緋弾のアリア〜蕾姫と水君〜   作:乃亞

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どうも乃亞です!
色々してたら何日か日付を飛び越えていた罠()
ご先祖様は大事にしましょ!
それではどうぞ!


第24話

放課後、俺と(その辺にいたから助手(アシステント)として連れてきた)キンジと不知火は綴先生のご厚意に甘えて男子プールを貸し切りにしていた。

「なぁ、明智。いきなり手伝えって言われてここ(男子プール)まで来たが何するつもりだ?」

「うん、それは僕も聞きたかったな。何を手伝うのかはっきりしないとできないしね」

面倒くさそうな声を出しつつのキンジに困惑している不知火に俺はこれからすることの説明をする。

「キンジには中学の時に俺が超能力(ステルス)持ちだと説明したよな。」

「信じてないけどな」

「今回はそれの応用で出来そうなことを実験的にやろうと思ってる。お前らにはなんか物をプールの中に入れて隠して欲しいんだ」

そう、俺がやりたいのは水中での感知。空気中での感知はすでに何度かやってるし、これもアイディアとしてはあった。ぶっつけ本番でやるものじゃないし試す機会がなかったからやってなかったけどな。んでもってこの機会。やらずに逃すのは惜しいってもんだ。キンジはまぁ、仕方ない。あいつは超能力とか魔女とか信じてないからな。

「とりあえずわかったよ。んで僕たちは何を隠せばいいのかな?」不知火は物分かりがいいのか人付き合いのいいのか評価が分かれるところだがありがたいな。

「そうだな、それも感知する対象にするから耐水性のあるもんならなんでもいいさ。ケータイとか落として弁償とか言うなよ?いやマジで」

冗談半分でそういうと2人ともくすっと笑ってくれた。よかった。

 

 

「こっちはちゃんと目隠しつけたぞ、キンジの確認も済んだ。一旦プールを離れるからその間にプールの水の中に隠してくれい」そう言い残しプールの室外へと出る。さてうまくいくかな?

2.3分経つと誰かがプールの部屋の扉を開いた。だれかなー?

「おい、明智。こっちは出来たぞ、ついてこい」そう言ったのはキンジで間違いないな、不知火が変声術を使って面白がるのはあんまり考えられないしな。

キンジに連れられプールの縁に着く。そして俺はプールに片手を突っ込み、能力を使ってみる。

 

……!!なるほど、ソナーみたいに水の部分と水じゃない部分が個別に判断できるような感じか。

「キンジ、まず今俺が触ってるのは1レーン側だよな?」

「あぁ、それがどうした?」

「いやね、ちょっとした確認さ。じゃあ5レーンの中央にバタフライナイフか…?が1つ。2レーンのここから見て最奥に…うーんこれは消しゴムかな、が1つ。6レーンの18メートル付近に抜き身のナイフ2本。それで7レーンの水上にお菓子かなんかの袋が1つ。それで…痛っ!ちょっと休憩だ、能力の負荷がすごいな…これは」そこまで一気に言うとそばにいたであろうキンジを避けつつ寝そべる。結構鮮明な何があるか把握できるな、今来ている頭痛は少しずつこれを使って使い方に慣れつつ効果時間を増やしていけばいい。

そんなことを思っていると上からキンジがポツリ。

「すげぇ、今言ったところは全部あってるぞ。お菓子というかパンの袋だけどな。あと何個か言うか?」

「いや、いらん。あともうそんなに数は多くないし残りが銃弾なのもわかってる。大きさまではまだ特定しきれてないけどな」そう言ってると遠くから不知火から声がかかった。

「いやぁ超能力ってあんまり見ないけどすごいね。どうやって判断してるんだい?」

結構難しい質問だな。ソナーみたいといえばそうなんだがもっとわかりやすい例えを見つけたぞ。

「そうだな、不知火は味噌汁とかにアサリが入ってるの飲むか?」

「え?うんまぁ飲むけどそれがなんの関係があるんだい?」

「まぁ焦んなさんな、簡単な話だ。そのアサリに砂が入ってると独特の感覚があるだろ?ジャリって感じの。それに感覚的には近いかな、んでその違和感がしたものの形をソナーみたいにして捉える。こんな感じで今はやってるぜ。まぁ、初めての使い方だから疲れがどっとキてるけどな」

そういうと不知火はへぇ、と感心した雰囲気を出してる。さて、最後の特定をしますか。

 

 

結局残った全ての銃弾の大きさを特定し、片付けてプール室を出ると丁度20分。時間厳守は良いことだ。

「キンジと不知火、付き合わせちまったな。ありがとさん、おかげで新しい可能性を見つけられたぜ」

「お前には中学から助けてもらってるしな、気にすんな」

「あはは、でも僕も良いものが見れてよかったよ」ま、2人がそういうなら良いのかな?

