IS 〈インフィニット・ストラトス〉 -造られた双子- 作:ark.knight
クロエは寝坊していたためアリーナに到着したころには既に開始しており黒達が市街地に入ったところでアリーナに入ると既に満席だったようで座ることができず屯っていると本音がやってくる
「やっほ~クー、今来たとこなの~?」
「ええそうですよ」
「それじゃ一緒に見よ~!!」
本音はクロエの手を引き一旦アリーナの外に出てから階段を上っていくとある1室に入るとそこには楯無と虚がいた
「おねぇちゃ~ん、クーを連れてきたよ~」
「随分と時間がかかりましたね」
「クーが寝坊したみたいなんだ~」
「あ、あのどうしてここに連れてこられたんでしょう?」
「そんなの簡単よ、今日急に黒君に頼まれたのよ」
「黒様がですか?」
「そうよ、理由も言わずに急に頼みましたよって。今度何か奢ってもらおうかしら」
「いつも黒さんに迷惑を掛けていたのですからそれくらい許してはどうでしょうか会長」
「今期はまだ迷惑を掛けてないでしょ?」
「まだ前期分も返せていないと思うのですが」
「・・・さて見るわよー」
楯無は気まずそうに画面に視線を戻すと先頭にいた黒が停止していた
「あらどうしたのかしら?」
「会長、一応通信を入れてみますか?」
「そうね」
「それですが今黒様のIS<トイフェル・シュヴァルツ>は通信障害になっているそうですよ」
「なんですって!?クロエちゃんそれは本当なの?」
「ええどうやらISコアが「おねぇちゃん!!くろぽんが戦い始めたよ!!」え?」
クロエが楯無に黒の通信障害の事を伝えようとすると急に本音が画面を指さしながらいつもの間延びした話し方ではなくそう伝えると楯無はトランシーバーで連絡を取った
「織斑先生聞こえていますか・・・ええそうですね、現地の先生はどうしてるんですか?・・・通信が繋がらない!?だとしても救助にって無人機まで!?これはマズいですね」
「みなさんは大丈夫でしょうか・・・」
クロエは祈るように手を重ねると本音が後ろから抱きしめてくる
「大丈夫だよクー、今はみんなを信じよーよ」
「ありがとうございます」
ふと顔を上げ画面を見ると無人機が一斉に23機破壊されていた
「え?今何が起こったのよ?」
「もしかしてこれが黒様が隠していたものではないですか?」
「何か黒さんが隠していたのですか?」
「黒様のIS<トイフェル・シュヴァルツ>には隠されたスタイルがあるそうなんです」
「ほえ~」
「あれが今の黒君・・・私勝てるかしら?」
「そこではないですよ会長、それよりも現地の警備に当たっている先生はどうしたんですか?」
「通信を切っているかどうかは知らないけど繋がらないみたい」
「・・・頭が痛くなりますね」
「かいちょ~この画面ってどうやって映ってるの~?」
「え?そりゃテレビと同じよ?」
「そうじゃなくて~この画面の映像って~どうやって映ってるの~?」
「本音、あなたは何を言いたいんですか?」
「ん~とね普通のカメラだったら~こんな映したくない映像は取らないでしょ~?」
「それもそうね、ちょっと聞いてみるわね」
再び楯無はトランシーバーで千冬に連絡を入れるが真耶が代わりに出た
「えっと織斑先生はどちらへ?・・・そうですか、一つお聞きしてもよろしいですか?・・・ありがとうございます、今画面に映ってるカメラって設置されたものですか?・・・そうですかわかりました」
「どうでしたか楯無会長」
「設置されていなくてなおかつ教員のISのセンサーを媒体にしたものらしいわ」
「というとこの映像を流している教員がずっとこの映像を流しているんですか!?」
「そういうことになりますね」
「あーもう!!面倒なことしてくれるわね!!」
「落ち着いてください楯無会長、今は画面の向こうで戦っているみなさんを信じましょう」
「・・・それもそうね、ありがとうねクロエちゃん」
「はい!!」
画面を見てると追加で無人機が降って来るのが見える
「50機・・・これだけISコアを使うなんて豪華ね・・・これってすべて潰したらISコアって貰っていいのかしら?」
「さぁわかりませんがこれだけコアを用意できるのはIS委員会ぐらいですし証拠としては十分ですね」
「IS委員会はそうかもしれないけどその他がまだわからないわ。黒君が言ってたけど敵は亡国機業に女性権利団体、IS委員会らしいし」
「黒様がそういっていたのですか?」
「ええ、夏休みが終わった直後位かしら」
「黒様が隠してたのはこれのこと?いやそれだとむしろ他に協力を頼みそうなものですが・・・」
「どったのクー?」
「あ、いえ、最近黒様の様子がおかしかったのでもしかしたらこれが関係あるのかと思いまして」
「そうね・・・まだわからないことだらけで判断が出せないわね。でも黒君ならちゃんと教えてくれると信じてるわ」
「お~かいちょ~かっこい~!!」
「ふふんそうでしょう?」
楯無は口元を隠すように扇を開くと「有言実行」と書かれていた
「それはいいですが戦闘が終わったみたいですよ?」
「よく50機も落としたわね。これもあの訓練の賜物なのかしら?」
「それはあるかもしれませんね」
「ん?クロエさんあれは知ってますか?」
虚が画面の黒を指さすとウロボロスを出しているところだった
「あれですか?」
「ええ鞭かワイヤーの一種ですか?」
「正式な分類はわかりませんが名前はウロボロスです。使用用途は相手を引き寄せたり叩きつけることですね」
「尾を食らう蛇ことウロボロスですか・・・蛇!?」
虚は後ずさるように画面から離れる
「あれ虚ちゃん蛇苦手だっけ?」
「爬虫類がちょっと・・・」
「それにしてもあれを出して黒様はなにをしたのでしょうかね?」
「画面に映ってないけど無人機を破壊してたんじゃないのかしら?」
「さぁでもこれで後は帰ってくるだけね」
画面のカメラが突然揺れると何やら黒を追いかけていく
「どうしたのでしょう?」
「撤収命令もまだないはずよね?」
次の瞬間、カメラには信じきれない光景が映し出された。前方には遠くにほかの専用機持ちがいるはずだがこのカメラの視点主がブレードを展開しあろうことか黒に3本投げつけ串刺しにしたのだった。そのまま<トイフェル・シュヴァルツ>が強制解除され海に落ちていき水柱を上げ海を血で染まるのを誰も驚愕し声が出せなかった
「・・・うそ・・・黒様が」
「虚ちゃん」
「行ってきます」
虚は楯無が何を言おうとしたのかがわかりすぐさま部屋から出ていくとクロエが地べたに座り込むと俯き静かに泣き出す
「あぁぁぁ・・・」
「本音ちゃんクロエちゃんをお願い」
「わかりました」
楯無は本音にクロエを任せ部屋から出ていくとトランシーバーで千冬に連絡を取る
『なんだ更識姉』
「先生、すぐにこの行事を中止してください」
『分かっている、こちらでもすぐさま捜索隊を派遣した』
「あと寮に戻るように指示しておいてください。私も捜索してきます」
『貴様はダメだ。その代わりに1年の専用機持ちに向かわせた』
「・・・分かりました」
『すまないが切るぞ』
千冬との通信が切られると楯無は溜息を1つ吐く
「くそっ!!どうしてこうなっちゃったのかしら・・・どうか黒君が無事でありますように」
楯無は祈るように目を閉じた後、生徒を寮に帰らせるように誘導していったのである
今回もお読みいただきありがとうございます
今回はアリーナでの視点でしたがうまく表現できているかがわかりません