IS 〈インフィニット・ストラトス〉 -造られた双子-   作:ark.knight

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第83話

 

 

どうもセシリア・オルコットですわ

今日からはキャノンボール・ファストの練習が始まりますわ

今回こそこのわたくしがトップになってみせますわ!!

 

1組の生徒全員が授業のために第1アリーナに集合していた

 

「これから授業を開始する、知ってると思うが今月にはキャノンボール・ファストという行事が開かれるのでその練習を行う」

 

「キャノンボール・ファストはですね、簡単に言いますとIS版の妨害ありの障害物競争です」

 

「山田先生の言った通りだが障害物は非常に厄介でそれを潜り抜けながらゴールを目指してもらう。本番では市街地の方まで飛んで行ってもらう」

 

「それでは専用機持ちの皆さんは前に出てISを纏ってください」

 

1組の専用機持ちこといつものメンバーは前に出るとISを装着する

 

「今日は練習用のコースを走ってもらう」

 

千冬はタブレットを操作すると空中にコースとバルーン上の障害物が出現した

 

「あのバルーンが障害物だ、あれに触れると・・・まぁ経験あるのみだ」

 

「そこまで言いかけたなら言ってくれよ!?」

 

「とりあえず貴様らにはあのコースを走ってもらうのだが当然他に攻撃しても構わんぞ」

 

「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」

 

専用機ISを纏った9人はスタート地点に立つ

 

『いいか?それではスタート!!』

 

黒を除く8人は一斉にスタートしていく

 

「おっと行きますか!!」

 

黒は遅れてスタートするとスパイラルを展開していく

 

「さて遊びますか」

 

『どうやってだよ旦那?』

 

「それはですね・・・こうやってですよ!!」

 

先頭集団がバルーンを避けようとするがそこを黒はスパイラルでバルーンを起爆させ鈴に簪、シャルロットが爆風で吹き飛ぶ

 

『質わりぃな』

 

「今の私には何も聞こえないので関係ないですよ」

 

爆風に巻き込まれた3人を抜かすとそのまま3人から追いかけられる形になった

 

『旦那にお熱いファンが3人来たぜ』

 

「武装が無ければ最高でしたのに」

 

黒のセンサーから後方を確認すると何やら鈴は双天牙月を連結させてシャルロットはガルムを展開し銃口をこちらに向けていた

 

「ここは逃げに徹しますか」

 

黒はショットガンを展開すると後方をセンサーで確認しながら撃ち更に前にいる集団に接近していく

 

『旦那、通信ができなくとも何とかなるもんだな』

 

「私が何とかしてるんですよ、会話が少ないのはつまらないですがね」

 

『さいで』

 

バルーンを回避していくと一夏と箒が剣を交えている所まで並ぶ

 

「・・・この2人には囮になってもらいますか」

 

黒は一夏に蹴りを入れて鈴にぶつけようとするが箒に止められる

 

「邪魔するな!!」

 

「くわばらくわばら」

 

通信障害を起こているのにも関わらず箒の大声が聞こえてきてくると黒は逃げるように先にいる白とセシリア、ラウラ近づく

 

「そろそろゴールですがあの3人が面倒ですね」

 

『仕方ねぇさ、さてどうするよ旦那は』

 

「どうもこうもないでしょう」

 

黒はアグニ&ルドラを展開しゴール目指して一直線に向かっていくセシリアに接近していく

 

「すみませんが落ちてもらいます!!」

 

黒がセシリアに斬りかかろうとするがゴールしてしまい動きを止める

 

「終いですか」

 

黒がISを解除するとセシリアはむくれた顔で黒に近づいてくる

 

「もう黒さん!!最後のは酷いですわよ!!」

 

「そういう競技ですし仕方ないですよね?」

 

「それはそれこれはこれですわ!!」

 

「どうしたのだセシリアに黒兄貴?」

 

黒とセシリアの元に白とラウラがやってくる

 

「黒さんったら酷いんですのよ、不意打ちで斬りかかってくるんですもの」

 

「そういう競技のはずだが?」

 

「そうですがあまりにも酷いですわ」

 

「仕方ねぇんじゃねぇのか?」

 

「・・・ふん」

 

セシリアはむくれた顔のままそっぽ向いてしまう

 

「すみませんねセシリア嬢」

 

「もう知りませんわ」

 

「それなら私とクロエで独占するとしよう」

 

「それだけはさせませんわ!!」

 

「貴様ら授業中にイチャつくな!!」

 

背後から近付いてきた千冬に怒られると鈴にシャルロット、簪がゴールしたようで黒に近づいてくる

 

