!?」

 

「な、なんですか!?」

 

「さぁクーちゃんの専用機のお披露目だよ!!」

 

コンテナが開くとそこには悪魔のようなウイングスラスターを背につけた装甲が赤黒いISがそこにあった

 

「第4世代機<魔鍵>だよ!!」

 

「もう・・・私は驚かない」

 

「なんとなく黒様のISと似ている気がしますね」

 

「ベースはくー君のISでそれを改造したものなんだよ!!さぁクーちゃん初期化と最適化しちゃうよ!!」

 

「は、はぁ・・・」

 

クロエは束に背中を押されるままにISの目の前に立つ

 

「早く乗り込んじゃってクーちゃん」

 

「私が専用機なんて持ってしまってもいいんでしょうか?」

 

「ん~いいんじゃない?この束さんの助手で愛娘なんだからさ」

 

「娘じゃありませんよ!!・・・とりあえず乗り込みますね」

 

クロエはISに触れると<魔鍵>の情報が頭に流れ込んでくる。すると次の瞬間光に包まれ目を開けると<魔鍵>に乗り込んでいた

 

「クーちゃん異常はないかな?」

 

「少し頭が痛いぐらいですが大丈夫です」

 

「なら初期化と最適化しちゃうね」

 

束は空間投影型のキーボードを展開すると<魔鍵>に接続しプログラムを打ち込んでいく

 

「・・・なぁ俺ら空気じゃね?」

 

「それは・・・言わない・・・お約束?」

 

「それにしても<魔鍵>だったけ?あれかっこいいな」

 

「黒兄貴の<トイフェル・シュヴァルツ>をベースにしたのだろう?ならばかっこいいに決まっているぞ!!」

 

「さすが黒大好きっ娘ラウラ、完全に黒の事しか考えていないわね」

 

「でも黒さんのISをベースにしたというならそれ相当に強いですわね」

 

「兄貴はISの性能を使いこなしてるけどそれ以上に素が強いから何とも言えんっすわ」

 

「それは白も大概だろ」

 

「まぁせやな。この間も襲撃されたけどISって脆いよな」

 

『はい!?』

 

白がこの前起きた生徒による襲撃を適当に話すとみんなに驚かれた

 

「4人だかに襲撃されてボコったら無人機2機をぶっ壊した。全部生身で」

 

「それはあんたたち兄弟がおかしいだけよ!!」

 

「否定はしねぇけどよ、久しぶりに全力を出せるかと思ったんだけどそんなことはなかったな。はぁつまんねぇったらありゃしなかったぜ。せっかく鈍まで使ったのによ」

 

「鈍ってもしかして・・・斬刀・鈍?」

 

「おうせやで、俺の血を使ってまでもそこまでやる意味は・・・一応あったか」

 

「白、今なんて言った?聞き間違いじゃなければ自分の血を使ったって聞こえたんだけど」

 

「ああ使ったぜ、ほら証拠に」

 

白は自分の左肩を見せるとそこには生々しい傷跡があった

 

「お前どうしてそこまでしたんだよ!!」

 

「仕方ねぇじゃんせんせーが人質になってたんだしよ」

 

「どこまで彼奴らは性根が腐ってるのだ?」

 

「知らねぇよ」

 

「はいクーちゃん終わったよ~」

 

束はプログラムを打ち終わるとケーブルを外ししまう

 

「どうクーちゃん、馴染むかい?」

 

「そうですね、訓練機より使いやすく感じます」

 

「あったりまえだよ!!なんたってこの天災が作ったISなんだから!!」

 

「ありがとうございます束様。私なんかの為にISを作っていただき」

 

「その内作る予定だったけど今回ある事情で急遽完成させたんだよね~」

 

「そうなのですか?」

 

「うん、さて武装確認してちょうだい」

 

「分かりました」

 

クロエがモニターで武装を確認すると

 

近接用ブレード1本

投擲用ナイフ10本

ビームライフル1丁

ミニガン2丁

シールドビット6つ

 

「・・・普通なのでしょうか?」

 

「くー君やはー君に比べると見劣りするかもしれないけど世界初のビームライフルだよ!!」

 

「ビームライフルですって!?」

 

「いやぁ熱処理やら構造を考えるのが大変だったんだよ。凡人にはまだこの構造はできないだろうね、無論くー君はすぐ出来ちゃうかもしれないかもね~」

 

「さすが黒さんということですの?」

 

「まぁそういうことにしておけや」

 

「さてクーちゃん一旦ISを解除してみて」

 

クロエは束の言われるまま<魔鍵>を解除してみるとクロエは全身隈なくみると右手の中指に尖った指輪みたいなものがついた

 

「さてこれでクーちゃんも専用機持ちになったけど後はこれを使いこなせるように頑張ってね」

 

「束様ありがとうございます」

 

クロエは束に深くお辞儀する

 

「まぁどっかの突撃馬鹿2人よりはだいぶマシかもな」

 

「「おい!!」」

 

一夏と箒は声をそろえて白にツッコミを入れる

 

