IS 〈インフィニット・ストラトス〉 -造られた双子-   作:ark.knight

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第60話

 

 

・・・双葉黒です

今日は2回目の実戦データ取りです・・・はぁなんでこんな状況なんですかね?

 

黒が何か重みを感じて目を覚ますとクロエとラウラがベットに潜りこんでいた

 

「・・・これは夢ですそうです夢なんだ。こんなことがあっていいはずがない・・・寝よう」

 

「黒兄貴、これは夢ではないぞ」

 

黒は再び眠りにつこうとするとラウラが黒に声をかけてくる

 

「黒様おはようございます」

 

「・・・おやすみなさい」

 

「起きてくれ黒兄貴!!」

 

「どうせこれは夢なんです、それならば寝かせてください」

 

「黒様落ち着いてください!!」

 

「落ち着いた結果です。ではおやすみなさい」

 

「黒様(兄貴)!!」

 

クロエとラウラは黒の頬を片方ずつ思いっきりつねると飛び上がるように起きる

 

「痛っ!!」

 

「起きましたか黒様」

 

「・・・ええ起きましたよ呆れと怒気を孕んでね。2人ともベットから降りて正座しなさい」

 

黒は怒ったようで2人に満面の笑みを向ける

 

「えっと・・・」

 

「いいから早くしなさい?」

 

「「はい・・・」」

 

2人はベットから降りみっちり説教された。日の出が完全になっていない朝5時の出来事である

 

 

 

2人を説教し終えると朝日が完全にあがっていた。既に6時であったので食堂が開いており朝早く1人で朝食を食べていた

 

「・・・美味いですね」

 

「そういってくれるとありがたいねぇ」

 

「今日の夜は私が作ってもいいでしょうか?」

 

「急にどうしたんだい?」

 

「シュヴァルツェア・ハーゼの皆さんに何かご馳走してあげたいんですよ」

 

「そうかい、なら任せるが30人分もできるのかい?」

 

「任せてください。あなた方にも食べてもらいますよ」

 

「ほう?私の舌は厳しいよ」

 

「私を舐めないでくださいよ。納得のいくものを作ってあげましょう」

 

「よく言ったね。それじゃ今日は期待してるよ」

 

「はい。それとご馳走様でした」

 

「お粗末さん」

 

黒は食堂のマダム達と別れ、部屋でいつもの服装に着替え喫煙所に向かっていった。部屋ではクロエとラウラが何かぶつぶつ言っていたが気にしないのである

 

「さてと今日も快晴ですね」

 

タバコを咥え火をつけるとタージとメガロがいた

 

「おはようございますタージ隊長、メガロ副隊長」

 

「おお黒か」

 

「おはようさん」

 

「お2人も早いのですね」

 

「まぁな、これからちと朝練だよ」

 

「朝練ですか?」

 

「特殊部隊の隊長、副隊長なもんだからよ。負けるわけにはいかないのさ」

 

「黒、参加するかい?」

 

「面白そうですね、いいですよ」

 

「男はそうこなくっちゃな!!」

 

「肉弾戦ですか?」

 

「いや武器の使用は有りだ」

 

「大丈夫っすか?」

 

「これでも頑丈なので大丈夫ですよ」

 

「よしいくぞ!!」

 

「はい」

 

3人は訓練場に向かった

 

 

 

3人が訓練場に到着すると何人かの男性軍人が格闘戦をしていた

 

「おはよう!!」

 

タージが敬礼をすると敬礼が帰ってくる

 

「さてやるか黒」

 

「相手はタージさんですか?」

 

「ああ」

 

「んじゃオライは審判をするっすよ」

 

黒はウロボロスを右手に巻き付けて両手を下げて開始を待った

 

「チェーンか、よし行くぞ」

 

「タージさんは武器は使わないのですか?」

 

「最初は様子見だ」

 

「様子見ですか、舐められたものですね」

 

黒はウロボロスを楯のように振り回しながらタージに接近していく

 

「楯か。でも効かねぇぜ!!」

 

タージはお構いなしに正拳突きをしてくるが黒に当たる直前に黒が視界から消えた

 

「はぁ!?」

 

「皇蛇懺牢牙」

 

「後ろか!!」

 

タージは後ろに回った黒に右フックをかけようとするが先に黒がタージの巨体を蹴り上げ宙に浮かす

 

