IS 〈インフィニット・ストラトス〉 -造られた双子-   作:ark.knight

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第61話

 

午後の訓練を終えたシュヴァルツェア・ハーゼの隊員は疲れ果てていた。理由は黒の行った訓練だった。訓練内容は森林の中で集団で黒を打倒するものである。武器はナイフにゴム弾を使用したハンドガンにスナイパーライフルであったがなんとか黒を追い詰めることは出来た。だが誰一人として攻撃を当てることはできなかったのである

 

「皆さんお疲れ様です。これにて訓練を終了します」

 

「は、はい!!」

 

ラウラとクラリッサを含めたシュヴァルツェア・ハーゼの隊員は疲れた様子だったが立ちながら礼をしてくるが終わった途端座り込むとラウラは呼吸を荒くしながら黒に話しかけてくる

 

「く、黒兄貴は・・・平気なのか?」

 

「冷や汗を掻いたぐらいでどうということはありませんよ」

 

「隊の全員でも・・・勝てないとはな・・・恐れ入ったぞ」

 

「私を舐めてもらっては困りますよ」

 

「これからも・・・連携を強く・・・していかなければ・・・いけないな」

 

「そうですね。そういえば今日の夕飯は私が作りますので期待しててください」

 

「本当か!?」

 

ラウラは座ったまま万歳をする

 

「本当ですよ」

 

「兄貴は料理ができるのですか?」

 

昨日食堂で黒に話しかけてきた青髪の隊員が話しかけてくる

 

「できますが、兄貴ですか?」

 

「そうであります。昨日兄貴に出された答えです」

 

「ふざけるな!!」

 

ラウラは隊員に対して怒声を浴びせる

 

「どうしてですか?」

 

「兄貴と呼んでいいのは私だけだ!!」

 

「怒るのはそこですかラウラさん」

 

「そうだ!!」

 

「でしたら私達はどう呼べばいいのですか!!」

 

「・・・知らないぞ」

 

「ラウラさん私が呼んでいいといったのでそれでいいのです。それに黒兄貴と呼んでいるのはあなただけですよ?」

 

「なんの違いがあるのだ黒兄貴!!」

 

「名前付きで呼んでいるのはラウラさんだけですよ?」

 

「・・・そうだな、では許可する」

 

「はい!!」

 

「それでは私はお先に戻りますね」

 

黒はクロエを連れて宿舎の方に戻っていく

 

「隊長」

 

「なんだクラリッサ」

 

「隊長は兄貴に好意を寄せてるのですよね?」

 

「そ、それがどうした」

 

「でしたら今朝はどうして怒られていたのですか?」

 

「それはだな、安眠を妨害したのもあるのだが許可なくベットに潜りこんだのがいけなかったそうだ」

 

「隊長は兄貴と付き合っているのですか?」

 

「そうだぞ」

 

「ですが兄貴にはクロエさんがいるのでは?」

 

「そうだ、あともう1人いるがな」

 

「なんですって!?ハーレムですか!!」

 

「ハーレムとはなんだ?」

 

「1人の男性が複数の女性を囲んで交際することです」

 

「そうなのか。ではそうなのだろうな」

 

「そうですかそうですか」

 

クラリッサと何名か隊員は立ち上がりラウラを包囲しながらにじり寄る

 

「ど、どうしたのだ?」

 

「根掘り葉掘り聞かせていただきます!!」

 

「何!?」

 

「かかれ!!」

 

「やめろぉ!!」

 

この後隊員たちに黒との生活を根掘り葉掘り聞かれるラウラであった

 

 

 

日も落ち夕食を作り終えると食堂にシュヴァルツェア・ハーゼの隊員が入ってくると隊員を座らせる

 

「黒兄貴来たぞ!!」

 

「どうぞお座りください、そろそろお持ちいたしますので」

 

「分かったぞ」

 

食堂のマダムを含め全員が座ると今日の夕食をそれぞれに配っていく

 

「今日はパエリア風パスタ、海鮮サラダ、そしてオニオンスープでございます。それとデザートにはケーキがございます」

 

「「「「「おお~!!」」」」」

 

