赤ではなく紅を宿した者   作:星ノ瀬 竜牙

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なんとなく思い付いた小説です

正直見切り発進ですので何処までやるかとか決めてません…


プロローグ

一誠side

 

 

夢を見た

 

荒野に立つ…1人の男の夢を見た

 

黄昏の空が分厚い雲に覆われていて

 

大小様々な錆びた歯車が無数に浮かんでいる

 

生命の存在など許さないかのような地面には無限の剣群が突き立っている

 

そんな悲しい世界の中心には白髪の赤い…紅い外套を纏った男が居た。

 

 

俺はこの世界を知っている。

 

何度も夢で見たからだろうか…いや…それは違う

 

俺はこの夢を初めて見たとき…最初に感じたのは既知感だった。

 

この悲しき世界をオレ(・・)は知っている。俺はこの世界に立つ男の結末すらも知っている。

 

この男は…正義の味方であろうとしたんだ…そして…その結末は―――

 

 

――I am the bone of my sword.(体は剣で出来ている)

 

悲惨だった――

 

――Steel is my body, and fire is my blood.(血潮は鉄で、心は硝子)――

 

余りにもその男が報われない結末だった――

 

――I have created over a thousand blades.(幾たびの戦場を越えて不敗)――

 

何故、誰も彼を理解しようとしないのだろう――

 

――Unknown to Death.(ただの一度も敗走はなく)――

 

何故、彼はこの結末を受け入れたのだろう――

 

――Nor known to Life.(ただの一度も理解されない)――

 

誰よりも他人を救ってきたアイツ(・・・)が――

 

――Have withstood pain to create many weapons.(彼の者は常に独り剣の丘で勝利に酔う)――

 

幸せになれない…救われないなんて間違っている――

 

――Yet, those hands will never hold anything.(故に、その生涯に意味はなく)――

 

俺はこの夢を見るといつもそんな風に思っていた…

 

――So as I pray,UNLIMITED BLADE WORKS.(その体は、きっと剣で出来ていた)――

 

その背中はとても悲しそうに見えた。泣きたい自分を抑え込んで苦しそうに見えた

でも俺は…それと同時に…偽物の感情を貫き通して...本物にした。

その姿はとても…美しく、かっこよく見えたんだ。

 

 

そしていつも…この夢は男の体の至るところから剣が生えるところで…暗転する。

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ッ!?

 

……はぁ…はぁ……また…この夢か…ここ最近毎日だ…幼い頃は年に数回程度だったんだぞ…

俺の体は大丈夫なのかよ…」

 

いつものようにあの夢を見て嫌な汗が身体中から出ていた

外を何気なく見てみると空は明るくなり始めていた

 

「もう朝か…」

 

目覚まし用のデジタル時計をふと、見る。

5:30としっかり書かれていた。

 

「ふぅ…制服に着替えて朝飯を作るか…まだアイツは寝てるだろうし

クロも…って…また俺の布団の上で蹲って寝てたのかよ…」

 

チラッと視界に入った俺の布団の上でぐっすり寝ている黒猫を見て

苦笑いをしながら俺は呟く。

 

コイツは大怪我を負っていて…俺がまだ小学生だった頃に拾ってきた猫だ

あの当時は本当に焦った。ここまで大きな怪我を猫が負う事なんて滅多にないからだ。

 

家に連れてきて応急手当をして、すぐに目を覚ましたんだが…その時は凄く警戒されていたな。

無理もないとは思う。あんなに大きな怪我を負っているなら仕方がないとも思えてしまった。

 

あんな大怪我を負うなんて飼い主が虐待でもしない限り有り得ないと思うからな…

 

 

今では凄く懐いてくれている…が何せ雌猫である。俺に発情しているみたいで

懐かれ始めた当初は苦労したものだ。今では慣れっこだが…

 

 

と、思い出話を語ってる時間は余りないな。

 

 

 

俺は制服に着替え、自室を出て

 

朝飯と弁当の準備をする為に一階に降りる。

 

 

作る料理は味噌汁と……無難に焼き魚で良いか。鮭の。

 

後、弁当は唐揚げと玉子焼きに…白ご飯とほうれん草の炒め物で良いか。

 

 

 

 

 

1時間程経過―

 

 

 

 

 

 

「っと、完成か…さて香織を起こして来るか」

 

俺はいつものようにエプロンを自分の椅子に掛けて、

料理を机に並べる、そして弁当を玄関前に置き、二階に上がり妹の香織の部屋に入る。

 

 

「おい、起きろ香織。そろそろ朝だぞ」

 

