IS 〈インフィニット・ストラトス〉 -造られた双子-   作:ark.knight

96 / 107
第96話

 

 

どうも凰 鈴音よ

 

なにやら黒が何かしようとしてるけど今のあたしたちにはどうしようもないのかしら?せめて黒の居場所を突き止められれば1番楽なんだけど何もできないってのがもどかしいわね

 

放課後、白は生徒会室で黒の代わりに仕事をしていた。ただ生徒会のメンバーである本音はやる気が無くぐったりとしていた

 

「しろぽ~んこっちも手伝ってよ~」

 

「まず自分がやってるとこ見せんかい」

 

白は本音の状態をお構いなしに山積みになっている書類を確認し判子を押していた

 

「こら本音、まず白さんに頼む前に自分でしなさい」

 

「でも~」

 

「でもじゃありません、そもそも白さんはただのお手伝いさんですよ?」

 

虚は本音を見ることなく自分の仕事を黙々とこなしていた

 

「しかしこんな作業を兄貴はやってたな」

 

「それは私も思うわ」

 

「会長はちゃんと仕事してください。前期はサボったせいでここでの信用はあまり無いに等しいんですよ?」

 

「こ、後期になってからはちゃんとしてるわよ!?」

 

「その信頼ってさ打ち消しになってんじゃね?」

 

「そんなことはー・・・無いと言えない自分が嫌になるわ」

 

書類作業をしながら落ち込む楯無だが仕事はしていた

 

「かいちょ~はサボり魔だったもんね~」

 

「なら本音は仕事しない魔かね」

 

「む~そんなことないもん!!」

 

本音は机を叩きながら白に遺憾の意を伝えようとするがのほほんとした雰囲気のせいか全然伝わってこない

 

「はいはい御託を並べる前に自分の仕事せい、少しは手伝ってやっから」

 

「なんか気に食わないけど~ありがと~」

 

「いつも本音が迷惑かけてしまい申し訳ありません」

 

「んなもん気にすんなや。年下の面倒は年上の仕事だ」

 

「お~しろぽんかっこいい~」

 

「褒めんなや普通に恥ずかしいわ」

 

「なら私の仕事も手伝ってくれ「それはちょっとお断りします」なんでよ!?」

 

「だって仕事押し付けてサボりそうだからに決まってんじゃん」

 

「ソ、ソンナコトナイヨー」

 

顔だけこちらを見てるが目を逸らしていている上に片言だった

 

「さてこっちの仕事も少なくなってきたから本音少し持ってこいや」

 

「オッケ~」

 

「無視しないでよ!!」

 

その後も変な言い合いをしながら仕事をこなしていくのであった。この日の仕事が終わったのは夜の8時で食堂が閉まる30分前だった

 

 

 

白は仕事が終わるとすぐに部屋に帰るとしかめっ面の束がいた

 

「ただいまー」

 

「遅いよはー君!!束さんお腹すき過ぎて死にそうだよ!!」

 

「あーすまん、今から作るわ」

 

「ごめんねはー君。こうなると束さんも作れた方がいいね」

 

「せやの、俺も兄貴の代わりにいろんなことしなきゃいけねぇから遅くなるかもしれねぇかんな」

 

「うん、ということで今日は束さんは見学してるよ」

 

白は着替えるとすぐさま料理を始める。今日作るのはお好み焼きで食材を切って混ぜて焼く簡単な作業であるがもっと凝ると時間がかかるがもう8時を過ぎてるため簡単で早くできる方が自分にも束にもいいと思った

 

「中身をこぼさないように満遍なく混ぜて」

 

白は材料の入ったボウルを束に渡しもう2つほど作ることにした。理由は束が大食らいだからたくさん量を作らないと自分の分まで食べようとする

 

「それにしても束はよく食うよな、そんな細い体のどこに入るんだか?」

 

「束さんは細胞単位でオーバースペックだからその分エネルギー量の消費も激しいのだ!!」

 

「零落白夜みてぇなもんか」

 

「意外に当たってるのがムカつくな~」

 

「知らんな」

 

白も材料を切り終わるとボウルに入った材料を混ぜ始める

 

「それにしてもはー君はどうして料理なんて覚えたの?」

 

「兄貴がしてるとこ見て覚えた。それまでは1回も料理なんてしたことなかったけどできるもんだな」

 

「束さんが言うのも変だけどはー君も大概だよね」

 

「だいたい見てりゃわかるだろこんなもん」

 

「今世界中の料理ができない人に喧嘩売ったよ、束さんとちーちゃんも漏れず含まれてるから」

 

「だったらちゃんと覚えろと苦言を呈したいもんだけど。え、何織斑先生もできねぇの?」

 

「それどころか戦うこと以外不得意だよ?」

 

「・・・もしかしてだけど一夏が料理得意なのって」

 

「うん正解、はい終わったよ」

 

束は材料をかき混ぜたボウルを置くともう1つのボウルをかき混ぜ始める

 

