IS 〈インフィニット・ストラトス〉 -造られた双子-   作:ark.knight

104 / 107
第104話

 

 

どもっす、双葉白っすよ

 

兄貴は帰って来たけどまだやらなきゃいけねぇことがあるみてぇでよ、そろそろ全部終いにして楽させてくれねぇかね。兄貴がいなかった時に頑張りすぎて疲れたんだよ

 

黒は朝のSHRで教壇に立たされていた。クラスの全員に心配にさせたためそれを謝る為である

 

「えー、昨日から帰って来たのですがどうもみなさんにいらぬ心配をかけてしまいました。申し訳ございませんでした」

 

黒は土下座し謝るとクラスが騒ぎ出す。再び顔を上げクラスの方を見渡す

 

「これで許してもらえるとは思っていません。ですができるだけ私ができる範囲で皆様に何かお返しをしたいと思っています」

 

「例えばー?」

 

「そうですね・・・何がありますかね?」

 

「で、でー・・・なんでもないです」

 

1人の生徒が何かを言おうとするが3人の生徒(黒ラヴァーズ)に睨まれ縮こまってしまうと本音が立ち上がる

 

「久しぶりにくろぽんの料理が食べたいのだー!!」

 

「私も食べたーい!!」

 

本音の意見をきっかけに賛成の意見が上がる

 

「それでいいのですか?」

 

『いいよー!!』

 

満場一致で賛成となり約束され、黒は立ち上がる

 

「それでは腕によりをかけて作らせていただきます。日時は後日お伝えいたします」

 

「それじゃあ今日の朝のSHRを終わらせますね」

 

黒は自分の席に戻ると真耶が教壇に立ちSHRを終わらせた

 

 

 

時間は過ぎ放課後、黒は私服に着替え束を連れて第1アリーナにあるピットに来ていた

 

「今から始めますがいいですか?」

 

「いいけどちーちゃんとかは呼ばなくていいの?」

 

「織斑先生は呼んでいませんよ」

 

「『は』っていうことはそれ以外は呼んだんだ」

 

ちょうどよく楯無がピットの中に入ってくるなり束がいることに驚いていた

 

「お2人ともお待ちしていました」

 

「黒君は分かりますがどうして篠ノ之博士までいるのよ!?」

 

「束さんは今回の事を終わらせるための協力者ですよ」

 

「そんなことより早く始めちゃってよくー君」

 

束に急かされ黒は新たに造ったIS<ウロボロス>を展開する

 

『けけけ、ようやく俺の出番か・・・吐き出せ?まぁいいぜ』

 

手をかざすと何も無い空間からスーツ姿の女性が1人が現れる

 

「こ、ここはどこだ!?」

 

「やっほーゴミ屑、逃げ場は無いから聞かれた内容だけ答えてね~」

 

「なんだ貴様!!私をここから早く連れ出せ!!」

 

『けけけ、活きが良いな。今すぐ喰ってやろうか』

 

「ひぃぃぃ!!」

 

<ウロボロス>を見て逃げようとする女性は楯無にしがみつく

 

「あ、あなた、その制服はIS学園の生徒なんでしょ!?助けなさいよ!!」

 

「嫌よ、あなたたちがしてきたことの尻拭いをなんで私がしなくちゃいけないのかしら?」

 

『けけけ、そんなに尻振ってみっともねぇな』

 

「さて質問だよ、どうしていっ君・・・織斑一夏や双葉黒、双葉白を殺そうとしたのかな?」

 

「私はしていない!!女性権利団体が勝手にしたことだ!!」

 

楯無はイラつき始めていたがお構いなしに問い詰めていく

 

「でもさー調べたんだけどあそこってIS操縦できる奴1人もいなかったけど?」

 

「そ、それは・・・」

 

「言葉が詰まるってことは肯定とみなすわよ?」

 

『さしづめ寄こせとか言われたんだろ』

 

「そ、そうだ!!脅迫されて仕方なく貸したんだ!!」

 

その言葉に束は青筋を立ててスーツ姿の女性の胸倉をつかむ

 

「お前自分が何を言ったのか分かってるよね?今の言葉しっかりと()()したから」

 

「記録だと?貴様程度に何ができるというのだ?」

 

「お前こそ分かってるの?私はISの開発者篠ノ之束さんだよ」

 

「どうやら黒君の言ってたことは信用に値するわね」

 

「あの死んだ奴がどうしたというのだ!!奴はもういないはずだ!!」

 

