IS 〈インフィニット・ストラトス〉 -造られた双子-   作:ark.knight

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第55話

 

 

どうもチェルシー・ブランケットと申します

昨日は双葉黒様・・・若様がセシリアお嬢様のライバルであったレミリアお嬢様に見事完勝いたしました。見事な勝利で飾ったように見えましたが若様からするとやりすぎたみたいですが勝利は勝利です。今日は亡くなられた旦那様と奥様のお墓参りです

 

黒達は朝食を取り終えると部屋で服を着替えた

 

「やっぱりいつもの服装が1番ですね」

 

黒は装飾のついた黒いスーツを着て黒いハットを被っていた

 

「黒様はいつも変わりませんね」

 

「シンプルイズベスト、普通最高ですよ」

 

「とはいえその1着だけではどうなんですの黒さん?」

 

「いいんですよ。兄弟達からの貰い物ですので愛着があるんですよ」

 

「それでは随分と着ていますのね」

 

「はい」

 

「失礼いたします」

 

部屋にチェルシーが入ってくる

 

「そろそろ出発のお時間です」

 

「了解ですわ」

 

「黒さんにクロエさん先に行ってますわ」

 

「はいこちらもすぐ行きます」

 

セシリアは純白のワンピースに水色の薄い上着を着て白いつば広ハットを被って部屋から出ていく

 

「黒様私達も行きましょう」

 

クロエは花柄のワンピースを着て麦わら帽子を被る

 

「さて行きますか」

 

2人は部屋から出ていき屋敷の外に出るとセシリアはもう既にチェルシーの運転するリムジンに乗っていた

 

「黒さんにクロエさん早くお乗りくださいまし」

 

「かしこまりました」

 

黒が乗ると一緒にクロエも乗り込む。黒はセシリアとクロエに挟まれるように座りシートベルトを締めると発進する

 

「では行きますよ」

 

 

 

リムジンが墓地周辺に停車するとそれぞれ出ていくと中に歩いていく

 

「ここですわ」

 

セシリアが先頭となり歩いていくと1つの墓の前で止まる

 

「久しぶりですわお母様、お父様」

 

「久しぶりです旦那様と奥様」

 

セシリアとチェルシーは黙祷をする

 

「・・・ここですか」

 

「そうですわ」

 

黒は黙祷を始める

 

(始めましてセシリアのお父様にお母様、私は双葉黒と申します。ご存命の間はセシリアを育てていただきありがとうございます。これからは私がセシリアを守っていきます)

 

黒は黙祷をやめるとセシリアが近寄ってくる

 

「私のお父様は誰彼かまわず頭を下げる弱い人だと思っていましたわ。ですが今となってはちゃんとした理由があってあのようなことをしていたのでしょう」

 

「でしょうね。人の行動は伝えなければ真意は分かりません」

 

「そうですわね。今からでも考えを直していきたいと誓いましたわ」

 

「ならいいではありませんか。私も誓わせていただきましたよ」

 

「どう誓われたのですか?」

 

「教えません」

 

「卑怯ですわよ」

 

「知らんな」

 

「皆さまそろそろ戻られても大丈夫でしょうか?」

 

「ええ」

 

4人はリムジンまで戻り帰路についた

 

 

屋敷に戻ると黒とクロエは厨房についた

 

「さて今日はお世話になった分のお返しということで昼食と夕食を作りますよ」

 

「了解です黒様、何を作りましょうか?」

 

「昼食には小さめのミートパイとサラダでも作りましょう」

 

「ミートパイですか」

 

「ではまずパイシートがありますのでミートソースから作りましょう。材料はひき肉と玉ねぎ、人参の3つです」

 

「みじん切りですね」

 

「はい、ちゃっちゃと作りますよ」

 

クロエはみじん切りを始め黒はパイシートから丸型や星型、その他様々な型を使いパイシートを切り取りオーブンの加熱を始める

 

「クロエ、みじん切りが終わったら教えてください」

 

「もう少しで終わります」

 

「早くなりましたね」

 

「黒様のおかげですよ」

 

「では選手交代ですね、クロエ型取りお願いします」

 

「了解です」

 

みじん切りが終わったクロエはパイシートの型取りを始めると黒はフライパンにバターを入れみじん切りしたものを炒め始める

 

「黒様、型取りも終わりました」

 

「ではサラダでも作っていてください。皿は大皿でお願いします」

 

「はい」

 

クロエはサラダを作り始める

 

「クロエもだいぶ上達しましたね」

 

「そうでしょうか?」

 

「最初は勘で料理をして失敗していましたのに今では自分でアレンジをいれれるようになりましたね」

 

「それはもう忘れてください!!」

 

「いいではありませんか、自分が成長した証ですよ?」

 

「そうですが言われると恥ずかしいです///」

 

照れるように笑顔になるクロエ

 

「そしていい笑顔も出せるようになりましたね」

 

