IS 〈インフィニット・ストラトス〉 -造られた双子-   作:ark.knight

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第52話

 

 

黒達を乗せたジェットがイギリスの空港に到着すると寝ていた黒をクロエが何度も起こそうとするが一向に起きようとしない

 

「黒様、起きてください」

 

「・・・zzz」

 

「チェルシーいつものを」

 

「かしこまりました。クロエさんは耳を塞いでいてください」

 

「?」

 

チェルシーがどこからともなくフライパンとお玉を取り出す

 

「オルコット家メイド長直伝、死者の目覚め!!」

 

チェルシーが思いっきりお玉でフライパンを何度も叩き轟音を出すと黒が飛び上がるように目覚める

 

「なんですか今の音は!?」

 

「やっと起きましたね黒様」

 

「・・・今のはなんですか?音響兵器かなにかですか?」

 

「今のはフライパンとお玉ですよ」

 

「・・・身近なものでも兵器たりえるということですか」

 

「その理屈はおかしいですわ」

 

「旦那様、イギリスにご到着いたしました」

 

「旦那様はやめてください。恥ずかしいですので」

 

「ではなんとお呼び致しましょうか?」

 

「旦那様以外であればなんでもいいですよ」

 

「では黒様とお呼びいたします」

 

「はい、それでパイロットさん」

 

「はい?」

 

「身体チェックさせていただきますね」

 

「わかりましたよ」

 

パイロットは観念したようで素直に対応してくれた

 

「チェルシーさんお願いいたします」

 

「かしこまりました」

 

チェルシーがパイロットの身体チェックをしているとボイスレコーダーが見つかる

 

「さてあなたは私のISについての情報を探っていたのですか?」

 

「そんなところだね」

 

「では委員会にはこう通達してください。セシリア嬢以外の代表候補生と戦って勝てたら私のIS<トイフェル・シュヴァルツ>に関するデータ全てをお教えしますと」

 

「随分と簡単ね。では遠慮なくいかせてもらうわよ」

 

「ええかまいませんよ」

 

「それじゃ私はここで」

 

「あとここで聞いた会話は漏らさないでくださいね。漏れたことが発覚次第私の持てる全勢力で潰しにいきますので」

 

黒はパイロットに満面の笑みでそう答えた

 

「怖いわね、わかったわよ。じゃあまた明日」

 

「対戦者には悪いですけど悪夢を見せてあげましょう」

 

パイロットはそそくさとジェットから降りて空港内に入っていく

 

「黒様あんな宣言をしておいて大丈夫なのですか?」

 

「チェルシーさんは黒様を信用されていませんね」

 

「そうではありません」

 

「そういえばわたくしと競い合っていた者がいましたね。もしかしてその方ですか?」

 

「ええ、セシリア嬢のライバルがここ最近力をつけてイギリスの代表候補生では太刀打ちできない程にまでなってしまったので」

 

「それは面白いですね。セシリア嬢も戦ってみては?」

 

「挑戦してくるのであれば受けましょう」

 

「明日は面白いことになりそうですね」

 

「多分黒様の完勝でしょうけど」

 

「そこまでなのですか?」

 

「明日になればわかりますわ」

 

「はぁ」

 

4人はジェットから降りてリムジンに乗りオルコット邸へと向かう

 

 

 

チェルシーが運転してオルコット邸に到着すると数人のメイドが出迎えてくる

 

「到着いたしましたよ」

 

「何から何までありがとうございます」

 

「いいのですよ黒様」

 

4人ともリムジンから降りると玄関の方まで案内される

 

「若様、こちらです」

 

「・・・チェルシーさんこれはどういうことですか?」

 

「あはは・・・」

 

「旅行に来てまで怒りたくないので怒らせないでくださいね」

 

「か、かしこまりました」

 

「黒さん遅いですわよ」

 

「さぁ黒様行きましょう」

 

クロエに背中を押されるように玄関の方に進んでいく

 

「押さなくても自分で歩けますよ」

 

「ダメです」

 

「はいはい」

 

玄関を通ると今度はセシリアに腕を組まれ建物内を案内される

 

「かなり広いですね」

 

「でしょう。地下にはISの整備室がありますのよ」

 

「さすがお嬢様ですね。ご立派なお屋敷です」

 

