突然ですが、エアコンの使いすぎには注意しましょう!(喉やった人約1名)
原作開始までどんだけかかるんでしょうね?書いてる本人も分かんないです…
そして今回めちゃくちゃ長くなってしまった…
それではどうぞ!
【追記】8/3 ミスを修正しました。
お昼ごはんを食べ終え、レキと別れた俺はガンシューティングの練習兼新しくなった.44オートマグの練習の為に仕方なく強襲科棟に来ていた。
仕方なくというのも…
「おう自由履修か明智!早く殺されろ!」だの、
「拳銃の腕をかわれたんだってな、死ね!」だの、
「今日は明智も来たのか!じゃあ死ね!」だの入ってきた途端、これである。
武偵高随一の血の気の多さで有名な『明日なき学科』の異名は伊達じゃないな。てか
何やら不穏な言葉に身を震わせつつ、俺は奥の方の射撃レーンに立つ。
そして.44オートマグとベレッタPx4ストームを同時に構え、5発ずつ撃つ!!
ダンッ!ダンッ!ビシッ、ビシッ!狙い通り初弾2つは的の手の拳銃を持つ位置、右肩甲骨付近に命中し、残りの4弾ずつは当たった穴を掠るように上下右左と命中し、結果として花の形に近い形状を作る。
うーん、こんなもんかな。周りの驚嘆の声に耳を貸さずに俺は考えていた。ダブルカラムで重くなった.44オートマグの扱いも悪くない。そう思っていたら後ろから声をかけられた。
「お、明智君じゃないか。久しぶりだな」
振り返ると長髪で黒を基調とした服を着たどこかキンジと似た面影があるイケメンが立っていた。彼の名は遠山金一、つまり俺がガンシューティング代表に選ばれることになってしまった原因の人である。でもやっぱイケメンだよな、この人。
この人とあったのは中1の時だったか、キンジの家に遊びに行ったらこの人がいたんだよな。次にあったのは中3の時、フランスでたまたま依頼が一緒のもので協力した。キンジ曰く難しい依頼をおにぎり一つを報酬で単身で解決する正義の味方の体現者。俺もこの人の銃技を見てその正確さに息を呑んだのを覚えている。
…ん?だが、今のこの人の雰囲気は
とりあえず聞きたいことはいくつかある。
「あれ、金一さん!海外を飛び回っていて忙しいと聞いていましたがどうしてここにいるんですか?お陰で俺がアドシアードのガンシューティング代表になっちまったんですよ!?」
当然の疑問を軽くなじるように問いかけると金一さんは一瞬眉を寄せたかと思うと少し、ほんのすこーし申し訳ないという目をしてこう言った。
「今日は本当にたまたま、こっちによる用事があったから来たんだ。アドシアードの件は悪かったな。でもお前なら他の学校のトップたちとでも引けを取らんだろう?」
「うーん、さすがにそれは厳しいですよ。……あと中3の時、キンジの助けになってやれず申し訳ありませんでした。キンジの奴にはもう会いましたか?」
お世辞だとしても人というのは褒められると嬉しいものである。
それはそうと俺は金一さんに借りがある。俺は中3の時困っているキンジを助けられなかった。これは間違いない事実だ。そう思い、素直に謝る。
「いや、遠山の血筋ならあれくらいのことはある。それにあれは女心を考えないキンジにも非がある。明智君が気にすることは無いよ」
金一さんはどうやら気にも留めて無い様子。この兄さん弟に厳しくないか??前にキンジのことを俺にこっそり『あいつは遠山の血筋でも特に秀でたものを持っているからな』とか言ってたけど期待の裏返し、強すぎるよな。
などと与太話をしていたら周りがめっちゃ騒いでる。そりゃ強襲科の伝説のような人物と今おそらく最もホットな奴が喋っていて、それも面識ある感じだと騒ぐかもな。俺も騒ぐ。キンジは…どうだろうな?
しかしここで俺に不幸が襲いかかる。強襲科担当の蘭豹先生が聞きつけてこっちに来たのだ。
蘭豹先生は香港のマフィアの愛娘で愛銃は
「おうおう、なんや騒いでるから来てみたら明智と遠山兄やんけ!お前ら強襲科の手本として戦えや!ほらさっさとせんかい!」
ほーらこんな感じにめちゃくちゃな事を…ってえっ?俺探偵科だよ先生??てか金一さんと同い年だよね貴女?
