赤ではなく紅を宿した者   作:星ノ瀬 竜牙

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私「さて、赤ではなく紅を宿した者の最新話執筆するとしますか」

何気なく小説情報を見る。

お気に入り100超え。

評価9、1人 評価8、2人

私「( ゚д゚)ポカーン…」


はい、こうなってましたw

SQLさん、たい焼きさん、全て遠き理想郷さん。評価ありがとうございますm(_ _)m


旧校舎の悪魔
第1話 いつもの日常


一誠side

 

「じゃあ、兄さん、また家で」

 

「おう、じゃあな」

 

いつものように、香織とは校舎前でわかれる。

 

ここは俺達が通う駒王(くおう)学園という高等学校だ

偏差値も高く、入るのにはかなり苦労する。つい最近までは女子高だったので

男は普通の高校より少ない、おかげなのか…俺は腐った思考をお持ちの女性陣に

ネタにされている、ナニの…とは言わないが。

 

もうちょっと自重してくれないかねえ…

 

「きゃー!一誠君よー!!」

 

「横には香織ちゃんも居るわー!!」

 

 

「…………はぁ」

 

「あ、あははは…」

 

女子の黄色い歓声に思わず俺は溜息を吐き、香織は苦笑いする

 

俺は「駒王学園の二大イケメンの1人」とか「皆のお兄さん」なんて言われていて

香織は「皆の妹系アイドル」と言われている。

 

正直言おう、なんでさ…というか皆のお兄さんってなんだよ。

お前ら俺に何を求めてるんだよ…

 

「えーっと…じゃあね兄さん」

 

「……ああ……はぁ」

 

 

まぁ…朝、登校すると大抵こんな感じだ

 

そして、教室に入ると…

 

「「死ね!イッセー!!」」

 

いつものように、親友(馬鹿)二人のラリアットを首を低くして避けて…

 

「「へぶっ!?」」

 

ラリアットをお返しする。ここもいつも通りだ。

 

「はぁ…お前ら懲りねぇな…何?マゾなの?」

 

溜息を吐きながら俺は二人に聞く、

ちなみにだが眼鏡をかけているのが元浜、丸坊主なのが松田だ。

小学校からの長い付き合いだ

 

「黙れイッセー!我らが皆の妹系アイドルの香織ちゃんを独り占めにしやがって!!」

 

「そうだぞ!!イッセー!俺に妹をください!!」

 

「おう、松田、俺じゃなくてそういうのは香織に言え、

アイツが勝手に俺の横に引っ付いてくるだけだから。

 

それと元浜、お前さりげなく妹くださいって言ってんじゃねぇよ。

妹はお前らみたいな変態には渡さねぇ、

日頃の行いを改めるなら考えてやっても良いけど

お前ら絶対覗きとかやめないだろ。そろそろ自重しろ

 

お前ら将来牢屋に入っても知らないぞ」

 

「「イケメンに俺達の気持ちがわかるか!!

お前は俺達がばら撒いた腐ネタの餌食になっとけば……あ」」

 

さりげなく馬鹿二人が言ってきたので

…少々お灸を添えてやるとしよう…。

 

「そうか…貴様らがアレの元凶だったか…HAHAHAHA…覚悟はできているな…?」

 

「ちょ、イッセー落ち着いてくれ!?俺が悪かったから!!」

 

「頼む、だから私刑だけは…!?」

 

「問答無用。いくぞ馬鹿ども…説教される覚悟は充分か」

 

「「ギャーーーーーーー!?」」

 

 

今日は少しだけいつもと違った光景だったな。

 

ん?顔にケチャップが付いてるって?安心しろ。これは返り血だ

 

 

 

その後はいつものように授業を受けて放課後になった。

 

 

 

「えーっと一誠君は居るかな?」

 

「き、木場君!?どうしてこのクラスに!?」

 

「えーっとね…一誠君と今日手合わせをする予定だったんだ」

 

そんな会話が聞こえてくる。ちょっと遅いぜ、木場。

 

「遅かったな、木場なんかあったか?」

 

「うん、ちょっと部長と話しててね」

 

「あー…オカ研絡みか、なら仕方ないか」

 

