IS 〈インフィニット・ストラトス〉 -造られた双子-   作:ark.knight

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第36話

 

 

黒達は臨海学校に向けてショッピングをしにレゾナンス構内にいた

 

「海ですか・・・苦手なんですよね」

 

「そうなの?」

 

「カナヅチなもので」

 

「黒・・・意外だね」

 

「誰にだって弱点はありますよ」

 

「俺は兄貴と違って大丈夫だがな」

 

「不思議ですわね」

 

「ラウラはどうなんだ?海に行ったことあんのか?」

 

「そうだな・・・軍の任務でならあるぞ」

 

「なんとなく知ってたよ」

 

「なぁシャル。ラウラの水着見てやってくれないか?」

 

「白兄貴、どういうことだ!?」

 

「いいよ。さぁラウラ行こうか」

 

白はラウラを肩から降ろしシャルロットに渡し、ダッシュでラウラを連れていくシャルロット

 

「白兄貴のバカァァァァ・・・」

 

「なんだろ断末魔に聞こえたんだけど」

 

「こうでもしないとラウラは動かんだろうし、いいんでない?」

 

「そうですね。では2つのグループに別れてそれぞれ買い物をしましょう」

 

「んじゃ、俺は一夏と箒、鈴といくぜ。それでいいか?」

 

「ああ」

 

「あたしもそれでいいわ」

 

「俺もそれでいいぜ」

 

「善は急げ、先に行ってるぜ」

 

白たちのグループと別れた

 

「さてこちらも行きますか」

 

「ええ」

 

「黒様は臨海学校ではどうするおつもりなのですか?」

 

「泳げないだけなので遊ぶつもりではいますよ」

 

「黒なら・・・海の上走れそう」

 

「走れますよ」

 

「・・・黒はどこまでいっても・・・黒なんだね」

 

「否定はしませんよ」

 

「黒さん、わたくしの水着を選んでくださいませんか?」

 

「黒様、わ、私のも選んでくださいませんか?」

 

「黒・・・私のもいい?」

 

「・・・私のセンスで良ければ」

 

「「「はい!!」」」

 

「ではクロエはこれですかね」

 

黒は花柄のフリル付きのビキニを渡した

 

「かわいいですわね」

 

「どうでしょうか?」

 

「試着してまいります!!」

 

クロエは試着室に入っていく

 

「次はセシリア嬢ですね。そうですねISに因んでこれはどうでしょうか?」

 

黒は青で統一されたパレオ付きのビキニを差し出す

 

「おもしろいですわね。では着てまいりますわ」

 

セシリアも試着室に入っていく

 

「最後は簪さんですね。・・・ワンピース状のものなんてどうでしょうか?」

 

黒は水色のワンピース状の水着を渡す

 

「髪の色だね・・・着てくるよ」

 

簪も試着室に入っていく

 

「さて自分の水着はどうしましょうかね」

 

「ちょっと、そこのあんた!!」

 

黒は見知らぬ女性から声を掛けられる

 

「これ片付けなさいよ!!」

 

(非常に面倒なのがきましたね・・・上には監視カメラがありますしボイスレコーダーを使いますか)

 

黒はポケットに手を入れボイスレコーダーを起動する

 

「あんた聞いてるの!!」

 

「ええ聞いていますよ」

 

「ならこれを片づけなさいよ」

 

「面倒なので断ります」

 

「なんですって!?私は女性権利団体の幹部よ、あなたよっぽど訴えられたいようね」

 

「・・・はぁ面倒通り越して呆れますね」

 

「ふざけてるのかしら。そこの警備員!!」

 

見知らぬ女性は警備員を呼び出した

 

「どうしましたか?」

 

「この男が痴漢してきたのよ!!」

 

「本当ですか?」

 

「見知らぬ女性に痴漢するなんて馬鹿な真似はしませんよ。それに監視カメラもありますよね。それを見てからでも遅くはないですよね?」

 

「ただいま確認してまいりますのでお2人とも逃げないでくださいね」

 

「くっ!!」

 

「無暗に冤罪を押し付けようとするからですよ」

 

「ならば、これでくたばれ!!」

 

警備員が後ろを向いている隙にナイフを取り出し黒に斬りかかってきた

 

「お~怖いですね。でもそれでどうするおつもりで?」

 

「貴様はこの世界にはいらない存在よ。ここで死んでもらうわ!!」

 

女性はナイフで斬りかかるが素手で受け止め血を流す

 

