IS 〈インフィニット・ストラトス〉 -造られた双子-   作:ark.knight

58 / 107
第58話

 

 

黒は訓練を終わらせ隊員は疲れた様子で宿舎に戻っていくが黒と何名かの隊員はその場に残り休んでいた

 

「お疲れ様です黒様」

 

クロエはタオルを黒に渡す

 

「ありがとうございますクロエ」

 

「それにしても凄かったですよ。あれが黒様の戦い方ですか?」

 

「そうですがまだ一部しか見せてないのでどうも言い難いですけど」

 

「もう嫌味にしか聞こえませんよ」

 

「知らんな・・・ん?」

 

黒は視線をクロエから隊員の方に切り替えると赤髪の隊員がこちらを見ていたが視線が合うと宿舎の方に走って行ってしまう

 

「・・・今のは誰でしょう?」

 

「今こちらを見ていたのがノア・アクセルだ」

 

「あの方ですか」

 

「黒兄貴を観察してたのだろうな」

 

「観察ですか」

 

「多分黒兄貴に思うものでもあるのだろうな」

 

「黒様は珍しいですからね」

 

「酷いですねクロエ」

 

「学園に入学した時からそうではありませんでしたか?」

 

「それもそうですね」

 

黒は立ち上がると宿舎の方に歩き出すとラウラとクロエがついてくる

 

「どこに行くのですか?」

 

「喫煙所ですよ」

 

「今回はお供します」

 

「私も行くぞ」

 

「吸い辛いですね。まぁいいですが」

 

3人は喫煙所に向かうと巨体の男性が2人いた

 

「どうも」

 

「ん?あんた誰だよ、軍人じゃねえな」

 

「今日から4日間お世話になります双葉黒と申します」

 

「こいつあれっすよ。男性IS操縦者の」

 

「ああ、あんたか。すまんな・・・って黒兎の隊長さんじゃねえか」

 

「・・・っち」

 

「ラウラさんこの方は?」

 

「特殊部隊荒熊の隊長と副隊長だ」

 

「どうも荒熊の隊長をやってるタージ・ボルトだ」

 

「どもっす荒熊の副隊長のメガロ・ボルトです」

 

「4日間ですがよろしくお願いします。一応私は二十歳は超えてますので」

 

「そうかい」

 

黒はタバコを取り出し火をつける

 

「んでそっちの嬢ちゃんは誰なんだい?」

 

「かわいいっすね~」

 

クロエは黒の後ろに隠れるようにしながら自己紹介する

 

「わ、私はクロエ・クロニクルです・・・」

 

「すみません、人見知りなもので」

 

「いいんだよ。そのくらいの方が可愛げがある」

 

「そうっすね」

 

「すまないが私は離れるぞ」

 

「ではクロエもお願いします」

 

「ああ」

 

ラウラはクロエの手を取り宿舎の方に歩いていく

 

「黒、いい女捕まえてんな」

 

「わかりましたか?」

 

「マジっすか!?」

 

「クロエって嬢ちゃんの反応を見てわかんだろう」

 

「まじかー」

 

「誰にも渡しませんよ」

 

「頑張んな黒」

 

「ええ」

 

「それじゃあ行くな」

 

「そちらも頑張ってくださいタージさんにメガロさん」

 

「おうよ」

 

「じゃあの~」

 

2人が去ると喫煙所に静寂が訪れる

 

「・・・ふぅ、随分と静かになりましたね」

 

(さて明日は誰が対戦者なのでしょうかね、ラウラさんが知っていれば楽なのですがどうなんでしょうか)

 

「あの・・・」

 

「はい?」

 

黒はふと声を掛けられると目の前にはアザレアがいた

 

「おやアザレアさんではないですか」

 

「その、先ほどはすみませんでした!!」

 

アザレアは黒に頭を下げようとするが黒はそれを止めた

 

「謝らないでください」

 

「なぜですか!?」

 