「面白い、明智君の実力を見たいと思っていた所でした。俺は受けましょう」
あー金一さん、ダメです!その答えはいけませんよ!!俺瞬殺ですって!!ほらもう周りの
「あ、あのー蘭豹先生?俺探偵「なんや?文句あるんか?」t…すいませんでしたっ!!」
こっわ!!なにあれマジもんの豹みたいな威圧、戦力差とか関係ねぇ、殺されるわあんなん!金一さんに殺されるか蘭豹先生に殺されるかの違いしかねぇ!!…どうしよう…今日が命日かもなぁ、俺。
という事で俺は(仕方なく、ほんっとうに仕方なく)金一さんと強襲科棟にある
でもまぁ、死ぬ前にできる事はある。どのくらい戦えるのか、試してみよう。てかその位の意気でやらなきゃどうしようもない。ヤケクソという奴だ。
俺は金一さんにバレないよう、水の超能力を使って闘技場の湿度を調べる。…約52%か。そんくらいあればなんとか使えるかな。
「臨時戦闘訓練、明智対遠山兄!始めィ!」
思っていると蘭豹先生がそう嬉しそうに言って象殺しを号砲代わりにぶっ放した。怖えなぁ、やっぱりあの人は。
しかし蘭豹先生は
ビシッ!!
呑気に考えていた俺を隙があると見たのか金一さんが俺を撃った。しかし
そして俺の右肩のあたりからパァン!という音が弾けたが少しよろける程度でダメージはほぼない。当然だ。俺は超能力を使って水の膜を作り上げ、衝撃を和らげたのだから。金一さんには俺が超能力持ちだと教えてないからこそできる芸当といえばそこまでだが…
「…どうやったんだ?」
「…うーん?どうやったんですかね?」
金一さんは当然不思議そうに聞いてくる。俺は当然しらばっくれる、本当にわからないという演技付きで。タネを教える手品なんてないだろ?
「すいませんね、こっから俺も本気出すんで…ッ!」
なんてブラフを張りつつあちこちに銃弾をばら撒き、跳弾で金一さんを狙いつつ何発か直接狙う。
1発は貰ってくれないかなぁという甘い期待を込めた弾はキキキキィンッ!という音を立て全て外れた。いや外れたのではない。全て金一さんの銃撃で弾かれたのだ。その気になればその跳弾で俺を狙えただろうに、狙わなかったのは何か他に狙いがあるんかね?
まぁ仕方ない、銃じゃ勝てんだろうし小太刀で行くしかないか。そう切り替え、俺は銃を仕舞いつつ金一さんに小太刀を抜きながら駆け出した。その時に金一さんの視覚を奪う狙いで砂を巻き上げ背後を取るッ!これでどうだッ!?
しかし金一さんは慌てなかった。
「へぇ、狙いは素晴らしいな。流石明智家の子孫、状況判断は素晴らしいものがある」
そう言って長髪を揺らして俺に当てた。ガツッ!!
えっ、と思う間もなくそれだけで俺はかなり吹っ飛び壁に激突した。水の膜も間に合わなかった。そうだ、そういえば金一さんは長髪の中に金属の暗器を隠してたんだな。中3の時にコッソリ観たから覚えてる、覚えてたのに反射的に動いてしまった…。
クソッ…。そこまで考えた俺は意識を手放した。
俺が次に目覚めた時、目にしたのは見覚えのない白天井とキンジと不知火、そして金一さんだった。
「ウッ…ここはどこだ…?」
そう周りを見つつ尋ねた俺に金一さんが代表して答えた。
「ここは
…そうか。失神して運ばれたのか。そういえば金一さんは国際医療免許的なものを持ってたんだっけ。
「明智君があそこまでボコボコにやられたのは初めて見たな。同じ人間だったんだね」
「同じも何も人間だよ俺は!なんだよそういう目で見てたのか!?」
不知火は俺が目覚めたのを見てそういうが、ちょっと待てや!ツッコむと不知火は苦笑い。いやホントなんでだよ。
「キンジもまさかそう思って…?」
「頭良すぎるところとか色々凄いけどギリギリ人間だろ」
キンジの方を向くとキンジはこちらを向かずにポツリ。なっ、失礼な!
「お前ら後で覚えとけよ…」
「「冗談だ(よ)」」
そう恨みを込めた目で見ると2人は息ぴったりに一言返すのであった。お前ら喧しいわ、ホンマ!