こいつは木場 祐斗(きば ゆうと)。時々剣の手合わせをしている。

俺と木場で「二大イケメン」らしい。

ちなみにだがいつもは俺が道場で待っているので、

剣道部の人しか俺達が手合わせをしているのを知らない為か

噂が1人歩きして、結構腐ネタが…本当に勘弁して欲しい…

 

その辺をしっかりとする為にわざと木場に迎えに来てもらったのだ。

 

木場はちなみにオカルト研究部という部活に入っているそうだ。

 

そのオカルト研究部とは学園の有名人が集まる部活だ。

三年生には「二大お姉さま」でお馴染みリアス・グレモリー先輩と

姫島 朱乃(ひめじま あけの)先輩が

 

一年生には「皆のマスコット」でお馴染みの

搭城 小猫(とうじょう こねこ)ちゃんが居る。

 

小猫ちゃんは妹の香織と仲が良く、家に遊び来る。

そういえば何故か小猫ちゃんが来るときだけクロが居ないのは偶然なのだろうか…

 

最近香織もオカルト研究部に入ったらしい、

近いうちにリアス先輩に差し入れでも持って行くか…

 

「じゃあ行くか?道場に」

 

「うん、そうしようか」

 

 

 

 

香織side

 

教室でオカルト研究部に行く準備をしていると

とある会話が聞こえてきた

 

「ねぇ聞いた?木場君と一誠君が剣道部の道場を借りて

手合わせをするんだって!」

 

「え!?そうなの!?じゃあ見に行こうよ!」

 

「賛成!」

 

 

え?木場さんと兄さんが手合わせ?…え?

 

「小猫ちゃんは知ってた?」

 

「はい、一応ですけど」

 

前の席に座っている小柄な白い髪の少女、私の友達である

塔城小猫に話し掛ける。どうやら彼女は知っていたらしい…

私がオカ研に入ったのはつい最近の事だ。わざと目立つように動いて

赤龍帝である事を教えて、リアス先輩に眷属にしてもらったのだ。

 

兄さんが赤龍帝でないならせめて…というほぼ償いのような理由で入ったのだが…

 

「祐斗先輩はよく言っていました、

自分があそこまで本気になれる相手は一誠先輩だけだと。

悪魔の力を一度使ってしまった事があったけど、その時も適格に対処してたからね。

とも言ってました。リアス部長もぜひ、眷属にしたい。なんて言ってましたよ」

 

「そう…なんだ…」

 

どうやらオカ研で知らないのは私だけみたいだ

 

「小猫ちゃん。私達も行ってみる?」

 

「話でしか聞いた事がなかったので私も一誠先輩がどんなものなのか見てみたいです」

 

「じゃあ決まりだね」

 

小猫ちゃんも行きたいようなので、私も行くとしよう。

 

 

一誠side

 

今、道場に居るのだが、なんともまぁ…よくこんなに集まったものだ。

ワイワイガヤガヤといろんな人が集まっていた。

 

中には見知った顔が居た。てか香織。お前も居るのな。

 

オカルト研究部に生徒会に関しては全員いるし…

 

「…多いな観客」

 

「あはは…そうだね」

 

「これ以上腐ネタを大きくしない為だったんだけどなあ…」

 

「あははは…ごめん、僕が部長に話したからかも」

 

「あー…二大お姉さまが来るんだったらそりゃ皆来るわな…」

 

思わず苦笑する。

 

「っとま、茶番はこのぐらいにして…木場、そろそろやろうか」

 

俺は竹刀を握り直し、木場にそう言う

すると木場も竹刀を握り、構えて

 

「そうだね…これ以上皆を待たせる訳にもいかないだろうし」

 

「だな…」

 

 

俺も竹刀を構えながら返事をする。

俺も木場も剣道と言うよりは剣術の類の戦い方だ。

 

なので時々出鱈目な動きをする事があるのだが

その動きに竹刀が着いて来れず、二、三回だが竹刀を壊してしまった事がある。

 

それ以来、俺も木場も自重はしていたのだが…こんなに観客が居るとなると…

木場はおそらく本気で来る…なら…俺も…

 

 

 

俺は目を閉じ、金髪でアホ毛が特徴的な女性騎士の姿を思い浮かべる。

俺の持つ誰かの記憶の中にいる人物だ。

 

俺の持つ記憶の人物はこの騎士に剣を教わっていたらしい。

この女性の姿だけは記憶が薄れていくなかでもしっかりと記憶していたようだ。

 