「お客様!?」

 

「痛いですね。どうしてくれるんですか」

 

「放しなさい!!」

 

「誰が放すとお思いで?」

 

「くそ!!」

 

女性はナイフから手を離し逃げようとする

 

「どこに逃げようというのですか。後は任せましたよ、警備員さん」

 

「はい!!そこまでだ!!」

 

「くそ!!」

 

警備員に捕まり女性は組み付かれた

 

「あなたはどこの組織のものですか?」

 

「教える訳ないじゃない」

 

「そうですか。ではこの記録に則って訴えさせていただきますね」

 

黒はボイスレコーダーを取り出し録音を停止する

 

「なによそれ!?」

 

「こういうときこれって役に立ちますよね」

 

「あぁぁ・・・」

 

「それよりもお客様大丈夫ですか?」

 

「死ななきゃ安いですよ」

 

「分かりました。ですが一度治療を受けることをお勧めします」

 

「ご親切にありがとうございます」

 

警備員は立ち上がり女性権利団体を名乗る女性を連れていく

 

「さてハンカチでも巻いて誤魔化しますか」

 

「黒様!!」

 

水着を持った3人が試着室から出てくる

 

「私この・・・その手どうしたんですか!?」

 

「先ほど襲撃を受けまして、その際に受けた傷です」

 

「襲撃ですって!?」

 

「ええ、ですがもう逮捕されたようなものですのでお気になさらず」

 

「黒・・・治療をしなきゃダメ」

 

「そうですわ!!」

 

「では試着室を使いますので覗かないように」

 

黒は試着室に入っていく

 

「黒・・・無茶ばっかりして」

 

「そうですわね」

 

「それにしてもどこの組織の襲撃だったのでしょうか?」

 

「分からない・・・けど黒の事・・・いや男性IS操縦者の事を気に入らない組織?」

 

「ぱっとは思い付きませんわね」

 

「どうなさいましたか?」

 

黒が試着室から出てくる

 

「もう大丈夫?」

 

「ええこの通り」

 

黒が手の平を見せると跡形もなく傷が消えていた

 

「もしかして鐚ですか?」

 

「ええ、あまり使いたくないですが致し方ありません」

 

「なんで・・・使いたくないの?」

 

「あれを使っている間は人間としての何かを失っている気分になるので」

 

「そうなのですか」

 

「・・・暗い話はここまでにして、水着はどうでしたか?」

 

「私はこれにします!!」

 

「わたくしもですわ」

 

「黒・・・グッジョブ」

 

「気に入っていただけたなら幸いです」

 

「黒様は見つかりましたか?」

 

「襲撃されていたので探せていないですね」

 

「なら、わたくし達が探させていただきますわ」

 

「いいのですか?」

 

「元々は黒様と白様に感謝の念を込めての買い物です」

 

「今日は・・・私たちに・・・遠慮はいらない」

 

「そうですか。でしたらお願いします」

 

「今頃、白さんの方もこちらと同じ状況になっているかもしれませんわね」

 

「そうかもしれませんね」

 

「それでは行ってまいります」

 

クロエ、セシリア、簪の3人は黒の水着を探しに行っていた

 

「はぁ・・・こんなにもいい人達に囲まれて幸せですね・・・私の兄弟たちの為にも全力で生きてみせますか」

 

「嬢ちゃん、俺らと遊ばない?」

 

「どっか行ってください!!」

 

黒の後方からナンパと思わしき声が聞こえた為振り向くと赤髪の少女がナンパにあっていた

 

「・・・今日は厄日ですかね?」

 

「いいじゃんかよ~」

 

「だからどっか行ってください!!」

 

「・・・探しましたよ、さて行きましょうかお嬢様」

 

黒は赤髪の少女の腕を掴みナンパ集団から遠ざけようとした

 

「邪魔すんなよ!!」

 

「・・・黙れ、ゴミ屑共が」

 

黒はナンパ集団に殺気を当てて退散させた後に少女の腕を離した

 

「・・・ふぅ。急にこんなことしてすみませんね、お嬢さん」

 

「い、いえ助けていただいてありがとうございます!!」

 

「見ぬふりはできませんでしたので」

 

「テンメェェェェ!!俺の妹のなにしてんじゃぁぁ!!」

 

黒は思いっきり殴られ転がっていく

 

「ぐおぉぉ!!」

 

「悪・即・断、やっぱりこれに限るな」

 