「ちょっと黒、あんた何してくれてんのよ!!」

 

「なんでしょうか?」

 

「あんな攻撃するなんて酷いよ!!」

 

「あれは・・・卑怯?」

 

「卑怯?私は利用できるものは利用しただけですよ」

 

「双葉兄の言う通りであれは戦法としてはありだ。油断していた貴様らが悪い」

 

「なんか納得いかないわね」

 

「それに黒はこっちの事は無視してたしね」

 

「それなんですが今の私のISはどうやらISコアネットワークが繋がってないみたいで通信障害にIS探知ができないんですよ」

 

「双葉兄そんな状態でやっていたのか。整備はしたのか?」

 

「しましたけどどこにも異常は無く開発者である束さんにも原因が分からないみたいです」

 

「ふむ、それではどうしたものか・・・とりあえずあのバカ2人を叩き落としてこい」

 

千冬はいまだゴールしていない一夏と箒を指を差す。レースなんてそっちのけで思いっきり戦っていたのである

 

「あいつら馬鹿なのかしら?」

 

「それは心の中だけにしておこうね、僕も思ったけど」

 

「んじゃ俺が行ってくるわ」

 

白はヴァイスを展開すると一夏と箒を文字通り叩き落としISを強制解除させ首根っこを掴んで千冬の元に連れてくる

 

「今はキャノンボール・ファストの練習だぞ?貴様ら2人は何を呑気に戦っているのだ?」

 

「いやーつい白熱しちゃって」

 

「ついでは無い、それに授業中だぞそんな貴様らには罰が必要みたいだな」

 

「「それだけはご勘弁を!!」」

 

一夏と箒は土下座をするがそれを無視し授業を再開する

 

「馬鹿2人がやらかしたがこれより授業を再開する。出席番号順に専用機持ちの前に並べ!!」

 

この後授業が再開されクラスの生徒と専用機持ちが一緒に訓練が開始される。授業が終わり昼休みに入ると一夏と箒は千冬に連行されていったのである

 

 

 

放課後になり黒は生徒会室に向かうとまだ誰もいなかった

 

「まだ誰もいませんでしたか、先に仕事でも始めますか」

 

黒は自分の席に座ると書類仕事を始める。しばらくすると楯無が部屋に入ってくる

 

「おっ黒君早いわね」

 

「暇でしたので早く来ました」

 

「こういう時は暇人乙っていえばいいのかしら?」

 

「まぁ合ってますが楯無さんも仕事を始めてくださいよ」

 

「え~ちょっとぐらいお話しようよ~」

 

「少しだけですよ」

 

「ありがとね、黒君は今度の行事でどんなことが起きると思うかしら?」

 

「はなから物騒ですね、襲撃されるんじゃないですか?」

 

「それは私も思うわ」

 

「今回は市街地にも出るみたいですのでそこで襲撃されるんじゃないですか?」

 

「そうなると辛いわね、市街地には警備の人数が少ないのよ」

 

「では強化するのですか?」

 

「無理だと思うわ、学園に道中の海上に比べると遠距離だしやりずらいだろうし」

 

「知ってました、だいたい遠いのですからまずはそこを抑えるのが1番先だと思うのですが」

 

「学園長曰くお上からのお達しだそうよ」

 

「つまり狙う気満々と」

 

「そういうことね」

 

「仕方ありませんがその時は全力で潰しにかかります」

 

「・・・そう、毎回大変な目に遭わせてる気がするわね」

 

「そういう星の下に生まれてしまったのでしょうね、こればかりは仕方ありませんよ」

 

「私の方でもいろいろ仕掛けてみるわ」

 

「お願いします」

 

「さて仕事するわよ」

 

楯無も自分の席に座ると書類仕事を始めると布仏姉妹が部屋に入ってくる

 

「お疲れ様です」

 

「おつかれ~」

 

「2人とも遅かったわね」

 

「織斑先生に呼ばれまして」

 

「私も~」

 

「何かあったのかしら?」

 

「えっと~くろぽんを監視しとけって」

 

「・・・なんで私が監視されなければいけないのでしょうかね?」

 

「1番行動が読めないからじゃないかしら?」

 

「割と単純ですが」

 

「黒さんがそうでも他にはわからなければ意味がないですよ」

 

「1人分かってればいいんですよ」

 

「ん~なら教えて~」

 

「嫌ですよ、プライベートですし」

 

「ちぇ~」

 

「意外に黒君と白君についての調査が少ないのよね」

 

「わざと教えてやる義理なんてないですし」

 