乙女か。お前は。なんて何処かの誰かにツッコミをする。

 

「………」

 

静かに目を開け、木場を真っすぐ見据える

 

「ッ…」

 

俺の纏う雰囲気が変わったのに気付いたのか、竹刀をもう一度構え直す…

 

 

 

 

……………………………………………………………………………

………………………………………………………………………………

…………………………………………………………………………………。

 

 

 

 

長い沈黙が続く、周りの観客も息を呑み静かに俺達を見る。

 

「あ…」

 

そして少女の声が聞こえた。

その少女が髪飾りを地面に落とす。

 

 

三人称side

 

カチャン――という音が発したその刹那――

 

「疾ッ――!」

 

「ッ――!!」

 

 

兵藤一誠と木場祐斗の姿が観客の前から消えた。

 

「え?」

 

誰かがそんな風に声を漏らす。

 

 

その瞬間――

 

バチーンッ!!という竹刀がぶつかる音が聞こえた、

その音の発生した場所には兵藤一誠と木場祐斗が居た。

 

さっきの一瞬で二人は間合いを詰めたのだ。

僅か二秒足らずで道場の中心部分にたどり着き…つばぜり合いが起きていたのだ

 

殆どの者が理解できていない中、オカルト研究部の部員、

そして生徒会の者達だけは確実に二人の動きを目で捉えていた(・・・・・・・)

 

そして直ぐに二人は距離を取る。

 

「驚いた…確実に今ので一本取るつもりだったのだが…」

 

少し一誠は口調を替え、挑発気味に笑う。

 

「お互い様だね、僕も今ので取るつもりだった」

 

木場も少し挑発気味に笑いながら、一誠を見る。

 

「…なるほど…君の師匠は凄いのだな。木場。少なくとも…

今のオレ(・・・・)では勝てなさそうだ」

 

少し引っ掛かりを覚えるような言い方で一誠は笑う

 

「それは…いずれ僕の師に勝てる。と言いたいのかな?」

 

目を細めて木場は笑う。笑ってはいるが、目は笑っていなかった。

少なくとも、それは木場にとって挑発ともとれる一言だったのだ。

 

「さて?それはどうだろうか?…だが…気分を悪くさせたなら素直に謝ろう。

すまなかった…」

 

「会話はここまでにしよう、一誠君。

剣士なら…その竹刀がちゃんと語ってくれるだろう?」

 

「それもそうだな。だが少なくとも…

オレは剣より弓の方が得意と思っているのだがね」

 

木場は竹刀を持ち直し、一誠は肩を竦め苦笑しながらそう言う。

 

そして二人はもう一度間合いを詰め

竹刀を交える

 

「ハッ―――!!」

 

「セイッ――!」

 

またしてもバチン!という音が道場に響く。

 

そして間合いを取り、また竹刀を交える。

交える。間合いを取って、また交える。

 

それが幾度か続き…

 

 

「…一誠君」

 

「なんだ…木場?」

 

木場は呼吸を整えながら一誠に話し掛ける

 

「まだ…本気を出してないだろう?」

 

木場はそう言い笑う

 

「何時からだ?」

 

一誠は少し驚き木場に聞く

 

「うーん…さっきかな?…だって一誠君竹刀の持ち手をさっきから結構替えてるよね?

だからもしかして双剣とかを使うのが得意なのかなぁ…って思ったんだよ」

 

「…君の観察眼は凄いな…そこまでわかるのか…

ああ確かに、オレはまだ本気じゃないな。

オレは確かによく使うのは双剣だ」

 

一誠は肩を竦め、竹刀を左手から右手に持ち替える

 

「はぁ!?今までので本気じゃねぇのかよ!?」

 

誰かが驚いた。

今まで、もう人の域を超えている動きを散々魅せられたというのに

未だに一誠は本気でない。と言うのだから無理もないだろう

 

「じゃあさ、一誠君。本気で来てくれるかな?」

 

一誠は驚き、目を丸くして木場を見る

木場は一誠をじっと見つめる

 

「…はぁ…わかった…悪い、片瀬、もう一本竹刀貰えるか?」

 

「あ、うん」

 

先に負けたのは一誠だった。

 

