緋弾のアリア〜蕾姫と水君〜   作:乃亞

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どうも乃亞です!書き方が安定しないのが悩み…
そんな中総合UAが5000を超えちゃいました!嬉しいと同時に自分の力不足も否めない今日この頃…
さて、どうしたものかなぁ…
それではどうぞ!


第15話

噂というのは怖いもので、高天原先生に代表入りを(半強制的に)告げられた次の日にはほぼ全校に1年で2人選出されたということが伝えられた。上級生を圧倒した、とか10分で壊滅させた、とかどっから出てきたのかわからない尾ひれ付きで。全く、話を盛ったやつは誰だってんだ?鬱陶しいったらありゃしない。

 

その噂を処理したり、本当に代表になる実力があるのかと疑ってきた上級生を適当にいなしたりしているとアッと言う間に昼休み。つまりまとまった休み時間である。

 

「「「明智ィッ(様ぁ)!!」」」

 

はい、案の定追われてます。昼ご飯も食べてないのに元気なこって。てか一部の様付きで呼んでるやつ、誰だよマジで意味わかんねーよ!!あーもうなんなんだよ!

当然だがほとんどの武偵高の生徒はいつ犯罪者とあって戦闘になっても良いように体を鍛え、武装をしている。要ははすぐにへばる人々ではないのだ。

 

あーもう、ほんっとになんなんだろうな、こいつら。一応この危機(?)を切り抜ける策は、ある。まだ構想段階で止まってるから使いたくは無かったがこれがうまくいけば確実にこいつらを撒ける。つーか入学式の時も思ったがなんでなんの犯罪も犯してない俺が逃げ回らなきゃいけないんだよ!!

 

そう思いつつ仕方なくイメージするのは自分の容姿。1発勝負だから細心の注意を払わなければ…!これだ!準備が完了した俺は廊下の角で追っ手の視線を一度振り切り、水の超能力を使い自分にほぼそっくりな人形を作り出す。そしてそのまま人形とは別の方向に走り去る。人形は3回角を曲がると蒸発するよう仕掛けた。これで俺を見失うという寸法だが…さぁどうだ?

 

「あっちだ!追え!」

「「うおおお!!!」」

 

そう言いつつ暴徒どもは無事に水人形の方へ。よかった…なんとか撒けた。さて、これからどこで昼を食べようか?食堂とか教室に行くのは自殺行為だし…となると入学式の時に食った屋上がやっぱり安心かな?

 

 

はいついに来ました屋上。入学式から何度か来てるけど昼寝するのに最高だし、誰も来ないから静かだしビバ静寂って感じだ。

 

「さぁーってと、やっと飯が食えるぜ」

 

そう言って弁当箱を開けると、奥の方からなぜかレキがチラッとこちらを見てまたいつものぽけーっとした顔に戻った。てかいたのか。まぁこいつは何も基本的に言ってこないから楽だが。

 

「おいレキさんや、飯食ったか?食ってないなら一緒に食うか?」

こいつもアドシアードの選手に選出されてるしな。

 

「はい」

そう言ってレキはのそのそとこちらに来てカロリーメイトを食べ始めた。この前もそんなん食ってたな、お前。レーションに近くて栄養採れるからか?

でもまぁなんかかわいそうな気がするし、また少し分けるか。

 

「なぁ、少しなら分けるぞ?カロリーメイトばっかだと飽きるっしょ?」

「いつもこれなので」

 

レキはそう答えるとカロリーメイトをぱくり。なんの感傷もなく口に入れた。

 

「そうかい、じゃあいらん「ですが」k…おうなんだい?」

 

いらないのかなと思って確認しようとしていたらレキの否定の声。珍しい。

 

「零司さんの作るご飯は好きなのでくれるのであればください」

 

あぁ、四対四戦の時にも飯食わせてたな。それで気に入ってくれたなら何よりだ。

 

「…素直に言ってくれりゃあサッとあげるのに。ほれ、どうぞ。アレルギーとかなかったよな?」

 

今日のお昼ご飯はエビピラフだ。一応エビ類のアレルギーとか持たれていると困るので確認を取るとレキは首を縦にふった。

 

「はい、アレルギーは持っていません。」

 

そう言って予備用のスプーンを取って食べ始めた。

にしても…やっぱり綺麗だよな、この子。精巧なお人形さんみたいだ。ご飯食ってる時とか小動物のそれだし。

 

なんて考えてたら「零司さん」呼びかけられた。

てかいつから零司さん呼びになったんだろうな?

 

「おう、どした?」

 

俺がそう答えると、珍しく一瞬逡巡した後にこう告げた。

 

「なぜ、ガンシューティング代表を受けたんですか?あなたには受けないという選択肢もあった。受けなければ今みたいに学校中で追われることもなかった。それなのになぜ受けたんですか?」

 

本当に珍しいことがあるもんだ。他人に関心がないかと思ってたらこんなことを言うなんて。まぁ、俺も一応理由は、ある。

 

「俺さ、もう7年くらい前なのかな。妹を犯罪者に攫われてさ。知ってるか、怪人ローズリリィ。あいつにさ。その時何にも出来なかったんだ。妹を守りきれず、それどころか自分も死の淵に立たされたんだよね。妹の生死も不明だしローズリリィの奴もどこにいるかわからないと来たもんだ。ならさ、俺が、残された俺が出来ることっていうのは多分俺自身の力不足を少しでも解消し怪人ローズリリィを捕まえる。妹が生きているなら場所を聞き出して救い出す。そのための階段なら何段登っても良いんだ。自分の命に代えても奴を終わらせて妹、千花を助けられるように頑張る。ガンシューティングなんて言い方をするけど要は自分の拳銃をどのくらい扱えるかって事に焦点はある。ならその階段を乗り越えないとローズリリィには遠く及ばないんじゃないかなって思って…何言ってんのかわかんなくなってきたけど、要は自分に必要だと判断したからやる。これに尽きるな。」

 

いつの間にか手を固く結び声を震わせていた。ローズリリィだけは絶対に許さない。滅ぼす。これが俺の生きる理由で、言い方を変えるなら宿業といっても差し支えないものなのだ。

 

「ごめんな、レキ。変な話しちまって。忘れてくれ、飯の時にする話じゃなかった」

「忘れませんよ。風もあなたの言ってる事に嘘はないと言っています。」

 

相変わらずの風発言に忘れません宣言か…

だがなんでだろうな?こういう時の沈黙の空気って重いもんだろ?でもさ、その言葉とその後の沈黙は俺は嫌いじゃなかった。

 

 

〜〜レキSide〜〜

明智零司さん。この人は不思議だ。ロボットレキ、と呼ばれる私にいつも普通に話しかけてきたり食事を分けてくれたりする。食事ならカロリーメイトで栄養は採れているし何の不満もない。だけどこの人と話してる時は何か温かい気がするしこの人と食べる食事は何かが違う。

 

何が違うのかはわからないけど何かが違う。

 

一体どういうことなのだろう。

風。私の中にいつもいる風。だけどその風はこのことについて何も答えない。どういうことなのだろう。

 


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