「ぐおぉ!!」

 

「蛇顎、牙煉撃」

 

打ち上げたタージをウロボロスで噛みつかせ地面に叩き付けストンピングし最後に蹴り飛ばす

 

「ぐっ!!今の効いたぜ!!」

 

「さすが隊長ですね。タフネス過ぎませんか?」

 

「これが俺の取り柄だ」

 

「そうでしたか」

 

「あんた相当手練れだな。どっかの軍に所属でもしてたか?」

 

「無所属で我流ですよ」

 

「そうかい!!」

 

再び黒に正拳突きをするが回避される

 

「危ないですねぇ」

 

「避けといてそりゃないだろ」

 

「そうでしたね」

 

「どうした攻撃してこないのか?」

 

「そうですねでは行きますよ」

 

黒はタージに接近しハイキックをかますが防御されるがタージは黒の攻撃が重かったせいかのけ反る

 

「ぐ!!重いな」

 

「終いです、蛇翼崩天刃」

 

タージはのけ反っていて回避が遅れると黒に空高く蹴り上げられる

 

「のわ!!」

 

「蛇絞、蛇顎」

 

打ち上げられたタージをウロボロスで噛みつき叩き落すと引き寄せる

 

「ぐふっ!!」

 

「大蛇武煉殲」

 

最後に何度もストンピングして蹴り飛ばす

 

「だぁぁぁ!!」

 

「・・・ふぅ」

 

「ダメだ、強ぇな黒」

 

「勝者、双葉黒っす」

 

周りからは歓声や拍手が起こる

 

「タージさん大丈夫ですか?」

 

「手ぇ貸してくれ」

 

黒はタージに手を貸し起き上がらせる

 

「悪かぁねぇな。黒、卒業したらこの部隊に入らねえか?」

 

「今はもう企業に入ってるので」

 

「遅かったか」

 

「いや~強いっすね黒は」

 

「舐めてもらっては困りますよ」

 

「そうだな、てめぇら黒を見習っておけよ!!」

 

「「「はい!!」」」

 

「今日はありがとうございました」

 

「そう畏まんな、こっちもいい経験になった」

 

「次はメガロさんともしたいですね」

 

「悪いっすが俺は肉弾戦は出来ないっす」

 

「残念です」

 

「黒、明日も頼めるか?」

 

「いいですよ」

 

「てめぇら明日は黒にみっちりしごかれろよ」

 

「それは勘弁してくださいよ~」

 

「何事も経験ですよ」

 

「随分と言うねぇ」

 

「いいではありませんか。本当なのですから」

 

「あんた本当に気に入ったぜ。そうだ俺の番号教えといてやるよ」

 

「いいのですか?」

 

「ああ困ったら電話しな。助けになってやるからよ」

 

黒はタージから電話番号が掛かれたメモを渡される

 

「ありがとうございます。それでは私はこれで」

 

「おうよ!!」

 

黒は再び喫煙室に向かった

 

 

 

時間は過ぎラウラにアリーナに案内されていた

 

「黒兄貴、朝はすまなかった」

 

「すみませんでした黒様」

 

「ちゃんと反省しているのでしたらいいのですよ」

 

「分かったぞ」

 

「かしこまりました」

 

「それにいい経験をしましたのでチャラにしましょう」

 

「何かあったのか?」

 

「ええ荒熊の隊長と訓練してました」

 

「なんだと!?」

 

「タージさんに挑んで勝ちましたが」

 

「ボルト中佐に勝ったのか!!」

 

「中佐だったのですか」

 

「黒様凄いじゃないですか」

 

「ありがとうございます」

 

「さて着いたぞ、ノアはもう準備が終わっているそうだ」

 

「そうですか」

 

3人がピットに入ると黒はすぐに出撃の準備を始める

 

「スタイルDG、武器はネヴァン、アグニ&ルドラ、エボニー&アイボリー、カリーナ=アンで行きますよ『D』」

 

『はいよ』

 

「それで黒兄貴、攻略法はあるのか?」

 

「あります」

 

「そうか」

 

「黒様勝ってくださいね」

 

「かしこまりました」

 

黒はトイフェル・シュヴァルツを展開しピットを出ていく

 

 

 

黒がアリーナに出ると既にノアはいた

 