片瀬と呼ばれた白いヘアバンドをつけたおかっぱの少女は

一誠に竹刀を渡す。

 

「すまん、なんか今度お礼するよ」

 

「いいよ気にしないで、いつも一誠君にはあの二人を止めてもらってるし…」

 

片瀬はチラッと例の二人を見てそう言う

 

「あー…すまん…もっとガツンって言ってやるべきだよな…本当にすまん」

 

一誠は少し気まずそうに片瀬に謝罪する。

 

「あ、じゃあ…今度買い物着いて来てくれる?」

 

「…その位ならお安い御用さ」

 

何気ない会話をしてから、片瀬は他の剣道部員達のところに戻る

 

 

 

一誠side

 

「さて……」

 

正直、自分でもだいぶ驚いている。

確かに昔から俺は結構身体を鍛えていたし、

双剣自体は公園にあった木の棒を使って家の庭で練習していた。

 

勿論、それは俺の記憶にあるあの男の真似でしかないし、

俺自身、あの男と同じくそんなに才能もない筈だ。

だからこそ、木場と今、互角で戦えていた事には驚くしかなかった

 

俺はもう一度目を閉じる。今度はあの騎士の少女ではなく…

俺の夢に出てくる…あの白髪に褐色の肌。そして紅い外套に身を包む男の姿を

 

あの荒野が見えた――

 

あの言葉(呪い)が聞こえた――

 

聞こえるならば、充分だ。俺は…憧れた正義の味方()になれる―――

 

 

 

「……ふう…相変わらず…慣れないことはするもんじゃないか」

 

「…!」

 

木場もオレが纏う雰囲気が変わったのに気が付いたのか

嬉しそうに微笑み、竹刀を持つ。

 

「……行くぞ…木場。体力の温存は充分か―――!」

 

「それは君にも言えるよね――!」

 

 

三人称side

 

また竹刀が交わる。

 

交わる。交わる。

 

 

 

「――ッ!」

 

互角だった。

 

いや、少しずつ木場が有利になっていた。

 

 

そして一瞬、一誠が攻撃の手を緩めた、

 

「……!(今だッ――!)」

 

その瞬間、木場はその隙を突き一誠に一撃を与えようとする――

がそこで、気付いた

 

「!?(笑ってる!?)」

 

そう、一誠は笑っていた。

 

まるで罠に獲物が引っ掛かった時のような笑みを浮かべていたのだ

 

木場は感づいた

 

「ッ!?(まさか…誘い!?)」

 

木場は慌てて回避しようとする、だが遅い。

既に一誠は次の一撃を放つ直前だった

 

そして…

 

「俺の勝ちだな…木場」

 

一誠は木場の胸の前で右手に持っていた竹刀を止めた

 

「あぁ…完敗だよ一誠君」

 

そう言い、木場は座り込んだ

 

そして…

 

ワアアアアアアアア!!

 

と、周りで見ていた者達から歓声が上がる

 

一誠は右手の竹刀を地面に置いた後、座り込んだ木場にその手を差し伸べる

 

「立てるか?」

 

「あ、ありがとう」

 

少し恥ずかしそうにしながら木場は一誠の手を取る

 

「?(細いな…剣を取っている男性とは思えない…まさか女性か…?)」

 

一誠は木場の手を取った時、少し違和感を感じたのか、ギュッと握る。

そして確証はないが一つの答えにたどり着く。

 

「えっと…一誠君?」

 

頬を少し赤らめながら木場が一誠に話し掛ける

 

「…(かまをかけてみるか)」

 

一誠は木場の耳元に顔を近づけ

 

「性別を偽るなら…もうちょっと言動を替えてみるのをオススメするよ」

 

と言った。

 

「っ!?…気付いてたの?」

 

木場は驚き、一誠に聞く

 

「いや?かまをかけただけだが…当たっていたのか」

 

一誠は違うと言い。悪戯が成功したときのような笑みを浮かべた

 

「そっか…油断したなぁ…悔しいや。今までギリギリとはいえ勝ってた分余計にね…」

 

「ははっ、そうか。俺はスッキリしたけどな!」

 

「性格悪いなぁ…一誠君。でも次は負けないよ」

 

「抜かせ、次も俺が勝つさ」

 

一誠と木場は瞳を交える。

 

その瞳は「次は…自分が勝つ」と語っていた。

 