「謝る前にあなたがするべきことがありますよね?」

 

「・・・女尊男卑の思想の撤廃ですか」

 

「そうですよ。正直女尊男卑ほどつまらないものはありません」

 

「何を言ってるのですか?女性と男性が戦争を起こしたら3日で女性が勝つのですよ?」

 

「くだらないですね。シュミレートだけが全てではありませんし今ではその前提が違います」

 

「何一つ変わらないですよ?」

 

「なんの為の男性IS操縦者ですか?一応これでも格闘戦では世界最強を打倒できISではラウラさんに勝てる人材が男性側に2人いるのですよ?」

 

「嘘でしょ!?」

 

「ならばラウラさんに聞いてみてはどうですか?多分その話は本当だとか言われますから」

 

「・・・あんたを舐めすぎていたようです」

 

「でしょうね。あの程度の演技すら見破れたのはあの場にいた7人の内1人だけでしたので」

 

「もしかしてノアですか?」

 

「不思議な子ですよ。彼女には私がどう見えているのでしょうね?」

 

「あの子は線や点で何かを判断してるみたいですよ」

 

「線や点ですか?」

 

「はい、でも訓練ではそれに従って行動するだけでうまくいっているみたいです」

 

「明日の午後の訓練ではノアさんの力を見てみましょうか」

 

黒はもう1本のタバコを取り出し火をつける

 

「黒教官、あなたは未成年では?」

 

「二十歳は超えていますよ」

 

「・・・ならなんでIS学園に通っているのですか?」

 

「気まぐれです」

 

「随分と曖昧ですね」

 

「人生、これくらいの方がいいんですよ。肩肘張って疲れるよりやれることやって楽しんだもの勝ちです」

 

「ふふ、そうですね」

 

「そういえば話は変わりますが私と戦ってみてどうでしたか?」

 

「私がどれでだけ驕っていたかが分かりました」

 

「そうですか。あなたは格闘において随分と強いかもしれませんがただそれだけです」

 

「強いのはいいことでは?」

 

「ただ強いだけではダメです。分析して予想しなければ勝てるものも勝てませんよ」

 

「はぁ」

 

「現に私は一切武器を使用してませんでした。どうして使わなかったか分かりませんでしたか?」

 

「そうですね・・・使う必要なかったのですか?」

 

「その通りです」

 

「悔しいですね。教官に武器を使わせることができなかったので」

 

「だったら成長して使わせてみてください」

 

「はい!!」

 

「さて私は戻りますね」

 

「お疲れさまでした!!」

 

アザレアは黒に敬礼をしてくるので黒は敬礼を返し宿舎の方に戻っていった

 

 

 

黒が宿舎の部屋に戻りジャージに着替えベットで寝っ転がっていた

 

「久しぶりに楽しめましたね。さて少し寝ますか」

 

「黒兄貴いるか?」

 

部屋にラウラが入ってくるので手をあげていることを教える

 

「そこにいたのか」

 

ラウラは黒のベットまで来ると一緒に横になる

 

「どうしましたか?」

 

「今日の訓練はいいものだったぞ。黒兄貴はナイフ格闘でも強いのだな」

 

「正直投擲か対空攻撃にしか使いませんがね」

 

「勿体なくないか?」

 

「しょうがないですよ、ウロボロスが優秀すぎるんですよ」

 

「それもそうか」

 

「すみませんが私は少し寝ます」

 

「私も一緒にいいか?」

 

「事務作業はいいのですか?」

 

「問題ない終わらせてある」

 

「でしたらいいですよ」

 

ラウラは黒にコアラ見たく抱くつくと黒は目を閉じ眠りにつく。次に黒が目が覚めるとなぜかクロエも一緒に抱き着いて寝ていてクラリッサと数人の隊員が温かい目で黒達を見ていたのである

 

 




今回もお読みいただきありがとうございます

最近はSS制作スピードが落ちてきましたが書き溜めが少なくなってきました

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。