「さして間違いじゃないと思うが白兄貴もその言い方は酷いと思うぞ?」

 

「ホントの事じゃんか」

 

「何も言い返せないのが悔しいな」

 

「あれは済まなかったと思っているんだ・・・」

 

「それじゃ束さんは帰るのだ!!」

 

束は寮の方に向かって全速力で走っていく。少しすると束の姿は見えなくなる

 

「んとーどうすっかね?」

 

「今日はクロエの為に練習にしない?」

 

「クロエさんも専用機を頂いたのですしそうした方がよろしいですわね」

 

「みなさん、ありがとうございます」

 

「それじゃあ・・・まずは専用機に・・・なれるとこから?」

 

「せやな」

 

この後クロエの為のIS訓練が開始された。内容は簡単なものをこなしていくとアリーナの使用時間が迫ってきた

 

「今日はこんくらいでいいかお疲れさんクロエ」

 

「い、いえ、だ、大丈夫です」

 

クロエは両手を膝に当て肩で息をしている

 

「クロエ大丈夫?」

 

「は、はい」

 

「んじゃ今日はここまでにするけどよ、しばらくはクロエの訓練になるけどいいか?」

 

「私は大丈夫ですよ白様」

 

クロエは落ち着いたようで白の方を見る

 

「さて解散にすっか」

 

「そうね一夏、食堂まで競争よ!!」

 

「おい待てよ!!」

 

着替えた一夏と鈴はアリーナから出ていくとそれを追いかけるように箒も行ってしまった

 

「これもいつもの光景になったね」

 

「来年は何人増えるんだか?」

 

「まだ・・・増えるの?」

 

「さぁな?でも一夏とか兄貴がどんな生活を送っていくか知らねぇしよ、それに俺が知っている限りだと1人は増えるぜ」

 

「あら、そうなのですの?」

 

「まだ黒や白は自分に向けられた好意に気付くだけマシかもしれないけど誑しだよね」

 

「知らねぇよ、んじゃ俺は帰るからな」

 

白は野外アリーナから寮の方に直接帰ることにした。いつも通り部屋に帰るとそこにはなぜか束と千冬、真耶の3人がいた

 

「ただいま・・・ってなしてせんせーがいるんすか?」

 

「お、お邪魔してます」

 

「先に1杯やっていたぞ」

 

「なーに呑気にやってんすか。禁酒中じゃないんすか?」

 

「なにバレなきゃいいんだ」

 

「そっすか」

 

「はー君今日は料理を教えてちょ~だい!!」

 

「はいはい」

 

この後束に料理を教えるがさすが細胞単位でオーバースペックなのかすぐに料理のコツを掴むが大雑把で濃い味の料理が多くなってしまった

 

「この束さんもやればできるんだよ!!」

 

「あぁ?味が濃すぎるからダメに決まってるだろ」

 

「あぁん酷評だ~!!」

 

束が落ち込むと思ったがそんなことは無くなぜかトリップしていた

 

「確かに塩辛すぎだな」

 

「関西方面だとこのくらいなのでしょうか?」

 

「確かに関西の方じゃ関東に比べて塩分が多いけどあれもうまいっすよ」

 

「双葉弟は作れるのか?」

 

「作れるっすよ。でも今日は作る気無いっすよ面倒ですし」

 

「せめてツマミだけでも作ってはくれないだろうか?」

 

「面倒っすよ、てかそんなこと頼むなら自分で作ったらどうなんすか?」

 

「うぐ・・・私は料理どころか家事ができないのだ」

 

「できないんじゃなくて覚える気が無いと」

 

「そうじゃない!!昔一夏に教えて貰ったが全部だめだったのだ」

 

昨日同然机を叩きながらそう千冬は言う

 

「だからって俺は自分と束の分しか作る気はないっすよ」

 

「ふふ~んさすが束さんの旦那さんだよ!!」

 

「だからって束を甘やかす理由はねぇけどな」

 

「ひどぅい!!」

 

「ところで織斑先生、クロエの件はどうなったんすか?」

 

「そこは貴様らに任せるそうだ」

 

「随分と適当っすね」

 

そんな話をしてるとノックする音が聞こえてくる

 

『おーい白いるかー』

 

「マズイ一夏か!?」

 

基本的にこの部屋に一夏が来ることは少なく千冬が警戒することは少なかったため驚いていた

 

「はぁ貸し1っすよ?」

 

白は煙草とライターを持って中を見せないように扉を開け外に出る

 

「助かったのか?」

 

「危なかったですね織斑先生」

 

「・・・すまんが今日はここで打ち切りにさせてもらう」

 

そういうと千冬は部屋の外に出ていく

 

「あーあちーちゃん行っちゃった。どうするよキョヌーちゃん」

 

「私は山田真耶です!!そうですねー私も帰りますね」

 

「それなら片付けんの手伝ってよ」

 

「わかりました」

 

その後真耶は束と一緒に片づけをするのであった

 

 




今回もお読みいただきありがとうございます

最近話がしっちゃかめっちゃかになってますがちゃんと締めますのでお許しください

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