IS 〈インフィニット・ストラトス〉 -造られた双子- 作:ark.knight
真耶は白の手を引き医務室に入ると救急箱を取り出すと治療を始める
「もうこんな傷作ってダメですよ!!」
「仕方ないじゃないっすか、あれは取引っつうか脅しでせんせーが狙われてたんすっから」
「それはそれ、これはこれです!!速く脱いで治療しますよ」
白は制服を脱ぐと肩から流れていた血は止まることなく流れ続けていてその傷口はスッパリ斬れているのを真耶は口元を両手で隠す
「うっ・・・」
「やっぱり綺麗に切断されてんな。とりま消毒してから適当に包帯巻いて輸血すりゃ大丈夫かね」
「ちょっとすみません・・・」
真耶は両手を口に当てたまま部屋から出ていく
「・・・仕方ねぇか、痛いがやらなきゃなんねぇしな」
白は器用に消毒し傷がくっつくように包帯を巻くと保健室に千冬がやってくる
「大怪我をしたと聞いたが大丈夫か双葉弟?」
「一応は大丈夫っすよ、山田せんせーが大丈夫かどうかは知らないっすけど」
「山田先生がか?」
「ここの傷を見て吐き気を催したのと今着てる服が血塗れなんで着替えにでも行ったんじゃないっすかね」
「そうか、それにしても貴様あの4人に何をした?怯えて何も言わないのだが」
「何って殺されそうになり脅したら今度は山田せんせーを銃で人質に取って俺に死ねとかほざくんで銃器破壊して連行っすね」
「ふむ・・・後で山田先生にも聞いてみるとするか」
「そうしてくださいな」
白は最後に傷口に負担がかからないように肩に固定器具を取り付ける
「ほい完成かね、まぁ制服の方はどうしようもないっすけどね」
「流石に白地に赤は目立つな、しばらくはジャージで受けても構わんぞ」
「あざっす」
「白君大丈夫ですかって織斑先生!?」
真耶はジャージに着替えて医務室に入ってくる
「山田先生も大丈夫だったか?」
「え、ああ白君のおかけで大丈夫でしたよ」
「そうか」
「それよりも白君は大丈夫ですか?」
「とりあえず固定はさせたんで後は輸血だけっす」
「そこまでの重症だったのか?」
「鈍で切ったんでスッパリいき過ぎたみたいっす」
「鈍?いかにも切れなさそうな刀だな」
「制作者の皮肉っすよ。この刀で斬ると他の刀じゃ切れ味が悪く感じるんすよ」
「そこまでなのか」
「凄かったですよ、シャリンという音と共に銃器が目の前で5つぐらいに輪切りになったんですから」
千冬は真耶の言葉に少し驚いた様子を取ると白に視線を向ける
「あんな芸当は頑張れば誰だってできるようになるっすよ」
「それは無いと思うが私もしてみたいな」
「いいっすよ今度教えますよ」
「よろしく頼む、それはさておき輸血しなくていいのか?」
「するっすけどできる人いるんすか?」
白が質問すると沈黙が生まれる。しばらくすると扉が大きな音を出しながら開くと束が入ってくる
「やっほ~はー君にちーちゃん!!」
「帰れ」
「はー君の輸血が終わっていちゃついたら帰るからいいっしょ?」
「・・・山田先生、今すぐ医務室の先生を連れてきてくれ」
「今出張中ですよ、今朝そう朝礼で言われましたよ?」
「くっ・・・仕方ない束頼む」
「任せてよね!!」
束はどこからともなく輸血の道具を取り出すと白の右腕に針を刺し輸血を開始する
「ありがとな束」
「いいんだよ、それよりもあれ何さ!!もう束さんカンカンだよ!!」
「落ち着けや束、それよりも証言が出てることだしいけるか?」
「いつでもいけるよ、罪には罰をだね」
「そこまでだ束に双葉弟、それ以上はいけない」
「どうして?悪いのは先にやってきたあいつらだよ!?」
「まだ動く時じゃない、それに更識姉が今動いて証拠を集めている所だ」
「んじゃそれまで俺らは待機と?」
「そういうことになるな、誤っても勝手なことはしてくれるなよ?」
千冬は束に視線を送ると束は観念したような仕草を取る
「ちーちゃんがそこまで言うなら仕方ないね。だけどそこまで言うなら徹底的にやっていいんだよね?」
「ああ構わんぞ」
「私の旦那さんとそのお兄さんに手を出したことを後悔させてやるっさ!!」