スーツ姿の女性はやけになり楯無に当たり始める

 

「あいつは私たちが殺してやった!!あっはっは!!いい気味だよ!!」

 

「篠ノ之博士そいつ貸してください」

 

「ほらよ」

 

束は地面に叩きつけるように楯無に投げる

 

「あなたって本当に馬鹿ね。後は自由にやっていいわよ」

 

そのままISがいた方に蹴り上げる

 

「では自由にやらせていただきます。牙鎌撃」

 

ISを解除した黒の前に踏み潰され骨が折れる音がピット内に響き渡ると黒は踏み潰した女性を見下ろす

 

「あなた方が殺したと思い込んでいた男にここまでいいようにされて今どんな気持ちですか?」

 

「あがっ・・・き、貴様・・・生きていたのか!?」

 

「生きていた?最初からしんでいません・・・よ!!」

 

再び踏みつけると声にならない絶叫が聞こえる

 

「あなた方のせいで!!私が!!どれだけ!!大変な目に!!あったと!!思ってるんですか!!」

 

何度も何度も踏みつけ骨が折れる音や吐血するがそれでも黒は踏みつけ続ける姿を束と楯無は見守ることしかできなかった

 

「あなたが死んでも特に何も変わることのないこの世の中に絶望しながら死んでください。喰って良いですよウロボロス」

 

『その言葉を待っていたぁ!!』

 

黒は血塗れになった女性を持ち上げ外に放り投げるとIS<ウロボロス>を展開し巨大な蛇を出現させ丸呑みにさせた

 

『けけけ、後はどうすんだい?』

 

「もう証拠は十分だから他も喰っていいと思うよ。あ、でもISコアは吐き出してね」

 

『おうよ』

 

再び手をかざすとそこから今までに喰ったと思われるISコアが大量に出てくる

 

「どれだけ内包してたのよ?」

 

『あぁ?人だけなら軽く100は超えてるぜ』

 

黒はISを解除すると床に座り込む

 

「大丈夫くー君?」

 

「大丈夫ですよ、本当にこれでいいんですよね?」

 

「うん、あとはこの束さんに任せてよね!!」

 

束はピットから出ていくと残った二人に沈黙が訪れた

 

「あはは・・・あはははははははははははははははははははは!!」

 

「急にどうしたのよ!?」

 

急に笑い出した黒に驚く楯無だが近寄ってみると黒は涙を流していた

 

「黒・・・君?」

 

「これで全て終わったんですね、これでようやく終わった・・・」

 

「・・・そうね、今現在で分かっている問題は終わったのよ」

 

「これでようやく私が望んでいた生活が・・・でき・・・る」

 

黒は仰向けに倒れると楯無は近づき揺さぶるが全く起きる気配がない

 

「大変よ虚ちゃん!!黒君が倒れたわ!!」

 

「知っています!!」

 

ピットの外で待機していた虚が中に入ってくると2人は黒を近くに置いてあった担架に乗せ医務室に運んで行ったのである

 

 

 

黒が目を覚ますと当たりは暗く月明かりに照らされる中でベッドの上で寝ており、体の方から重さを感じ起き上がるとクロエとセシリア、ラウラが黒に寄り添うような形で寝ていたが何やら泣いたような跡があった

 

「えっと・・・私はどうしてここに・・・」

 

黒は過去を振り返るとスーツ姿の女性を<ウロボロス>に喰わせたあたりで記憶が途切れていた

 

「黒君起きたんですね」

 

黒は小さな声がする方に顔を向けると真耶がいた

 

「どうも山田先生、というよりどうして私がここに?」

 

「えっとですね、どうやら極度の過労とストレスで倒れたそうなんです」

 

「そうですか」

 

「それでなんですけど・・・辛いかもしれませんが1週間は休んでいてください」

 

「わかり・・・それだと修学旅行にいけませんよね?」

 

暗いのであまり真耶の顔が見えないが焦っている様子はうかがえた

 

「すみませんが・・・そうなります」

 

「はぁ・・・ツケがこんなところで回ってきましたか。仕方ありませんね」

 

「しばらくはここで生活することになりますがその間は自主学習となりますので」

 

「了解です」

 

「本当に心配したんですからね?」

 

「すみません」

 

「それではまた明日詳しい話をしますので私はこれで」

 

「ありがとうございます」

 

真耶は静かに部屋を去っていくと黒は再びベッドに横たわり眠るのであった

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。