「…ぅうん…一兄…後…五分…」

 

「それ…一時間以上寝過ごして寝坊するタイプの台詞だから…起きろって朝飯できてるぞ」

 

 

妹の体を揺さぶり起こそうとするがなかなか目を開けない…というか一兄って久しぶりに聞いたなオイ

 

はぁ…こうなったら

 

「香織…後十秒以内に起きろよ?…起きないと………」

 

「…ッ」

 

そこまでいうと香織がゴクリと喉を鳴らした…やっぱり起きてんじゃねぇか…

 

「どうなるだろうな?…俺としてはこれから作る

ご飯の量を減らしてやってm「兄さんおはよう!!」…おはよう…はぁ…朝飯できてるからな…」

 

香織は俺の言葉を遮ってガバッという音が聞こえそうな程の勢いで起きた。

…コイツ本当に食いしん坊だな…本当に太らないのが不思議でならん。

 

…コイツの場合…栄養が全部そっちに行ってるのかね…?

 

チラッと香織の胸を見て俺はそんな邪な考えをする。

 

「…何?なんか私の顔に付いてる?」

 

不思議そうに俺の顔を首を傾げながら香織は見つめてくる

 

「いんや?俺はクロを起こして来るから。さっさと着替えて先に朝飯食っとけよ」

 

「はーい。それとまたクロちゃん、布団の上に居たんだね…(良いなぁ)…」

 

「まぁな…アイツの発情っぷりとかどうにかなんねぇのかねぇ…」

 

そう呟きながら俺は香織の部屋を出る。

 

 

 

 

香織side

 

私は兵藤 香織(ひょうどう かおり)

 

所謂「転生者」というやつだ。別に厨二を拗らせたとかじゃない。

 

よくある神様転生というモノでこのハイスクールD×Dの世界に転生したのだ。

 

ちなみにだが私自身は停止教室。所謂三大勢力が和平を結んだところまでしか読んだ事がない

 

転生時驚いた…いや信じられないと思った事が二つある。一つは兵藤の性。

最初はよくある苗字が一緒なだけと思っていたのだが…兄に原作主人公である

兵藤 一誠(ひょうどう いっせい)が居たので間違いなく原作主人公の妹として生まれたのだろう

 

そしてもう一つは…

 

『しかし信じられんな…兄が持つ筈だった魔力の大半をお前が掻っ攫ってしまうとはな

まぁ、そのおかげでお前は歴代でもトップに入る才能を持っている訳だ。

それに、愛する兄を裏に関わらせないで済むしな』

 

(ドライグ!うるさい!!…いくら貴方でもそういうことを言うのはゆ、ゆ、許さないからね!!)

 

『やれやれ…お前の兄はこのブラザーコンプレックスぶりを知ればどうなることやら…』

 

そう…何故か本来兄に宿る筈だったドライグ…「赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)」が私に宿っている事だ。

 

正直に言おう。私は怖い。兄の歩む道を消してしまったかもしれない事…

そして兵藤 一誠だからこそ救えた存在が居る。その人たちは…きっと私じゃ救えない

いくら歴代で強い部類に私が入れたとしても…兄のように最高の赤龍帝にはなれない。

 

それに…何よりも自分というイレギュラーが居る事で原作では居ない筈の存在すら

現れる可能性があるからだ。…確かに大好きな兄が死ぬ事がなくなるかもしれない。

でも…私はできるならば兄に「赤龍帝の籠手」が宿ったままであった方がよかった。

 

この事を兄が知れば私を恨むだろうか。……暗い雰囲気になってしまった。

 

でも兄は少し厳しいところもあるが優しい人だ。

だからこそ私も安心できる。

 

 

ちなみにだが中学生時代の兄のあだ名は「皆のオカン」「二大変態のストッパー」

「超が付くほどのお人好し」「鈍感フラグ建築士」等…

 

ここまで言えばわかるだろうが兄は本来の兵藤 一誠とは違い変態じゃない。

しかもお人好しなのでそれはそれは女性からモテていた。

挙げ句の果てには女性の先生にすらフラグを建てる始末だ。

 

本人は全くといって良い程気付かないからこそ余計に質が悪い…

 

 

っと、兄さんも待ってるしそろそろ降りないと…

 

 

 

 

…この時の私はまだ知らなかったのだろうだけど少なくともそう遠くないうちに知る事になる。

私だけでなく兄も…裏に巻き込まれていく事、そして兄が…■■■ ■■■(正義の味方)の記憶を持っているという事を…




結構ゴリ押し感が凄いので後で手直しするかもしれません。

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