 

 

香織side

 

正直信じられなかった…兄さんは確かに原作では主人公だ。

けど、それこそ原作が始まる前はただの一般人だ。

 

それはこちらでも言える話だ。確かに兄さんは常人より大人びてはいた。

けど、それだけだったし、こんな人の域を超えた動きはした事がなかった。

 

小さい頃、大人びていた性格だった兄さんに疑問を持ち、

一度 転生者なのか。と聞いた事があった。でも兄さんは

 

首を傾げて「転生者ってなんだ?」って聞いてきて、

おかげで二次創作の小説の説明をするハメになった。

 

今思うと、本当に余計な事言ったかもしれない。

 

でも…今思うと兄さんはかなり朝早くから起きている事が普通だった。

 

もしかすると、時々、身体を鍛えていたのかもしれない。

 

それにしても…あの動きはおかしいし…木場さんは騎士の力を使っていた筈だ。

それに追いつけること自体もおかしい…それにあの動きは…

 

私が知っているとあるゲーム作品のキャラの動きそのものだった。

 

…いや…有り得ない…転生者でもない兄さんが…

それに憑依しているなら少しは転生というワードに反応する筈だ

 

兄さんは反応すらしなかった…まさか…あのキャラの記憶を宿している…?

 

…木場さんと話している時の喋り方はまさにあのキャラそのまんまだった。

 

一誠の中の人をあのキャラの声の人に替えれば完全に一致するだろう。

 

…いや…まさか…ね…。

 

「香――ん、―織さん、香織さん!」

 

「わ!?な、なに!?どうしたの小猫ちゃん!?」

 

「いえ…難しそうな顔をしていたのでどうしたのかな。と

それより…一誠先輩って何者なんですか…祐斗先輩と互角に戦えるなんて…」

 

「私も聞きたいよ…でも兄さんの事だし…多分言ってくれないんだろうなぁ…」

 

今から少し憂鬱だ、おそらくリアス先輩が兄さんの事根掘り葉掘り聞いてくるだろう…

はぁ…家に帰りたい…クロで癒されたい…

 

リアスside

 

彼はいったい何者なのだろうか。私が最初に思ったのはそうだった。

 

祐斗…いえ由奈(ゆうな)相手に互角に戦えるなんて…

 

香織に聞けば、普通の家庭で…自分が赤龍帝の籠手に目覚めただけ。と言っていた

 

香織は嘘を言っていないだろうし、本当の事なのだろう。

 

だが、だとすると彼のあの異常性はどう説明すれば良いのかわからない。

 

 

戦い方は凄く異常だったように思えた。高校生という身でありながら…

自分をあえて危険な状況に追い込む事で不意を突くような事をしていたのだ

 

模擬戦とはいえ由奈から一本取ったあの一瞬…実戦であの戦い方をすれば…

一歩間違えるだけで自分が死ぬ可能性がある。それを容易く行ったのだ。

 

彼を眷属にしてみたいものだ…勿論、本人の了承は得る。

問答無用で眷属に。だなんて愚か者がする事なのだから

 

「兵藤一誠か…フフフ…面白い子ね…」

 

私は彼に興味を持った。いや彼が欲しいのだろう。なんとも悪魔的なものだ…

いや、実際に悪魔なのだからおかしな話ではないのだろう。

 

少し…アプローチしてみるかしら…

 

 

 

祐斗…ではなく由奈side

 

 

 

最初の頃は道場で座禅を組んでいたり、

時々竹刀を握っている彼の姿を私は遠くから見ていただけだった。

 

普通に剣道部や弓道部の手伝いをしているだけの一般人だと思っていた。

一般人にしてはやけにスペックは高いし…

私と二人で二大イケメンなんて言われているが…

 

私が彼に話し掛けたのは凄く単純でもあるのだろう。

 

ただ、魅せられたのだ。彼の剣術に。

 

魅せられたのは私の師に続いて二人目だった

 

 

その剣術が気になって私は話し掛けたのだ。兵藤一誠…彼に

 

彼曰く、あの剣術は「単純な真似事」らしい

「夢で見たとある騎士の動きを自分なりに真似ただけ」らしい

 

それだけで充分凄いと私は思う。

 

そこからだったのだろう。彼との付き合いは。

 