「そうかい。…おっと、マサトとレキを待たせてるんだ、んじゃまたな!今度学食のパン1つくらいなら奢ってやるよ」

「一石君とレキさん?そりゃまた豪華なメンツだね、任務かい?」

「学校からの奴だ、あんまり言うなよ?キンジたちも任務があるんだってな、無事でやってこいよ!」

「おう、お前こそな」

そこまで言って俺は予約しておいた第5自習室に向け、キンジと不知火に軽く手を振りながら走り出した。

 

 

結局作戦会議(ブリーフィング)には3分だが、遅れてしまった。

「ごめんマサト、レキ!やらなきゃいけないことがあって遅れちまった!」

そう謝るとマサトとレキはそれぞれ

「武偵は時間厳守だぞ!って蘭豹先生なら怒ったかもな、俺は全然怒ってないから心配すんなよ。命に関わるって問題じゃないしな」

「大丈夫です」と許してくれた。マサトは肝心な所で足引っ張るなよ、って言外に含んでるかもしれないけどな。

 

「よし、じゃあ始めるか。任務達成(クエストクリア)の条件は横浜の中華系の華龍組の足取りを掴み、必要ならば逮捕。だが…どこまでやるべきと取る?」俺が切り込むとマサトがそれに反応した。

「どこまで…っていうと?」

「取り引きした奴らのみの逮捕。あるいは華龍組の壊滅。さらには相手の…おそらく中国のマフィアだろうが、殲滅。どこまでを教務科(マスターズ)は要求している?そこを俺たちの間だけでも明確化して撤退のタイミングとかをハッキリさせよう」そこまでいうとマサトはうーん、、、と悩み顔。ちなみにレキは聞いてんだか聞いてないんだかわからんがぼーっとしている。あれはおまかせ、ってとって良いのだろう。

「中国のマフィアを殲滅までは流石に俺たちでは手が回らないと思う。だけど華龍組の壊滅は()()()()()()()()()()()()手が回るんじゃないか?」

 

マサトの言い分はまぁ、わからなくはない。中国まで手を伸ばしてしまうと本当に世界規模なデッカい、俺たちが対処しきれない奴らが出てくる可能性がある。そこまでは要求していないし、させないだろう。といったことか。というか1つ、今の発言で気がかりな所があるな。

 

「『()()()()()()()()()』?取り引きしていない可能性もある、そう捉えてるのかマサトは?」

「そうだな、まだハッキリとしていない情報だから曖昧な表現をしたが、取り引きしてない可能性もある、程度に捉えてくれればいい」

うーん、俺としては教務科からの任務だし取り引きはしているって前提で話したかったんだがなぁ。マサトがそこから疑ってるならそこから調べてみるか。

「そうだな、じゃあそこから事実確認をしてみるか。幸い、華龍組の本拠地は割れてる。横浜中華街の近くだ。俺とマサトでそこ周辺を調査しようか。そんでレキは鷹の目だな、自分で監視に適した場所を見つけて華龍組の動向を出来うる限りでいいから伝えてくれ」

「そうだな、それがいいだろう。明智、レキ、よろしく頼むぜ」

「わかりました。零司さんにマサトさん、よろしくお願いします」

「おう、こちらこそ頼むぜマサト、レキ!…ちなみにだがお前ら、特にレキだ、視力はおいくつで?」

「俺は両目3.0だな、十分だろ」

「私は左右共に6.0です」

「いやおめーらすげえな!……俺も両目4.2なのに普通に感じるぞ」

なんか自慢の1つがそんな大したことじゃないって辛いな。

そんなこんなで俺とレキとマサト、キンジが加われば学年最強の4人の内3人の作戦は開始を告げたのであった。




零司君強化回。
またか!と思う人もいるかもしれませんが、必要なことだったり。

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