…切り替えよう。それにしても…2.3点確認しなきゃいけないことがあるな。そしてこの話は不知火とキンジは決して聞かせてはならない。なぜかって?これから聞くことをキンジが知ったら何しでかすか分からないし、
「まぁ、良いや。時にキンジと不知火よ、俺は今週のジ○ンプが楽しみだったんだがこんなことになって買いに行けなくなっちまったわ!つーわけでジ○ンプとなんかお菓子買ってきてくれないか?金は俺が出す、余った分は2人で分けていいからさ」
そういうとキンジと不知火は不肖不肖といった感じで買いに行ってくれた。金一さんは…俺の雰囲気に気付いたみたいだな。さぁ、こっからが聞きたいことだ。
「すいませんね金一さん。ちょっと不知火とキンジに捌けて貰ったのは2.3点聞きたいことがあるからなんです」
「なんだ?答えられる範囲ならいくらでもいいぞ?」
そう切り込むと金一さんはやっぱり気づいていて、そう聞いてきた。まずは軽いジャブから。
「まず最初、金一さんの銃撃はコルトSAA、ピースメーカーを使った
そう聞くと金一さんは目を見開いて感心したように答えてくれた。
「よくわかったな。
「いえ、髪の方は中3の時にコッソリと…見させていただきました。カナさんの時に」
…にしてもこんなの曲芸の域だろ、流石遠山一族。やること為すこととんでもない。さて、ここからが本番。
「んじゃ次です。金一さん、貴方は本当に海外に任務で赴くのでしょうがこっちに来た本当の理由は最後…あるいは最期かな?ともかくキンジに会うため。つまり貴方は自分が死ぬ、もしくは陽の目を見て歩けなくなることを予見し、最後に弟に顔を合わせに来たのではありませんか?巨悪を相討ち覚悟で討つ、その前に」
そう尋ねると今度は金一さんの顔が驚愕に染まった。完全無欠そうに見えても驚く時はあるんだな。
申し訳ないが、ぐいぐい行かせてもらうぞ。
「いつから気づいていた?そんな気配は微塵も出してなかったはずなのに…?」
「いや簡単ですよ。まずはそのオーラ。気配を出していないというのはありえませんよ。以前金一さんが教えてくれたじゃないですか、人は歩く姿や佇まいから情報を発信しているって。ともかく、前の貴方なら犠牲をゼロに、犯人すらも救うという意識で戦っていましたよね?今の貴方は違う。多少の犠牲を払ってでも巨悪を討つ。そういったオーラです。次に、ただキンジに会うために来たのならなぜ
そこまで一気に言うと金一さんは唖然とした様子で答えた。
「凄いな…ここまで当てられるとは思わなかった。流石探偵科のSランクだ。確かに俺はこれからとある巨悪の組織を追って、潰しに行く。簡単に死ぬつもりは無いが、敵が敵なだけにもしもの可能性も十二分にある。次に会えるのがいつになるかわからないからキンジに伝えたいことを伝えに来たのだが…まさかここまで見抜かれるとは思わなかったよ。あとこのことは決して外には漏らさないでくれ。もし漏らしたら明智君の戸籍から何から全て消される可能性があるからな、気をつけてくれ。あとここからはキンジの兄としてのお願いだ。もしも俺が死んだら、あいつはおそらく塞ぎ込んで鬱になるだろう。その時は明智君が支えてやってくれ。君ならキンジを立ち直らせることができるはずだ。だからその時は…頼むよ?」
俺をここまでコテンパンにした金一さんがそういうのだ、相手は世界規模の巨悪だろう。もしかすると、ローズリリィに繋がる……いけない。それ以上は考えてしまうと金一さんの願いとは別に動いてしまう。それは、してはならない。俺を認めて頼んでくれているのに、その期待を裏切ってはならない。
もし金一さんが死んだら、彼に崇拝に近い憧れを持つキンジの事だ。それこそ部屋から出なくなるのは普通にあり得る。そこまで考えて俺はこう答えた。
「そうならないことを祈ってますが、もしそうなったらキンジの助けにはなります。俺はキンジの性格的に判断するとそんなことになるとおそらく武偵をやめると言いだすと思ってますが、それは止めません。なぜならそれは俺が決めることではなく、彼が決めることだから。それでよければ、力になれます。」
そう言うと金一さんは安心したのか、
「すまない、頼むよ」と答えたのであった。
そしてそのあとは帰ってきたキンジと不知火と共にお菓子を食べ、1日泊まる俺はキンジたちが帰るのを見送ったのであった。