「お残しは許しませんよ。それではどうぞ」

 

各々食べ始める

 

「うーまーいーぞー!!」

 

「美味いぞ黒兄貴!!」

 

「ありがとうございます」

 

「黒様、私達も食べましょう」

 

「はい」

 

2人は席に着き食べ始める

 

「うん、いつもの味です」

 

「それは黒様と白様だけですよ」

 

「そうでしょうか?クロエもIS学園に入ってからはいつもではありませんか」

 

「そうでしたね」

 

「あんた、これどうやったらここまで美味く作れるんだい?」

 

黒の隣に座っていた調理担当のマダムが黒に訪ねてくる

 

「そこは企業秘密ですよ」

 

「そうかい、でも美味しいねぇ」

 

「そういって貰えるとありがたいです」

 

「そっちの嬢ちゃんも作ったんだろ?美味しいよ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「初々しくて可愛いねぇ」

 

「はう///」

 

「それ以上はやめてやってください」

 

「はいよ」

 

この後も食事をしていき隊員達と会話をして楽しんでいった

 

 

 

黒は夕食を終えすべての片づけをした後、喫煙所でタバコを吸っているとノアがやってくる

 

「おやノアさんではありませんか?」

 

「黒・・・いや兄貴」

 

「どうしてここに?」

 

「天体観測・・・ここは星が・・・よく見える」

 

ノアは黒が座っているベンチの隣に座る

 

「そうですね・・・星が綺麗ですこと」

 

「そうだね・・・兄貴・・・料理美味しかった」

 

「そうでしたか、それならよかったです」

 

「いつかまた・・・食べたい」

 

「ではIS学園に来たら食べさせてあげますよ」

 

「ホント?」

 

「嘘はつきませんよ」

 

「そう・・・それで1つ・・・話いい?」

 

「いいですよ」

 

黒はタバコを消しもう1本タバコを取り出し火をつけまた吸い始める

 

「兄貴は・・・隊長の事・・・好きなの?」

 

「好きですよ。誰にも渡しませんよ」

 

「愛が・・・重いよ」

 

「そうですか?こういうことは初めてなもので分かりません」

 

「兄貴は・・・誰かと離れるのが・・・怖い?」

 

「さてどうなんですかね?」

 

「また・・・恍けた」

 

「逃げるのも一手です」

 

「卑怯」

 

「卑怯で結構です」

 

「ノーアー、あんたここに・・・兄貴!?」

 

宿舎のほうからアザレアが走ってくる

 

「今度はアザレアさんですかアザレアさんも星を見に?」

 

「どっちかというとノアに用があってきました」

 

「そうですか、では私はここで失礼します」

 

黒はタバコを消し灰皿に捨てる

 

「今日はお疲れ様でした。今日はゆっくり休んでくださいね」

 

「「はい!!」」

 

黒は喫煙所を立ち去るとアザレアはノアの隣に座る

 

「ノア、あんた兄貴と話してたの?」

 

「うん・・・兄貴は・・・面白い人」

 

「面白い?」

 

「始めて・・・僕が・・・敵わないと・・・思った人」

 

ノアは少し微笑むとアザレアはノアの額に手を当てる

 

「なに?」

 

「あんた熱があるんじゃないの?」

 

「無い・・・アザレアは・・・酷い」

 

「アンタが笑うところ初めて見たから調子が悪いと思ってね」

 

「僕だって・・・笑うよ」

 

「今まで見たことなかったんだけど」

 

「多分・・・兄貴のおかげ」

 

「兄貴?なんかあったの」

 

「僕に・・・新しい道を・・・くれた」

 

「新しい道?」

 

「うん・・・僕は変わらなくちゃ・・・いけない」

 

「そうね」

 

「まず・・・友達を作る・・・頑張る」

 

「友達ならもういるじゃない」

 

「?」

 

ノアはアザレアの言うことに理解が及ばず首を傾げる

 

「アンタにはアザレア・トルフトという親友がいるじゃない」

 

「・・・ライバルじゃ・・・なかった?」

 

「ライバルでもあり親友でもあるのよ」

 

「そう・・・よろしく・・・アザレア」

 

「こちらこそよろしくねノア」

 