「あいつも大変な目に遭ってるんやな」

 

「それは否定しない、というより否定できないかな」

 

「まぁ姉が世界最強で幼馴染の姉がISの開発者・・・巻き込まれるに決まってるわな」

 

「昔の自分を殴ってやりたいぐらいだよ」

 

「さいで、とりま焼き始めるぞ」

 

白はフライパンに油を敷き熱していく

 

「シーフードに肉詰め、玉そばの3種ありゃ十分か」

 

「ぐへへ~涎がたれそうだじぇ~」

 

「汚ねぇからやめーや」

 

「わかってるよう」

 

いい感じにフライパンが熱されるとお玉で混ぜたものをフライパンに乗せて焼き始める

 

「レッツパァリィィィ!!早く燃えるがいいや」

 

「燃えたら大惨事だよ!?」

 

「何が始まろうとしてるんですか?」

 

「大惨事大戦だよって何言わせるんだよはー君!!」

 

「なんとなくやってみた後悔はしていない」

 

「後悔位はしてよ」

 

「だが断る、こういう時位は楽しませろや」

 

「だからってうるさくしていいことにはならないよね?そんなことしたらさ」

 

束が何かを伝えようとすると扉をノックする音が聞こえてくる

 

「ほら来ちゃったじゃん!!」

 

「すまんすまん、ちと見ててくれや」

 

白は束にお好み焼きを見てるように指示すると扉を開けにいった。扉を開けるとそこには千冬と真耶がいた

 

「双葉弟うるさいぞ」

 

「すいやせん、てか防音壁なのになんで聞こえてんすか?」

 

「それはですね食堂に向かう途中で偶然廊下にでたら聞こえた・・・そうです織斑先生が」

 

「さいですか、んじゃ飯抜きっすか?」

 

「いやこれからコンビニで済ませようとしてたところだ」

 

「んじゃ食ってい行きますか?」

 

「いいのか?」

 

「これから俺らも食おうとしてたんでいいんじゃないっすかね?」

 

「うむではそうさせてもらう」

 

「ほ、本当にいいんですか?」

 

「作ってる奴が言うんだからいいんすよ」

 

「それではありがたくいただきますね」

 

「先生方2名ごあんなーい」

 

部屋の中に千冬と真耶を入れるとさながら束が料理をしてるように見えた束に千冬が驚いた

 

「束が料理をしてるだと!?」

 

「むむむ、ちーちゃん酷いよ。束さんだってはー君に教えて貰ってるんだからその内できるようになるさ!!」

 

「まぁ俺がやってたんすけどね。今日はお好み焼きっすよ適当に座って待っててくだしや」

 

白はキッチンに戻ると束を千冬の目の前に座らせ真耶は千冬の隣に座った

 

「まずは2枚っと、ソースはーこれやなとりまマヨも持っていって先に食ってていいっすよ」

 

片手でお好み焼きが2枚のった皿を持ってソースとマヨネーズを器用に冷蔵庫から取り出しテーブルに持っていく

 

「これは酒が欲しくなるな」

 

「ふっふっふ~こんなこともあろうかとあるんだな~これが!!」

 

束はどこからともなくウォッカと氷の入ったグラスを4つ取り出す

 

「俺はどんどん焼いてくんで少し残してくれるとありがたいっす」

 

「分かりました、それにしてもシーフードのお好み焼きですか美味しそうですね」

 

「それでは冷める前に食すとしよう」

 

千冬はまずウォッカをグラスに淹れると取り皿にお好み焼きを食べやすいサイズで取りソースを塗ると食べ始める

 

「美味いな」

 

「そっすか束と山田せんせーも食べてていいっすよ?」

 

「それじゃ遠慮なくいただきますね」

 

その後は宴会さながら騒がしく飲み食いし始める3人とただひたすらお好み焼きを食べる白。料理を作り終え一緒に食べようとするも真耶が潰れてしまい寝てしまったので仕方なく束のベッドに寝かせた

 

「まったく真耶は酒に弱いな」

 

「いやちーちゃんと束さんが強いだけでそこまでじゃないんじゃないかな?現に2本空けるだけはいけたし」

 

「どんだけ飲んでんだよ特にせんせーは」

 

「たまにはこうしてやっていないと辛いのだ、一夏に1か月禁酒するように言われてしまったからな」

 

「・・・それ俺や束に言っていいんすか?」

 

白は千冬にそう答えると頭を抱えてしまった

 

「・・・貴様ら言ったらわかってるだろうな?」

 

「逆にせんせーが何かしたらわかってます?」

 

「頼むから言わないでくれ!!もしばれたら大晦日まで禁酒になってしまうのだ!!」

 

「「うわぁ・・・」」

 

たかだか酒のために頭を下げる千冬に白と束は思わず引いてしまった

 

「どうするよ束?」

 

「どうって・・・どうもできないよね?」

 

「んじゃ俺から1ついいっすか?」

 