「そうでしょうか?」

 

「ええ私に見せた笑顔も最初はぎこちなかったものですから覚えていますよ」

 

「あまり分かりませんね」

 

「そうですか・・・おっとそろそろですね」

 

黒はトマトピューレやソース、料理酒、塩胡椒を入れ混ぜ味が整うように煮詰め冷ます

 

「さて後はこれをパイ生地に流し込んで、溶き卵を生地に塗って焼いて終いです」

 

「こちらも終わりました」

 

「それではドレッシングの用意を、私は残った溶き卵でだし巻き卵でもつくります」

 

「はい」

 

その後も調理を続けていく2人であった

 

 

 

2人が調理を終えテーブルに料理を持っていくとセシリアがダイニングに入ってくる

 

「今日は黒さんが料理をしてましたのね」

 

「泊めていただいたお礼ということで今日の昼食と夕飯は私とクロエが担当します」

 

「そうなのですか!!」

 

「ええチェルシーさんやメイドの分まで用意しましたよ」

 

「今日は楽しみですわね」

 

「それでは黒様、チェルシーさんにも伝えてきますね」

 

「頼みます」

 

クロエはダイニングから出ていく

 

「黒さん、少し話をしてもよろしくて?」

 

「なんでしょう?」

 

「わたくしのお父様とお母様の墓前でどう誓われましたの?」

 

「・・・今は2人っきりですしいいでしょう。これまでセシリアを育てていただきありがとうございます。これからは私がセシリアを守っていきますと言いました」

 

「そう・・・なんですの」

 

セシリアは涙目になりながら黒に抱き着いてくる

 

「黒さん、少し胸をお借りしますわね」

 

「ご自由に」

 

「うっぐ・・・」

 

「私は何も見ていませんし聞いていませんよ」

 

黒はクロエが来るまでセシリアを抱き寄せて頭を撫でていた

 

 

 

昼食を取り終え外の庭園のベンチに座る

 

「ラウラさんに電話でも入れておきますか」

 

黒はスマホを取り出しラウラの携帯に電話をかける

 

「・・・もしもし双葉黒です」

 

『ラウラだ、黒兄貴どうしたのだ?』

 

「明日の正午にはそちらに着きますので」

 

『了解だ、黒兄貴が来ることを楽しみにしてるぞ』

 

「ありがとうございます。それとラウラさんの副官の名前を教えていただけないでしょうか?」

 

『ああ、クラリッサ・ハルフォーフだ』

 

「そうですかありがとうございます。そちらにいる間は私も訓練に参加してもいいですかね?」

 

『むしろ頼もうとしていたところだ。格闘術の方を頼む』

 

「了解です」

 

『それと黒兄貴の料理が食べたいぞ』

 

「いいでしょう」

 

『ありがとう。すまないがこれから訓練だ』

 

「すみません。時間を取ってしまって」

 

『いいのだ、私も黒兄貴の声が聴きたかったのだ』

 

「そうですか、では最後に」

 

『ん?』

 

「愛してますよラウラ」

 

黒は返事を聞かずに電話を切るとタバコを取り出し火をつける

 

「今頃どうしてますかねラウラは」

 

「若様」

 

庭園の奥からメイド2人ととチェルシーがやってくる

 

「おっと消した方がいいですか?」

 

「だ、大丈夫です」

 

「チェルシーさんどうしたのですか?」

 

「今日の昼食を用意していただいてありがとうございます」

 

「これくらいかまいませんよ、泊めていただいたお礼です」

 

「若様が私たちの料理を作っていただいたことが嬉しいんです!!」

 

「そうなのですか?」

 

「はい!!」

 

メイドは一斉に頭を下げる

 

「頭をあげてください。私はやれることをしたまでなので」

 

「恐れ多いですよ!?」

 

「私がいいと言ってるんです。これ以上は不要です」

 

「はぁ」

 

「若様、夕飯は私たちが手伝います」

 

「結構です。今回は私とクロエでします」

 

「ですが!!」

 

「やめなさい、若様がこう言っているのです私たちがどうこう言えるものではないですよ」

 

「・・・わかりました」

 

「そうですね、これからお茶菓子を作るので手伝ってください」

 

「「「はい!!」」」

 

「・・・先に行っててください。もう少ししたら行きますので」

 

「締まらないですね」

 

クスクスと笑うメイドは庭園から出ていく

 

「こんなものでしょう」

 

「鞭と飴ですか?」

 

「鞭打ちなんてしてませんがね」

 

「そうですね若様」

 

チェルシーもベンチに座る

 

「さてもう1本」

 

黒は更にタバコを取り出し火をつける

 

「意外に吸うんですね」

 

「学園ではなかなか吸えませんでしたので」

 

「それほど大変なのですか?」

 

「生徒会の仕事もありますし副会長の仕事にアイドル業、副代表、ISの訓練の師事とあります」

 

「多忙なのですね」

 