「うん」

 

「ノアそろそろ戻りましょう」

 

「待って・・・!!」

 

アザレアはノアの手を引き立ち上がらせ走って宿舎まで走っていく

 

 

 

黒は部屋に戻るとラウラが飛びついてくるので優しく受け止める

 

「黒兄貴!!」

 

「危ないですよラウラさん」

 

「あの後、大変だったのだぞ」

 

「あの後と言いますと?」

 

「訓練の後だ!!隊員からは尋問されるしで大変だったぞ」

 

「それはすみませんでしたね」

 

「もう大変だったのだぞ!!」

 

「すみませんでしたね。お詫びに1つお願いを聞いてあげましょう」

 

「本当か!?ならば添い寝とやらをさせてくれないか?」

 

「いいですよ」

 

「では今から始めるぞ!!」

 

「今からですか?」

 

「今はクロエもいないしな。チャンスだ!!」

 

「はいはいでは私のベットに行きますよ」

 

「うむ!!」

 

2人は黒のベットに行くと寝そべると抱き着いてくる

 

「ふふー、黒兄貴は温かいな」

 

「ラウラさん」

 

「なんだ?」

 

「明日の午前は私は出かけてきます」

 

「どこにだ?」

 

「海の方に行ってきます」

 

「海か?何かあるのか?」

 

「兄弟たちの命日が明日なんですよ」

 

「あ・・・すまない」

 

「いいんですよ。起こってしまったのは仕方ないのですから」

 

「・・・そうだな」

 

「ですので明日は朝一番で行ってきます」

 

「うむ」

 

「黒様いますか?」

 

部屋にクロエが入ってくる

 

「どうしましたか?」

 

「ここにいましたか、明日も訓練に出るのでしょうか?」

 

「明日の午前は海に行ってきます」

 

「海ですか?」

 

「ええ明日は兄弟たちの命日なのですよ」

 

「分かりました、では私もお供いたします」

 

「やめておいた方がいいですよ。思いっきり走っていくので安全が確保できません」

 

「・・・ではやめておきます」

 

「すみませんね」

 

「それにしてもラウラさんの姿が見えませんね。黒様のところにいますか?」

 

「さぁどうでしょう?」

 

「いるんですね」

 

「黒兄貴バラシてどうするんだ!!」

 

「今のはどう答えてもダメでしょう。分かって言ってますよ」

 

「ご丁寧に靴はベットの梯子の前にありますし」

 

「・・・そうだった」

 

「黒様私も一緒にいいですか?」

 

「ラウラさんに聞いてください」

 

「私はかまわないぞ」

 

「では参りますね」

 

クロエも黒のベットに入ってくると抱き着いてくる

 

「黒様、温かいです」

 

「そうですか」

 

「黒兄貴はどうなんだ?」

 

「少し熱いですね」

 

「すまないが我慢してくれ」

 

「分かってますよ。大好きな人の頼み事ですしね」

 

「ズルいぞ黒兄貴///」

 

「そうですよ///」

 

「いいではありませんか。私だってこうしていたいのですから」

 

「そうか///」

 

「私もです///」

 

クロエは黒を強く抱きしめると左手で頭を撫でるとクロエは笑顔になりながら

 

「えへへ~」

 

「私にもしてくれ」

 

「かしこまりました」

 

ラウラもにも頭を撫でてやると顔をほんのり赤くして顔を隠してしまう

 

「ラウラさんは兎みたいですね」

 

「わ、私が兎だと?」

 

「ええとても可愛くて愛らしいので兎です」

 

「う、煩い!!」

 

更に赤くなったようで抱きしめる力を強くし誰にも顔を見せないようにしてしまう

 

「そろそろ消灯時間ですね」

 

「クラリッサさんがいませんがどうしたのでしょうね?」

 

「・・・空間が甘いとか言ってたぞ」

 

「・・・明日謝っておきます」

 

「「?」」

 

クロエとラウラは黒の言った意味が分からなかったようで首を傾げる。そして3人は同じベットで眠りについた

 

 




今回もお読みいただきありがとうございます

そろそろ伏線を散りばめていこうかと思います

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