今では普通に剣術を競う仲である。

 

竹刀を私も彼も一度壊してしまった事がある。

それ以来本当に一誠君は自重してたのだろう。

 

 

それで今日初めて気付いたのだ、彼が双剣の方が扱い慣れている事を

我ながら恥ずかしい話だ。1年間付き合いがあったのに気付いたのは今日なのだから

 

それに…あの戦い方…少し危ういとも感じた。同じ剣を使う者として。

あんな…一歩間違えれば死ぬかもしれないような誘い…少し怖いとも感じた

 

死ぬ事すらおかしな話じゃない。そんな風に取れた

 

そして…一度だけだが剣を、竹刀を交えた時。剣の丘が彼の後ろに見えたのだ

もし…あれが気のせいじゃないならば…とても悲しいと思う…

あんな地獄が彼の世界ならば…幻想であった方が良いんじゃないかと…そう思う

 

そして意外だったのが、性別を偽っている事に気付かれた事だ。

本人はかまをかけただけのようだが…

確かに考えればちょこちょこ女性っぽい行動や言動だった記憶がある。

 

それに一誠君が手を取った時、ギュッと握ってきていた。

やはり疑問に思ったのだろう。

男ならば、剣を握っていればそれなりに腕や手に筋肉はしっかりつくからだろう

 

師匠は女性だったが…師匠の知り合いの男性はもっとしっかり筋肉がついていたらしい

 

一誠君も見た感じだがガッチリしている。

体系は女性が求める理想の体型。といったところだろう。

 

オールバックにしている髪と良い感じに噛み合っている

 

 

いけない、途中から一誠君の容姿の話に脱線してしまった。

 

それにしても一誠君は自覚があるのだろうか…

顔も良し、体型も良し、性格も良し。と女性が求める

理想の男性そのものだという事に。

 

恥ずかしい話だが…私は彼に徐々に惹かれて行った。

 

最初は普通に友達で居ようと思ったのだが…彼が不意に見せる爽やかな笑顔とか

親切な部分を見て…惚れるな。という方がおかしいと思うようになってきた。

 

でも時々見せる、少し悲しそうな笑顔は気になった。

やはり…一誠君もなにか抱えているのだろうか…

 

「はぁ…強かったなぁ…一誠君」

 

私も恋をするようになる位心にある程度余裕ができたのだろう…

でも、まだ駄目だ。私にはやらなきゃいけない目的がある…

 

だから…それが終わったら…彼に…一誠君に恋をしても良いよね…?神様…?

 

…頭が痛い…祈るんじゃなかった…

 

 

 

一誠side

 

 

やっぱり今日は少しおかしいような気がする。

 

確かに彼の真似事をしたが…あまりにも上手く出来過ぎている。

それこそ頭ではなく…身体が覚えているような…

いや正確には身体に染み付いている。だろうか

 

まるで、自分がやっていたかのようにあっさりと出来てしまったのだ

 

「怖いな…」

 

俺は空を見上げながらそう呟く

 

まるで自分が自分でないようなこの感覚がとても怖かった。

 

思わず自問してしまう。俺は何者なんだ。何故こんな事ができるんだ。と

 

やはり…彼の記憶が関連しているのだろうか。

 

■■■(名の分からない) ■■■(正義の味方)の記憶が。

 

 

あー…難しい事はやめだやめ、俺は兵藤一誠(オレ)だし

正義の味方(他の誰か)じゃない。

憧れはするし、なってみたいとも思いはするが。彼そのものになる気は到底ない。

 

自分の大切なモノを犠牲にしてまで他の大勢を救うなんて…きっとできる事じゃない

 

記憶に関しては…ゆっくり調べれば良い話だ。

 

 

 

 

ちなみにだが、鍛えているとはいえ無茶な動きをしたからなのか

全身が筋肉痛になり次の日とそのまた次の日に

辛い思いをする事になったのはどうでも良い余談だろう。




はい、という訳で木場きゅんは木場ちゃんでした
ちなみに木場ちゃんの師匠の沖田は沖田さんです。Fateの(真顔)

ΩΩΩ<ナ、ナンダッテー!?

今回もだいぶおかしな点があると思います。


塾の夏期講習と学校+夏の課題で疲れてるのに小説書くもんじゃないね!!(涙)


休みをください(切実)


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