「だ、旦那さんですか!?」
「なにさキョヌーちゃんもちろんこの束さんの旦那さんは、はー君だかんね!!」
「だ、ダメですよ!!仮にも生徒ですよ!!」
「山田せんせーそこなんすか?」
「そこでは無いと思うが貴様ら落ち着け、これ以上騒ぐならどんな手を使ってもここから叩き出すからな」
「ちぇ~、まぁいいやはー君また後でね~」
「お、おう?」
束は駆け足で医務室から出ていく
「私は仕事があるから失礼する、山田先生はしばらく双葉兄の面倒を見ておいてくれ」
「分かりました!!」
千冬も医務室を出ていくと真耶と2人っきりになる
「そういやせんせー話が変わるんすけど本音は今日からクロエと相部屋になるじゃないっすか。俺って1人であそこ使うんすか?」
「それがですね白君と一緒に住む人が出たので問題は・・・あるようでないような」
「どっちなんすか?まぁ相部屋になるやつがいるってことで問題はないっすね」
「そう捉えていただければ」
「そうっすか」
「それにしても黒君が言ってたことがここまで当たるなんて思いませんでした」
「兄貴がなんか言ってたんすか?」
真耶は天井を見つめながら話し始める
「あれは臨海学校の時ですね。黒君は男性IS操縦者を社会的か物理的に殺すだとか女性権団体とIS委員会が手を組むとかそんなことを言ってたんですよ」
「流石兄貴なんかね?ならなおさら警戒してキャノンボール・ファストに臨んでもおかしくないんすけど」
「そこまでは黒君もわからなかったんじゃないですか?」
「予言チックなことができる兄貴ならそんなヘマはしないと思うんすけど・・・そこは兄貴のみぞ知る何かがあるんかね?」
「分かりませんね、でもそうなると一夏君も危ないような気がするんですがどうなんでしょう?」
「そこは・・・織斑先生の弟ってことで優先度が低いんじゃないっすか?」
「ありえそうですね」
「でも油断禁物っすね、兄貴がいなくなってから意気消沈してっから狙いやすいったらありゃしないっすけど」
「今思うと黒君がどれだけ慕われていたかがわかりますね」
「そっすね、入学してからはなんだかんだで兄貴がみんなを手助けやらしてるっすからね。その分がきてるんすかね?」
「そうだと思いますよ」
「俺も俺なりに頑張るかね、まずは火付け役の一夏でも励ますかね」
「頑張ってくださいね、私も応援してます!!」
「そこは応援じゃなくて手伝うとこじゃないっすか?」
目線を泳がせながら真耶は顔だけ白に向ける
「えっと・・・ほ、ほら私もそれなりに仕事あるんで!!」
「今急に思い出したかのような発言っすよね?」
「あう・・・」
「まぁ見ててくださいよ、頑張るっすから」
「はい、頑張ってくださいね」
この後輸血が終わるまで白と真耶は歓談をしていくのであった。輸血が終わると真耶は自分の仕事に戻り白は自分の部屋に戻っていき部屋の目の前で止まる
「新しい同居人が来るんだったな、とりあえずノックはしとくか」
白が扉をノックするが返事は無かったのでそのまま入るといつものエプロンドレスだけを着た束がそこにいた
「おかえりはー君!!」
「・・・おかしいなー誰もいないのに声が聞こえるなー幻聴かー・・・寝よう」
白は部屋に入り扉を閉め鍵を閉めると束に抱き着かれる
「束さんをなかったことにするのはやめておくれよはー君」
「・・・まずは服着ろ目のやりどころに困るわ!!」
「ちぇ~つまんないの、せっかく裸エプロンで待ってたのに~」
「俺のことも考えてくれや・・・」
白は肩をガックリ落とすと束に頭を撫でられる
「なんだよ」
「今日はお疲れはー君今日はゆっくり休むといいのだー」
「・・・そういうのはまともな格好してから言ってくれ」
「はいは~い」
「分かってんのかね本当によ」
白は自分のベッドに入るとそのまま寝付いてしまった。翌日になると生まれたままの姿で白に抱き着いている束がいて朝一から怒る白がいたそうだ
今回もお読みいただきありがとうございます
脳内計算であと10~15話ぐらいで終わりそうですがお付き合いください