「兄貴!!あの人は私をナンパから助けてくれたんだよ!!」

 

「え・・・マジで!?」

 

「お、おい黒!!大丈夫か!?」

 

黒は転がった後にこっちに向かっていた一夏の近くで止まった

 

「すみませんが手を貸していただけないでしょうか?」

 

「あ、ああ。それよりも何があった?」

 

「あそこの男性に殴られましたね」

 

黒が殴ってきた男性を指差すと一夏は驚愕していた

 

「だ、弾!?それに蘭!?」

 

「い、一夏さん!?」

 

「一夏!?」

 

「あら一夏お知り合いでしたか?」

 

「ああ中学の時の同期、五反田 弾(ごたんだ だん)だよ」

 

「そうでしたか」

 

黒は一夏の手を借り立ち上がる

 

「大丈夫ですか?」

 

「ええ吹き飛んだ以外は大丈夫ですよ」

 

「す、すみませんでした!!」

 

弾は黒に土下座をしてきた

 

「そうですね。あなたのしたことは許されざる行為ですが、これは妹さんを助けるための行為ですので今回は不問としますよ」

 

「いいんですか?」

 

「いいですよ。申し遅れました私は双葉黒と申します」

 

「ありがとうございます!!」

 

「うちの愚兄が申し訳ありませんでした」

 

少女も頭を下げた

 

「頭を下げないでください。悪いのは弾さんの方ですので」

 

「そうですね。そうだ、私は五反田(らん)です」

 

「どうもご丁寧にありがとうございます」

 

「もしかしてですけど男性IS操縦者の双葉黒さんですか?」

 

「ええ」

 

「と、とんでもない人を殴っちまった・・・」

 

「弾、ドンマイ」

 

「一夏!!助けてくれよ!!」

 

「すまんが今日は黒に味方するよ」

 

「ですよねー!!」

 

「もう怒っていませんので大丈夫ですよ」

 

「本当っすか!!」

 

「ええ本当ですので安心してください」

 

「黒さんはね!!」

 

「ぶべらぁ!!」

 

蘭は弾にドロップキックを決める

 

「久しぶりに見た気がする」

 

「見事なドロップキックでしたね」

 

「痛ってえな!!」

 

「黒さんは許したかもしれないけど私は許してないかんね!!」

 

「蘭さん、それにしてもやりすぎですよ」

 

「そうですが・・・」

 

「私がいいと言ったのでそれでいいんですよ」

 

「そうだぜ蘭。黒はこういう人だ」

 

「い、一夏さん」

 

「騒がしいわね」

 

この騒ぎを聞きつけて全員が集まってくる

 

「鈴!?」

 

「弾に蘭じゃない。久しぶりね」

 

「鈴さん!?日本に戻ってきてたんですか!?」

 

「まあね、IS学園に入るためにね」

 

「おや、皆さん集まってどうしましたか?」

 

「一夏が戻ってくるのが遅かったのでな」

 

「黒さんの水着を持ってまいりましたわ」

 

「どうでしょうか?」

 

セシリアが持ってきた水着はブーメランだった

 

「私は・・・反対したよ」

 

「・・・簪さんは何を選びました?」

 

「普通のやつだよ」

 

簪は手に持っていた黒と白のサーフパンツの水着を持ってきていた

 

「簪さんのにします」

 

「「なんでですか(の)!?」」

 

「考えてもみてください。あなたたちは私が水着を選んだ際に恥ずかしい物を選んだら嫌でしょう?」

 

「「あ・・・」」

 

「そういうことです。では会計してまいります」

 

黒は会計しに行く

 

「・・・そういやあんたら誰よ?」

 

「ああ俺の同期とその妹だよ」

 

「初めまして五反田蘭です」

 

「同じく初めまして、五反田弾だ」

 

「そかそか、俺は双葉白っすよ」

 

「黒の弟だぜ」

 

「有名人にどれだけ会うんだか」

 

「そういやこの後どうするよ?」

 

「そろそろ昼食時だね。ファミレスにでも行く?」

 

「それいいな。そいじゃ兄貴が合流次第行きますか」

 

「それじゃあな、弾に蘭」

 

一夏達は立ち去っていった

 

「・・・兄貴、黒さんなんか凄い人だったね」

 

「懐、デカすぎないか?」

 

立ち去った一夏達を遠目から眺める五反田兄妹であった

 

 




今回もお読みいただきありがとうございます

今回も変な展開にしてしまいましたがキチンと締めるつもりです

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