引っ越しとか色々で遅くなりました、すいません。
評価とかお気に入り登録とかしていただいた方には毎度のことながら感謝を。
これからもよろしくお願いします!
次の日、俺は少し欲しいものがあって
「もしもし平賀さーん、いるかー?」
「んー?その声は明智君なのだー!大口顧客さまいらっしゃいなのだー!ちょっと待つのだ!」
無邪気そうな声と共に工房からひょっこり顔を出した平賀さんに手を挙げて応じる。にしてもちっちゃいなこいつ。寝る時間足りてないんじゃないのか?
っていうか出てきたと思ったら平賀さんは工房に引っ込み何かを取りに行った。何にも今は預けてないはずなんだけど。
すぐ戻ってきた平賀さんは小皿を一枚持ってきていて、その上には…シュークリームが乗っている。
「御茶請けなのだ。どうぞなのだ」
「さんきゅ」
今まで御茶請けなんて出てきたっけ?っていうかお茶ねぇし。
とりあえず食うか。いただきま……!?
「かっっっっら!つーか痛ぇ、何これ!?」
「シュークリームのクリームの中にブートジョロキアを混ぜてみたのだ!人間の嗅覚ならまずバレないのだ!」
「いやマジで洒落にならないよこれ……痛え」
「むふふ、激辛シュークリーム作戦大成功なのだ!」
「お・ま・え・な・ぁ!!」
とりあえず平賀さんはグリグリしておこう。
「……本題に入るぞ、いいな?」
「ぅうう〜明智君にグリグリされたのだ…」
(多少不安な部分はあるが)作るモノは一級品な彼女に俺は二つ折りにしたメモ帳を渡した。
「んー?これはなんなのだ?」
「次の任務で必要になりそうなもので俺が平賀さんに用意して欲しいモノのリスト。特にこれとこれは必須だ。そんで後者は多分平賀さんの創造意欲を掻き立てるんじゃないか?」
そう言うと平賀さんはついでに取ってきたらしいイチゴミルクをストローで吸いながら考え始めた。
軽く2.3分ほど何かを呟きながら考えていた平賀さんはうんうん唸りながら話し始めた。
「ふむふむ……かなり大変な作業になりそうなのだ。明智君もわかってるかもだけどこれは結構デリケートな物質なのだ。いつまでに納品すれば良いのだ?」
「そうだな…12月22日までに完成品を納品してくれ。24から仕事だからな。……と言うか平賀さんこれ取り扱う免許持ってるよね…?」
「そこは心配ないのだ!ちゃんと持ってるのだ!理子ちゃんの依頼もあるけど22日までなら全然間に合うのだ!」
そう言ってえっへんする平賀さん。知らない人が見れば大人ぶってる小学生に見えてもおかしくないよね、これ。
というか理子もなんか頼んでるのか。定期的にワルサーに
「それで報酬だけど…紙の裏側に書いてある金額プラス出来高。出来高は俺の任務での使用感に応じて、ことと場合によっては減額査定もあるぞ」
「十分ですのだー!毎度ありなのだー!」
「よっしゃ、しっかり頼むよ?命が掛かってるからな?」
一応そうは言ってはおくものの、たまーにデキの悪い奴作ってくるんだよな。そんな時はバシバシ減額していけば良いんだけどな。キンジなんかはそこら辺の駆け引き下手くそだったな。
平賀さんとの取引を終え、とりあえず一息つく。
このあとどうすっかな、これから授業出るのも億劫だしなぁ…。というか授業になってないしなアレは…。睡眠率90%、起きてるのは俺と白雪くらいなもんだ。平賀さんみたいにサボりで出てない奴までいるし。
…まぁ今日は俺もそうなわけだが、ほぼ確実に平賀さんが空いてる時間となると
まず、
……ってあぁ。今更だけどクリスマスとダダ被りしちゃうな。本音を言うならレキと一緒に過ごしたかったな。
いつだったかあのピンクいのが『良い?零司もわかってるとは思うけど事件は武偵を待ってはくれないのよ』って言ってたのを実感してしまうな、懐かしい。
何もしないのは流石に問題があるからせめてプレゼントくらいは渡そう。じゃあそのプレゼントを見繕いもしなきゃいけない。
んでもって相手はあの当時最高峰の探偵、シャーロック・ホームズだから対策はしてもしきれないと来た。
そう考えるとやること多いな。
まぁ、とりあえず今一番最初に、即刻すべきことは1つ。
「コーヒーミルク、買おう」
ずっと気にしないようにしてたけど限界です。ブートジョロキア入りシュークリーム、恐ろしい。
「あっした〜」
やる気の感じられない店員の挨拶に見送られつつ、俺は買ったコーヒーミルクにストローを差し込んで飲み始めた。
事実、行儀は悪いが口をゆすぐように飲むと若干辛いのが緩和された感じがする。
唇はまだヒリヒリするから完全に戻ったわけじゃないが
平賀さんの装備開発能力は本物だ……し?ん?
ボケーッと思考していた俺の視界の端でどこか見覚えのある
さて、これは一体どういう風の吹き回しだろうね?