緋弾のアリア〜蕾姫と水君〜   作:乃亞

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どうも乃亞です!
今回で第一章は幕引きです!…幕引きの回が主人公空気ってどうなんだろうか
それではどうぞ!


第13話

四対四戦を無事終わった2日後、俺はいつものように早朝トレーニングを終えて食事をしていた。今日の朝食はパンとマーガリン、生ハムという洋風スタイルである。その時携帯から松方弘樹の『華のうちに』が流れた。これはキンジのご先祖様の時代劇の音楽からとったものでこれが流れるということは相手はキンジで間違いない。にしても珍しいな、こんな朝から。

 

「はいよ、どうしたキンジよ?こんな朝から」

『あぁ、明智はやっぱり朝早いよな。今日決闘の日だよな?どこでやるとか聞いてないか?』

 

……あぁ、そんなことあったな。つーか本人同士で話せし俺が知ってるわけないだろ。

そう伝えるとキンジは、

 

『…だよな、後で直接聞くよ。んで頼みなんだが、壁役を何人か連れてきてくれないか?俺はあんまり人望ないし』

 

なるほど、そっちがメインか。なら少し揺さぶりをかけるか。

 

「俺がいつから決闘を見に行くと勘違いしていた?」

 

『なん…だと…』

おっ、なんか知らんが乗ってきたな。

 

「まぁ行くんだけどな」

 

『オイ』うん、キンジはやはり面白いなぁ!

 

「まぁまぁ、んで何人か連れてくりゃいいんでしょ?それくらいならやるよ」

『あぁ、頼む。恩にきるぜ、明智』

「おう、プリンおごれよ」

『…報酬とんのかよ、わかったよ』

 

報酬を提示すると、キンジは仕方なさそうに返すのであった。

 

 

「ふぁ〜〜、授業簡単すぎるだろ。さすがに眠くもなるぞ」

 

四限目の教師が教える気のない世界史を終え、俺は弁当を取り出しながらそうごちると斜め前の席の強襲科の小林が振り返った。

 

「俺全然わかんなかったんだが、やっぱり明智ってすげぇんだな!」

 

えっ…いやさすがに十字軍とかそこら辺のくだりは知ってるだろ…

あっ、そんなこと言ってる場合じゃなかったな。

 

「時に小林よ、放課後暇か?どうやらキンジと車輌科(ロジ)の武藤が決闘するらしいぞ〜?幇助者無しのランバージャックだとさ、壁役募集してるみたいだから他のやつらも誘って奮ってご参加ください、って奴だな」

 

よし、強襲科で一目置かれてるキンジと車輌科の期待のホープ(らしい)武藤が戦うとなれば噂好きの武偵高だ、あっという間に伝わるだろうな。

 

「マジか!これはみんなに伝えなくては!!」

 

案の定小林はそう言って飛び出したし。これで30人くらいは集まるんじゃないかな?

 

時間は一気に進んで放課後、あまりの光景にさすがに絶句した。と言うのも面白がって来た生徒の人数、延べ50人。中には上級生も混じってやがる…!!そしてここにいなくても狙撃科の生徒だろうか、スコープ越しに見てる気配がある。

やりすぎたかな?当事者のキンジと武藤もすごい困惑してるな…

 

「おーい、キンジ!やりすぎちゃった!テヘッ」

「テヘッじゃねぇよ、上級生もいるじゃねぇか!」

 

そうわざとらしく謝るとキンジはツッコミを返してきた。うん、至極まっとうな評価だね。

 

「ま、思う存分やってくれ。一応ほぼ全員普通に返してくれるはずだから」

 

そう言うとキンジは深ぁーいため息をつくのであった。

 

そのあと2時間くらいの間ずっと2人は戦っていたが、ただの取っ組み合いになり始めた頃から周りは白けはじめ、結局残っていたのは不知火とか理子とかと言ったメンツだけだったらしい。俺?飯の準備しにさっさと帰ってベランダで見てたぜ。後でことの顛末をキンジに聞くと武藤とマブダチになった、という旨の返答。いや、なんでそうなるんだよ!てかマブダチって結構古い言葉だよな…

 

そんなこんなで4月はあっという間に過ぎて5月、アドシアードが近づいてきた。まさか、あんなことになるなんて俺は思いもしなかったんだけどな。


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