「その上会長が仕事を放棄するので私と会計の方に仕事が回ってくるのですよ」

 

「それは許せませんね」

 

「仕方ないですよ。トップが優秀すぎてもやり辛いだけですし」

 

「そういうものですか?」

 

「私がやり辛いのですよ」

 

「自由ですね」

 

「自由最高です」

 

「「あははは!!」」

 

2人は笑い出す

 

「チェルシーさん今日の深夜は時間空いてますか?」

 

「空いてますよ」

 

「では1杯やりますか?」

 

「いいですね、場所はここで」

 

「あなたとは思いっきり話せそうです」

 

「セシリアお嬢様はまだお酒は飲めませんしね」

 

「ですね」

 

黒はタバコを消し立ち上がる

 

「さて私は行きますね」

 

「かしこまりました」

 

黒は庭園を立ち去り食堂に向かう

 

 

 

黒がキッチンに入ると先ほどのメイド2人が意気揚々として黒を待っていた

 

「お待たせしました」

 

「大丈夫です!!」

 

「元気があっていいことですね」

 

「あ///」

 

「この娘はいつもこうなんですよ」

 

「もうやめてよね!!」

 

「そういえばあなた方の名前を聞いていませんでしたね」

 

「私はハーツです!!」

 

「私はエリーです」

 

「そうですか、よろしくお願いしますねハーツさんにエリーさん」

 

「はい!!」

 

「よろしくお願いします」

 

3人はそれぞれに頭を下げる

 

「さて本題です。今日は何を作りましょうかね?」

 

「プリンがいいです!!」

 

「ハーツはいつもそれね」

 

「いいですよ。それで今日はカラメル無しのものを作りましょう」

 

「カラメルないんですか!?」

 

「大丈夫ですよ」

 

「ではまずボウルに卵と蜂蜜をよく混ぜてください」

 

「蜂蜜ですか!?」

 

「はいこれでカラメルの代わりにします」

 

黒は片手で卵を割っていき蜂蜜を大匙3杯分いれてかき混ぜる

 

「ハーツさんとエリーさんもやってください」

 

「はい!!」

 

「かしこまりました」

 

ハーツとエリーも黒と同じくプリン作りを始める

 

「ちなみに卵アレルギーもしくは乳製品アレルギーを持ってる人はいますか?」

 

「卵はいないですが乳製品は4人ほど」

 

「了解です、この後は牛乳とバニラエッセンス隠し味に塩を1つまみ入れてまた混ぜます」

 

「わかりました!!」

 

「私は豆乳を使います。乳製品がダメな人用には豆乳です」

 

「へ~」

 

黒は豆乳やバニラエッセンスを入れてかき混ぜる

 

「若様それでどうするのですか?」

 

「後は普通のプリンと変わりません。濾して容器に入れてアルミホイルをかぶせて蒸して冷やして終いです」

 

「意外と簡単ですね!!」

 

「でしょう?カラメルを作る必要はないので洗うものも少ないですし手順も簡単。更にアレンジ果汁も入れるもよし簡単ではありませんか」

 

「そうですね。これなら誰でも作れそうです」

 

「ですが分量は間違えたらダメですよ。ムラができたり固まらないこともありますので」

 

「はい!!」

 

「さて濾して容器に入れて蒸します」

 

黒は容器に液体を入れアルミでふたをした後にコンロに向かい蒸し器の中にいれた

 

「できましたか?」

 

「はいできました!!」

 

「こちらも終わりました」

 

2人も蒸し器の中に容器をいれる

 

「右側が豆乳ですので蒸し終わったら冷蔵庫には分けて入れましょう」

 

「わかりました!!」

 

「では蓋をして蒸して終いです。今のうちに使ったのは洗いましょうか」

 

「かしこまりました!!」

 

 

 

ハーツとエリーと別れ黒は出来上がったプリンと紅茶をセシリアとクロエに届けに行った

 

「失礼します」

 

「あら黒さん」

 

「今日のお茶菓子をお持ちいたしました」

 

「プリンですか?」

 

「ええ、今回はカラメル無しで作りました」

 

「それではお茶にしましょう」

 

「かしこまりました」

 

黒はテーブルにプリンと紅茶を置きポットから紅茶をカップに淹れていく

 

「どうぞ召し上がれ」

 

「カラメル無しですか。どれどれ」

 

クロエはいの一番にプリンを食べる

 

「ん~美味しいです!!」

 

「ではわたくしも」

 

セシリアもクロエにつられ一緒にプリンを食べる

 

「美味しいですわ!!」

 

「ただのプリンを作る際に蜂蜜を入れるだけですよ。アレンジ次第では果物風味もできます」

 

「黒様も食べたらどうです?」

 

「そうですね」

 

その後はお茶を楽しむ3人であった

 

 




今回もお読みいただきありがとうございます

チェルシーと黒の仲は言いたいことを言い合える親友ポジションです

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