「待たせてしまいましたね」

 

「そんなことは無い・・・あなたは不思議な人」

 

黒は個人秘匿回線でノアに繋げる

 

『もしかして私の弱点が見えないことでしょうか?』

 

『!?・・・なんでそのことを』

 

ノアは驚いた顔をして黒を強く睨んでくる

 

『適当に言っただけなのに』

 

『嘘だ・・・あなた何者?』

 

『まだまだですね、知りたければ私に勝つことです』

 

『そうさせてもらう』

 

個人秘匿回線で会話をしているとアナウンスが鳴る

 

『両者、これから試合を開始するぞ』

 

「さてやりますか」

 

黒はアグニ&ルドラを展開するとノアはアサルトライフルを展開する

 

『では摸擬戦を開始する!!』

 

試合開始のブザーを鳴るとノアはワイヤーブレードを無数に射出してくる

 

「これでも!!」

 

「・・・一つ覚えですねぇ」

 

黒は両手の剣で弾いていくが後方から迫ってくるワイヤーブレードに四肢を絡みつかれてしまう

 

「まずいですねぇ」

 

「嘘だ」

 

ノアはワイヤーに黒を引き寄せると黒はアグニ&ルドラを量子化しネヴァンを展開する

 

「もう無駄だよ」

 

「そうですか?では早いですがやらせていただきますよ『D』!!」

 

黒はSEを50%消費しDGを発動し分身のネヴァンでワイヤーを全て斬り落とす

 

「な!?」

 

「『Let's Rock!!』」

 

分裂したトイフェル・シュヴァルツはノアの前後に立ちネヴァンを鳴らし電撃を落としていき被弾させる

 

「くっ!!でもまだいける!!」

 

「ではそろそろ終いです」

 

黒は背中に蝙蝠と思わせるような翼を生やして自身に雷を纏わせ瞬時加速をかけて回転しながら突進していく

 

「早い!?」

 

「ヴォルテックス!!」

 

後方には分身がネヴァンを鳴らしている分身がいて上空からは雷撃下からは蝙蝠が前方からは黒が高速で突進してくる状況にノアは負けを確信したようで武器を量子化すると全攻撃がノアに被弾してSEが0になる

 

「勝者、双葉黒!!」

 

ここにはノアと黒、それと分身である『D』しかいないため歓声や喝采は起こらなかったが管制室では拍手しているのが見えた

 

「『D』もういいですよ」

 

『はいよ』

 

分裂したトイフェル・シュヴァルツは消えアリーナには黒とノアだけになった

 

「強いね・・・双葉黒、君は何者?」

 

「ただの21歳の自由人ですよ」

 

「・・・そう」

 

ノアはアリーナから出ていく

 

「さてもう行きますか」

 

黒は出てきたピットに戻るとクロエが出迎えに来る

 

「お疲れ様です、見事な勝利でした」

 

「ありがとうございます」

 

「まさか分身するとは思いませんでしたが」

 

「強いですがその分発動するのに手間がかかりますがね」

 

黒はトイフェル・シュヴァルツを解除するとラウラが走ってピットに入ってくる

 

「黒兄貴お疲れさまだ!!」

 

「ええお疲れ様です」

 

「流石だな黒兄貴」

 

「さて私はノアさんのところに行ってきます」

 

「どうしてだ?」

 

「少し気になったことができたので1人で行ってきます」

 

「分かったぞ」

 

黒はピットを出ていきノアに会いに行った

 

 

 

この頃ノアはピットの地べたに座って呆然としていた

 

「・・・あの人は一体・・・何も見えなかった・・・いままでこんな人いなかったのに」

 

ノアは独り言をつぶやいてると黒がピットに入ってくる

 

「どうもノアさん」

 

「!!・・・黒・・・あなたは何者?」

 

「私は21歳の自由人ですよ」

 

「嘘だ」

 

「あなたには私がどう見えているのでしょう?線やら点は一切見えないでしょうか?」

 

「もしかして・・・アザレアから聞いた?」

 

「線や点と聞いただけですよ。後は考えた結果です」

 

「そう・・・あなたには何も見えない」

 

「もしかして眼帯の目ですか?」

 

「違うこっち」

 

ノアは眼帯のついてない方の赤い目を指すと目の色が変わり黒く輝いた

 