「ありがとうございますわ。代々オルコット家が築き上げてきた証ですわ」

 

「先祖様に感謝しなくてはなりませんね」

 

「・・・そうですわね」

 

セシリアが顔を暗くし俯いた

 

「セシリア嬢、気を悪くしてしまってすみません」

 

「いえ大丈夫ですわ。それでは黒さんとクロエさんの部屋にご案内いたしますわ」

 

「ありがとうございます」

 

「それで黒さん、明日に向けて研究をしますか?」

 

「そうですね、相手も研究してくるでしょうしやりましょうか」

 

「では用意させておきますわ」

 

「黒様頑張ってくださいね」

 

「どうもやる気が出てこないのですがやるしかないのでしょうね」

 

「黒さんやる気を出してくださいまし」

 

「知らんな。ですがやるかないので本気でいきますよ」

 

「はぁ・・・これで学年トップの実力なのですから驚きですわよ」

 

「そこは経験の差ですよ。そこだけは誰にも負けませんし」

 

「それにしてもおかしいほどの強さですよ」

 

「後は『D』の力ですよ。私はそれに便乗してるだけです」

 

「そうですか」

 

「お2人の部屋に着きましたわ」

 

セシリアが部屋の扉を開けると天蓋付きのキングサイズのベットがある部屋だった

 

「ここがわたくしの部屋・・・ベットのサイズが変わっていますわね」

 

「一緒に寝ろということですかね」

 

「チェルシー!!」

 

セシリアがチェルシーを呼ぶとどこからともなく現れた

 

「どうなさいましたか?」

 

「ベットのサイズが変わっていましてよ?」

 

「・・・ダメでしたか?」

 

「そんなことはありませんわ。むしろよくやってくれましたわ」

 

「ありがとうございます」

 

「それと後でレミリアの戦闘映像を見るのでその用意を」

 

「かしこまりました」

 

チェルシーがこの場去ると黒はデカい溜息をつく

 

「はぁ」

 

「どうしました?」

 

「疲れましたので少し寝ます」

 

「映像はいいのですか?」

 

「もう少しで夕食時ですのでその後に見ます」

 

黒はふらふらとした歩みでベットに向かいベットの上で倒れた

 

「どうしたのでしょう?」

 

「ここで怒りたくないということは過度のストレスを感じる何かが起こるということでしょうね」

 

「・・・チェルシーに伝えてきますわ」

 

セシリアが部屋を出ていくとクロエは足をベットの外に出して寝ている黒に近づく

 

「黒様だらしないですよ」

 

「・・・zzz」

 

『蒼眼の嬢ちゃん悪いが旦那の足どうにかしてやってくれねぇか?』

 

「もとよりそのつもりです」

 

クロエは黒の足を持ち上げてベットの上にのせる

 

『蒼眼の嬢ちゃん、あんた名前は?』

 

「クロエ、クロエ・クロニクルです」

 

『それじゃクロエ、あんたの名前は覚えておくぜ』

 

「どういった風の吹き回しでしょうか?」

 

『いやなに旦那が一番心を許してる女だから気になってな』

 

「そうなんですか!?」

 

『静かにな旦那が起きちまう』

 

「そうでしたね」

 

『話は戻るがさっきの金髪や軍人も心を許してるみたいだがあんたが一番みたいだな』

 

「はぁ」

 

『これからも旦那を頼むぜ』

 

「そんなの言われなくても分かっていますよ。私は黒様と共に歩んでいきたいですから」

 

『クロエ、あんたいい女だな』

 

「ふふ、ありがとうございます『D』さん」

 

『さん付けはやめろ、気持ち悪いわ』

 

「かしこまりました」

 

『話が変わるけどよ、旦那を襲わないのか?』

 

「襲いませんよ、黒様がその時になったら教えてくれるでしょう」

 

『それもそうか』

 

扉が開くとセシリアが入ってくる

 

「クロエさん『D』と話していたのですか?」

 

「ええ」

 

『よう金髪』

 

「わたくしには名前があるのですよ?」

 

『聞かせれてもいねぇのに覚えろとかぬかしおるわ』

 

「酷いですわね。わたくしはセシリア・オルコットですわ」

 

『セッシーでいいか?』

 

「なんであだ名なんですの!?」

 

『うるせえぞ旦那が起きんだろうが』

 

「ぐぬぬ」

 