「なんだ双葉弟」

 

千冬は頭を上げ白の方に顔を向ける

 

「来週に修学旅行の下見してくるんすけどそん時にクロエを連れて行ってもいいっすか?」

 

「は?」

 

「もしかしたらっすけど兄貴が来るかも知れねぇんすよ」

 

「なんだと!?」

 

千冬は机を叩き立ち上がると少し酒が入ったグラスが倒れる

 

「それは本当なのかいはー君!?」

 

「いや確定じゃないっすけどある程度は信用できる情報っすよ」

 

「それでどうしてクロニクルを連れていきたいと?」

 

「気まぐれっすよ、ただクロエも兄貴にいち早く会いたいでしょうし」

 

「学園ではダメなのか?」

 

「ダメっつーことは無いっすけど1人寂しくこっちで待ってるだけじゃ嫌だろうと思ってっすよ」

 

「ふむ・・・それでは私が掛け合ってみよう」

 

「ありがたいっす。あ、あと」

 

白は千冬に台拭きを差し出すと千冬は首を傾げる

 

「台拭きなんて差し出してどうしたのだ?」

 

「えっとねちーちゃんまずは机を見てみようか」

 

千冬は束に言われたとおりに机を見るとグラスが倒れていて氷も床に投げ出されていた

 

「・・・す、すまない」

 

「自分でしたことは自分でやってくださいね。俺は飯食ってるんで」

 

「た、束は「束さんができると思う?」・・・それもそうか」

 

千冬は溜息をつきながらテーブルと床を拭き始めた。その間、白は黙々とお好み焼きを食べていた。酒を飲もうとすると束がそれを察したようでグラスに注いでくれた

 

「サンキューな」

 

「いつものことじゃんか、お酒は飲まないけど」

 

「私の前でイチャついてくれるな」

 

酒をグッと煽るとグラスを置き束の頭を撫でてやるとそれに反応したように束は白に肩を寄せてくる

 

「羨ましいでしょちーちゃん」

 

「ぐっ・・・」

 

「まぁちーちゃんが気を許せるのはあー君ぐらいだもんね~」

 

「あー君?」

 

「あいつは・・・そ、そうだな///」

 

千冬は酒を煽ったからかなのか分からないが顔が赤くなっていた

 

「がんばってね~あー君もいっ君並みに鈍感だからさ」

 

「それは言ってやるな」

 

「ところで時間は見てるんすか?そろそろ11時回るっすけど」

 

「もうそんな時間か、そうだな真耶は・・・今日はここに置いてもいいだろうか?」

 

「いいんじゃないっすか?束のベッド占領してるけど」

 

「それならはー君と一緒に寝るね」

 

「貴様らいらない心配はかけさせてくれるなよ?」

 

「んなこと俺はしないっすよ。むしろ束が心配っすけど」

 

「酷いよはー君!!束さんだってそんなこと「無いとは言えねぇよな?」・・・ナンノコトヤラー」

 

「はぁもう好きにしてろバカップル。私は帰るぞ、それと今日はありがとう」

 

千冬は部屋から出ていくと白はある程度食べ終え残りは明日の朝食として冷蔵庫で保存した

 

「とりま消臭剤でも撒いておくかね。束は先にシャワーでも浴びてな」

 

「一緒に入ろうよ~」

 

「片付けあっから先に入っとけや、俺はその後に入るからよ」

 

「ちぇ~」

 

束は着替えを持ってシャワールームに入っていく

 

「さてとあさりの味噌汁でも用意はしとくかね」

 

 

 

2人はシャワーを浴び後は寝るだけになり布団に潜っていた

 

「んで今日も俺は抱き枕か、さすがに今日は勘弁してほしいんだが」

 

「んじゃ腕だけでもいい?」

 

「それならいいぜ」

 

束は白の了承を得ると腕に抱きしめる。この時白の腕には束の胸が当たっているがあまり気にしてはいなかった

 

「はー君はこれでも反応しないんだね。もしかしてED?」

 

「EDちゃうわ!!ただ眠ぃから反応しねぇようにしてんだよ」

 

「そういわれるとちょっと寂しいかな、少しくらいは反応してもいいんじゃない?」

 

「んじゃちょっとな、当ててんのか?」

 

「うん当ててるよ」

 

「そか、んじゃお休みさん」

 

「早いよ~」

 

「うっせ疲れてんだからいいだろうが、これで本当に最後な?」

 

白は束の方を見つめるとそのまま唇にキスし舌を入れた

 

「ん!?」

 

「・・・ぷはっ・・・んじゃお休みさん」

 

「あ・・・うん」

 

白は電気を消し寝始める。その時束は暗闇の中で顔を赤くしてすぐには寝ることはできなかった

 

 




今回もお読みいただきありがとうございます

最近は季節の変わり目ということで体調を崩しやすくなっているうぷ主です
投稿は遅くなっているのでそこはご容赦ください

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。