「色・・・変わったよね?」

 

「変わりましたよ」

 

「この目・・・人の死線が分かる」

 

「死線ですか?」

 

「どこを斬ったらいいか・・・どこを撃ったらいいか・・・それくらいでも人を殺すのには十分」

 

「そうですか」

 

「この目のせいで・・・いろんな人と疎遠になった・・・最後には1人になった」

 

「それは辛いですね」

 

「今までも辛かったけど・・・ここに入ってからも・・・あまり変わらなかった」

 

「どうしてですか?」

 

「成績だけ見て・・・私を見てくれない・・・だからせめて優秀でいようと・・・この目を使った・・・それで代表候補生にもなった・・・この隊でも1,2の実力でいられた」

 

「ですがそこに私が来たと」

 

「そう」

 

「それで私の弱点を見つけようとしたがそれが不可能で最後に諦めたと」

 

「あなたには・・・驚かされる・・・どんなことしたら・・・強くなれるの?」

 

「なら考えを改めてください」

 

「なんで?」

 

「諦めは人を殺します、あなたは全てに対して諦めているだけです」

 

「そんなことは・・・」

 

「あります。人との関わりや戦いにおいて諦めが早すぎます」

 

「・・・それはある」

 

「でしょうね。まずはそこからです」

 

「うん・・・わかった」

 

「では私の話ですが・・・いるのでしょうクロエにラウラさん」

 

「え?」

 

ピットのドアから隠れていたラウラとクロエが現れる

 

「やっぱり黒兄貴にはバレたか」

 

「た、隊長!?」

 

「盗み聞きとは悪い事ですねぇ」

 

「ラウラさんがノアさんを心配になったそうで来ました。どうかお許しを」

 

「大丈夫・・・です」

 

「話は戻りますが私は改造人間または強化人間です」

 

「改造?・・・強化?」

 

「ようは人にできないことを簡単にできる人間・・・化け物ですよ」

 

「嘘・・・」

 

「嘘ではありませんよ。あなたが経験してきたことよりも重い事を経験しています」

 

「それが・・・何?」

 

「目の前で家族が死んだりしましたよ。ですが1度も諦めずに生きて関わりを持って生きています。まずその差が歴然としていますよ」

 

「なんで・・・そんなことで変わるの?」

 

「目標があるもの、守るべきものがある人そして諦めずに戦える人間は強いのですよ」

 

「とんだ・・・精神論だ」

 

「かの世界最強は家族を守るためにあそこまでいったんです。後はやるかやらないかです」

 

「織斑教官が・・・ですか?」

 

「そうだぞ。私はIS学園に行ってからそのことを知ったがな」

 

「隊長まで・・・でもどうしたらいいか・・・分からない」

 

「ではまず友人を作りましょうか」

 

「友人?・・・それでいいの?」

 

「いいんですよ。後はあなた次第ですが」

 

「・・・分かりました」

 

「ノア・アクセル伍長、貴様は私より1つ年が下だろう。来年は学園入りが決まっているのだからゆっくり考えろ」

 

「は、はい」

 

ノアは立ち上がりラウラに敬礼をする

 

「・・・ラウラさんもそんなこと言われてましたね」

 

「ここでそれを言わないでくれ黒兄貴!!」

 

「ふふ」

 

先ほどまで呆然としていた少女はもういなく笑顔になっているノアがそこにはいた

 

「さて話はここまでです。午後の訓練は楽しんでいきますよ」

 

「それは・・・ちょっと無理」

 

「そんなことを言うな、これも我が部隊のためなのだぞ」

 

「ちなみにラウラさんとクラリッサさんも参加ですよ」

 

「え」

 

「当たり前ですよ。隊長がそんな姿勢では部下はついてきませんよ?」

 

「そ、そうだな」

 

「さて昼食を食べに行きますよ」

 

黒はピットから出ていく

 

「待ってくれ黒兄貴!!」

 

「黒様待ってください!!」

 

続けてラウラとクロエも出ていく

 

「黒・・・あなたは・・・面白い人」

 

ノアはそうつぶやくとピットから出ていき食堂に向かっていくのであった

 

 




今回もお読みいただきありがとうございます

新兵で伍長になることってできるのでしょうか?
まぁSSということで多目に見てください

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