「そうですか」

 

「ですがちゃんと調査すると私についてはわかりますよ」

 

「そうなの?」

 

「後はあなたたち次第です」

 

「なんか癪に障るけど」

 

「そうしてるんです」

 

「ムカつくわね」

 

「知らんな、さぁ仕事を終わらせますよ」

 

黒は書類仕事を再開する

 

「私たちもしますよ、会長に本音」

 

「は~い」

 

「そうね」

 

3人も仕事を始めるが本音はすぐにぐったりしてしまい、いつものように黒と虚がその手伝いをしていたのである

 

 

 

生徒会の仕事が終わると黒は自分の部屋に戻る。中に入るとそこにはクロエはいなくただただ暗い部屋があった

 

「おやいないんですか、クロエもまだ子供ですしまだ遊んでいるのでしょうね」

 

『こんなことは珍しいな』

 

「たまにはこんなこともあるでしょう」

 

『だな』

 

「それにしても寂しいものですね、いつも出迎えてくれる人がいないだけなのに」

 

黒は暗闇のまま自分のベッドに座る

 

「この学園に来てから私も随分と変わった気がしますよ」

 

『そうか?』

 

「ええ、まずクロエと束さんに出会い人との繋がりを得た。その繋がりでこの学園で一夏と箒さん、セシリアとまず出会い一悶着あってその後に箒さんにも色々ありましたがね」

 

『俺が覚醒する前にそんなことがあったのか』

 

「そうですよ、その後は鈴さんが来て無人機が襲撃され完全にぶっ潰しましたがね。その最中に簪さんと楯無さんと出会い友人になって次はラウラにシャルロットさんが来て問題が出たりと大変でしたがいい思い出ですよ。その後にクロエとセシリアに告白され翌日にはラウラにキスされ告白されるなんてことがありましたし」

 

『いろいろあんな』

 

「いろいろありましたよ。その後は臨海学校では『D』にも分かる通りにあの事件がありましたね」

 

『あれか』

 

「ええ、いままで捨てていた人との繋がりを持つだけで私は変わってしまった守るために強くそして弱くなってしまった」

 

『俺にはわからんが、そうなんだろうな』

 

「いままでは自分を守るために強くあろうとしましたがそれが甘くなり自分を弱くしてしまいあまつさえ弱味を見せてしまいました」

 

『何いってんだか、旦那も人間だろ?甘くなんのも仕方ねぇさ』

 

「たまにわからなくなるんですよ、私は人の形を模したただの化け物かとね」

 

『俺から言わせれば旦那は人間で白も人間だ。化け物呼ばわりはしねぇよ』

 

「ありがとうございます」

 

黒は俯きながらDと会話してると部屋の扉が開く

 

「まだ黒様は帰ってきてませんか」

 

クロエが明かりをつけると黒がいたのに驚いてしまう

 

「く、黒様いたんですか!?」

 

「ええ、先ほど帰ってきました」

 

黒が顔を上げクロエを見るとさらに驚いた表情になりクロエが抱き着いてくる

 

「どうしましたかクロエ?」

 

「どうしたは黒様の方です!!どうして泣いているんですか!!」

 

「え・・・」

 

黒は自分の目の付近を触ると涙を流しており知らない内に涙を流してたらしい

 

「何か嫌なことがあったのですか?」

 

「そんなことはないですよ、ですが・・・いつの間にか泣いていたみたいです」

 

クロエは黒の頬をビンタする

 

「黒様は何かを溜め込む傾向にありますがどうして私たちに話してくれないんですか!!」

 

「私は・・・ただ怖いんです」

 

「何が怖いんですか?」

 

「今まで築き上げた物を壊してしまいそうで怖いんです」

 

「失礼ですが黒様が作ってきたものはそんなに簡単に壊れるものですか?違いますよね?」

 

「・・・分かりません」

 

「それなら私が証明してあげます」

 

クロエは何かを決心したようで黒に顔を向けるとそのまま顔を近づけ黒にキスをしてくる

 

「ん・・・ぷはっ・・・これが黒様が作ってきたものです」

 

「・・・ありがとうございます」

 

黒は自分の顔を見せないようにクロエを抱きしめる

 

「もう溜め込まないでくださいね黒様」

 

「・・・はい」

 

夕飯も忘れその後も抱き着きキスしたりと繰り返す黒とクロエの姿がそこにはあった

 

 




今回もお読みいただきありがとうございます

休みも終わり学業も再開しましたので投稿が遅くなるかもしれませんがお許しください

絶賛スランプ中です

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