「セシリアさん落ちついてください」

 

「そうですわね」

 

『こりゃ当分はクロエに軍配が上がったままかもな』

 

「なんの話ですの?」

 

『さてな。それでセシリア、あんたは旦那が好きなんだよな?』

 

「そうですわ」

 

『ならもうちょっと頑張んな。ISについては旦那との相性は3人の中で一番いいはずだからよ』

 

「そうでしょうか?」

 

『旦那はGSを除けば近接型だ。そこであんたのBT兵器が活躍すんだ、最近はBT兵器を操作しつつ動き回れるようになっただろ?』

 

「そうですわね、黒さんには感謝しきれませんわ」

 

『なら恩返しはしてやんないとな』

 

「何がいいでしょう?」

 

『そこはあんた次第だ』

 

「何が黒さんは嬉しいでしょう?」

 

『さてお2人さん旦那を起こして飯でも食わせてやってくれ。俺は寝る』

 

「ISも寝るのですか?」

 

『なに言ってんだ?元は人間を模したのがISコアなんだから寝もするだろ』

 

「わかりました、お休みなさい『D』」

 

『へいよクロエ』

 

Dの声がしなくなるとクロエとセシリアは黒を起こす

 

「黒さん起きてくださいまし」

 

「・・・もうですか?」

 

「そうですね行きましょう黒様」

 

「ええ」

 

黒はベットから立ち上がるとクロエとセシリアに手を引かれる様に部屋を出ていき食堂に向かった

 

 

 

夕食を食べ終わると3人は地下のIS整備室で明日の対戦者の映像を見ることにした

 

「それでは黒さんの明日の対戦者であると思われるレミリア・S・シャイニーの戦闘映像を見ましょう」

 

「最新のもの3本ぐらいでも十分ですよ」

 

「それではゆっくりと見ましょう」

 

3人いたメイドの1人が椅子と移動台を用意して2人目は紅茶とお茶菓子を用意し最後の1人がスクリーンと映像の準備をしてくれた

 

「それではまず一番古いのからいきますわ」

 

映像が再生されると黒はスクリーンにかぶりつくように見始めると全身が赤く翼状のスラスターがあるISがその場でミサイルを撃ち続ける

 

「相変わらず弾幕型ですわね」

 

「物量で質を潰す戦法ですね」

 

「随分と穴だらけの戦法ですね」

 

「その場で撃ち続けるのが弱点のように思えますが全てが追尾機能が備えられておりますわ」

 

「・・・そうですか」

 

「相手も回避しながらアサルトライフルでミサイルを迎撃してますが・・・」

 

「量に押されて意味を成していませんね」

 

「次は槍を展開しましたね」

 

赤いISは相手に槍を投擲するがジグザグに軌道を変えて相手を追い詰めるとそのまま被弾させ赤いISの手元に戻っていく

 

「なんですか今の!?」

 

「これが彼女のISの第3世代兵器『レヴァテイン』ですわ」

 

「セシリア嬢、これもBT兵器の一種でしょうか?」

 

「ええ、これにはわたくしも苦戦しましたわ」

 

「・・・ふむふむ」

 

「あんな軌道どうしたらいいでしょう?」

 

「わたくしの場合はビットで撃ち落としましたが難易度は高かったですわよ」

 

赤いISが何発もレヴァテインを投げていると黒が口角を上げながら椅子に深く座り直し紅茶を飲む

 

「これがレヴァテインですか。随分と大層な名前ですね」

 

「でしょう?ですがそれに見合ったものではありますわよ」

 

「スタイルはTS、兵装はケルベロス、ネヴァン、ショットガン、カリーナ=アンでいけるでしょう」

 

「攻略の糸口でも掴めたのですか?」

 

「このレヴァテインですが攻略できます」

 

「もう分かったのですか!?」

 

「みんなが驚くような攻略をしてあげますよ」

 

「これで1回目の映像が終わりですわ。次はどうしますか?」

 

「とりあえずお願いします。別映像でも脳内検証してみますので」

 

この後も映像を見るも黒は口角をあげながら見るが2人には黒の攻略方法を見いだせず不思議そうに映像を見ていた

 

 




今回もお読みいただきありがとうございます

次回戦闘回になりますがいつもの駄文クオリティーでやりますので期待はしないでください

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